カラダ探し in (偽)虎杖 作:カラダ探し怖すぎ
※ 明日花視点です。
「え〜っとぉ、悠仁くんっ! 皆んなでカラオケ行くことになったんだけど、悠仁くんも行かない?」
春。
陽気な日差しが私たちを温かく包み、桜が出迎えてくる今日、私は高校生になった。
クラスメイトは優しくて、高校でもやっていけるか少し心配だった私の心はすぐに解けた。
ガイダンスを終え、通常よりも早く学校が終わると、委員長に立候補しそうな見た目の1人のクラスメイトが「皆んなでカラオケに行こう」と言い、ほぼ全員が賛成した。
そんな中、1人ガイダンス中に机に突っ伏して寝ている男子がいた。その男子に、親しみやすそうな女子が声をかけた。
これは断りにくいだろうな、行きたくなかったらちょっと可哀想かも……。
「面倒くせぇ。俺はパス」
何の躊躇もなかった。
自分の誘いが断られるとは思ってなかった女子は、ぼうっとしていた。
その間に男子―――虎杖悠仁くんは教室を去った。
その後、あえなく断られた女子は泣き始めた。確かに初対面で、しかも高校生になって浮き足立つだろう日にあの断り方をされると怖いだろうし、泣いちゃうのもわかる。
悠仁くんの第一印象は、結構悪かった。
▼
悠仁くんは無愛想だ。
「なぁ悠仁ぃ、お前なんでいつも体育の時間にジャージ着るんだよー? もう6月だし暑くね?」
「なんかお前に関係あんの? 着るのも着ないのも、俺の自由だろ」
こんな風に、会話が長続きしない。人見知りとか、そういうわけでもないようだけど。
本人が、なんていうか無駄を嫌っているように私には思えた。特に、一年生のこの頃は。
それが変わったのは、一年生の夏休みが終わった頃だろうか。
「あ〜……悠仁はさ、夏休み何してた?」
「……家にいたな。やる事なかったし、ゲームしてた」
「おっ、マジ!? どんなゲームやってた?」
「モンスターを狩るゲームとか」
夏休み前は、1秒でも時間が惜しいとばかりに会話も長続きしなかったけど、休みが開けるとそれがなくなった。
なんか、傍から見ていると『燃え尽き症候群』みたいだった。ちょっと違うかな?
よく分からないけど、目標がなくなって、道に迷っている『迷子』のような印象を私は受けた。
私と同じような答えを出す人もいて、それについて聞く人もいたけど。
「別に、なんでもねぇよ」
と、なんでもないの一点張りだった。
こんな風に第一印象は悪かったけど、一年生が終わる頃には『無愛想だけど、話せば良い奴』という印象に変わっていた。恐らく、それはクラスメイト皆んなが。
▼
「ねぇ明日香、私のカラダ探して」
「え?」
不気味な表情をした友達の遥が、私に謎の言葉を残して去った。
友達にいう言葉じゃないけど……私は、さっきの遥が怖かった。
「明日香ぁ、遥に『カラダ探して』って言われたぁ。怖いよぉ!」
友達の理恵が、涙ぐみながら私の席に来た。どうやら、理恵も遥に頼まれたらしい。
私と理恵以外にも、高広、瑠美子、翔太、健治が『カラダ探し』を頼まれた。
それが怪談話だと思い出して、私は怖くなった。あの遥の表情も相まって、本当なのではと思ってしまった。
「タチの悪い悪戯だろう」
「なぁ? やっぱそうだよなー翔太」
「理恵……怖がる必要ないよ。怪談なんて、現実には起きないから」
翔太、高広は嘘だと断定して、健司は珍しく饒舌になって理恵を慰めていた。
そう、だよね。『カラダ探し』なんて、起きるわけないよね?
皆んなで話していると、視界の端に遥が現れた。遥は、悠仁くんを起こして何かを言い、すぐに去った。
まさか、悠仁くんも『カラダ探し』に?
私は勇気を持って話しかけた。
「ね、ねぇ……悠仁くんさっき、遥になに言われた?」
「あぁ……『私のカラダ探して』って言われたけど」
やっぱり、悠仁くんもだったんだ。それにしても遥、一体どういう関係性で私たちを選んだんだろう?
皆んな一度は話したことあるけど、仲良しグループというわけでもないし。
ともかく、私は悠仁くんに『カラダ探し』のことについて話した。
すると、悠仁くんはため息をついた。
その表情は言葉よりも雄弁に、“うざい”と言っていた。
「……知らねぇよ。悪いけど、俺そういうの興味ないからノれねぇわ。あと……そういう他人が怖がる姿見て面白がるのは勝手だけどさ、身内だけでやれよな」
え、なんの話?
……って、え? いやいや違う!
「ち、違うの! さっきの、遥と私たちが協力して悠仁くんを騙してるとかじゃなくて、本当に遥が」
再度ため息をついた悠仁くんは、話を切り上げる。
そして帰ると言った悠二くんは、バッグを肩にかけて立ち上がる。
「え、授業は?」
「サボる。じゃあな」
ふ、不良だ……。
いや、それを言い出したら高広の方がよっぽど不良だった。悠仁くんは喧嘩とかしないだろうし。
▼
学校が終わり、家に帰宅する。
夜になって理恵とメールしていると、不意に遥の顔を思い出してしまった。
遥のあの目……生き物じゃないみたいで、正直不気味だった。
お風呂に入ったばかりなのに、身体が冷えて布団を被る。
今は誰かと、メールでもいいから話しておきたいな。
「明日香は『赤い人』がなんで赤いのか、知ってる?」
え、なんでその話をするの?
唐突に、理恵のメッセージがガラリと変わった。
怖がりな理恵は、絶対にその話をしないと思ったのに。
内心やめて欲しいと思いながら、適当に返信をする。
「血で赤いんじゃないの? ねぇ、もうこの話はやめよう?」
「当たり。『赤い人』はね――」
「八つ裂きにした生徒の返り血で、赤いんだよ」
――ッ! なんなの!?
私はやめて欲しいって言ってるじゃん!
私はすぐに電話をする。
怯えを、“怒り”に変えていつもなら出さない大声で理恵を詰る。
「理恵ッ!! なんなの、私は『赤い人』の話はやめてって言ってるじゃん!」
初めて友達に怒るという状況に箍が外れたのか、思っていた以上に大きい声が出てしまった。
はぁ、はぁ……と声を出しただけで疲れた私は、そこで気づいた。
電話からは、啜り泣く音が聞こえた。
「う……酷いよ明日香ぁ。私がやめてって言っても、『赤い人』の話やめなかったのは明日香の方だよぉ」
私は混乱した。
え、だってそっちが送ってきて。
「お、落ち着いて理恵。私はそんなメール、送ってないよ?」
「私だって、そんなの送ってないよ……。今確認して、写真送るから」
うん、と返事をして電話を切る。
メールを開き、理恵をタップする。
「無視するな」
「ッな、なんなの?」
そこには、未読メールが大量にあった。
「無視するな」
「無視するな」
「無視するな」
「無視するな」
「無視するな」
「無視するな」
「無視するな」
「無視するな」
「無視するな」
「無視するな」
「無視するな」
「無視するな」
「やっと見たな?」
「な、なんなのよこれ!」
身の危険を感じた私は、スマホを放り投げる。
ガタガタと震える身体を抱きしめて、布団を頭から被る。
おかしいおかしい、絶対ににおかしい!
理恵はあんなこと言わない!
もしかしてハッキングされたのかな? それなら明日携帯会社にいって、スマホ直して貰わなきゃ―――
―――ピピッ
▼
「え……ここ、どこ?」
0時を知らせる時計の音が聞こえると、気づけば私は外にいた。
周りを見ると、私以外にも6人いた。
「すやぁ……」
高広は……すごい。この状況ですやすや寝てる。
「ちょ、ちょっと! なによこれ、ドッキリ!?」
瑠美子はパニックになって、落ち着きなく周囲を何度も見ている。
「瑠美子、うるさいぞ。これは恐らく、昼間の『カラダ探し』が原因だろう」
翔太は冷や汗こそ流しているけど、普段通りだった。
「あ、明日香ぁ……これ、一体どういうことぉ?」
怖がりな理恵は私に近づき、抱きつく。私としても、今は誰かとくっついていた方が落ち着くのでありがたい。
理恵に私も分からないと返す。
「………」
健司は平気そう? うーん、元から感情と表情が一致しないからよくわからない。
「………」
そして最後に、悠仁くんも健司と同じ無言だった。いや、こっちはなんだか周りの様子を観察しているような印象だ。
男子は意外と平気そうだけど、私含めて女子が冷静じゃない。
……やっぱり、男子ってお化けとか平気な人が多いのかな?
「『カラダ探し』って、昼間遥に言われたやつ? あれって冗談じゃなかったの!?」
「分からない。だが、ここは深夜の学校だ。噂通りなら、ここで俺たちはカラダを探さなきゃならない」
瑠美子の疑問に、翔太は淡々と状況を整理しわかりやすく話している。
「お前らにもきたんだろ? あのメールが」
「……ッ!」
メール……ここに呼ばれる直前にきたもの。ハッキングか何かだと思ったけど、私と理恵だけじゃなかったの!?
「じ、じゃあ私たち……これから『赤い人』に見つからないように、深夜の学校でカラダを探さなきゃならないの……?」
理恵が、先ほど翔太が言ったことを再度言い直すように辿々しく話す。
それに翔太はイラつきながら「さっきからそう言ってるだろ!」と、言い返す。
「すまん、お前らがさっきから言ってる『カラダ探し』ってなんだ?」
悠仁くんが、この場で全員が理解できている――高広は理解できているか不明――『カラダ探し』について質問する。
あ、そういえば最初、悠仁くんも高広みたいに寝てたような……いつのまに起きてたんだろ?
「ふわぁ……眠ぃ。どこだよここ?」
「あ、高広起きたんだ。ここ、深夜の学校だよ」
「はぁ? 何言ってんだ明日香、夢か? とにかく帰るぞ俺は」
「え、待ってよ高広!」
しかし高広は私の静止の声を聞かず、校門の方へ1人歩いて行く。
私も高広に着いて行って帰ろうかな……。
「ねぇ明日香、理恵。私たちだけでも帰らない?」
怯えた表情の瑠美子が私と理恵に近づく。
「瑠美子……そうだよね。私も帰りたい」
「うん……私もここ怖いから、帰りたいぃ」
瑠美子はあからさまにホッと息を吐いた。1人でいたから心細かったのだろう。その気持ちは私にもわかる。
そしてその間、ずっと悠仁くんに『カラダ探し』の説明をしていた翔太の話が終わる。結論から話す翔太にしては、長文で話していたのが珍しかった。
もしかして、あの2人って仲良いのかな?
「そんな説明どうでもいいわよ! 私、帰るから。こんな不気味な場所にいたくないし」
「行こっ明日花、理恵」と瑠美子に呼ばれる。
そこに、既に帰ったと思っていた高広が戻ってきた。
「無駄だぜ、さっき俺も帰ろうとしたんだが『見えない壁』みたいなのがあって出れなかったぞ」
『見えない壁』? 高広は何を言っているんだろう。
皆んなで確認しに行くと、校門を境にして壁のようなものがあった。
瑠美子が校門を乗り上げて出ようとして『見えない壁』に阻まれ、高広が『見えない壁』を殴ってもびくともしない。
……本当に、ここで私たちカラダを探さなきゃならないのかな?
帰れると思って楽観出来ていたから、余計不安な気持ちが私の中で膨れ上がった。
「おい、どけ。俺もいく」
悠仁くんが前に出る。
何をするの? これ以上やっても無駄なのに。
「は? お前も見ただろ? 何度やっても時間の無駄だ、それよりも皆んなで『カラダ探し』について考える方が」
翔太の言う通りだ。学年で、いや学校で一番喧嘩が強い高広で壊せなかったのだ。悠仁くんが壊せるとは思えない。
ビュン! と何かが私の横を通り過ぎる。
―――ギィィィイイイイイインッ!!
そして、ビリビリと空気が揺れる。
いきなりの突風に目を閉じていた私は、恐る恐る開くと―――そこには、鉄でできた校門を破壊した悠仁くんの姿があった。
な、なんなの!? あんなに硬いものを殴って壊したの? そんなの、人間じゃ不可能でしょ!
「……物体は通るけど一般人は外に出れない。『帳』、もしくは呪霊の領域とか?」
なんの話? とばり? じゅれい? 分からない……なんなの、この人!
私が“混乱”と少しの“恐怖”で立ち尽くしていると、高広が私の前に出た。
「お、お前! 何者だ!?」
その声は震えているのに、その背中を見ていると私は少しだけ緊張が和らいだ。
高広の、いや私たちの視線に気づいた悠仁くんはこちらを見て「うー」とか「あー」と、何か悩んでいるような素ぶりを見せる。
一体、悠仁くんは何て言うんだろう。もしかして、この異常現象にも悠仁くんが関わっているとか……?
しかし、答えを聞くことはできなかった。
ガチャッ……と、生徒玄関の扉が開いたのだ。誰も開けていないはずなのに、独りでに。
それに悠仁くんは一番に反応し、その足取りは迷うことなく玄関の方へ向く。
「どうしよう、高広?」
「……訳わかんねぇけど、とりあえず悠仁に着いていくぞ」
そうしねぇと、何も分からねぇままだからな。高広はそう言って、悠仁くんの後を追う。
確かに、それは高広の言う通りかも。
このままここにいても、何も分からない。もしかしたら一生出られなくなるかもしれないし、それだったら不気味でも学校ぐらい入ってやる!
かなり
玄関を抜けると、そこは暗闇が広がる不気味な学校だった。
それも暗いだけではなく、寒い。冷えるというのは違う……もしかしたらこれが、悪寒ってやつなのかな。
「うわっ……なんか寒くない?」
「そうだね、すごく不気味だよ」
「私怖いよぉ……」
瑠美子と理恵が私に寄ってくる。私も2人と手を握るようにして、恐怖を紛らわせる。
―――ガチャッ
え! なになに!?
不意に無音の校内で、大きな音が響いて私はビクッとした。
周りを見渡すと、私たちが入ってきた生徒玄関が閉まっていた。
高広が玄関をガチャガチャとするが、鍵もかかっていないのに開くことはない。
「なんなのよもう!」
「明日香ぁぁ、私……家に帰りたいぃっ」
瑠美子はなんとか強気を保っているけど、理恵は泣き出してしまった。
そんなの、私も同じ気持ちだよ……家に帰りたい。
『“赤い人”が生徒玄関に現れました。気をつけてください』
学校のスピーカーが響く。
え……『赤い人』?
「ねぇ……生徒玄関って、ここだよね?」
「う、うん。そうだと思う」
―――ペタッ
……ッ! 今、足音がした!
―――ペタッペタッ
「あ〜かい ふ〜くをくださいな〜」
え、私たち以外の声……? それって、もしかして―――
「し〜ろいふ〜くも あかくする〜」
靴箱の横から、白い衣類に赤い染みがついた服を纏った女の子……いや、『赤い人』が現れた。
メールで言っていた。赤い人はなぜ赤いのか? それは、八つ裂きにした生徒の返り血で赤く染まるから。
私は血で赤く染まったその顔を見た……見て、しまった。
目が合う。
ニタリ、と『赤い人』は私を見て邪悪に笑った。
「〜〜〜〜ッ」
喉が震えて、私は悲鳴さえ出せなかった。口をぱくぱくとさせるだけ。
見なければよかった見なければよかったッ!
「キャハハハハハハハッ!」
子供とは思えない速度で、『赤い人』は私たちに迫る。
逃げなきゃ!
そう心では思っていても、私の脚は震えて動くことすらできなかった。
血に染まった腕を上げ、まずは一番近くにいた悠仁くんを殺そうと『赤い人』は近づき、
―――ブチュ
トマトが潰れるような音がした。
殺されたのは悠仁くん……ではなく、『赤い人』のようだった。
え……え? な、何がどうなって! えぇ!?
「ぇ……え? え?! なにさっきの! ていうかアンタ、人殺したの!?」
内心の私と同じような反応をした瑠美子が甲高い声を発する。
「俺を殺そうとしたんだ、正当防衛だろ? それに、“呪い”には何言っても無駄だろ」
この場で唯一、何も動揺していない悠仁くんはこんな時でも無表情で淡々としていた。
そ、それでも普通躊躇なく殴るかな? 私なら突然不審者が襲いかかってきても、動揺して何も抵抗できずやられる自信しかないけど……。
悠仁くんの拳は、人を殴り慣れてるように思えた。
いや、なんだかもっと強い違和感……
「“呪い”というのが何なのか分からないが、あれは仕方ない。多分、あれが『赤い人』だったはずだ」
翔太の声に、ハッとさせられる。私は悠仁くんに対して、失礼なことを考えていた。
「え、じゃあ倒しちゃったから『カラダ探し』は終わり?」
瑠美子の疑問に、「どうかな……」と翔太は小さく呟いた。
終わっていて欲しいな、と私は考える。
けれど、その考えは裏切られる。
「アアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
腰が砕ける。
ガクンと、私はその場に座り込んでしまった。
なぜ?
立たないといけない。
立って、逃げないとッ、本当に死んじゃう……!
周りを見ると、皆んな私と同じように地面に座り込んでいた。
いや、皆んなではない。
悠仁くんは立って―――拳を、構えていた。
「ァァ、アアアアアアッ!」
そこに、超速の『赤い人』が迫り、もう一度腕を振るう。
それだけで、悠仁くんは吹き飛んだ。ガシャガシャと、靴箱をいくつも吹き飛ばして壁に激突した。
―――絶望だった。
さっきまで悠仁くん越しに見ていた黒いモヤが立つ『赤い人』は、今は1人、私たちの前にいる。
先ほどまで浮かべていた笑顔はなく、垣間見える表情には“怒り”が宿っていた。
―――そして、惨殺だった。
まず、翔太が首を刎ねられた。
「あぎっ」
短い断末魔と共に、その遺体は玄関にぶつかった。
次に高広が、震える脚で立ち上がり『赤い人』に殴りかかり、腕を飛ばされた。
「あ?」
そして、頭が左右に裂けた。
次に、私。
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないッ!!
……え?
気づけば、私の下半身は無くなっていた。
あぁぁ、死ぬって……こんな感じなんだ。
死にたく……ないなぁ。
「あははははははははははッ!!」
―――嗤い声がした。
まだギリギリ意識があった私は、視界に映ったソレを見る。
悪魔……いいえ、それは初めて見る、悠仁くんの笑顔だった。
なんで…‥笑ってるの?
まるで……………
そのまま私は、“死”への恐怖ではなく、“悠仁くん”への恐怖で震えながら死んだ。
カラダ探しって、原作小説とかマンガとか映画とかで、登場人物の性格とか生い立ちが全然違うんですね。並行世界ってやつ?
拙作の明日花は、原作小説に準じて普通の少女という設定にしています。そんな普通の少女から見れば、たとえ『赤い人』でも人間の形をしているから普通は殴れないですよね。自分も殴れないでしょう、多分怖すぎて失神します。
次回は(偽)虎杖視点に戻して3日目です!