カラダ探し in (偽)虎杖 作:カラダ探し怖すぎ
今まで自分はやってはならない過ちを犯していました。
明日香、健司の名前を誤字ってました!
×明日花
〇明日香
×健治
〇健司
すみませんッでしたァァァ!!!
誤字報告してくたさった方、本当にありがとうございます。
下から本編です。
不審
目を覚ますと、そこは見慣れた自室の天井だった。
ベットから起床し、鏡の前に行く。
焼け爛れた痕は……ないな。
そして『昨日』と同じ朝食をかき込み登校する。
……あれだな、流石に何度も卵かけご飯だと美味くは感じねぇな。どうせ『昨日』に戻るんなら、ハンバーガーでも買っていくか。
いつもと違う道を通る。
そこで、偶然同じ制服の遥に会った。
「よっ、『昨日』ぶりだな〜遥」
出会い頭に、俺は遥の頬に一発拳を叩き込んだ。
ドンッと、勢いよく地面に尻餅をつく遥。
「……相変わらず、表情一つ変えねぇな。気色悪ぃ」
そんな俺に文句を垂れるわけでもなく、遥は依然色の無い瞳をこちらに向ける。
「ふぅん……昨日も思ったけど、お前って透明人間かなんかか? 周りの奴らが何にも反応しねぇんだけど?」
問いを投げかけても、遥は反応しない。
まぁいいか。それは別の手段で確かめればいい。
「おい、そこのお前」
「ぁあ? なんだよ?」
校内の問題児その2、袴田武司の頬を俺は殴る。
「ぐへっ」
綺麗な軌跡を描きながら飛び、武司はそのまま空いたゴミ箱に入っていった。
芸術点は満点だろう。
「テメェ…‥何しやがるんだ! アァンッ?!」
そのまま気絶……とはいかず、武司は立ち上がってくる。
「え! 悠仁の奴なにしてんだ!」
「ゆ、悠仁くんが人を、あの袴田くんを殴ったぁッ!?」
「武司ぃぃ!」
周りにいた
遥は無反応なのに、そっちは反応すんだな。
「はぁ……どうやら遥、お前が本当に透明人間なんだってことが証明されちまったな。それとも、影が薄いだけか?」
俺は突っかかってきた武司の鳩尾を軽く殴り大人しくさせ、遥に向き合う。
確かめたかったのは、遥が本当に『カラダ探し』をしている奴以外には見えていないのか? それとも、周りの奴がおかしくなったのか?
それを知るために遥と武司の両方を殴ったが、前者が正解だったらしい。
少なくとも、俺には周りの奴が遥に関すること以外は、正常に見える。
「じゃあ、お前には何してもいいんだろうけど……やり返す手段が思いつかねぇんだよな」
思いついたら試しに行くわー、と遥に告げうるさい周りを無視して学校に行く。
「あ……ハンバーガー買い忘れた」
▼
「……何してんの?」
遅い時間に教室に着き、明日香たちを探す。
すると健司が翔太を襟元を掴み、倒している場面に遭遇した。
あんまり感情を表に出さない健司が、あそこまで怒りを露わにするのは珍しい。
「悠仁か……あぁ、そうだ。お前も見ただろ? 俺が翔太に『赤い人』の“囮”にされたところ!」
「ああ……そういえば」
すっかり忘れていた。そういえば『昨日』翔太も、さっきの健司がやったようなことをして上手く逃げてたな。
どうでもよくて忘れてた。
「それで? どうした?」
「はぁ? どうしたってお前、翔太に殺されたから健司は怒ってんだろうが!」
翔太への怒りが爆発した高広は、俺にも八つ当たりをしてくるように詰め寄って怒鳴る。
「殺したのは『赤い人』だろ? どうせ生き返るんだし、許してやれよ」
俺の言葉を受け、その場の全員が押し黙った。
「どうしても許せねぇようなら、健司が翔太を殺してやればいい。どうせ、『明日』には生き返るんだ」
やりたいことやろうぜ、そう言って強引に話を終わらせる。
他の奴は俺に言いたい事があるようだが、何も言ってこない。あの高広でさえ、拳を握りしめて我慢している。
俺は淡々と情報交換だけ行い、教室を出た。
どうやら『昨日』、高広が校長室でカラダを見つけて、生徒玄関ホールにある棺桶のようなものにカラダを戻したらしい。
余計なことを、などとは全く考えていない。寧ろ「ありがとう」とお礼を言ったぐらいだ。
俺だって、こんなのが一年も二年も続くのは面倒なのだ。
ゲームは買ってから一ヶ月ぐらいが楽しい、それ以降は楽しく無くなるというのが俺の持論だ。
だからまぁ、『カラダ探し』も一ヶ月以内には終わらせようと考えていた。
最後の一個を残して、他は全部回収できているという状況になるのが一番嬉しい。
そうすれば、ゲームが飽きたと思えばすぐに、“俺の意思”次第で終わらせる事ができる。
完璧だ。
「ねぇ〜悠仁、もう少し遅く歩いてよー!」
……そういえば、教室を出てから何故か、瑠美子が俺に着いてきた。
つい『昨日』までは俺を恐れていた瑠美子が、急にこんな笑顔キラキラに豹変したのだ。
不審である。一体、何を企んでいるんだか。
「これからどこ行くの?」
「ホームセンターだ……着いてくんのか?」
「もちろん!」
勢いよく頷いた瑠美子は、俺の腕に抱きつく。だが、そこに期待していた膨らみはない。
「……え、なに?」
「別に」
「なんかテンション落ちた……?」
別に、テンションなんか落ちていない。
▼
「うわぁ! ホームセンターって、思ってたよりもいっぱいあるのね! 初めて来たかも」
「初めては言い過ぎだろ」
草刈り用の鎌を持ってはしゃぐ瑠美子に、軽く注意をする。全く聞いていないようだが。
「ねぇねぇ! 『赤い人』殺すならやっぱり刃物がいいんじゃない!? これとか見て、3万円する包丁だって。高ぁぁい!」
「あー、シンプルだけどいいかもな。うん、それ買うわ」
驚いたように俺を振り向く瑠美子。
「え? 悠仁ってそんなにお金持ってるの? ハッ――まさか、親の財布から盗んできたの! きゃー、不良息子じゃん」
「違ぇよ、これは朝ばったり会った遥からパクった金だ」
「それ窃盗じゃん? もっとヤバいやつ!」
ケラケラと何が楽しいのか、かなり大きな声で瑠美子は笑う。
店中の視線が集まるが、最近こういうのにはすっかり慣れてしまったので無視する。
ホームセンターで包丁だけ買い、店を出た俺たちは瑠美子の勧めでカフェに入った。
「いやー、悠仁って話してみると面白いんだね。普段は健司並に無愛想だから知らなかった」
「あっそ。こっちこそ意外だけどな。俺を怖がってたお前が、今日はどうしてそんなに受け入れるのか」
ビクッと、瑠美子の肩が浮く。
「聞いてくれる?」
女子の「聞いてくれる?」は、絶対に聞かなきゃならないらしい。
そうしないとモテないのだと前世の友達が、ドヤ顔で話していたのを覚えている。嘘か本当かは知らん。
「……聞くだけな」
「それがさー、私……『昨日』翔太に殺されたんだよね」
あー、もしかしてそういうこと?
「それで? お前は俺を利用して、翔太にでも復讐したいのか?」
「違う違う! そうじゃなくて……」
カップを持っていた俺の手に、瑠美子は自身の手を被せてくる。
「怖く……なっちゃって。誰かと一緒にいたいなって思ったら、悠仁の顔を思い出したの」
うるうると瞳に涙が溜まっているように見える瑠美子は、上目遣いで俺を見る。
……誰だ、コイツ? 俺の知ってる瑠美子とキャラが違うんだが?
お前はもっと強気で、さばさばして、ガサツな女子だろ。
「守ってほしいなんて言わない……ただ、私を悠仁の側に居させて欲しいの」
いやマジで誰ぇ??
俺までキャラ崩壊しそうだぞ。
いや違う。落ち着け、コイツは俺を利用しようとしてるだけだ。ハニートラップだ。普通に考えてそうだろ。
邪魔だから着いてくんな、そう言えばいい。
「ぁあ……!」
俺の口から出たとは思えない、甲高いソプラノボイスが発される。
は? なんで俺、緊張してんの?
「どうしたの! 大丈夫、悠仁?」
いや大丈夫だし。全然平気だし。
「だ、だだ大丈夫だし? 気にすんなよな!」
なんだか変な風に翻訳されてしまった。
ふざけんな!
今更なんで女子相手に緊張すんだよ! 前世含めて何人と付き合ってきたと……あれ?
そこで、はたと思い出した。
俺は――
俺は―――――
俺は、(前世含めて)彼女いない歴=年齢だった事を。
前世は冴えない男子高校生で恋愛とは無関係の位置におり、今世では鍛錬ばかりしてきたため恋愛をしたことがない。
何故、勘違いしていた?
何を、勘違いしていた?
俺は別にモテない。寧ろ、今世では自身が嫌われている自覚すらある。
「悠仁……顔、赤いよ?」
忘れていた、瑠美子は校内でもヤリマ◯と噂のやり手女子。
素人の俺とは全く違う、奴は恋愛マスターだ。
女子から好意を向けられたのは、これが(前世含めて)初めて。
積極的にグイグイ来られるのも、これが(前世含めて)初めて。
そこで初めて知る、自分はずっと
「〜〜ッづ!」
テーブルに思い切り頭をぶつける。
「どうしたの! 頭大丈夫?」
ふぅ……痛みで冷静になれた。もう惑わされない。
よく見れば瑠美子は胸も小さい。俺の
「くそ!」
いかん、まだおかしくなってる。
店中の視線を感じるが、まだ頬の赤みが消えない。
「ゆ、悠仁……本当にどうしたの?」
瑠美子の心底心配した声を聞き、ゆっくり顔を上げる。
………
……………
「ふぅ……いや、気にすんな。落ち着いた」
「あのさぁ、今どこ見てた?」
お前の顔の少し下辺りを見てた。
おかげですごく冷静になれた。ちっぱいで助かった。
▼
「いやぁ、それにしても意外だったな〜。まさか悠仁が、まだ経験ないなんて」
「うっせぇな。俺はそういうの、興味ねぇだけだよ」
「でたー! 自称『彼女なんていらない』系男子! そういうのって、大抵ムッツリスケベなパターンが多いのよね」
そんな系統ねぇよ、勝手に捏造すんな。
夕方になり、俺と瑠美子は家路を笑いながら歩く。
あれから適当に雑談していた俺たちは、自分で言うのもなんだが結構打ち解けたように思う。
途中、ロープで吊るされたようなグロい遥が来るというハプニングはあったが、死体は見慣れているのでどうも思わなかった。
改めて、今日一日を振り返る。
……まぁ、別に俺の近くにいるぐらいはいいか。邪魔でもなんでもねぇし。
守ってはやんねぇけどな。俺はそこまでチョロくねぇから。
不意に、戦う時とは違った“笑み”が溢れる。
息を呑む音が聞こえ瑠美子を見ると、驚いた表情でこちらを見ていた。
「なんだよ?」
「いや……あのー、そうあれ! 悠仁って笑えばちょっとはカッコいいじゃん、ずっと笑っときなよ!」
ずっとは無理だろ。表情筋が死ぬ。
穏やかな夕日に照らされる。
楽しいとは違う。
これは“落ち着く”という気持ち。
どんどんと、『カラダ探し』を経て失っていた
このまま、このような退屈しない日々が続いてほしい。
「――あれ、瑠美子じゃん」
後ろからバイクが停まる音がし、低い男の声がした。
「え、あ……っ! はぁ? アンタ誰?」
「は? 何言ってんだよ瑠美子。そっちこそ、隣の男誰だよ?」
振り向くと、大学生ぐらいの金髪の男が怒りの形相で歩いてきた。
「おい、どけよお前」
そう言われ、肩を押されて俺は地面に座り込む。
「ちょっ……悠仁になにすんのよ!」
「お前こそ、浮気か? そんな地味そうな奴と? はっ、見る目ねぇな」
瑠美子と金髪の男は何かを言い合っている。
その姿を見ていると、急激に胸の辺りが痛くなった。
―――あぁ、当然だよな。彼氏ぐらい、瑠美子ほど綺麗ならそりゃいるって。
当然、当然ッ、当然ッ!!
自分を納得させるように呟くけれど、自分の心は俺が一番よく知ってる。
漫画とかドラマでよく見る、あれだ……
―――初恋、ってやつをしちまってたんだ。
チョロすぎだろ、俺……。
なんだかすごく情けない気分と、狭まっていた視界が開けたような気分も抱いた。
さっきまで瑠美子を追っていたのに、今はそれがどうでもいい。
「ご、ごめんね悠仁! こいつ元彼なんだけど、鬱陶しくて、うぅっ」
「誰が鬱陶しいってぇ!?」
目の前で、瑠美子が金髪の男に頬を殴られた。
そのまま金髪の男は馬乗りになり、瑠美子を甚振ろうとしている。
「た、助けて悠仁!」
俺は立ち上がり、そのまま歩いて金髪の男に近づく。
「助けるわけねぇだろ! お前みてぇなビッチ!」
「……瑠美子、お前って都合のいい女だったんだな」
小さく、独り言を漏らす。それを聞き、金髪の男は笑う。
「は……ははははっ、分かってるじゃねぇかお前! そうッ、こいつ実は俺のセフレの一人でさぁ、そんな奴が浮気なんて許せねぇよな! 良かったら、今日お前も俺と一緒にコイツとヤるか? 3人なんてひさしぶ」
「耳が腐る、黙れ」
饒舌に喋っていた金髪の男に前蹴りを放つ。腹が立ち結構強めにいってしまったので、歯が何本か折れたようだ。
少しはマシな面になったな。
「立てるか?」
「あ、ありがとう悠仁……」
立ち上がった瑠美子は、気まずそうに目を泳がせる。
「あ、あのね! あいつ彼氏だったんだけど正直最低なやつで元から別れるつもりだったんだ!」
………。
「それで! だから……勘違いしないで。本当に、悠仁を騙すとかそういうつもりじゃなくてね」
………………。
「話してて……悠仁ってカッコいいなって思って、それで気づけばちょっと好きになってて」
「やめないか? 嘘は」
聞いてて辛い。俺の初恋がコレだったとか、ちょっとやめてほしいってなる。
「元々、俺たちは『カラダ探し』っていう“繋がり”がなかったら、お互い興味すら持たなかった同士だ。だから、深く関わりすぎるべきじゃなかったんだ」
「え……いや、私は本当に」
「俺はまだまだ、『カラダ探し』を楽しみたい。でも、飽きたらすぐにでも終わらせる。それは約束する」
泣きそうになる瑠美子を“無視”して、俺は独り家路を歩く。
「ま、待って! もうそれでいいから! じゃあせめて、私を悠仁の側に居させて!」
「邪魔だから着いてくんな」
さて、今日はどうやって『赤い人』を倒そうかな。
どうしてこうなったのぉ……。
自分はプロットを書いていないので気分が乗った時に書いているんですが、この展開は自分の頭のなかにあったものと全然違います。
ですが、書いてしまったものは仕方ありません! 原作なんて知~らないっ☆状態ですが、このまま作品は進みます!
ほ、本当にもうどうなっても許せるから、そのままでえんやで♡って人だけ読んでいただければと、ええ。激しく思います。