二つの世界のウィンリィが入れ替わって、それぞれの世界で頑張る話   作:ウルトラオタク

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ウィンリィが別の世界の自分の視点で夢を見る仲、エドも、別の世界の自分の視点で夢を見た。

それは、別世界のウィンリィがエドに旅をやめてほしいと言った、ラッシュバレーの時の物語……


異郷の夢……side Edward

その日、懐かしい夢を見た。ラッシュバレーへ初めてきた時の夢か……

 

あの時、ウィンリィが様々な機械鎧に目を輝かせていたことは今も覚えてる。

 

そして、大柄な男が機械鎧で腕相撲しているイベントもあったなぁ……

 

その時、錬金術でそいつの機械鎧ぶっ壊して、その後でドミニクさんに機械鎧代を払おうとしていたパニーニャに銀時計を擦られて、そしてドミニクさんの孫の出産を見届けて……

 

今思えば、ウィンリィが頑張ったあの日、俺は命の生まれる奇跡の瞬間に立ち会ってたな……

 

 

 

 

そんな懐かしいことを考えてたら、突然、記憶にないことが起こった。

 

例の腕相撲にパニーニャも参加していたのだが、なぜかあいつの右腕まで機械鎧になっていた。

 

確か、あいつは両足だけだったはずなのに……

 

その後、前みたいに夢の中の俺は錬金術でまた男の機械鎧を破壊したのだが、その事実を知ったウィンリィが突然俺を殴ってきたのだ。

 

前の時は錬金術を使ってもへえ、そうなんだくらいの反応だったのにどうしたんだ?と思えば、パニーニャに俺の銀時計を奪わせて、追いかける俺から逃げ切ることでパニーニャのつけている、ドミニクさんの機械鎧の凄さを証明しようとしていた。

 

どうしてこんなことをしたのか、皆目見当つかなかった。

 

 

 

 

 

あの涙を見るまでは………

 

ウィンリィ「本当に………機械鎧じゃだめ………?

 

私……頑張るから………エドに一生不自由させないようにするから………」

 

遠回しに、旅をやめて欲しい……そう願うように言いながら涙を流すウィンリィ……俺たちが元の体に戻るのを誰よりも望んでいたウィンリィから、一度も聞いたことのない言葉……

 

……それを見て、俺はなんと無くわかった。

 

ああ、もしかしたら夢の中の俺は、昔の俺以上にウィンリィを心配させて、その結果ウィンリィは強く思い詰めていたんじゃないか………と。

 

だけど、この夢の中の俺が何をしたのか、俺にはわからない。

 

だけど、何言わずにはいられず、俺はウィンリィの頭を撫でながら言った。

 

エド「ごめん、ウィンリィ………

 

ずっと、不安にさせてたんだな………ずっと心配してくれてたんだな………

 

本当にごめん………」

 

俺は心から謝る。

 

目の前にいるウィンリィは、俺のよく知るウィンリィよりもどこか儚げで、俺たちがいなくなるのをとても恐れているように見えた。

 

だから、多分、俺の知るウィンリィとは違うウィンリィなのかもしれない…

 

それでも謝ったのは、他人事では済まされないからだ。

 

俺のよく知るウィンリィも、俺が元の体に戻るまで俺をそばで支えると言ってくれた。人体錬成に手を染めて、二度と今までのような生活ができないと思っていたのに、俺が機械鎧を壊して帰ってくれるたびに変わらない笑顔で迎えてくれた。どんな時があっても、俺達の味方でいてくれた。

 

だけど、もし何かが違っていたら、目の前にいるウィンリィのように不安にさせていたかもしれない。

 

だからこそ、放って置けなかった。

 

エド「でも………俺はまだ旅を終える訳にはいかないんだ。

 

少なくとも、アルだけでも元の体に戻してやりたいんだ。

 

もう一度、元のあいつに会いたいから……元のあいつの笑顔を見たいから…。

 

それに、ある人が言ってくれたんだ。俺達が旅をやめたら、俺達が元の体に戻ることを願ってくれていた人達の想いや、俺達を支えてくれた人達のやってきたことを無意味にしてしまうと……

 

だから……今はやめられないんだ………」

 

ウィンリィ「………」

 

また泣きそうな顔をする……

 

……どうせなら、笑顔が見たい。だから、俺は言ってやった。

 

エド「でも、俺は絶対に全部を取り戻して、必ず戻ってくる。

 

お前のところに帰ってくる。絶対にそうするって約束する。」

 

ウィンリィ「………本当……?

 

もう……帰る場所がないなんて言わない…?」

 

エド「俺、そんなことも言ってたのか!?

 

俺の帰る場所はリゼンブールにある!!お前やばっちゃんがいつも笑って迎えてくれた家がある…!!

 

約束だ、絶対にお前のところに帰ってくる……!!

 

次に泣かせる時はその……嬉し泣きさせられるようにさ!!!!

 

だから……もう泣かないでくれ……」

 

……またこの言葉を言うとは思わなかった。

 

改めて小っ恥ずかしい……

 

だけど……

 

 

ウィンリィ「グスッ………!!

 

………ありがとう、エド!!」

 

俺の言葉にしばらくぽかんとしていたウィンリィは、なんとか泣き止んで、笑ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

その笑顔を見てから、何やらアルが入ってきたり、シグさんや先生が入ってきたりしてバタバタしたが、やがて意識は薄れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢から覚めた。久々に懐かしい夢だ。だけど、夢の中のウィンリィがいつもと違うのは驚いたな……

 

そんなことを考えてると、取り戻した右腕に雫が落ちた。

 

昨日雨だったから,雨漏りでも降ってきたのかと思ったけど、自分の頬を触って気づいた。

 

 

 

 

エド「あれ……なんで泣いてんだ?俺……………………」

 

 

 

 

 

まるで2度と大切な人に会えないような悲しみが、しばらくの間俺の中で燻り続けた。




旧作のエドはリゼンブールにも帰らないと言ってたうえに、スカーに機械鎧を破壊されるまでは一度も戻らなかったので、ウィンリィも余計に不安だったかもしれません。

………旧作はやっぱキャラの心情まで重すぎるよ…
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