今回の話でメインヒロインが出揃うため、ここいらでこの作品の連載を始めた経緯----もといキッカケを幾つか話そうかと。
一つはバンドリ!及びガルパの丸山彩役の前島亜美さんことあみたさんが再び彩役として復帰した事を祝う為、もう一つは作者のガルパのアカウントにて『私の輝きが照らした道』の倉田ましろが6枚目の被りと言う多少大袈裟ですがある意味ミラクルな事態がおき、関わりのある作家さんにそのことを話した結果……『ましろを何処かで出演させてみては?』と言う提案を受けて今に至ります。そして最後の一つですが……、これはこの作品の設定も関わって来るので、あとがきにでも。
それでは本編を……どうぞ‼
(蒼司)「へぇ…彩依璃ちゃん今は花咲川中等部の弓道部主将やってるんだ」
(彩依璃)「はいっ、後輩達や同級生の皆、顧問の先生が私の事を後押ししてくれて……。本当は部の皆を支える立場になりたかったんですけど----」
(???)「彩依璃ちゃんは謙遜すぎるのよ~、都大会や新人戦で優勝してその上部員思いの姿勢を皆が評価して彩依璃ちゃんを部長に指名したのだから、もっと自分に自信を持たないと〜」
(彩)「そ〜だよ!彩依璃ちゃんの頑張ってる姿は、私やお母さんは勿論の事、彩依璃ちゃんの同級生や後輩の皆が良く知ってるんだから、それを無にする様な事を言っちゃダメだよ?」
車で自宅へと向かってる最中、車内で俺と彩、彩依璃ちゃんと2人の母親
まぁ彩とちょくちょく手紙でのやり取りをしていた為、彩依璃ちゃんの成長っぷり等は把握していたつもりだ。それでも会話が尽きないのは、恐らく……お互いに再会出来た事を心から嬉しく思えていたからだろう。
(蒼司)「まぁでも、彩景美さんや彩の言うことも一理あるんじゃないかな?彩依璃ちゃんはとても頑張り屋で他人思いな姿を評価されて今の彩依璃ちゃんがある。ならそれを思う存分部を変える勢いで今度はその能力を振る舞ってもいいんじゃないかな?」
(彩依璃)「蒼司お兄ちゃんが…そう言うなら、うん!私、主将として
皆を纏めてお手本になる様に頑張る!」
(蒼司)「そう、彩依璃ちゃんはそうでなくっちゃね。……それはそうと、彩?高3にもなってテストが危ういのはどうなんだ?」
(彩)「ギクッ!?ど、どうしてそれを…!?」
彩との手紙のやり取りとは別に、偶に彩依璃ちゃんとも手紙のやり取りをしていた。その中に、幼馴染みの俺としてどうしても看過できない文面が有り、俺は良い機会なのでそれを本人に問いただす事にした。
(蒼司)「彩依璃ちゃんの手紙で知ったんだ。定期、期末、実力テスト何れも赤点ギリギリ……アイドルとしては不味いんじゃないか?」
(彩)「で、でも…赤点にはなってないから他のメンバーの子には迷惑掛けて無いわけだし、それくらい----」
(蒼司)「それくらいもどのくらいもあるものか。良い?アイドル活動で忙しいのはよく分かる。俺も1人のギターミュージシャンとして活動してたから。だけどそれでも俺は彩と交わした約束の為に、あと自分の夢の為にただの1度も勉学を厳かにしたことは無い。だから俺は明日から彩の家庭教師として勉強を見る事にした」
(彩)「えぇぇ…ッ!!??」
(蒼司)「えぇぇじゃない。因みに彩景美さんの許可は既に降りてる。これは彩の為に俺自身が選択した事だ」
(彩)「お、お母さんいつの間に!?聞いてないよ!」
彩は自分の知らない所でそんな事になってるなんて思いもしてなかったのか、彩景美さんに猛抗議しだした。
しかし……叔母さんは持ち前(?)の口調で彩の猛抗議を軽く受け流して答えた。
(彩景美)「も〜、我儘言わないの!良い?さっき蒼司君が言ってた様に、アイドル活動が大変なのはお母さんも分かってるわ。だけどね?彩はアイドルである以前に学生でもあるんだから。学生である以上毎回テストの成績が危うい様じゃ、パスパレの皆にも迷惑が何時かかっても可笑しくないのよ?それにね〜?」
最もな事を言った彩景美さんは、赤信号で止まったのを確認して…ルームミラーからでも分かる、妖しい微笑みを浮かべながら、話を続けた。
(彩景美)「きっと、大好きな蒼司君に勉強教われば、彩だって頑張れると思ってお母さん承諾したのよ?それに…勉強中可能ならアピールしちゃっても良いんだし♪」
(彩)「!!??///……う、うん。お母さんがそう言うんなら///ごめんね
蒼司君。さっきは我儘言っちゃって」
(蒼司)「いいんだ、分かってくれれば。それに頑張ったら頑張った分だけ、彩にご褒美位してもいいと思う」
(彩)「ホントに!?」
(蒼司)「ああ、嘘は言わない。だけど……それに見合った成果が出なかったら、それ相応の処置をとるからな?」
(彩)「うん!頑張る!頑張って私……蒼司君に沢山褒めて貰うんだから!!」
何とか、彩は俺の家庭教師を受け入れてくれた。そのやり取りを見ていた彩依璃ちゃんだが……「チョロ…」と小さく言っていたのが聞こえたので、俺は苦笑いしながら「そうだね」と小声で肯定したのだった。
(蒼司)「ありがとうございました」
車から降り、自分の荷物を降ろした俺は、彩景美さんに礼を述べた。
実に10年振りの我が家。彩景美さんが言うには俺がこの家から離れた時から定期的に、彩と彩依璃ちゃんと一緒に家の掃除から庭の手入れまでしてくれたそうだ。更には家具やら食器などの日用品も、この日に備えて新しくしてくれたそうで…頭が上がらない。
(彩景美)「ホントに、今晩は家でご飯食べに来なくていいの?」
(蒼司)「はい、折角のお誘い申し訳ありません。流石にそこまで気を遣われると、申し訳ないと思いまして」
(彩景美)「そう?でも私達は何時でも歓迎するからね?何か困った事があったら、頼って頂戴♪」
(彩)「それじゃあ蒼司君、また後でね♪」
(蒼司)「ああ」
彩と軽く言葉を交わし、彩景美さんから家の鍵を貰った俺は車が彩の家の駐車場に入っていくのを見届けてから、自分の家の鍵を開けて扉を開けた----つもりだった。
(蒼司)「え?(開かない?もしかして開いてたのか?)」
貰った鍵で間違いない。事実、ちゃんと鍵穴に刺さり、回ったから。なら何故開かないのか?直ぐに俺は自分の家の扉が開いていたのだと解釈して、もう一度鍵穴に鍵を差し込んで扉を開けた。
今度はちゃんと扉が開いたのを確認し、中へ入った。そして----どうして扉が空いていたのかの理由がわかった。
(蒼司)(……靴?)
この家には誰も居ないはず。なのに玄関には一足の黒のローファーがあったのだ。サイズ的に見て、女の子----それも彩と同じ位の年齢であろう子のローファーだ。しかし、だからと言ってこの靴が彩や彩依璃ちゃん自身の物じゃない事は分かっている。
(蒼司)(2人はとても礼儀正しい子だ。こんな間の抜けた事は先ずしない)
心の中でそう確信していた俺は、謎の不法侵入者に気付かれない様静かに家に上がり、用意されていた黒のスリッパをスリッパ刺しから取りそれを履き、手始めに目の前の部屋----リビングを目指した。
しかし、俺がリビングにたどり着くよりも早く、リビングの扉が開かれ、不法侵入者が俺の目の前に現れた。
(蒼司)「ッ!?お、お前は……」
現れたのは結論から言えば不法侵入者ではなかった。なら何故驚いているのか?俺がよく知る人物----と言うよりも家族であり、
(???)「おかえりなさい…兄さん///」
(蒼司)「り、燐子……」
「兄さん」と言って現れたのは、黒い髪を背中まで伸ばした紫色の眼をした少女、
最後に彼女を見たのは中学に上がる前だが、充分以上と言って良いくらいの発育身体付きをしており、彩には悪いが大人びた女性間溢れてると言っても良いくらいだ。
----そんな事よりも、だ。
(蒼司)「燐子、……とりあえずただいま。幾つか質問良いか?」
(燐子)「はい…良いですよ…♪」
(蒼司)「まず1点目、どうやって此処まできた?記憶違いでなければ家は羽丘寄りの筈だと思ったが」
(燐子)「歩いて…来ましたよ?羽丘寄り…と言っても…、私の家は…直線距離であれば、兄さんが住んでた家とさほど…距離は変わらないので」
(蒼司)「それで間違いない……次に2点目、何時から俺の家に?」
(燐子)「兄さんの家に着いたのは…お昼頃…です。調度その頃丸山さん達は家を…出た頃でした」
最後の一言以外此処までは特に不自然な所は無かった。俺と燐子の家は、地図上でなら直線距離でほぼ最短。ただし入り組んだ道を行かなければならない為10分以上は掛かるのは互いによく知っている。
(蒼司)「なら最後に3点目だ。どうやって家に入った?彩景美さん曰く用が済んだら何時も窓とドアの戸締りは徹底しているとの事だから扉の鍵はしまってたはずなんだが?」
(燐子)「合鍵をつかって…。兄さんの家の掃除を…一緒に手伝った時があって…、丸山さんのお母さんから…手伝ってくれたお礼って……。今も大切に…つかっていますよ?」
(蒼司)(彩景美さん……)
俺は心の中で叔母さんの名前を呟きながら……短く溜息をした。
(蒼司)「(……て、ちょっと待てよ?いま燐子は家の掃除って----そう言ったのか?)……なぁ、燐子?さっき最後って言ったが…、もう1ついいか?」
(燐子)「はい…何でしょうか?」
俺がそう言うと、燐子はキョトンとした顔で首を傾げた。
燐子はさっき「家の掃除を手伝って、そのお礼で合鍵を貰った」と言った。
実の妹----と言っても、義妹なのだが…小学校3年の時から燐子が嘘をついた事は1度も足りとも無い。少なくとも……俺や、俺の義姉(燐子のお姉さん)、両親の何れかといる時は。
だからこそ……この約6年間で彩と行った手紙のやりくりで違和感が生じている事に気が付いた。
(蒼司)「俺は、彩と彩依璃ちゃんの2人から俺がアメリカへ行ってる間ちょくちょく手紙のやりくりをしていた。その手紙には家の掃除等の様子が綴られてる時もあったんだ。しかし……それらの手紙には燐子が手伝ってくれたという文章が無かったんだ」
(燐子)「え?どうして……」
(蒼司)「分からない。だから疑いたくはないんだが----」
(彩)「蒼司君、お邪魔しま〜す♪………………え?燐子ちゃん?」
俺の台詞を遮るかの様に、後ろの扉が開かれた。そして入ってきたのは……噂をすればだ。「お邪魔しま〜す♪」とるんるん気分で彩が入ってきた。
しかし……人は予想外な事が起きた時、必ずと言っても良いくらい思考が一瞬停止し、動きが止まってしまう生き物だ(といっても、皆が皆そうだとは限らない)。彩もその1人で、そこに居るはずもない人物が----燐子がいたのだから。
(彩)「ねぇ…どうして燐子ちゃんが、蒼司君の家に居るの?どうやって----」
(燐子)「今日……お母さんが…兄さんが帰国したって…教えてくれたから」
(彩)「そうだったんだね?ごめんね?私、危うく変な早とちりしそうになっちゃったよ〜♪」
「てへっ」と小さく舌をだして、納得したのか……そのあと燐子に謝った。そういえば……彩もあの場にいたんだもんな。俺と燐子の関係をった上で納得したのだろうと俺は思った。
(蒼司)(それにしても……燐子に問い質してる彩、先の駅での1件で見せたそれと良く似てるような----と、そんな事より)
彩のちょっとした(?)変貌に関しては一旦置いといて、今度は彩に俺が質問した。
(蒼司)「彩?さっき燐子から聞いたんだけど、燐子も俺の家の蒼司を手伝ってくれたそうじゃないか。だけどこの6年間の手紙のやり取りの中で、燐子が手伝いをしてくれたと言う文面が無かった。何か、心当たりはあるか?」
もしこれが故意でやったものであると分かったら……義兄として、幼馴染みとして叱るべき対処をしなければならない。
しかし----彩の口から出た答えは、想像したものとは違うものだった。
(彩)「えっ!?そ、そうだったの!?お母さん何も言ってくれなかったから分からなかったよ……もしかして、その時アイドル候補生として活動してて掃除の方に行けなかった時かも……」
(燐子)「あ……そう言えば、丸山さんの…お母さんが言ってました…。『ウチの彩がトップアイドルに向けて本格的に頑張り出したから、それが収まるまで手伝って欲しい』って……」
なるほど、そう言う事だったのか。今思い返すと彩からの手紙が来なくなった時期があって、代わりに彩依璃ちゃんとのやり取りが続いた事があった。
つまりは……その時に燐子が手伝いをしだした事になるし、彩がアイドル候補生として頑張り始めた時期と言うことになる。
何はともあれ、俺が想像してた結果でないと分かって、安心した。
----と、安堵していた時だった。
不意に、俺のスマホから『Neo-Aspect』のサビが流れ出した。
この曲が流れたと言う事は、誰かが俺に電話をかけてきたという事だ。相手は書かれていなくて、電話番号のみ。という事は、俺の知らない人物という事だ。
最も----スマホの電話帳にはアメリカで出来た友人しかいなくて、日本の知人らの連絡先は1件もない。それに、このスマホ自体アメリカで買ったものだからな……。
兎にも角にも、通話相手を待たせてはいけないと思い、俺は応答ボタンをタップして、通話に出た。
(蒼司)「……もしもし」
(???)『も、もしもし?えっと……蒼司さんの電話番号で良かったですか?』
(蒼司)「その声…もしかしてましろか?そうだが……何かあったのか?」
(ましろ)『は、はい!先程はホントにありがとうございました。えっと……今、お時間大丈夫ですか?』
なんと…通話相手はましろだった。あの時渡した名刺が役に立った訳だ。
それよりも……どうやらましろは俺目当てに、何か相談事があるらしく電話をかけてきたらしい。
(蒼司)「問題ない。どうかしたのか?」
(ましろ)『は、はい…実は、今日の出来事をお母さんに話したら……『是非ともあって、ちゃんと御礼をしたいから家に呼びなさい』って』
(蒼司)「ましろの……家に?」
俺がそう聞き返した瞬間----彩と燐子が目の色変えて俺のスマホをひったくろうとして来た為、「通話の邪魔したらこの家から追い出して出禁にすんぞ」と一睨みで脅して黙らせた。
全く……たかが痴漢から助けられた女の子の家に御礼されに行くだけなのに、何を誤解してんだか。
完全に2人が大人しくなったのを確認して、ましろとの通話を再開した。
(蒼司)「----済まない、ましろの家を俺は知らないんだ。支度したら直ぐに家を出るようにしたいから……うん、3時頃に羽丘駅で落ち合おう」
(ましろ)『わ、分かりました!3時ですね?了解です!それでは…駅で会いましよまう、失礼しました!』
通話が終わり……改めて時計を見る。時間はざっと1時半を過ぎていた。一応、移動中に軽めの昼食を済ませてある為……空腹は問題ない。シャワー浴びる位の時間はあると踏んだ俺は、先の脅しで縮こまってる2人に話しかけた。
(蒼司)「済まないが……これから出かけるから今日の所は2人共帰ってくれ。何か用があるなら、晩方通話で聞くし明日にでも聞くから」
早口でそう伝えた俺は、ましろとつくしにしたように、2人にも名刺を渡して「抵抗したら……わかるよな?」と無言の圧で2人を帰らした。
(蒼司)「さて……手早く支度しますか」
そう呟いた俺は、今現時点でやるべき事を済ませて…、出掛ける支度をするのだった……。
しかし----この出来事が、俺の明日から始まる学校生活諸々が大きく変わる事になることを……今の俺が知る由もなかった。
〜END〜
如何でしたか?
この作品の連載を始めようとしたキッカケ、経緯の最後の1つですが……自分が手掛けてた作品『青薔薇の姫君と蒼き竜騎士』の誰かのルートの話を何処かでリメイク版たるものとして連載しようと思っていたからです。故にこの作品の世界線は、『青薔薇の姫君と蒼き竜騎士』の燐子編にこの作品の設定に合うように元あった設定を詳しくし、新しい概念を加えた世界線になります。『青薔薇の姫君と蒼き竜騎士』の燐子編がどの様なストーリーなのか気になった方は、リンクを貼って起きますので、そこから閲覧お願いいたします。因みに、この作品の主人公の蒼司君はこの作品にて誕生しました。
『青薔薇の姫君と蒼き竜騎士』→https://syosetu.org/novel/236140/
果てさて、次回はましろ宅にて物語がまた大きく動きます。サブタイトルを『バタフライ・エフェクト』にした理由……察しの良い方はそろそろ分かるのでは?
それではまた次回お会いしましょう!感想、高評価等お待ちしております!