アラサーおっさんが剣と魔法の異世界を精神コマンドで攻略する(お試し短編版)   作:サクラ井ムツキ

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0004話:ブライアン家の夕食で冒険者の話を聞く(始まりの街スタートス)

「如何ですかなオブライアン商会の料理は?」

 大きめの食堂に連れてこられた俺は部屋と同じように大きなテーブルの反対側に座るブライアンに味の感想を求められていた。ニンジンとジャガイモそっくりな根野菜とソーセージのスープに柔らかいパン、メインディッシュの鳥の丸焼きはバトラスがワゴンで運んで来たフトモモの部分をブラインと俺に切り分けてくれたがそのドレも現代人の俺が満足するぐらい美味しかった。

 

「とても美味しかったです、商会の料理という事はオブライアン商会は料理店を経営されてるんですか?」

 赤ワインを飲みながらオブライアン商会がどういう品物を扱っているのか聞いてみる。ブライアンの隣には彼の奥さんマリーザさんがいて俺の隣には娘のリーザ、リーザを挟んで弟のライアンが座ってみんなが俺の会話を興味深そうに聞いている。

 珍しいスキルに、俺の着ていた現在日本の衣服が見たこと無い素材で出来た珍しいデザインの衣服に見えて只者でないと思われてるような感じがする。

 

「料理店の経営こそしておりませんが食材を始めとして衣類に日用品に武器防具と馬車に積めるものなら何処にでも買付に向かって、売れるなら何処にでも向かうのが自慢です。中でも上手い料理のレシピは荷台を圧迫しないで新しい食材を売り込む時に重宝しますね。もっともレシピが出回る近場では情報の価値が低いので遠出をすべきですが最近は護衛の冒険者を確保するのが中々難しいのが悩みの種です」

「冒険者ですか?道中で少し聞きましたが実態としてどういった感じなのでしょうか?税金を払えば準市民になれるとかちょっと私が想像していたものと違う気がするのです」

 冒険者というと家業を継げない次男三男や孤児や難民などの仕事がない食い詰め者がする日雇い労働者のようなイメージを勝手に持っていたが、いきなり登録する前に実態を聞いておこうと思う。

 

「冒険者の実態ですか?……そうですなあまず所属する冒険者ギルドですが、よく酒場が併設されているので勘違いされる人がいますが、商売人が所属する民間の商業ギルドと違って公的な機関でネオトス王国が運営してます。大昔は冒険者がたむろする酒場、いわゆる冒険者酒場に本来は役場で受け持つような依頼が流れてるのを昔の王が役場と統合したのが実態ですね。ギルドマスターこそ冒険者だったものが就任しますが、サブマスターは家督を継がない領主の次男や三男が就任するのが慣例で、受付嬢等のギルド職員でも下級貴族や裕福な商人の家の者が務めますね」

 

「その辺りの事情を知らないで遠くから来た荒くれ者が粗相をしてギルドの警備員に逮捕されるなんて話をよく聞きますわね」

 ブライアンの話を補足するように妻であるマリーザが話しかけてくる、18になるリーザの母親だが30半ばぐらいに見えて大変若い。後で聞いた話だが18でリーザを産んだから本当に36歳らしい。

 

「冒険者というとモンスターを退治したり、馬車の護衛依頼で盗賊から積荷を守ったり等が主な仕事ですが、戦えない人向けに様々な仕事を紹介する職業斡旋所の面もありますね。一回だけの落とし物の探索や、短期で日雇いの農作物の収穫のお手伝いや、長期的な仕事だと民間ギルドからの従業員の募集も冒険者ギルドで受け付けていますね。例えば商人向けの鑑定やアイテムボックスのスキル持ちならうちでも常時募集をかけています」

 ブライアンが説明を続けてくれるが仕事がないから冒険者をやろうではなく、仕事がないなら冒険者とソレ以外の仕事を紹介しようという考えのもとに半公的機関になったらしい。現代日本で言えば第三セクターみたいなものだろうか。

 

「とまあ生活する為だけの仕事を探すだけならどの仕事でも良いのですが、ゴブリンの群れを倒したバンタ様のスキルなら普通の町人の何倍も稼げると思いますよ。冒険者として活動していれば冒険者ランクが上がってブライアン商会の仕事も頼みやすくなりますし。いやー馬車を加速させたあのスキル等は今すぐにでも商会の専属護衛にお願いしたいところですが商会長である義父を差し置いて勝手に決められないので」

 

「お祖父様は高ランクのアイテムボックス持ちで領主様のお仕事も請け負ってるから護衛の冒険者にも一定のランクが必要なんです」

 なんでリーザのお祖父さんの許可が必要なんだろうと思ったが、積荷を運ぶ人間の護衛が低ランク冒険者だったら依頼人の領主も許さないだろうなあ。後で聞いた話だが商会長オブライアンはモンスターが多い北門から先の仕事を主に行っていて高ランク冒険者が護衛してるとか。リーザ達は滅多にモンスターが出ない南方向の仕事だったから護衛はつけなかったらしい。

 

「お話ありがとうございます。俺も自分のスキルがどこまで通じるのか知りたいから明日にでも冒険者ギルドに行ってみようと思います」

 現代人でも満足できるほどの料理を食べてるブライアンはこの世界で裕福な方だとは思うが同じ様な生活をしようと思ったら金はいくらあっても足りないだろう、それに裕福な商人ですら家には風呂がないのだ。この世界で生きていくのなら精神コマンドを上手く使って稼がないといけないだろう。現代日本の知識を使えば稼げるかもしれないがしっかりした身分と名声がなければアイデアだけ盗まれて用済みなんてこともある。目標として領主関係の仕事が出来る高ランク冒険者を目指そうかな。

 

 その後もブライアン一家と雑談をしてお開きとなった、異世界では暇な時は仕事以外はする事がほとんどないので早く寝てしまうらしい、ランプの油や蝋燭のがもったいないしね。メイドさんに部屋に案内された後、朝の七つの鐘で起こしに来ると告げられた。地球だったら何時だろうと思ったらステータスウインドウに時計の表示があって、アナログ時計型の映像とデジタル時計の二種類が同時に表示されさらにその下に今は夜の九つの鐘と表示されていた。左腕には腕時計が外出着と同じように何故か装着されていたので確認すると同じように9時の表示になっていた。

 

 俺はステータスウインドウの時計機能をいじってアラーム機能を見つけると6時45分にセットしてベッドに潜り込む。暗い部屋の中でもステータスウインドウは見れるため精神コマンドの特訓を使って残りのステータスを上げきった。

 

LV:2

 

 

HP:550/550→555/555

 

MP:35/35→40/40

 

SP:105/105→110/110

 

EXP:155/1000

 

 

腕力:9→10

 

頑強:8→9

 

敏捷:8→9

 

技量:7→8

 

運勢:2→3

 

魔力:2→3

 

 

その後もスータスウインドウをいじってたが眠気が来ないので俺は自分自身に精神コマンド"脱力"をかけてみた、脱力はかけた相手の気力を-10する精神コマンドだが使ってみると新しく気力のステータスウインドウが浮かび上がって現在の気力が110と表示されていたのでもう一度使うと気力が100になって体がリラックスしていつの間にか眠ってしまった。




2023/10/05誤字報告を受けて修正しました。報告ありがとうございました。
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