思った以上にお気に入りや感想、評価をいただいておりビビってます。やっぱりブルアカ凄いですわ。
酒の勢いで書いたせいでプロットガタガタで後先考えず書いていたので、プロットの組みなおし・整理をしていました。
ただ平日は仕事が忙しく帰宅が遅くなる関係で土日ぐらいしかまともにPCに向かえないので、連投するなんて今年中は出来ません。多分。
今話は繋ぎの話です。
ブルアカのストーリーの見返しも全部出来ていません。
タイトルにヒスりたくないと銘打っているので、毎話ヒステリアモードになることはありません。
今後登場するヒステリアモードの表現もエミュ低くて筆が進まないので、今度実家に原作取りに行ってきます。
牛歩でも書いていこうとは思っているので、宜しくお願い致します。
※2024/9/28 キサキとレイジョ実装に伴い、キサキの口調とレイジョに対する呼び方を微修正しました。これ書いた当時は実装前だったので、普通にレイジョ二年生だと思ってました。
また、五塵来降イベント前なので山海経に対する解像度が低いです。後々軌道修正させます。ご了承ください。
山海経高級中学校。玄武商会。
商人の連合組織であり、複数の飲食店を傘下に持つ山海経有数のグループの一つだ。
山海経自体のモデルが中華ということもあり、玄武商会のご飯はとても美味しい。自宅からやや遠い場所にあるけど、頻繁に足を運び食事を取っている。
また玄武商会といえば山海経の生徒会である玄龍門と仲が悪く、それこそ山海経の主導権を巡って争っていると噂を立てられる程構成員同士の対立がある。のだが…
「…玄武商会で食事をしててもいいんですか、
オレの対面の席に座るのは玄龍門の門主である竜華キサキ。
席に付き酢豚と餃子を注文すると、ふらりとやってきてこちらに確認を取ることなく席に座っていた。
玄龍門のモデルは中華マフィアと言われるだけあり、アングラ系の仕事も請け負っているしなんなら直接後ろ暗いことをしている輩もいる。オレが竜華門主と出会ったのもそういった直接後ろ暗いことをしていた案件が切っ掛けだ。一度小さい学区の代表に依頼された案件の裏に玄龍門幹部がいて拘束したのだが、ヴァルキューレに引き渡す前に竜華門主率いる玄龍門の構成員が現れ学区への賠償金を払うことを条件に引き渡した。それから山海経へ行くとときどきこうして現れるようになった。
オレ自身山海経に関する原作知識があまりないため、正直距離を測りかねている。ネームドである以上今後メインストーリーに関わりを持つのだろうが、邪険にし過ぎれば玄龍門の構成員から命を狙われる。比喩ではなく本当に。
彼女に対して断言出来ることがあるとすれば、竜華門主のことが苦手だ。
「問題あるかえ? 玄武商会もまた山海経じゃ」
そういう問題なのだろうか。構成員同士やりやってるんだから遠慮しろ。
「お待たせ致しましたー! 酢豚と餃子です!」
店員が出来上がった料理を置いていく。
待て、竜華門主がいるのはスルーなのか? しかも取り皿を2人分置いてくな。一応敵対関係だろ。
店員が去っていく厨房方向を見ると、
「では、いただこうか」
「オレの酢豚なんで。肉ばっかり持っていかないでください。ピーマンもどうぞ」
「其方が食べたくないだけじゃろ」
酢豚の肉ばっかり持ってくのでピーマンを取り皿に乗せてあげようと箸を持っていくが、取り皿を抱えられてしまい届かない。仕方がないので一度取り皿に置いてから肉と一緒に食べる。苦みが紛れているため、一緒に食べればピーマンごとき食べれないことはないのだ。だから肉を持っていかれるのは困る。
「餃子は食べないんですか?」
訊くと箸を止め、ジトっとした目でオレを睨む。
「女に、男がいるのににんにくを食べろというか」
言われて気付くが、気にすることなんだろうか。豚骨醬油ラーメンににんにく入れると口臭がヤバくなる自覚はあるけど、餃子程度だと気にならない。
思わず首を傾げると、竜華門主はオレのことをとんちきだと言わんばかりに深い溜め息を吐く。
「まったく、噂のすけこましは配慮がないの」
思わず箸が止まる。
そう。これが苦手な理由だ。どういうわけか、竜華門主はオレのヒステリアモード時の様子を知っている。
「……こ、殺してくれ」
「噂というのは冗談じゃ」
「勘弁してください」
本気で死にたくなったわ。
嗜虐の籠った笑みを浮かべ、突然テーブルに身を乗り出しオレの胸倉を掴み引き寄せ耳元に顔を寄せる。
「じゃが、すけこましと思っているのは本当じゃ。
「――――っっ!」
耳に、息が、声がっ!
ヒステリアモードになる条件に対する確信を得ていると言われたことよりも、耳にかかった微かな吐息と脳を揺さぶるような甘い声の方が
瞬間動悸が早くなり、体の内側から
落ち着けっ。相手は竜華門主だ。ロリだ。のじゃロリだ。直接的な接触じゃなくて、たったこんだけでヒスるのは嫌だ! オレはロリコンじゃない! もっと目付きが鋭いとか、クール系とか美人系とか、顔の良い女の子が好きなんだ! …いや、竜華門主も目付き鋭いし、顔も美人系だけどっ! だけど! いくら顔が良くたってロリに反応するとか、きっと取返しが付かない気がする! あれだ。クールな顔してばんざい体操してたんだぞこの門主。格好つけておいてしっかり身長気にしてばんざいしてたんだ! ばんざーい! ばんざーい! …よし、落ち着いてきたぞ。
「なんじゃ、当てが外れたかの」
「…なんのことか分からないですけど、勘弁してください。そちらの構成員に殺されます」
ヒステリアモードにならない様子を見てつまらそうに席に戻る竜華門主へ、溜め息交じりに胸元を正しながら抗議する。
玄龍門なんて格好いい名前をしているが、その実態は竜華門主のカリスマに惹かれて集まったキサキ大好きクラブだ。しかも構成員が竜華門主の制御を受けず暴走することもしばしばあり、過去オレも何度か山海経帰りに襲撃を受けたことがある。皆そろって「羨ま死ね!」の勢いだった。代わってやるから本当に勘弁してほしい。
それに今の感じ、ヒステリアモードになる切っ掛けに対しても予想がついてる雰囲気がある。…やっぱり苦手だ。
一刻も早くこの場を離れたくて残っている餃子を口に運び、全部飲み込む前に次を口に放り込む。
するとそれを察してか、別の話題を竜華門主が切り出す。
「実はの、頼みたい仕事があるのじゃ」
そう切り出され、少し驚いた。
今まで山海経、ひいては玄龍門から仕事の依頼をされたことがなかった。それに何かあるとしても身内だけで済ませるイメージがあった。
「内容を先に聞くことは?」
「構わぬ。依頼を受けずとも、口外しなければよい」
そして竜華門主は依頼内容を話す。
依頼内容はとあるブローカーの調査と確保。曰く、山海経からブラックマーケットに物品が流れているとのことで、山海経内から横流ししている人物を捕縛したが外部にいるブローカーは他学区を転々としており中々足取りが掴めない。
「当然足取りなど情報はあるのじゃが、すべて他学区であるためこちらも中々行動に移すことが出来ぬ。こちらも好き好んで対立を煽るようなことをしたいわけではないからの」
最初に竜華門主にあったときは、少なくとも攻め込んでいるわけではなくオレが確保した後に交渉に来た体だ。例えば他学区に交渉して確保に動いたとして、玄龍門が隠していることを他学区へ晒すことになるとともにその学区にいるのを確認し他学区に確保を求めるまたは玄龍門が動くとなっても交渉というタイムラグが発生し逃げられる。仮に他学区の風紀委員会に該当する組織が確保するのを待つのも「他学区を転々とすれば玄龍門は手出し出来ない」と舐められる。政治的要因が絡み動けないが、玄龍門を舐めた相手にケジメをつけさせたい。結局はそういう話だ。
だけど、緊急性が高い他調査も含まれる。こっちの仕事の日程調整は可能だが、受けるとなればこの依頼を中心に動かなければならないためそれなりの費用が欲しい。
「ひとまず、前金としてこのぐらいを考えておる。必要経費合わせて成功報酬はこの倍を更に支払おう」
どこからか取り出した小切手に金額を記載されている金額を見る。
前金で350万。成功で計1050万。悪い金額じゃない。寧ろ多すぎる金額だ。
…この際ちょうどいいか。オレも動けなくなるし、引き受けてもらえるか訊いてみるか。
「そう警戒するでない。多いのは迷惑料も含まれておる。こちらが持っている情報も其方へ引き継ぎを行おう」
「…分かりました。引き受けます。ただ別件で、今回の報酬から差し引く形でこちらからも1つ依頼させていただいても宜しいですか?」
「よいぞ」
「ありがとう御座います。少しの間、とある人物の監視をお願いしたいのです。対象は、アビドス高等学校所属の1年生、
黒見セリカ。アビドス編の主要人物で、恐らくキヴォトス崩壊の最初のドミノだ。
正直細かいストーリーはうろ覚えだけど、バッドエンド世界線で黒見セリカは行方不明になる。本編では誘拐後シャーレの先生が動いて救出するけど、オレが覚えてる範囲でバッドエンド世界線のフラグの1つだ。この後どう繋がるかは分からないけど、これが切っ掛けでアビドスは崩壊する。
本編に介入する気はないけど、滅びる可能性があるのに好き好んで傍観する気はない。まあ、ちゃんと本編通りに進んでくれればいいんだけど。
「シャーレの関係か?」
「いえ、カイザーコーポレーションの方です。今アビドスで色々怪しい動きをしているので」
オレとカイザーコーポレーションは仲が良くない。というか、万が一シャーレと対立する可能性を避けてたら自然と対立することが多くなった。
ブラックマーケットにいる以上、雇い主の意向で敵になったり味方になったりする。それは玄龍門とも同じだ。感覚が麻痺してる自覚はあるけど、些細なことだ。
「万が一異常事態があれば連絡いただけるとありがたいです。それ以外は監視のみでレポートを取る必要もありません」
「ふむ…構わぬ。こちらで手配しよう」
「ありがとう御座います」
「こちらで事前に集めた情報などは明日、玄龍門で記録媒体にて引き渡そう。それでよいかえ?」
「承知致しました」
「頼むぞ」
承諾すると竜華門主は席を立ち、そのまま店を出ていく。
残りの酢豚と餃子を食べようとテーブルに視線を向けると違和感がある。…レシートがない。持ってかれたか。ありがたく奢られよう。
その後はのんびりと食事をし、店を出た。
自宅へ向かい歩き初めてしばらくして、やけに感じる視線が多くなってきた。背後に気配も感じる。
またかと思うと、人気が少なくなったタイミング――いやそう作られたのか。正面からスーツにサングラスの集団が現れる。玄龍門の構成員だ。
「お前、死にたいんだってなぁ?」
「いや言ってねぇよ!」
第一声から殺意マシマシである。
ヒスったら死にたくなるけど、流石にそんな頻繁に言って…いやさっき言ってたな。こいつらさっきの竜華門主との会話盗み聞きしてたな。
「門主様にリアルASMRをされたこの男を許すな!」
「耳ふーされて反応したこいつの耳をそぎ落とせ!」
「御尊顔を間近で拝見した男の目を潰せ!」
「こえーよお前ら!」
周囲から聞こえる大合唱にドン引きする。狂信者過ぎんだろ。いい迷惑…迷惑?
まさかあのばんざい門主、盗み聞きしてるやつらに気付いてやがったな!? それであんなに多めの金額提示したのか!
「何、殺しはしない。門主様からの依頼に支障が出るからな」
集団のリーダーらしき構成員がそう告げる。
良かった。最低限の線引きが出来てるやつがリーダーらしい。
「だが私の
「だと思ったよ畜生め!」
どの道ここを切り抜けないと殺される!
敵は周囲合わせて15人程。オレ1人相手に人間集めすぎだろ! 全員倒さなくても、山海経を出れば流石に追ってこれないはずだ!
絶対に明日竜華門主に苦情を上げてやる。
そう誓ってベレッタを抜き、走り出した。
――――――――――
腕時計を見ると、構成員の襲撃から3時間以上経っていた。
結局構成員の増援などもあり、命からがら山海経を脱出した。また当てが外れて山海経を出てしばらく追手がいて、巻くために遠回りしていたらだいぶ時間がかかってしまった。幸い一番大きい傷が爆風で飛んできた鉄片が左腕に刺さった掠り傷ぐらいで、手当てすれば仕事に影響はない。
マジでしばらく山海経行くの控えよう。命がいくつあっても足りん。
「あら、カナタじゃない」
名前を呼ばれてそちらを向くと、元同級生で現同業他社の
ゲヘナにいた頃は今以上に交友関係が狭かったけど、陸八魔とはクラスメイトで割と話していた。ゲヘナ時代、銀鏡以外唯一の友達とも言える。
そういえば、便利屋68も陸八魔を中心に結成された組織で、玄龍門同様アルちゃん大好きクラブだ。
種類は違えどカリスマ性を持っている。構成員がリーダー大好き。裏で主に活動している。いくつか共通点がある。ただ…うん。
ころころ変わる豊かな表情。例のBGM*3が聞こえてくる顔。竜華門主より発育がいいのに感じない色気。
正直、キヴォトスで一番
「うん。やっぱりお前のこと好きだわ。一緒にいると安心する」
「へっ!?」
「今度メシ行こうぜ。奢るわ」
そう告げてその場を離れる。オレと違って事務所を持っているから大抵金欠だしな。電話1本で請け負ってるオレはそういうのないし、前金もあるから焼肉ぐらい余裕で奢れる。
とりあえず今日はさっさと帰ろう。疲れた。帰ったら酒飲もう。
…そういえば、陸八魔の反応がなかったな。メシ奢るって言ったら喜びそうなのに。まあ、向こうもオレのプライベート番号知ってるし、向こうからかけてくんだろ。
のじゃロリのセリフの完成度低くて申し訳ない。
後、玄龍門の構成員はこんなにガラ悪くないはずです。多分。