本日より非公開を解除したいと思います。
想定以上に仕事が忙しく、加筆修正+少し書き貯めと思っていたのですがまったく出来ませんでした。
また10月の忙しさそのままに年末を迎えそうで、休日出勤マシマシなので投稿ペースは以前より落ちると思います。ひとます投稿スピード<納得出来るクオリティで投稿していけたらと思います。
修正内容については間違え探しするために読み返すのも面倒だと思われるので、下記URL(活動報告)に箇条書きにて纏めたため参照いただければと思います。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=304824&uid=141839
後、腰を据えないとストーリー読まない派の人間で、年末になるまで百鬼夜行編読めないのでネタバレNGでお願い致します。
ひとまずブルアカフェスは当選したので、仕事が入って行けなくなるなんてことがないよう年内は仕事と投稿頑張ります。
スマホでネット上にある正確な現在時刻を確認して、カバンにしまう。
深夜1時30分。指定されたミレニアム自治区の郊外にあるビルの屋上に忍び込んでいた。
竜華門主から依頼を請け負って2週間。玄龍門が収集していた情報が上等なこともあって、オレの方で苦労するようなことも特になくブローカーの動向を追えていた。そして、この後確保に動く。
今日ブローカーは流された物品の取引でミレニアムに来ている。万が一C&Cと遭遇した場合、まったく勝てる気はしないからまだ動くつもりはなかったけど、都合よくC&Cが別件で動いてる情報が入ったので急遽今夜決着をつけることにした。
まあ、無駄に案件を引き延ばすより、さっさと片付けた方が気が楽だ。あの竜華門主からの依頼ってだけでも気が重いってのに、こんなあからさまなお膳立てされるととっとと片付けたくもなる。
今日の件は、他者から与えられた状況だ。なんで分かるかと言われれば、今日の状況はとある人物からの情報提供があったからだ。
ブローカーの取引場所。時間。逃走ルート。護衛している傭兵の人数。C&Cの行動。狙撃ポイント。細かい情報が匿名…まあ匿名で送られてきた。その匿名の人物が使ってきた名前が『超天才清楚系病弱美少女ハッカー』。こんな自己主張と自己肯定感の高い自称に対しての心当たりは1つ、
なんで明星ヒマリがオレに遠回しにでも接触してきたのか、思い当たることがない。ミレニアムサイエンススクールの生徒とは依頼を受けたことはあるけど、損害を与えた覚えもない。そんなことがあればまずC&Cが出てくるだろうし、本当に分からない。
ただ、少なくとも明星ヒマリ、ひいてはミレニアムがオレを警戒して潰そうとしているわけじゃなさそうだ。C&Cがいる以上、直接的に強襲してくるはずだし。
今回については少なくともオレを把握しての行動だろうから、
ひとまず準備をしないと始まらない。背負っていたライフルケースから狙撃銃を取り出し、正面道路へ向けセッティングを始める。
1発銃弾を受ければ致命的なことは事実なので、こちらから攻撃を仕掛けるときは大体狙撃を行う。狙撃や射撃は得意な分類に入るけど、素のオレなら
銃身の大まかなセッティング後、タブレットを開き弾道計算ソフトを立ち上げる。キヴォトスに来て初めて知ったけど、今どきの狙撃はソフトを使って正確に計算するらしい。映画でも漫画でもこういったのを使ってる描写を見なかったので、地球の自転とか風速とか計算しないといけないと思ってたから便利なもんだと感心してしまう。
ソフトに情報を打ち込んだ後、タブレットに動画サイトに流れている付近の監視カメラを映して準備完了。後やることと言えば、ブローカーが来るまで待機だ。昔聞きかじった知識ではあるけど、スナイパーの仕事のほとんどは待つことだ。だから暇つぶしのゲームだったり漫画は仕事道具よりも重要。なんて冗談みたいな話があったけど、結局はターゲットが来るまでどうすることも出来ない。
こっちの作戦とも言い難い、やり方は単純でビルの上から車両の狙撃。出来ればブローカーを撃って気絶させて、護衛の傭兵も倒してブローカーだけ回収する。本来なら1人でやることじゃないけど、玄龍門の構成員を借りられなかったり、業務提携を結んでいるような外部の人間――例えば便利屋68とかの協力を得るのも今回の仕事の性質上難しい。それに今陸八魔たちはアビドスにいる。オレ自身信用してる同業者なんて便利屋68だけだし、どちらにしろ1人で処理するしかない。オレも準備出来ることはしてきた。後はなるようになる。
スマホの方で漫画を読みつつタブレットを見ていると、画面に車両が通る映像が映る。トラック1台にその前後を挟む形で装甲車が2台。ブローカーの車だ。
スマホの画面を閉じ、床に寝転び狙撃体勢を取る。タブレットの画面はあらかじめ道路に仕掛けたトラップのスイッチへ切り替える。
耳を澄ますと微かに車のエンジン音が聞こえる。チャンスは一度。
息を深く吸い、一拍置いて吐き出す。
安全装置のレバーをオフ。
引き金を人差し指の腹で軽く撫でて、指をかける。
肉眼で車のライトを視認して、スコープを覗き込む。
狙いはトラックのタイヤ。
破裂音とともに硝煙の臭いがして、トラックがスリップし後続車が避け切れず追突する。
この後はブローカーを守るために車を盾にして防御体勢に入るはずだ。その前に削れるところは削る。目を閉じてタブレットを操作し、仕掛けを発動させる。瞼越しに光と爆発音を感じ、無事スタングレネードが発動したことを確認する。
スタングレネードはいくつか仕掛けてたので後部車両の傭兵にもしっかり食らうよう設置していて、これで一時的にでも視覚と聴覚を奪った。そして、アンチマテリアルライフルの前じゃ防弾ガラスも安全地帯になりえない。
事前情報によれば、護衛の傭兵の人数は8人。相手の視界と聴覚が不自由なうちに削れるところは削って、数的有利をそぎ落す。
息を深く吸い、吐き出す。人差し指の腹で引き金を撫でて、指をかける。スコープを覗いて、
距離は1km。落ち着いてルーティンが出来てる以上、
引き金を引く。ガラスが粉砕し、スコープ越しに傭兵が跳ねるように体を揺らし、ぐったりと下を向く。次。
ルーティンを行う。
ルーティンを行う。
ルーティンを行う。
やっと傭兵たちが身を屈め、視界から消えるよう防御体勢を取る。だけど、こちらとしては持久戦に持ち込む気はない。
相手が次のアクションを取る前にトラックのエンジンに照準を定め、引き金を引きガソリンを漏れさせる。ここで派手に爆発、なんてやれれば話は早いけど実際には銃弾がエンジンを貫通しても発火することはない。あくまで逃走手段を潰しただけだ。これで前方車両とトラックは走行が難しくなったので、逃走手段は後方車両しかなくなった。これで明確に使える盾は後方車両しかなくなった。
予想通り後部車両内で運転手の交代が行われ、トラックに横付けされる。だから運転手に照準を定め、胸を打ち抜く。
後方車両が移動している間に前方車両の傭兵がライオットシールドを持ちだし、トラックの元へ駆け出す。
前方車両の傭兵、残り2人。後方車両の傭兵、残り1人。
残弾数は4発。念のためマガジンを入れ替え、弾切れに備える。
トラックの助手席のドアが開き、盾を持った傭兵がガードしながらブローカーのアンドロイドを降ろそうとする。既に狙撃ポイントは割れているだろうけど、銃に対してライオットシールドの防御力が足りていない。今度は傭兵の頭部に狙いを定め、引き金を引く。銃弾がライオットシールドを粉砕するとともに傭兵の体が真横に吹っ飛ぶ。それと同時に移動中だったブローカーの体がライオットシールドに巻き込まれて倒れこむ。
咄嗟に後部車両の影に引き込もうと身を出した傭兵の肩辺りに銃弾を撃ち込み、よろけて胴体が見えたところにもう1発打ち込んだ。
ブローカーは壊れて半分しかないライオットシールドを被り、這いながら後部車両の影に移動する。だけど全体が覆えておらず、足が丸見えなので左の太ももに銃弾を撃ち込み行動を制限する。
残りの傭兵は1人だけど、後部車両の影に隠れてしまい顔を見せない。と思っていたら車に乗り込み逃げ出そうとしたので、銃弾を撃ち込み気絶させる。これで傭兵は全員倒してしまった。
「はー。つっかれた」
深く息を吐き、道具をしまいバックルに仕込んだワイヤーを建物の丸環に結び付けて地上に降りて路駐しておいた車に乗り込む。
発進し、現場へ到着しても起き上がってる傭兵はまだおらず、足に銃弾を食らわしたブローカーだけが呻いていた。
「ひっ」
現れたオレが襲撃犯だと気付いて、ブローカーは短い悲鳴を上げる。
「か、金――」
命乞いを始めたのでデザートイーグルで鳩尾辺りを数発撃ち、気絶させ服を脱がした後手足を拘束して車のトランクへ放り込む。
玄龍門へ連絡を入れようとスマホを出し、窓口になっている構成員へ電話を掛ける。
「遅くにすみません、遠山です。依頼の件、物品の手配が出来たのでお電話致しました」
そう伝え、これから指定する場所へ来るよう指示を受けたのでそこへ向け車を出す。
電話を切ると同時にスマホの画面が点灯する。着信相手の名前を見ると『超天才清楚系病弱美少女ハッカー』の文字。無視しようと思ったけど今回の件もあるし、変に悪印象を残すよりマシなのでインカムをつけた後通話ボタンを押す。
「遠山です」
『初めまして。私は超天才清楚系病弱美少女ハッカーのあ――コホン、Hと申します』
ゲーム内で見た覚えのある口上を述べ、聞き覚えのある声から明星ヒマリ本人で間違いと思う。
…てかまさか、ボイスチェンジャーとかも使わずに直接電話してくるとは思わなかった。
ひとまずこっちが正体を分かってることを気取られないようにしよう。
「今回は情報提供ありがとう御座います。無事確保致しました」
『ええ、見ていました。無意味な被害を生まず、私も情報提供した甲斐があります』
「貴方からの情報あってこそです。なければもっと長引いて、強行する可能性もありましたから」
お礼を言って、こちらが気になってることを切り出すことにした。
「ですが、何故オレに情報を? 通常であればC&Cやヴァルキューレに通報する方が確実では?」
『そうですね。ですが、私は貴方に興味があります。記憶喪失でゲヘナに、いえ
なるほど、そういうことか。
オレがキヴォトスで目覚めたとき、どっかの廃墟にいた。そっから彷徨って、ロボットから逃げて、心身ともに限界を迎えて気絶するとそこはゲヘナ自治区だったらしくそこで保護された。病院に担ぎ込まれて、キヴォトスの常識を完全に知ってるわけじゃないのが幸いして記憶喪失を名乗って、その縁でゲヘナ学園に編入することになった。
ロボットに殺されそうになったり、地理も分からない場所を這う這うの体で脱出したので場所が分からなかったけど、まさかミレニアム自治区の『廃墟』だったのか。
『廃墟』は『ブルーアーカイブ』の重要人物である
もしかして、オレ無名の司祭関連の人間、もしくはロボットだと思われてる?
「…なるほど。オレもその話には興味があります。未だに記憶は戻らず、最初にいたあそこが『廃墟』であることも今知りました。貴方はオレについて何か知っているんですか?」
『いえ、残念ながら。ですが、シャーレの先生とは異なり、「廃墟」に現れた経歴不明のヘイローのない男性。他学園の生徒なので接点を作るのが遅くなりましたが、ずっとお話したかったのです』
「期待に沿えるようなお話は出来ませんよ? オレも『廃墟』のことはさっぱりで、あのときはあそこから脱出するのに必死だったので」
『構いません。貴方がどこからやってきたのか、私はそこに興味があります。必要があれば再び「廃墟」へ行くお手伝いも致します』
「…分かりました。ですが、オレもしばらくは別件で動けないので後日でも大丈夫ですか?」
『ええ、お待ちしています』
明星ヒマリとの会話を終え、深い溜め息を吐く。
ひとまずは疑われてる感じはないけど、オレが『廃墟』に現れたことが特異現象だと考えてる感じか。あの流れで興味ないとは言えないし、有耶無耶にするのも難しい。記憶喪失の嘘もあるし、どうするか…。
だけど明星ヒマリに目をつけられた以上、PC保管のデータは筒抜けだろうな。念のため原作知識をPCにも紙にもメモ書きしなくてよかった。段々忘れてってる部分は多いけど、厄ネタ以外の何物でもないし漏洩するよりはマシだ。
…今考えてもどうしようもない。今は目の前の仕事片付けて、さっさと寝よう。頭が回らん。
あー、後シャーレの先生の動向把握して、終わった頃に陸八魔に飯行く電話して。一応時期は分からないけど、ゲーム部がちゃんと天童アリスを回収するかも情報追わないと…。面倒くせぇ…。
だけど、『廃墟』か。オレがキヴォトスに来た経緯ってのは実際よく分からない。死んだ自覚があるのとHSSって前世では架空の力だった能力を持ってるから、転生ってのがしっくりきて納得してたけど結局はオカルト的な話だ。本当に転生なのか、オレが見ている夢がこの世界なのか、前世こそオレが見た夢なのか。そんなこと考えたことなかった。
それを知ってオレはどうするのか。この荒れたくそったれな世界と、前世の…アレがいる世界。目覚めるとして、どっちがマシなんだろうな。
「どっちもどっちか」
どちらもくそったれなことは変わりない。今確かなことは、オレが今見ているこの世界が現実ってことだ。
ハンドルを握る。アクセルを踏む。口の中で舌を噛む。全部感覚がある。今はどうしようもなく、キヴォトスに生きている。
…それはそれとして、HSSのことはバレてないよな?
正直超電磁砲コラボ読んで、『廃墟』便利だと思ってオリ主のキヴォトスに来たときの場所を確定しました。
今まではあんまり深く考えてなかったのですが、公式からの異世界転移の答えみたいに捉えることも出来たので『廃墟』にポップしたことにしました。