鍛えられた武術に、呪術が勝てるわけないだろッッ‼︎ 作:チチメカ
ありがとうございます。
さて突然だが、非呪術師と呪術師が喧嘩をする時となると一般的に、術式は使って良いのだろうか。
いや、否である。
そんな事してしまって、万が一殺して仕舞えば、原作夏油の様に一瞬で呪詛師判定を喰らい、日本中の呪術師から狙われる存在になるであろう。それに、
だが…
「いや…無理だろ」
正直言って非呪術師というものを舐めていた。それは五条も夏油も変わりない。保護と被保護の関係。力ある者と無き者。だが、これは何だ。
「待って下さい!私達は別に戦いたいわけでは
「ビビってるのか?」
「「…は?」」
不敵な笑みを見せる。老人は、カッカッカと笑ってはまた二人を見下ろす…いや、''見下す''。
「最強」の二人にとって、見下される事、ましてや非呪術師にそれをされる事は、プライドに大きな傷を与えた。
つまり…
「黙れ雑魚、殺すぞ」
「分からせてやろうか」
切れた。ここまで来た疲労で二人の理性のタガは少し緩くなっていた。呪術なんて使わず、この老人をギックリ腰に陥れてやる。そう息巻いた。
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少し煽ててやった。すると、すぐさま食い付く。若坊主はこれだからいい。下手に誇りだなんだと言ってる奴ほど、すぐ喧嘩したがる。
屍の上から、両手を広げ坊主を正面に背中から地面に飛び込む。坊主共は、"見えている"。この屍の何かが、つまり、この屍が邪魔して着地をした儂の姿は"見えていない"。
そして、着地と同時に、全力で猿叫を発する。とてつもない声に、二人は一瞬耳を塞ぐ。辺りは曇天。何も見えない暗闇の中、これは不味いと、五条は六眼を使用した瞬間。
頭が揺らいだ。その次に痛みが、何も感じ取れなかった為、近づいたと思わず無下限を発動していなかった為だろう。揺れる頭を働かせ、飛んできた何かを視認する。石であった。とても小さな石。水切りをする程度の大きさの石が弾丸より少し劣るほどのスピードで五条に飛んできたのだ。
「悟!」
「大丈夫だ、傑。あのジジイ、パンピーじゃねぇぞ」
「…分かってる」
辺りを見渡すと、暗闇が広がっている。それに、先程の叫声の音が山々にこだまし、辺り一体の小さな音はかき消されてしまってる。これは不味い。明らかに、防戦一方だ。
堪らず、夏油は呪霊を2体取り出し、攻撃に備える。だが瞬間、取り出した呪霊が、霧散する。
「傑!後ろ!」
「遅イィィ!!!!!」
夏油の脛に途轍もない威力のローキックが為される。柄にもなく「うぉおおおお!」と素っ頓狂な声をあげ、止めと言わん限りの膝蹴りが頭を下げた夏油の頭に炸裂する。
「舐めんじゃねぇ!」
五条の拳が老人目掛けて放たれる。しかし、そこにあったはずの老人の頭はなかった。そこにあったのは、意識が蒙昧としている夏油の頭であった。放った拳は止まることもできず、示し合わせたかの様に、夏油の顎にクリーンヒット。遂には、気絶してしまった。
夏油が倒れる。そして、夏油のシルエットが崩れると同時に、老人が姿を表す。
だが、先程の狂喜していた表情は消え、まるで憐れむ様な、悲しむ様な表情をしていた。
「何故じゃ」
「''何故''だって、知るかよ!それより、俺のダチをボコしやがって!」
頭に血が昇る。傑をやられたから…それも確かにある。だが、それよりも、こいつが俺を雑魚を見る様な目で…非呪術師を見ている様な目で見ている様な気がしてならなかった。
「何故、その力を使わん?」
「んだよ、術式使って欲しいって?死ぬぜ、あんた?」
「うむ、構わん」
一切の表情を変えず、五条にそう言い切る。
「うわ、キッショ。バカかよお前」
「ぬぅ…バカとはなんだ。儂は真面目じゃ」
不貞腐れたように、そう言い放つ。
「で、どうじゃ!全力でやって…
「無理、非呪術師に術式使ったら罰せられるんだよ」
「……そうか」
そう言うと、老人は背を五条に向け、山へと向かう。まるで、もう興味がなくなったと言う様に。
「おい!ふざけんな!最後まで戦え!」
「無理じゃ、つまらん」
…五条キレた。歩き去る老人を追いかけ、全力で蹴り上げようと足蹴りを繰り出す。しかし、足蹴りは片手の手のひらで止められる。
驚愕も束の間、足を掴まれ、とんでもない遠心力を感じる。何が起こったのかわからなったが、自身の体が円盤投げの様にくるくると回されていることに気づいたのは、すぐのことであった。
その遠心力のまま、五条は呪霊の屍の山に投げ飛ばされる。吹き飛ばされたあと、すぐさま呪霊をどかし、正面を向いた瞬間。
右ストレートが五条の頭を打ち抜いた。
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早朝、二人は質素な和室の部屋で身が覚めた。最初、脳がパンクし、ここが何処なのだろうと思考停止していたが、すぐさま正気を取り戻した。
扉を開け、廊下を見ると階段が見えた。一階に降りると、味噌汁の匂いがして来る。
「あら、お目覚めですか?」
30歳ほどの女性が、五条と夏油を見つめて優しく話しかける。
「あの…ここは」
「ここは、ーー村です。昨日は災難でしたね」
「俺たちはどうやってここまで来た?」
「いいや、大鬼さんがあなた達を連れてきてくれたのよ」
「大鬼…?あのジジイのことか?」
五条も夏油も、昨日の記憶は曖昧だ。だが、二人の記憶は、強烈にあの老人に対する恐れ、怒りを残してる。
朝食を食べたあと、感謝を女性に伝え、二人は帰路についた。あの老人を高専に報告するために…
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