鍛えられた武術に、呪術が勝てるわけないだろッッ‼︎ 作:チチメカ
やばいね。あと、タグにキャラ崩壊を追加しました。
あの日を境に、儂の世界は一変した。
この世界には、''目に見えぬ何か''に溢れていた。久しぶりに
儂は感謝した。神仏か何かが、儂にくれた祝福だと思った。
以前より、多い頻度で人里に顔を出すことが増えた。昔は山で一生特訓と、退屈で死ぬのだと思っていたが、この闘争への欲求をぶつけられるのなら、なんと都合の良いことだろうか。
時たまには、歯応えのあるものもいる。あの廃神社の化け物は良い物だった。しかし、闘争ではない。一方的な物でしかないことを、儂は理解していた。なんと、健気なことか。
だから、喜ばしかった。
向こうから、儂に挑みにきた時。儂は、その瞬間から、本当の意味での人生が始まったと思えた。
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例の事件から数日後、報告書を書き終えた二人はあの老人…大鬼の話をしていた。曰く、とんでもないフィジカルと格闘センスの持ち主。曰く、呪術を使わなかったとはいえ最強二人を完封した男。曰く、非呪術師の例外。
久しぶりに、大真面目に報告をしたつもりだったが、
だが、うちの
既に、御三家は捜索に乗り出しているが、例の山には人の住んでいた形跡しか残っておらず、既に引っ越した事。そして、その人物の名前が''
「結局なんだったんだろうね。あの男は」
「しらねぇよ。思い出させんな。」
「二人倒されたんでしょ、ウケんね」
「うるさいよ硝子」
夏油が家入の発言に待ったをかける。夏油だって、別に気にしてないわけではないのだ。守るはずの非呪術師……言ってしまえば、下に見ていた人間に舐められた挙句、一度の攻撃も当たらずに撃沈したなどと、屈辱以外の何者でもない。
あの事件の後、二人は近接格闘や肉体格闘の訓練を毎日の様にしていた。もし二度目があるなら、あの男に復讐をするためである。リメンバーリメンバー最強のプライド…この二人は、これまでで一番と言っていいほど、真面目に特訓や勉強を行なっていた。
問題児二人の問題行動が今まで以上に抑制され、夜蛾は喜んでいたが…
そして、それからまた数日。二人も本調子を取り戻し始め、また夜蛾の胃がキリキリと痛み始めたとある日、最強の二人にその日がやってきた。
ー大鬼強、京都で確認。
二人は、授業をサボった。
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「おいお前、大鬼強だな」
「そうじゃが、なんだお前は」
特訓などどこでもできる。そう思い、儂は古くから住んでいた地を手放し、放浪の旅に出た。ただし、普段着で外を歩き回ればホームレスか、狂人扱いされてしまうため、衣装は修行僧のような姿である。鋼でできた、
最初は街から街を歩いていたが、最近は面倒になって、直線移動で京都までやってきた。
数十年ぶりの京都は、驚きにあふれていた。いつの間に、あんなヘンテコな塔が建っていたのか。
道行くものに聞いてみれば、京都タワーと言うらしい、なんとも安直な…
でも、自然と誰もがそれを受け入れていた。そう言うものかと、思いながら、また京都を横断し大阪に近づいてきた時、一人の男が儂の足を止めた。やつれた顔に、不機嫌そうな表情、ポニーテールのような髪型。
この時代にもかかわらず、刀を腰に携え儂に殺意を飛ばす。儂は感じた、つまらぬ人間が来たと。
「お前は非呪術師らしいな」
「は?よくわからん事言っとるな…儂は…ほら、修行僧じゃ。暇じゃない」
「喧しいぞ。口答えをするな」
面倒な人間に絡まれたものだ。儂は、つまらない戦いはしない。血湧き肉躍る闘争を求めておるのであって、子犬を蹴り飛ばし痛ぶる趣味は持ち合わせておらぬのだから。
「少し来てもらうぞ」
「無理じゃ、貴様馬鹿じゃないのか?」
「は?」
青筋を顔に表しこちらを睨みつける。お、これはもしかしてアレか?
「…抜かんのか?」
「なんだと」
「その、お前さんには勿体無い脇差し…儂も連れて行きたいんじゃろ?抜けばいい」
「貴様ァ…舐めるなよ」
どんどんと目つきが悪くなる。後もう一息だ。
「いいだろう。儂は一歩も動かん、抜いてみよ」
「この非呪術師如きがァ!」
ついに、男は刀を抜いた。死なない程度に痛めつけてやる。非呪術師などと言う、出来損ないが、自分に楯突いたのだ。上下関係をわからせてやると、刀を抜き鞘から刀身を抜き、老人の前に突き出す。
だが、瞬間。錫杖の先端にある装飾に刀身が絡まり、気づいた時には刀が扇の手にあるままに、自らの首筋に薄皮一枚の距離に近づいていた。
刀を離せば、錫杖の先端にある刀は男に奪われる。刀を握ったままでは、老人の一息で刀は扇の首を切り裂き絶命に至るだろう。まさに1秒もかからずとして、この男…禪院扇はチェックメイトを食らったのだ。
「お前の負けじゃ」
「ふざけるな‼︎」
扇は刀を離した。
そして、錫杖の懐に入り込み、その渾身の回し蹴りを老人に…当てることはできなかった。
「つまらん」
着地と同時に、扇は投げ飛ばされた。それを遠目で見ていた、禪院家の戦闘員はのちに語った…
アレは、とんでもなく綺麗なヤグラ投げであったと。
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問題児二人が来た時には、既に大鬼は居なくなっていた。そこに残っていたのは、プライドをズダボロにされた挙句、ついでと言わんばかりに盗まれた刀にショックを受け、コンクリートに「の」を描き続ける禪院扇だけであった。
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