鍛えられた武術に、呪術が勝てるわけないだろッッ‼︎   作:チチメカ

4 / 10
一日中小説書いてるよ。
やばいね。あと、タグにキャラ崩壊を追加しました。


第四話・グズvsバガ

あの日を境に、儂の世界は一変した。

この世界には、''目に見えぬ何か''に溢れていた。久しぶりに(みやこ)に降りてきた。目を閉じて、人混みの波に流れて行く。すると、感じる。空を飛び、地を這い…あの小僧どもは呪霊と呼んでいたそれは、人が多いところに密集する。心霊スポットなどと言う、人々の恐れが集まるところにいる。そして、何より、以前の儂と同じように誰もが、それを認識していない。

儂は感謝した。神仏か何かが、儂にくれた祝福だと思った。

 

以前より、多い頻度で人里に顔を出すことが増えた。昔は山で一生特訓と、退屈で死ぬのだと思っていたが、この闘争への欲求をぶつけられるのなら、なんと都合の良いことだろうか。

 

時たまには、歯応えのあるものもいる。あの廃神社の化け物は良い物だった。しかし、闘争ではない。一方的な物でしかないことを、儂は理解していた。なんと、健気なことか。

 

だから、喜ばしかった。

向こうから、儂に挑みにきた時。儂は、その瞬間から、本当の意味での人生が始まったと思えた。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

例の事件から数日後、報告書を書き終えた二人はあの老人…大鬼の話をしていた。曰く、とんでもないフィジカルと格闘センスの持ち主。曰く、呪術を使わなかったとはいえ最強二人を完封した男。曰く、非呪術師の例外。

 

久しぶりに、大真面目に報告をしたつもりだったが、上層部(腐ったみかん)共は、まともに信じてくれなかった。また、五条の坊主がふざけているだけだと。

 

だが、うちの担任(夜蛾正道)が事実であることを、上層部共に告げると、とんでもない騒ぎになった。特に騒ぎ出したのは禪院の奴らだった。「非呪術師にやられたのか」と蔑む者。「五条悟も結局はこの程度なのだ」と、嘲る者。どれも短絡的だ。だが、一部の呪術師は確かに理解していた。詰まるところ、この事件の一番抑えないといけない要点は、''特級呪霊を単独で排除し、呪霊の大群を単独で払うことの出来る身元不明の非呪術師がいる''と言うことである。

 

既に、御三家は捜索に乗り出しているが、例の山には人の住んでいた形跡しか残っておらず、既に引っ越した事。そして、その人物の名前が''大鬼強(おおおに つよし)''であること以外は何も得るものはなかった。

 

「結局なんだったんだろうね。あの男は」

 

「しらねぇよ。思い出させんな。」

 

「二人倒されたんでしょ、ウケんね」

 

「うるさいよ硝子」

 

夏油が家入の発言に待ったをかける。夏油だって、別に気にしてないわけではないのだ。守るはずの非呪術師……言ってしまえば、下に見ていた人間に舐められた挙句、一度の攻撃も当たらずに撃沈したなどと、屈辱以外の何者でもない。

あの事件の後、二人は近接格闘や肉体格闘の訓練を毎日の様にしていた。もし二度目があるなら、あの男に復讐をするためである。リメンバーリメンバー最強のプライド…この二人は、これまでで一番と言っていいほど、真面目に特訓や勉強を行なっていた。

問題児二人の問題行動が今まで以上に抑制され、夜蛾は喜んでいたが…

 

そして、それからまた数日。二人も本調子を取り戻し始め、また夜蛾の胃がキリキリと痛み始めたとある日、最強の二人にその日がやってきた。

 

ー大鬼強、京都で確認。

 

二人は、授業をサボった。

 

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

「おいお前、大鬼強だな」

 

「そうじゃが、なんだお前は」

 

特訓などどこでもできる。そう思い、儂は古くから住んでいた地を手放し、放浪の旅に出た。ただし、普段着で外を歩き回ればホームレスか、狂人扱いされてしまうため、衣装は修行僧のような姿である。鋼でできた、錫杖(しゃくじょう)を持って、街から街へ乗りうっつった。目標は、取り敢えず大阪にした。向こうなら、また面白い呪霊とやらがいると思ったからだ。

最初は街から街を歩いていたが、最近は面倒になって、直線移動で京都までやってきた。

 

数十年ぶりの京都は、驚きにあふれていた。いつの間に、あんなヘンテコな塔が建っていたのか。

道行くものに聞いてみれば、京都タワーと言うらしい、なんとも安直な…

でも、自然と誰もがそれを受け入れていた。そう言うものかと、思いながら、また京都を横断し大阪に近づいてきた時、一人の男が儂の足を止めた。やつれた顔に、不機嫌そうな表情、ポニーテールのような髪型。

 

この時代にもかかわらず、刀を腰に携え儂に殺意を飛ばす。儂は感じた、つまらぬ人間が来たと。

 

「お前は非呪術師らしいな」

 

「は?よくわからん事言っとるな…儂は…ほら、修行僧じゃ。暇じゃない」

 

「喧しいぞ。口答えをするな」

 

面倒な人間に絡まれたものだ。儂は、つまらない戦いはしない。血湧き肉躍る闘争を求めておるのであって、子犬を蹴り飛ばし痛ぶる趣味は持ち合わせておらぬのだから。

 

「少し来てもらうぞ」

 

「無理じゃ、貴様馬鹿じゃないのか?」

 

「は?」

 

青筋を顔に表しこちらを睨みつける。お、これはもしかしてアレか?

 

「…抜かんのか?」

 

「なんだと」

 

「その、お前さんには勿体無い脇差し…儂も連れて行きたいんじゃろ?抜けばいい」

 

「貴様ァ…舐めるなよ」

 

どんどんと目つきが悪くなる。後もう一息だ。

 

「いいだろう。儂は一歩も動かん、抜いてみよ」

 

「この非呪術師如きがァ!」

 

ついに、男は刀を抜いた。死なない程度に痛めつけてやる。非呪術師などと言う、出来損ないが、自分に楯突いたのだ。上下関係をわからせてやると、刀を抜き鞘から刀身を抜き、老人の前に突き出す。

だが、瞬間。錫杖の先端にある装飾に刀身が絡まり、気づいた時には刀が扇の手にあるままに、自らの首筋に薄皮一枚の距離に近づいていた。

 

刀を離せば、錫杖の先端にある刀は男に奪われる。刀を握ったままでは、老人の一息で刀は扇の首を切り裂き絶命に至るだろう。まさに1秒もかからずとして、この男…禪院扇はチェックメイトを食らったのだ。

 

「お前の負けじゃ」

 

「ふざけるな‼︎」

 

扇は刀を離した。

そして、錫杖の懐に入り込み、その渾身の回し蹴りを老人に…当てることはできなかった。

 

「つまらん」

 

着地と同時に、扇は投げ飛ばされた。それを遠目で見ていた、禪院家の戦闘員はのちに語った…

アレは、とんでもなく綺麗なヤグラ投げであったと。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

問題児二人が来た時には、既に大鬼は居なくなっていた。そこに残っていたのは、プライドをズダボロにされた挙句、ついでと言わんばかりに盗まれた刀にショックを受け、コンクリートに「の」を描き続ける禪院扇だけであった。




評価や感想お待ちしてます
行き当たりばったりなので、下さると長持ちします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。