鍛えられた武術に、呪術が勝てるわけないだろッッ‼︎   作:チチメカ

7 / 10
思っていた以上に読んでくれてる。
それと、みんな山月記ネタ分かってくれて嬉しい。
感想の全て答えたいけど、伏線について触れてるものがあって、迂闊に返せない今日この頃。


第五話・空飛ぶジジイ

大阪の廃校舎にて、最強二人と鬼一人が激戦を繰り広げていた。一見二人が優勢見えるが、実際はそうではない。呪力と言うものは、どれ程あろうとも、術式の連続使用は脳が焼き切れてしまう。

とくに、五条の無下限+六眼はそれに該当するだろう。

 

二人は有効打を鬼に与える事が出来ない。まるで、全て見えている様に動く。見えていないはずなのに。夏油の呪霊を片手間で払い、五条をもう片方の手で相手する。

 

最強の二人は初めて出会った。ライバルではない、雑魚でもない。とんでも無い程高い…高い壁に。

 

……そもそも、何故こんな事になったのだろうか。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

早朝、またもや学校を無断欠席した二人は、大阪で一泊した後、大阪を見て回っていた。しかしながら、二人の捜索は難航していた。

 

それもそのはず、これだけ多くの人がいては六眼を使っても無駄である。ましてや、大鬼もこの有象無象の群衆と同じ様に非呪術師であるため、呪力量は一般人と同じ。

 

二人は半ば諦めかけていた。

 

「クッソー〜ッ!どこにもいねぇじゃねぇか」

 

「…もう昼か…悟、蕎麦でも食べないかい?」

 

「は?ラーメンだろ」

 

時刻は昼過ぎ、もう既にそこら中から料理のいい匂いがしてくる。朝から探し始めた手前、朝食を食べておらず、二人の空腹は我慢ならないほどであった。

 

厳正なるジャンケンの結果、昼食は蕎麦になった。悪態をつく五条を横目に、夏油は近場で良い匂いのする蕎麦屋に入る。そこには…

 

「おい!おい!店主よ!よく見とれェ…ほれ、小銭が一つ、二つ、、、ありゃ、店主よ今は何時(なんどき)

「馬鹿野郎!何『時そば』やってんねん!!しっかり金払わんかい!坊さんやろ?!」

 

金が足らず、時そばで店主を誤魔化そうとする大鬼の姿があった…

 

ーーーーー

 

「…いやぁ!ありがとう、青年達よ!」

 

「いえいえ、困った時はお互い様です」

 

「金ねぇとか、貧乏人かよ」

 

それはそうだと、豪快に笑う大鬼。それを見て苦笑いする夏油に皮肉全開の言葉を向ける五条。

二人はようやっと、目標(例のジジイ)に出会うことができたのだ。

 

二人の心づもりは同じである。

 

''再戦''

 

この2文字に全てが詰め込まれている。壊されたプライドを元に戻す方法はこれ以外に存在しない。だが、この一言で二人のプライドはさらに傷を負うこととなる。

 

「ところで、知らない顔(・・・・・)じゃが、何か用でもあるのか?」

 

「「は?」」

 

二人は大きな間違いを持っていた。前提自体が間違っていたのだ。''この男は、自分達を知っている''、''あの戦いを覚えている''。

 

この男が二人を覚えていない

 

つまり、記憶に残らない(・・・・・・・)戦いであった、と言うわけである。大鬼は気づいていない。今自分は地雷原の地雷を知らぬうちに踏み抜いている上、まるでその地雷を全て爆破する勢いで走り抜いていると言う事を。

 

「すまんな…最近ボケてきたんかもしれん」

 

「おい、ジジイ。本当に俺たちの事覚えてない?」

 

「………すまん。知らん(・・・)

 

「…本当に覚えてないんですか?」

 

夏油が冷静を装い、大鬼に聞く。この男も結局は五条(クズ)と同じである。その為、この大鬼の言葉にプライドが相当なダメージを喰らっているが…

 

「知らん。全く。一度も見た覚えがない」

 

故に…

 

「「少し…話そうか」」

 

「おう?まぁ、飯奢ってもらったしのぉ」

 

最強二人…ブチ切れた

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

高専の許可は得ていない。しかし、かと言ってこの屈辱を払わないわけにはいかない。そこで二人は、先に家入を呼び、家入が来るまでの間、大鬼と戦う事を選んだ。

 

「おぉ?拳が当たらん?!」

 

「かかったな、クソジジイ!」

 

ついに、五条は拳を大鬼に当てた。呪力で強化したパンチ。普通の人間なら気絶する威力であるが…

 

「いい…!いいィィィィぞぉ???!!」

 

「うわ…とんでもねぇ、ハイになってる」

 

「悟、六眼でなんか分からないのかい?」

 

大鬼は、顎が外れそうな程の笑顔を見せ、興奮していた。錫杖を構える。

 

「わかんねぇよ、ただのパンピーって事だけ…だけど、それだとあれなんだよ」

 

「青年達ィ!思い出したぞ!あの夜の坊主共だろ!」

 

「…やっと思い出したかジジイ。それなら

「うむ!うむ!あの虚しい(・・・)だけの戦いじゃったな?」

 

「「"あ???」」

 

また、煽る。今度は故意に。

 

「また、詰まらない戦いになると思ったが…なかなかどうして…楽しいなぁ!」

 

大鬼が傘を手裏剣の様に、五条に向けて投げる。無下限でそれを止め、すぐさまはたき落とすが、瞬間目の前から大鬼が消える。

一瞬の思考

それと同時に、顎に強烈な痛みが走り、体が宙に浮かぶ。

 

「悟!」

 

「余所見をしてる暇があるのか!」

 

伏せの姿勢から、五条の顎を目掛け錫杖を刺した大鬼が、そのままの勢いで夏油に襲いかかる。

呪霊を召喚し、壁を作る。

しかし、それはすぐに払われる。夏油はそれを読み、右ストレートを当てようと拳を前に突き出す。

 

「いない?!」

 

背中をトントンと小突かれる。すぐさま、蹴りをするが空を蹴るばかり。状況を飲み込めず、後ろを見ようとすると。

 

「ブブブッッッ!!」

 

「"あ"ぁ"ぁ"ぁ!!!!!」

 

大鬼が口から何かを撒き散らすと、それが夏油の目に入る…まさかの毒霧。噴き出したのは、懐に忍ばせてあった、大鬼特製の超激辛スープである。

 

目の前が見えなくなった、夏油の前髪を引っ張り、攻撃の隙を探していた五条にぶん投げる。

この時、大鬼は無下限を理解せずとも、正統な理由で五条を殴れぬ事を理解していた。しかし、とてつもない頭の回転で、この攻略法を導き出した。

 

友を見捨てることもできず、無下限を解いて受け止めた次の瞬間…最後に五条が見た景色は、フライング・エルボーの姿勢を空中でとり、狂喜の笑顔で五条を見る大鬼の姿であった。




プロレス技って、派手でカッコいいの多いですよね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。