この話は、エデン条約編後の時間軸で起こりうるもんだと思ってください
……これナギサ様ファンから怒られねえかな
あ、アンケート新しいの2つあるからよろ
エデン条約編──それはゲヘナとトリニティが和平を結ぶために提携されるはずだった条約。しかし、アリウススクワッドの襲撃。ミカの裏切り、ゲマトリアの介入により破綻した。
これはトリニティとゲヘナの話では有る……のだが、それを看過できない生徒も当然いる。ミレニアムの蒼望ニアもその一人だ
「───────」
トリニティのティーパーティーの敷地。そこでは普段お茶会が開かれて居るのだが。今日は朗らかな談笑ではなく。異様な空気が漂っている。張り詰めた空気、というよりも絶対零度の空気だ
この場にいるのは。トリニティは代表として桐藤ナギサ、当事者として浦和ハナコ。シャーレからは先生。ゲヘナ側は後始末が大変ということで今回は欠席。そして、ミレニアムからは蒼望ニアがやってきていた。蒼望ニアが今後のトリニティとの関係について話したい、というところから事は始まった。先生はニアのただならぬ雰囲気を感じ取って着いてきたという具合だ
(”……やっぱり着いてきてよかった”)
先生は心のなかでそう確信した、この張り詰めた空気を作っているのは蒼望ニアだけだ。明らかに普段の彼女ではない。目つきも、姿勢も普通のそれじゃない
「……あまり長く時間は取らせませんよ。桐藤ナギサさん、トリニティとのお付き合いの仕方をどうするべきか、少し悩んでいるだけですから」
口調も他人行儀だ、普段の彼女ならこういった話し方はまずしない。面倒くさがるから、それをわざわざ持ち出しているということはそういうことだろう。
「…理由を伺っても?」
「…お心あたりがないとでも?」
ナギサが口を開けば、ニアは冷笑を持って答える。それを知らないとは言わせないという風に。そこからは、ニアからの情け容赦のない口撃が始まったのである
「いえ、これは私自身がされたことではないのですが…どうやらトリニティでは補習授業と称して。学園から追い出す風潮があるそうで。そういう輩は人の居場所を奪おうとしたのに、いざ自分の居場所が失われるとなれば慌てるんですね、見苦しいことこの上ないです。随分な性格してると思いますよ?醜悪此処に極まる、というところでしょうか?影で暗躍してるゲヘナの生徒会のほうがまだお行儀が良いというものです。………ああ、手動者は貴女でしたね桐藤ナギサさん。それでいてヒフミさんと仲直りしたい?どの口が、どの口がそんなことを?貴女の舌は2枚どころかマニピュレータのように何層も折り重なっているのでしょうか?その相手の友人の夢を、居場所を奪おうとした悪辣な貴女が?罪人である分際で?まあまあ、お嬢様というのはそういうものなのでしょうか?私はお嬢様に生まれなくて心から嬉しく思います、貴女のような存在になりたく有りませんし。ゲヘナの方々のほうが余程ましかと…あぁ、それで嫉妬でもしたんでしょうか?言いたいことを真正面から、なんなら「自らの手」で「相手に誰がやったか伝えた上」で、「相手のことを磨り潰せる」ことに?浅ましいことこの上ないですね。私、勘違いしてました。トリニティはある程度まともだと、信じていましたが…上がこれでは、ほかも腐り切っているでしょう。シスターフッドも、正義実現委員会も名ばかりの烏合の衆。たとえトリニティ全土が危機に陥っても一致団結など夢のまた夢、ゲヘナですら出来そうなことですが…まあ、自分たちの権力保持にしか興味がなく、他はどうでも良さそうですしそうなるのも仕方がないかと思います。下を塵芥のように自分の都合で切り捨てる……さぞ、その背中の羽はお綺麗なんでしょうね。あぁ、見てくれの話ですよ?内面は汚れきった自分本位のものででしょうから。最上級生としての自覚もなく、自らが責任を取るような立場という自負もなく。最悪の場合、自分の首をすげ替えて状況の沈静化を図るという覚悟もなく……お飾りには丁度いいかと。内面を考慮できない貴方達にはお似合いですので。ティーパーティー、おままごとしか出来ないからそういった名称だと思いますが、どうなんでしょうか?……あぁ、最後に一つ。エデン条約というものを知っていますでしょうか?まあ知っていますよね。ゲヘナとトリニティの和平交渉……さて、それを邪魔したトリニティの面汚しは誰でしょうか?先生、つまりはシャーレ。ひいては連邦生徒会にまで最悪の場合弓を引いた、と捉えられてトリニティの将来まで不安を残すようなことをしでかした輩は誰でしょうか?知っているのであれば、教えてください。トリニティのナギサ様?」
「……っ」
情け容赦がないどころの話ではなかった、ニアの世間話をするような口調から放たれるそれはもはや言葉の刃だ。桐藤ナギサを殺しに来た、そう言っても過言ではないぐらいに。我関せずだったはずのハナコですら。ニアの顔を凝視している
「いえ、不安なのですよ。ゲヘナに
「そのような───」
「人の話を遮るな愚か者」
ニアの慇懃無礼じみた言葉に思わずナギサが口を挟もうとするとニアは恐ろしく冷たい言葉で逆に言葉を遮り返す。お前に何一つ口答えは許さないという威圧を込めて
「私が、何故そのようなことを思ったかと言いますと…やった張本人である桐藤ナギサ様がなんの咎めも受けていらっしゃらないと見受けられるからです。同じく失態を犯した聖園ミカさんは処罰を受け、ティーパーティーからの除名という形で罰を受けて居るのもあります。ティーパーティーが機能不全に陥るという考慮を差し引いても……桐藤ナギサ様、貴女だけ随分と身をお切りになられていないと感じたまでですよ?……そうそう、浦和ハナコさん。一つお伺いしても?」
「……何でしょうか?」
「下江コハルさんは貴女方のご友人で間違いないでしょうか?」
「…そうですね、認識は。間違っては居ませんよ」
「…そうですか」
ゆっくりと視線を受けたハナコがいつもと変わらない雰囲気でニアの問いかけに答えると、視線を戻しながら。より冷たくなった目でナギサにただの世間話のように問いかける
「下江コハルさん、正義実現委員会の一年生。成績としては優等生というよりは劣等生なのは私も把握しています」
「”ニア”」
「先生も人の話を遮らないように、飛び火致しますよ……私が丸腰で来ているのは。
先生の静止も切り捨てつつ、お前も同じ様にしてやろうかという圧力に、先生も気圧されて言葉を紡げない、ニアは丸腰だ。銃を今日は持ってきてはいない、友好的な話し合いをするためそう思っていた先生の誤算であり、ニアの激憤がそれ以上に強かったのである…単に、殺さないようにするだけ。それが理由だったのだ、ミレニアムを巻き込みたくないからであって。決して桐藤ナギサを慮ってではないと、改めて突きつけられる
「故に補習授業部に入れられることは。さして不思議では有りません……ですが、補習授業部の中で。桐藤ナギサ様との関わりは極端に薄いと推測できます。言ってしまえば、ただの劣等生であり
「………」
滔々と淀みなく口を開くニアに、ハナコの視線がきつくなる。ハナコ自身、ナギサの一件に関しては思うところがあったものの。コハルが貶されるのは我慢ならないのだろう
「さて……そんな下江コハルさんですが」
一言言葉を区切った後、ニアのナギサを見る視線が冷笑する視線から無機質な視線へと変わる
「彼女、ヒフミさんのご友人だそうで」
「…………っ」
ナギサの顔色が悪くなり、先生が表情を強張らせ。ハナコが目を見開く
「仮に成績が悪くとも、高望みした結果で自滅しようとも。彼女は、自分の身が滅ぶことではなく。周りの大切な
「どの面下げてその所業をした相手と仲直りしたいと言えたこの畜生め」
その瞬間、恐ろしいほどの怒気を感じ取る。直接意識を向けられていないであろう先生とハナコですら、冷や汗を垂らしているのだ。真正面から当てられているナギサはそれ以上の圧力を受けているだろう。ニアの髪が揺れ、重圧が漏れ出している。
「貴様が行った所業は到底許されるものではない。力のあるものが力のないものを虐げ、追い詰め。あまつさえ追放しようとしたのだ。ただの生徒だ、ただ背伸びをして、身の丈に会ったことではなく。上へと手を伸ばそうとしていただけの。何処にでも居るような、
「ニアさん」
もはや殺気とも言える眼光を放っているニアに、ハナコが割って入る
「……それ以上は、言わないほうがいいかと。もう十分、私が言いたかったことを代弁してくれましたから」
「………そうか、当事者である貴女がそういうのであれば。矛を収めよう」
ハナコの視線を受けて、ニアはいつもどおりの雰囲気に戻る。……のだが、それはそれ。これはこれというように再度ニアは口を開く
「……此処までは、トリニティの取引をしに来た者としての発言。こっからは
憔悴しきったナギサを尻目に。止めようとする先生を、ハナコが静止する。これはこの場で吐き出しておかないと、より厄介な場面で爆発しかねないと。この場が、ラストチャンスなのだと
「…ナギサさんよ、一つ質問だ」
「……なんでしょうか」
「……お前、聖園ミカと幼馴染なんだよな」
「……そうですけれ……どっ!?」
「!?」
「”ニア、待つんだ!”」
ナギサの胸倉をつかみ上げたニアにハナコは驚き、先生がそれだけはいけないというように。割って入ろうとするが、その前にニアが口を開いた
「テメェ……その幼馴染守るためにやったんじゃねえのか?」
「…そう、ですよ…ミカさんを守る為に……!!」
ニアの言葉に苦しそうにしながらも返したナギサの言葉に、ニアは怒髪天をつく
「じゃあなんで最後まで守ってやらねえんだ!!」
「!」
怒号に驚いたというよりは、その内容に。三人とも動きが止まる。それを構わずニアは声を張り上げる
「今聖園ミカがどういう状態に陥ってるか知らねえわけじゃねえだろ!陰湿な虐め!ミカが居なけりゃろくにゲヘナに喧嘩も売れねえようなゴミに後ろ指さされて!!ボロボロじゃねえか!!裁判で決着は着いたんだ…裁判ってのはな、それ以上罪を問わないこともそうだが。私刑を防ぐためにそれで手打ちにする為にやるんだ!元に聖園ミカは罰を受け入れて、従っている。ならそれ以上の罰は許されねえ!何のための裁判だ!茶番じゃねえんだ!テメェが起こしたことが発端だったら、最後まで面倒見てやれ!お前の言動も行動も、一貫性がねえ。テメェの全部を捨ててでも守りたかったんじゃねえのか聖園ミカを!!正気に戻ったらヒフミのほうが優先、なんてもんを見せられた聖園ミカの気持ちとか考えたことあんのか…?幼馴染で仲良かったやつが守ってくれないって言う事実を受け止めきれてねえんじゃねえのか…?何のために…何のためにお前はそこに据わってる桐藤ナギサァ!!!!」
そう言うと、ニアは桐藤ナギサの胸倉を離す。ナギサは放心したように、何も言わなくなっているのを見れば。同じ様に何も言えなくなっているハナコと先生に言い残し、去っていく
「……とりあえず。トリニティとの関係は切らないでおく…ただ、二度と面を突き合わせることは無い。そういっとけ」
そしてこれをやったことで。ミカルートが開放されました、ついでにハナコルートも開放された様子です
ハナコが言った厄介な場面で爆発するってどういう場面?
ミネ団長が居る場面に決まってるじゃん、ポロッとニアが口走ろうもんなら前に書いた紅茶まみれルート直行よ。
此処で一つ、ニアの神秘について。ほんへ読んでる人なら気づいただろうけど。モチーフめいたのはギリシャ神話のネメシスです。よくSTARS!!!!とか言われてるアレじゃないですよ。復讐の神、とよく誤解されがちですが。元々は義憤の神であり、裁判を司る神でもあります。なのでナギサ様の所業はニア自身の意思+神秘の影響で苛烈に苛烈が加わっている感じです