俺は今戦の真っ最の中にいる
俺の役割は前線が崩れた時に前に出て戦うことだ
しかしいつもはこの場所で待機してるだけで実際戦ったことが無い
暇なのでこの場所から戦ってる人たちを見ている
危なくなると逃げ出してそんなに沢山の人が一度に死ぬわけではない
もちろん相手もそうだ
相手に合わせてあまり被害が無いように戦っているように見える
いつもそんな感じだ
その日の戦いが終わると中隊長からの報告がある
大体は我々の軍は勝利だった
我が隊は前線を上げ勝利したと言っている
しかし前線を上げるどころか下がっても同じことを言っている
何が本当のことか分からない
しかし今日は戦況が悪そうだ
わが隊の作戦変更はない
大丈夫か?そう思っていると班長が来た
「孫四郎、お前は中隊長の所へ行って中隊長を守れ。俺たちは前線に向かう」
「えっ!?」
「今見ての通り我々の前線は崩れそうだ。我々は前線に人を送り込み何とか保とうとするいつものやり方だが
相手は勝負をかけに来たのか今までとは違う。中隊長を頼んだぞ」
「はい、わかりました」
「もう連絡はついている。行け」
「はい」
俺は中隊長の部隊に向かった
班長はいい人なので心配だった
中隊長は地図を見ながら俺を顔を見ないで「孫四郎、お前はそこに居ろ」と言った
その後ちらりとこちらを見て「赤色の槍か、生意気な」と聞こえた
この赤色は戦場で自分の槍を無くさないよう祖母が柄に赤い布を巻いてくれたものだった
俺は聞こえないふりをして前線を見た
「クソ!みんな何やってんだ、敵がここまでくるじゃないか」
そんな独り言が聞こえた
実際近くまで敵が来ている
「お前ら、前に出て戦え」そんな声が聞こえたがもう押し返すことは無理だろう
そんなことを考えていたら矢が飛んできた
俺は槍を振り回し矢を偶然叩き落すことができた
もし俺が矢を叩き落さなかったら中隊長に当たっていただろう
俺は弓で攻撃したやつまで走り槍で刺した
刺した後槍をひねろと言われていたので槍をひねろうとするとそいつは俺の槍を両手で掴んでいた
俺は槍を引く抜くことが出来なくなった
左側からこちらに向かってくる人影がみえたので槍を左に振った
槍が刺さった人も槍と同じ左に動いた
その時俺の正面から矢が飛んできた
その矢は俺に当たることはなかったが俺の槍を受けてる人に当たったのか槍が急に重くなった
槍を掴んでいた両手はだらりと垂れ下がっていたので槍を引き抜きそのまま振り回した
俺に襲い掛かってきた数人はその場で倒れこんだ
味方を斬ってないか心配だったがそんな見てる暇はなく襲い掛かってきた人にとどめを刺した
一瞬の事で無意識に行動したのでいったん冷静になるため正面をじっと見た
しかし目の前の惨状を見て恐怖のあまり震えてしまった
一瞬パニックになった心を抑えるために前にある大岩を石突で突いて大声で叫んだ
大岩は割れ急に冷静になるのが分かった
敵味方がこちらを見ていたので恥ずかしくなって前線で戦っている班長の所まで走った
敵は俺を避け左右に散らばっていくのが見える
「おお、孫四郎助かったよ」
班長の近くに行くとそういってきた
周りを見ると敵の前線が下がり戦闘は終わったように見えた
俺は前線まで走って来たのに戦うことがないまま戦闘が戦闘が終わったことで拍子抜けした
「お前は中隊長のところに戻った方がいいぞ」
班長にそう言われたので「はっ!」とした
「それでは班長、又あとで」そういって中隊長の所までもどることにした
心臓がドキドキしているのを落ち着かせながら歩いた
しばらく歩いていると中隊長が来て「俺の命令にちゃんと従え。今回は不問にしてやるが次はないぞ」と言ってきた
俺は戦闘の時の大声で叫んだことを思い出し恥ずかしくなった