モンスターハンターアルカディア   作:ぷにぷに狸

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終章:朧月の宴

 ミルク達オトモらを交えて、目の前には豪華な料理が出されていた。種類が豊富であり、中でもメインディッシュであろう特製こんがり肉が強烈なインパクトを与え、食欲センサーを刺激しまくるのだ。

 肉汁が滴りまくる中、目を丸くしまくるケインやJ.Oは、今にもかぶりつかんと前のめりになる始末であり、特にJ.Oに限っては、被り物の隙間から涎が出まくっていた。

 

「早まるなよ、二人とも」

「分かっているって。だから、こうして――」

「隙あらばとネ?」

「そうそう、隙あらば――って、何を言わすんだよ!」

「だって、獲物を仕留めんばかりに構えているネ」

「こ、これは、……ぽ、ポーズだよ、ポーズ。美味っそう的な感じを体全体で体現しているんだよ」

「ポーズね〜。しかも、全然言い訳になってないしで」

「おいっ、ユウト。まさか、俺がこそこそと頂くと本気で思っているのか?」

「まぁな。第一、手に持ったフォークとナイフが、めっちゃ肉に刺さっているしな」

「え? ……、っ!」

 

 咄嗟に隠した。まさか、自分の体が、こんなことをしでかすなんて。と自分で自分の本能に驚いているようであった。

 素早くフォークとナイフを隠したケインではあるが、今更ながらその事実を知ったJ.Oは、彼の隠蔽工作を見逃すはずもなく、語気を荒げた。

 

「てめぇ〜、ケイン‼︎」

 

 とナイフを持った右手を使って鷲掴み。顔をグイッと近づけては

 

「つまみ食いを目論んでいたのか?」

「つ、つまみ食いって。んな訳ないだろう」

「どこがだ! 肉に刺しておきながらな」

「いや、あ、あれは……。ま、マグレ。そう、マグレだよ。俺自身も驚いていたんだよ。てか、その手にしたナイフ、離してくれよ。マジで怖いからさ」

「……ちっ」

 

 渋々と言うべきか。J.Oは、ナイフを掴みながら鷲掴みしていた手を離してやった。

 ふ〜、と一息するケイン。先に奪おうと目論んでいたであろうケインを睨め付けるように、J.Oは彼の方を見続けていた。

 ――と、そうした殺伐した空気が漂う中、

 

「お待たせしました。……最後の一品です♪」

 

 そう言葉を紡ぎ現れたるは、カデットとオムラ村長。村長の後をついてあるカデットの両手には、最後の一品として、グラグラタンが階層ごとに分かれたお膳立てに並べられていた。

 

「こ、これは……」

 

 熱々で香ばしい香りが漂う一品に、俺は釘付けになった。

 

「脱帽する一品料理だな」

「美味しそうですね」

 

 ノブ公とレイナ、揃って目をキラキラさせた。他、オトモ達も、これよがしと待ちきれないと様子。胸を躍らせていた。

 

「ふふふ、みんなして」

 

 とレイナ。

 

「それを言うなら、レイナさんだって」

「あら、そうかしら?」

「そうだネ。目がキラキラしているのが丸分かりだから」

「っ! あら、私ったら」

 

 自分でも気が付かなかったらしい。口元に手を当てて、少なからず驚いた。思うに、

 

 (この人、自分で思っている以上に鈍感なんじゃ〜)

 

 そんな風に変に勘繰ってしまった。

 

「さてと」

 

 持って来たグラグラタン3段セット、それを空いているスペースに置く。キッチンミトンで一皿ずつ掴んでは、一人一人配り。方や、オムラ村長は、早々と自席に腰を掛けた。

 

「どうじゃね? ワシとカデットの共同料理は」

「いや、もう完璧じゃないか」

 

 第一声、J.Oが先に感想を述べた。続いて小狼。口で言う代わりに、手早くチャット画面を開くや――

 かと思いきや、何かを意したらしく操作の手を止め。画面を脇に避ければ、どことなく気恥ずかしいそうに一言。

 

「上出来、だと思う……」

 

 小言ながらも感想を口にした。

 

「なんだよ、小狼。んな、恥ずかしがることないって」

 

 活気づけようと、ケインが彼の首回りに腕を伸ばして励ましをした。側から見れば、ケインの行動が、返って小狼の存在を小さく見せてしまったかも知れない。

 ケインとしては自覚はないだろうが、当の小狼がよそよそしく小さく見えてしまった。

 

「さてと、皆の衆、いいかのぅ?」

 

 最後にカデット自身が席についたところで村長が声を掛け、各々が小さく頷く。

 

「無事に下山できたことを祝って、乾杯じゃて。乾杯!」

「「かんぱーい‼︎」」

 

 カチン、カチン、と各々が手にしたコップやらグラス、中には木製のコップやらが軽くぶつかり合い、祝福の音色が響き渡った。

 早速、一気飲みする者、慎重に試飲する者、飲み物よりも豪華な料理に目がいく者。まさに、十人十色とはこのこと。

 本能の赴くまま、各々が食欲を満たしていく。

 

「ぷは〜、こいつはうまいぜ〜」

 

 被り物の下からジョッキを手に一気飲みしていたJ.Oが、爽快と言わんばかりに感嘆を漏らした。

 見るからに炭酸系だとは思うが。……いや、泡立つ黄色の液体からにビールと言うべきか。

 彼の眼前にポップアップで表示されたステータス画面では、

 

〝酒酔い”

 

 の状態異常が表示されていた。それも相まってか、被り物の上からでも、頬の辺りが赤く熱っているのが見えた。

 グラグラタンを食しながらそんな彼を見つめていた俺であるが、再びビールを飲む姿を静かに見つめる。

 

「な〜、J.O」

「あん?」

「その被り物、邪魔じゃないか? なんか、飲みづらそうに見えるからよ」

 

 まさに同感、俺もそう思う。いっそうのこと、取れば楽だと思うくらいだから。

 しかし、ケインの指摘を撥ねつけるように、J.Oは拒んだ。

 

「いいんだ。いいんだよ、これで。この方が安心なんだからよ」

 

 けれど、ケインは

 

「ほんとか? それ」

 

 怪訝そうな表情をした。けど、そんなケインなんか、意に介さずと言ったところだろう。何も答えずして、そのまま食事を続けた。

 

 一拍置いて、それでもケインは彼を見続ける。

 

 そんな中、ケインと隣席していたジャムが、相棒を気にしてか尋ねて来た。

 

「どうしたのにゃ?」

 

 すると、ケインは

 

「いや〜、なんて言うかな。どうしても気になってよ」

「気ににゃる?」

「ああ、被り物の下がな」

 

 そこに関しては、少なからず俺も気にはなっていたかも。今更ながら、ケインの心中と同じ気持ちになった。

 と言うのも、まさに素顔を見ていないからである。

 

 そう……、素顔。

 

 今までの言動からに、恐らく男だとは思うんだけど、やっぱり気にはなるのだ。クエスト時ならいざ知らず。

 ましてや、クエストでもなんでもない今、こんな滅多にないであろう糸間の団欒くらい、いっそうのこと脱いでもいいんじゃないかと同じく思うのだ。

 

「ま〜、脱いだ方が一番いいとは思うがにゃ、でも、どのみち強制はできないのにゃ」

「だよな〜」

 

 ジャムの意見を聞いたケインは、ようやく諦めがついたようだ。肩を落としたのが垣間見れた。

 

「ん? なにをコソコソしているネ?」

「あ、いや、な、なんでも。……な?」

「え? ま、ま〜、にゃ〜」

「……怪しいネン」

 

 何か隠し事でもあるのだろうか? そんな鋭い目線がケインとジャムに投げかけられた。

 

 (……どうでもいいや)

 

 正直、J.Oの素顔、気になるところではあったが、ケイン達のやり取りを側から眺めていた俺は、なんか肩透かし食らったような感じがして、半ばどうでも良くなった。

 

「そう言えばなんですけど……」

 

 間を置いたそばから、スープを啜っていたレイナが切り口を開ける。

 

「礼を言わないといけないですね。改めて、カデットさん、私達を助けてくださり、本当にありがとうございました」

「レイナさん?」

 

 ミルクがここに来て、少し驚いた素ぶりを見せる。改めてお礼を述べるなんて、予期しなかったのかも知れない。

 そんな風にも見えたからだ。それもあってか、ノブ公も同じ気持ちだったのだろう。

 

「レイナさん……」

 

 と同じく一言。皆が彼女を見る手前、レイナは続けて話す。

 

「ずっと、礼を言わなきゃ。って思っていたので。あの時、ティガレックスとの戦いでそれどころではなかったから」

「あー、確かに。あたしからも礼を言うわ。団全員を代表して、本当にありがとうございました。カデットさん」

 

 最後の言葉を締めくくるセツナのお礼。そのタイミングに合わせるように、俺とケイン、ジャムを除く全員が頭を下げた。

 一拍置いて、俺も、いや、俺だけでなく、ケインやジャムも、この空気に後押しされるような形で、慌てて頭を下げた。

 一同、全員。とは言え、それでも、オムラ村長は除くが。その畏まった空気を感じて、カデットはやや汗ばんだ。

 

「そ、そんな畏まってまでしなくても。私はただ……」

 

 すると、脇にいた村長が、

 

「ま、いいんじゃて。どの道、全員助かったのじゃから」

「ご主人様……」

 

 それ以上は何も応えられなかった。応えられなくて、ただ、目の前を向けずして、何か思うことがあるのか。

 俯いては、視線を右往左往していた。

 

 食事会も中盤に差し掛かろうとしていた。所々、平らげたメニューが、ちらほら出てきていたから。

 そうした中、カデットは思うところがあるのか。完食する前に、席を立った。立って、何やらオムラ村長に託けすると、早々と部屋を出てしまった。

 

 (どうしたんだ? あいつ?)

 

 不思議なことに、俺は気になった。……いや、不思議なことでもないのかも知れない。振り返って思えば、気掛かりな点があったから。

 

「どうしたん? ユウト」

「ちょっとな」

「ちょっと?」

 

 ケインの疑問には、まともに応えず。席を立った俺もまた、席を立った。本当のことが、知りたかったのかも知れない。そんな思いに突き動かされるかのように……。

 

 

 

 

 元いた場所を除いて部屋中探し回って見たが、当のカデットはどこにもいなかった。いない、と言うことは、やはり外に出た。

 そう見るべきかも知れない。玄関先に向かう。

 

「ユウト……」

「あ、セツナ。俺、ちょっと、カデットの様子、見に行こうと思うんだ」

「カデットさんの?」

「ああ、それに、確かめたいこともあってな。興味本位、と言われれば、それまでかも知れないが」

「そう……」

「と言う訳だ。暫く席を離れるぜ」

 

 と、踵を返そうとして、そこで

 

「じゃ、あたしも行く。二人だけならいいでしょ?」

「え? セツナも?」

「悪い?」

「あ、いや、そんな訳ではないけど」

 

 カデットの様子が気になったくらいなのに、何故彼女も? 逆に気にはなったが、敢えて言わなかった。

 

「じゃ、そうしよう」

「あ、う、うん……」

 

 (ま、いっか……)

 

 一人で行くつもりではあったが、なんだかなし崩しになってしまったような気がした。

 

 村長宅を出た俺とセツナは、早速、カデットを探し回った。そんな中、なんか落ち着かない感じがしていた。

 

「あ、あのさ〜」

「ん?」

「なんて言うか、セツナも気にはなったのか? カデットのことを」

「ま〜、そんな感じだね。……一人で出歩くなんて、なんか思うことがあるんだと思うけど」

「思うところ、か〜。……って、あ、ちょっと」

 

 上の空で少しだけ思い巡らしていたら、いつの間にか先に行っていたセツナに、俺は少しばかり焦った。

 小走りで追いかけて、それで歩み寄るタイミングを見計らっていたのか、セツナはある場所を指差して言う。

 

「なんとなくだけど、あの丘の上にいそうな気がするんだけど。どうかな?」

「丘? ……ま、丘、丘、ね〜。この場合、高台と言うべきなんじゃ?」

「高台? ……ん〜、どっちでもいいんじゃん。それより、どう思う?」

「そうだな〜、なくはないかな。見晴らしいいと思うし」

「でしょ? なら、行ってみない?」

「……そうだな」

 

 特に、これと言って手掛かりはないのだ。行く価値はあるのかも知れない。そうと決まれば、高台を登る階段の方へと向かった。

 

 そして……

 

 高台を登る階段とやらは、ややポッケ村からやや離れた場所にあった。あって、それでいて、木製の立て札が立っていた。

 かなり前に立てられたのだろう。字が擦り減って、読もうとして近寄ってもアイコンすら出てこなかった。

 想像するに

 

 〝展望台″

 

 そんなところだろう。とは言え、肝心の階段とやらは、内側にめり込むように螺旋を描いており、見上げれば石造りの桟橋までがかけられていたのが見える。

 ちょっと狭い螺旋階段ではあったが、登り始めた。――で、高台の上に立って、それでいて

 

「あ、いた」

 

 とセツナ。俺も、こちらに背を向けてベンチに座っているカデットの姿が目に映った。

 

「おーい!」

「あ、ちょっと!」

 

 いきなり彼女に向かって呼びかけては走り出すセツナに、俺は慌てて静止を促した。が、聞く耳を持たずして、そのままカデットの元へ。

 一方、カデット自身は、こちらの存在を気付いてか。こちらに顔を向け、それでいて立ち上がった。

 

「2人とも、どうしてここへ?」

 

 と疑問を投げかけて、それでいて俺がその疑問に答えようとして、先にセツナが

 

「それはこっちのセリフだよ。なんで、ここに? しかも一人で。もしかして、居心地悪かったとか?」

 

 ふとぶてしいにも程があると言わんばかり、質問をぶつけてしまった。けれど、当のカデットは、そんなセツナの言葉にあまり反応を見せなかった。見せないで、それでいて前方の山々を眺めると

 

「正直、どうしていいか分からなくて」

 

 と意味深な言葉を漏らした。

 

「分からない?」

 

 俺もまた、そのままカデットの元へ。セツナの隣に、カデットとの間にあるベンチを挟んで歩み寄った。

 続けて、胸に手を添えてカデットは話し始める。遠慮がちな面を上乗せして。

 

「ま、どうせ私的な事情ですから。あまり、お気になさらず」

 

 とだけ述べた。

 

「お気になさらず、か〜。その割には、声に元気がないみたいだけどな」

「そうそう。それに、命の恩人でもあるし。しかも、その恩人とやらが何か悩み事があるとなると、あたし、ほっとけないのよね〜」

「っておい! そこまで言うか?」

「な、何よ。別にいいじゃない。本当のことなんだから」

「いや、本当のことでもさ。さすがに――」

 

 ――と、そこで、カデットは

 

「いいんです」

「「え?」」

 

 意外な言葉に、俺とコイツは同時に驚いた。驚いて、それでいて、そんな俺たちをよそに

 

「正直、このままでは答えが出なかったのですから。だから――」

「あ、いや、そんな無理して話さなくても……」

 

 と慌てて切り返したが、セツナの言葉がいい方向に後押ししたようで、少しだけ肩の力を抜く仕草を見せるとこちらを振り向いた。

 

「セツナさん達が無事にフラヒヤ山脈から下山したのを見て、それを機にご主人様の話を訊いて、私、決断したんです。もしかして、と思って」

「もしかして?」

「そ、もしかして、と。……こう見えて、私、元々ある団の副団長していたんです」

「副団長?」

 

 その言葉を訊いてからに、意外な表情をしてしまう。方やセツナも、俺と同じ心境だったのだろう。

 次なるカデットの言葉が、それを暗示していた。

 

「2人が驚くのも無理もありませんね。オムラ村長のことをご主人様と呼ぶ私が、かつてある団の副団長をしていたなんて」

 

 それから、カデットはまたもや背を向くた。郷愁の念を抱かせるような優しい声音で語り始める。

 

「団の名前は、グーク響奏局。一応、猟団ではありますが、名前に〝響奏″と付くからに、主に演奏を生業としている団ですね」

「演奏を生業? ……なんか〜、音楽隊みたいな感じかな?」

「ま〜、そう思ってくれれば大丈夫です」

「で、あんたはその副団長をしていたと?」

「ええ〜。……ですが、分団として仲間を何人か連れて、フラヒヤ山脈に立ち入ったのは間違いでした」

「間違い?」

 

 と、首を傾げるセツナ。

 

「ええ。そもそもの発端は、新しい楽曲を奏でるために、その楽曲の演奏に必要な素材を入手すべく。そして、その演奏の講演会の日が差し迫っていたことから端を発していて――」

 

 それから彼女の話は続く。講演会に間に合わせるために、演奏に使う楽器の素材を集めなければならなかったこと。全員が団体行動すれば、素材集めは、効率的だったかも知れなかったこと。

 しかし、それでは本番までのリハーサルが完璧に仕上げられない懸念があったことなと。

 それらを鑑みて、副団長のカデットが団長でもあり親友でもある人との話し合いの末、全責任は自分が持つからと何人かの仲間を連れて分団として行動したことを話してくれたのだ。

 

「で、ちなみに、その素材はどうなったんだ?」

 

 と俺は話を切り返して、カデットは

 

「入手、できました。が、下山中の不幸によって、結果的に無くしてしまいました」

「不幸?」

 

 今度はセツナが切り返す番。そんな彼女にカデットは、

 

「そ、不幸。……あのティガレックスによって……」

「ちょ、ちょ、ちょっと待った! そんな辛い過去をわざわざ話さなくても」

「ユウト?」

「セツナも、別にそんな辛い話を聞くために来たんじゃないだろう?」

「え? あ、ま〜、そうだけど。……うん、そうだよね。……カデットさん、そんな辛い話はやめましょう。話しているうちに、せっかくの宴会からの楽しい雰囲気が台無しだし」

「そ、そうですか〜」

「そうそう」

「ま、そう言う訳だな」

「……わかりました。そうですよね? せっかく、みなさん、無事に生還できたことですし。ただ、私としては、……いえ、気持ちの整理はついたかも知れません。……正直、迷っていたんです。この先、どうするべきかを」

「将来像、ってやつか?」

「ええ」

 

 そして、再びこちらを向くと

 

「確かめようと思います。ご主人様から、ティガレックスからの襲撃から生還した仲間がいるかも知れないみたいな話を聞いたので」

「そっか」

「じゃ、私はこの辺で失礼しますね」

 

 そう述べるや、カデットは新たな一歩とやらを踏み出したのであった。彼女の中で決心したのかも知れない。

 

 〝会わない後悔よりも、会ってから後悔した方が良い″

 

 と。

 

  カデットが去ってから数分後、

 

「あたし達、これで良かったのかな?」

「分からない。分からないが、カデットさんがそう決めたのならいいんじゃないかな」

「そ、そうよね?」

 

 正直なところ、聞きたいことはあったのだけれども、この際、どうでも良くなっていた。

 

「ね? もう、戻ろっか」

「そうだな」

 

 俺とセツナ、揃って帰路に着く。高台から降りる間際、遠方の山々を一望を見るかのように振り返る。

 

 振り返っては思う。

 

 この先、俺もどうするべきか、考えないとな、と。それはまさしく、カデットと似たような心境だったのかも知れない。

 もう、ケインと俺と、そして、ジャムやミルクだけのメンバーだけでは、この先、攻略していけそうになかったから。







02.彷徨う狩人達 ー完ー


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