モンスターハンターアルカディア   作:ぷにぷに狸

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5章:託された想い・4話

 本祭の一つを終えた俺たちは、あの騒々しかったミナガルデ東ゴール地点会場を後にし、中心部の広場へ向かって歩いていた。行進イベを終えたことから仮装する必要もなくなった俺たちは、普段着で歩いていたわけだが、なにぶん公開祭の翌日以降、普段から防具を着こなしていることが多かったことから、やや違和感を感じてならなかった。

 それ故に、慣れれば大したことはないはずなのだが、少しこそばゆいものがあった。

 

「外出着を新調してきたとは言え、なんだかやっぱり恥ずかしいな。とにかく早く帰りたいかも」

 

 特に恥ずかしがり屋でもあったサユリは、俺が思っていたことを代弁するかのようにそう口に出す。

 

「その気持ち、なんとなくだけど俺も分かるような気がするよ。普段から防具着ていることが多かったからな」

「そうそう。ここんとこ私服なんて着る機会なんてなかったしな。それに、ほぼ外出つっても、クエストに出かけることが多かったし」

 

 隣でケインが、俺に続けてサユリに共感の意を示す。

 

「やっぱり、慣れるまで時間かかるかなあ?」

「いや、別に無理して慣れろとは言ってないけどな。なんなら、先にログハウスにでも寄るか?」

 

 しばし自分の気持ちを見つめ直した後、結論が出たのだろう。サユリは首を横に振って意外な言葉を述べる。

 

「うんうん。やっぱりいいや、このままで」

「そーか?」

 

 再度気持ちを訊く。けれど、サユリの気持ちは変わらなかった。

 

「うん、いいの。よくよく思えば、この方が自然かもしれないし」

「そっか」

 

 そこで、横からケインが腕組みをして言う。

 

「確かにな……。言われてみればそうかもしれない」

「と言うと?」

「だってよ。常識に考えて、防具なんてものはさ、いわば戦闘服じゃんかよ。まあ、この世界がゲームだからという理由で、防具を普段着にすると言ってしまえばそれまでだけど。でも、もう、ここまでくれば、ゲームと言う次元を超えて、いわば第二の現実世界みたいなものじゃないのか。少なくとも俺はそう思うぜ」

「ん~」

 

 言われてみれば確かにそうなのかもしれない。今までのことを省みると、クエスト、クエスト、クエストばかりで、それ以外の日常なんか、ほとんどなかったような感じだった。それを踏まえると、こうしてクエストのことを忘れて私服を通して日常を満喫するのは、ある意味、日常生活において重要な要素なのかもしれない。と言っても、ハロウィン行進イベントを終えてから次の本祭が始まるまでの束の間でしかないが……。

 

「そーあまり深く考えるなって」

 

 どうやらいつの間にか考え込んでしまったらしい。ポンッ、と肩を軽く叩かれてしまった。

 

「そうだな」

 

 俺はそう頷くにとどめた。

 

「ところで。それはさておき、結果、残念だったな」

「結果? あー、確かにな」

 

 今までの流れからか、一瞬、何のことか分からなかったがすぐに思い出す。一方、サユリは何のことなのかすぐに分かったのか。

 

「幸先悪かったもんね。気付いた時には、一気に点数稼いで行けたけど」

「だな」

 

 そう、まさにその通りであった。俺たちはハロウィン行進の結果発表において、出だしでやり方わからなくてだいぶ時間をとってしまったことが仇となり、ランキングにも載らなかったのである。と言っても、出だしが良くたってランキングに載るかどうかは保証できなかったけれども。でも、それでも、全力出し切れたとは言い難かった。

 

「でも、仕方ないよ今回は。でも、結果がどうであれ、俺たち3人の中で一番稼げてたのは、サユリちゃんの方だったぜ」

「同感。俺もそう思う。だからコンテストの方も諦める必要ないと思うぜ」

 

 勇気づける。一方、彼女はそのことで元気づけられたのか、落ち込むことなく頷いた。そうしたなか――

 

「お、どうやら広場に着いたみたいだぜ」

 

 そう言うケインの傍ら、そこには今までの街の景観とは打って変わって、優雅に広々とした噴水広場があった。

 

「うわ~」

 

 印象に残る光景だったこともあり、サユリは感嘆を漏らす。一方、俺も俺で、その美しさのあまり内心ため息が出るほど見とれてしまった。

 

「あの時はイベントのことで手一杯だったけど、今こうしてみるといい眺めだね」

「……そうだな」

 

 俺とサユリが見つめる先。そこには大剣を担ぎ火竜装備をした人物の銅像が、噴水の中ほどに鎮座した光景があった。全身シリーズ装備していることから、誰の銅像かまでかは分からなかったが、見るからに偉大な人物だろうと言うことだけが雰囲気として伝わってきた。

 そうしたなか、サユリは純真な少女のごとく駆けだし、その噴水の方へと向かっていく。そして、噴水の光景に見とれていた俺とケインを呼ぶ。

 

「おーい!! 2人ともー! 早くこっちに」

 

 呼ぶ声に俺とケインは顔を見合わせ、俺はサユリの呼びかけに応える。

 

「おー!! 今行くー!」

 

 と。そして、そんなに急いでいるわけではなかったこともあり、俺とケインは彼女の元へと向かった。

 

 そして、俺とケインがある程度サユリに近寄って行く頃、サユリは銅像を指さして興味津々と言わんばかりに指をさす。

 

「ねえねえ見てみて。かなり大きいよ、これ」

 

 指で示すその銅像。遠くからでは、対して大きいようには見えなかったが、今こうして改めて見ると、なかなかの大きさがあることが窺えた。

 

「ざっと見て、高さが4mってとこか」

 

 思わず推測で物を言う。対してケインは

 

「はー、でっけぇなーこれ。今にも倒れてきそうで怖いくらいだよ」

 

 と感想を口にし、ぽかーんと口を開けたまま脱帽する。そんな中、サユリが何かを見つけたらしく、その〝何か″に歩み寄る。

 

「なんだろう、これ。うーんと……」

 

 どう読めばいいのか戸惑いを見せる彼女。その様子に俺は歩み寄る。そして、隣に来ると、サユリが気になっていたものが謎のプレート板だったことに気付いた俺は、さりげなくプレート上に、ちょこんと指先を突き、システムコマンドを表示させてみた。

 表示された内容から一見して特に選択肢みたいなものはないらしく、ただただ一言が添えてあるだけだった。

 

「英雄の像? これが」

 

 横から見ていたサユリが一文を読み上げ、そして、銅像の方を見上げた。不思議そうな表情を浮かべるサユリは、しばし眺めていると、ふ〜ん……、とだけ言って何となく理解したようだった。

 

「英雄の像、ねぇ〜。誰をモチーフにして建てられたか知らないけど、広場のど真ん中に立っていることを考えると、何かしら意味がありそうだな」

 

 顎をしゃくりながらケインが憶測を呟いた。踵を返した俺は、改めて広場を一望。

 

「にしても……広いな〜この場所」

 

 ただただぼーと眺め、広場の景観に余韻を浸していく。そうした中、後ろからケインの声が聴こえてきた。

 

「お、また何か出て来たぞ」

「なんか書いてあるね」

 

 2人の声がしたのを聴いた俺は、思わず気になって振り向く。

 

「何か気になることでもあったのか?」

 

 すると、ケインは俺と同じ様なやり方で表示させたシステムコマンドを広げながら、

 

「こんなものが出て来たんだな」

 

 と俺にその画面を見せる。画面に視線を落とすと、そこにはこう記載されてあった。

 

――解説――

 

 〝英雄の像、またの名を、狩人王の像。荒れ狂う理想郷の龍がもたらす天災により世界が破滅に向かう時、育まれた絆の中ら救世主が現れるとされる。これはその救世主を象った銅像です〞

 

 さらっと読み上げた俺は、一言、へぇ~、とだけ言った。そして読むからにして、この銅像は二つ名を持っていることを理解。推測するに、このミナガルデにおいて、象徴たるものだと認識するに至った。

 

「狩人王の像、か……」

 

 ポツリとつぶやく。

 

「狩人王、と言えば、俺たちの目指しているところだったよな? ユウト」

「ああ、まあな」

 

 目指しているところでもあったことから、そこは素直に頷く。と言うよりも、2人の約束である以上、頷く他はないのだが……。

 しかし、本格的にそこを目指すようになったのは、デスゲーム事件が起きたあの日であり、半ば落ち込んでいたケインを元気付かせるために言ったことがそもそもの始まりでもあった。

 

「狩人王になったら、2人はこんな風な立派な銅像みたいになるのかな?」

「こんな風かどうかは分からないけれど、多分、似たようなものかもな」

 

 銅像のような風格ある姿になれるかどうかは自信なかったが、とりあえずそれだけしか言えなかった。

 そうしたなか、ケインがある物を発見する。

 

「お、なんか人の銅像の後ろにもう一体像があるぞ。……これは、もしかして」

「アイルーだな。それも見た感じ、オトモアイルーみたいだな」

「へぇ~」

 

 今度はサユリが一言そう添えた。続けて――

 

「狩人王の像、……解説にもあったけど、育まれた絆の中から生まれてくる存在だと言うことを鑑みれば、なんだかこの2人。まさに堅い絆で結ばれた者同士のように見えるね」

「は~、そう言われてみれば、腑に落ちなくないか」

 

 2体の銅像を見比べ雰囲気的に読み解けば、そう物語っているようには見えなくもないかも。俺はそれを踏まえた上で、そう理解した。

 

「ところでさ、ケイン」

「ん?」

「先の解説のことなんだけど、あれってどうやって表示させたんだ?」

 

 ふと疑問に思っていたことを言ってみる。するとケインは、

 

「ああ、あれか? あれはな……」

 

 と、いつの間にか閉じていた画面を再び表示させると、人差し指を〝英雄の像〞の一文字に当てた。

 

「こうしただけなんだ」

 

 とか言って下にスライドさせ、例の解説蘭を表示させて見せた。灯台下暗しだったなと感じた俺は、思わず

 

「へぇ~、なるほどね」

 

 と言った後、

 

「よく気付いたな、それ」

 

 するとケインは、苦笑いを浮かべた。

 

「いや~。なに、大したことないさ。ただ、一文字だけ表示されているだけだったから、他にないのかなあとあれこれいじってみたら、たまたま表示できただけさ。なあサユリ」

 

 ふいに彼女に振る。しかし、とうのサユリは先ほどの一連の会話を聴いていなかったらしく、やや慌てて

 

「えっ、ええまあ」

 

 と返答するのみ。ついでに何かを見ていたらしかったが、すぐに消してしまった。けれどケイン自身、そのことに気付いていなかったらしく、やや落胆。

 

「な~んだ、話、訊いていなかったのかい」

「ご、ごめん」

「まあいいさ」

 

 それ以上詮索することはなかった。だが、彼女のその様子を垣間見ていた俺は違った。そのこともあり、サユリが倒れたことがあったことを踏まえて心配した俺は、そこで気遣う。

 

「やっぱり気になるのか?」

 

 しかし、とうのサユリは、え! と少し驚いた後、愛想笑いを浮かべるのみで、

 

「うんうんなんでもない。ただ、ちょっとね」

 

 と返答するに留まった。

 

「そっか。なら、特にいいんだ」

 

 ちょっとね〜、か。その部分が気掛かりだったが、まぁ、サユリが何でもないと言うなら、それ以上の詮索は不用かな。一方、俺とサユリとのやり取りを見ていたケインは、なんのことかさっぱり分からずと言った感じで小首を傾げてはいたが。

 

「さて……」

 

 そろそろいい頃合いかな。そう判断した俺は、ウェブページを開き、確認しようと画面を開こうとした。その時、視界の隅に、メール便アイコンが表示されたのを目に。時を同じくして、2人にもそれが見えたのだろう。

 

「あ、なんかメールが来てる」

「俺も」

 

 ほぼ同じタイミングで、2人は揃って確認した。一方、やや遅れて俺も確認する。

 

「コンテスト開催の準備、できたみたいだな……。2人とも分かったと思うが」

「そうだね」

「だな」

 

 以心伝心のごとく2人に俺が言いたいことが伝わると、俺たち3人は本祭2回目の会場へと足を運ぶことになった。

 

 

 

 

 ミナガルデ周辺は崖に囲まれている地形の関係上、大小様々な洞窟が点在している。洞窟一つ一つとっても、それが酒場だったりギルド支部だったり。また、ある時は商業施設だったりと様々だ。

 そう言った中、特にこの場所は、他の洞窟とは打って違って凄く広く、かと言ってそれだけでなく、豪華で煌びやかな装飾も施されていた。

 本来、神殿であるこの場所。そこでは、神々に捧げる代物としての物が沢山置かれているのだが、今回はハロウィンイベントの関係上、それにふさわしい代物に取って代わっていた。

 沢山の狩人(プレイヤー)でひしめき合い賑わう中、俺たちは皆と同じくコンテストの結果を今か今かと待ち侘びていた。

 

「結果が楽しみなんだけど、正直、複雑だな〜」

「えっ、なんでだ?」

 

 彼女の心境を汲み取れず、疑問を抱くケイン。俺はサユリの気持ちをなんとなーく理解していたこともあり、彼の疑問に答える。

 

「知らないのか? 葛藤と言うやつだよ、葛藤と言う」

「葛藤?」

「そう、葛藤。結果が楽しみだけど、その結果が悪かったらどうしよう、と言う……な」

 

 そこで胸に手を当てて自分の気持ちを省みるケイン。想像力を働かせて相手のことを考えた末――

 

「確かに……。よくよく思えば、そんな気もするかも」

「だろう」

「で、でもよユウト。そんなことで悩んでも仕方ないんじゃないか? どの道、なるようにしかならないんだしさ」

 

 彼からの意外な反論。今度は自分が戸惑ってしまう。がしかし――

 

「それ言ったらそこまでだけど……。でも、なんかこーう、あるじゃん。楽しみ的な要素がさ……」

「う〜ん、それを言われると、俺にも一つや二つ、あると言えばあるけど……」

「だろう」

「で、でもな……」

 

 何を思い悩んでいるのか。彼の心意が見えない中、ケインは腕組みしつつ困惑した表情を浮かべていた。

 ――と、そうした中、今まで騒ついていた雰囲気が、急に静まり返ったのを肌で感じた。この事により、ケインとのなんの取り柄もなかった会話を手で合図し一旦中止させた俺は、前方の祭壇の方へと向く。

 そして、皆が見つめる先。そこには一人の紳士(ジェントルマン)が、しっかりとした足取りで今にもステージへと登っていく姿があった。登った後、そのジェントルマンはステージの中ほどへと来るなり、こちらへと向き直る。システムコマンドか何かを開いたわけでもないその男は、そのまま皆に向かって発表を告げる。

 

「本日お待ちしておりました皆さま。只今より、ハロウィンイベント本祭2回目、仮装コンテストの結果発表を始めたいと思います」

 

 おおぉ――!!

 

 告知するなり、待ってましたとばかりに皆一様に歓声を上げる。その声たるや、本当に待ち遠しいかったよー、と言わんばかりの大きな歓声でひしひしと場を響かせて気持ちが伝わってくる。ケインもまた、嬉しいのだろう。表情を表ざたにしない俺とサユリとは違って

 

「おお!! 待ってましたよぉ――!!」

 

 と、威勢のいい声を発して叫んだ。ジェントルマンは手元に巻物を出現させると、ぱらぱらぱら~、と広げ皆に見せる。その直後、その見開かれた巻物からスクリーン投影の射出光が放たれ、眼前にでかでかと大きなスクリーンが投影された。このことから、プレイヤーとは見分けが付きにくかったが、どうもジェントルマンはNPCみたい。

 ちなみに、表示されたスクリーンにはこう書かれてあった。

 

――コンテスト結果発表――

トップ3

 

1位:プーギーシリーズ

 

2位:もふもふム―ファ

 

3位:グークシリーズ

 

 と。このことにより、グークシリーズで仮装していたサユリがトップ3圏内に入れたことから、俺は彼女を褒める。

 

「トップ3には入れたみたいだな。やったじゃん」

 

 すると、どこか元気なさそうに一段とトーンダウンしたような口調で頷く。

 

「う、うん……」

 

 このことから、彼女の意外な反応で心配した俺は、顔色を伺う。一方、ケインもその彼女の様子が気になったのか、こちらを見ていた。

 

「ん、どうしたんだ? あまり嬉しそうじゃない顔をして」

 

 しかしサユリは、うんうん、と首を横に振るのみ。

 

「なんでもない。嬉しいよ、心の底から」

 

 と、何処誤魔化すかのように答え、それ以上は何も話そうとはしなかった。

 

 (もしかして、きにしているのかな……)

 

 心当たりがあるとすれば、アレしかないと考えていた。

 

 そう、アレ……

 

 倒れた事である。多分、そのことだとは思うが、正直、確信はなかった。かと言って、これ以上、問い詰めるのもなんだか心苦しかった。

 

「ところで二人とも。残念だったね、結果」

「あ、ああ……」

「そ、そうだな……」

 

 俺と同じことを考えていたのだろう。どこか考え事していたケインは、俺と同じく弾かれたかのようにハッとなって我に返った。思うに自分の結果がどうであれ、サユリのことが心配であった。もしかして、何か思い詰めることがあるんじゃないかと。

 

「てか、それよりもサユリちゃん?」

「ん?」

 

 なーに? と言った不思議そうな表情を浮かべるサユリ。言ったそばからケインもまた、何か思い詰めた表情を浮かべる。しかし、意を決したのだろう。拳を力強く握り、思ったことを口に出す。

 

「大丈夫なん? 何か悩んでいることでもあれば、力になるけど」

 

 このことを聴き、俺は慌てて制止する。

 

「お、おい!」

 

 しかしそこで、すかさずサユリは俺の制止を遮る。

 

「いいの、ユウトさん」

「いいの、って……」

 

 そこで改まって向き直ると、

 

「ごめんね二人とも、心配かけて。多分、分かっていると思うけど、私、こー見えて体が弱いの。でも、気持ちの面では大丈夫だから深く心配しないでね」

 

 と作り笑顔を見せ、自分の気持ちをはっきりと伝えてきた。現実世界(リアル)の体が病弱とは言え、この世界の(アバター)に影響が及ぶことは余程のことがない限りあり得ない。

 ケインはともかくとして、そのことを知っていた俺は、彼女のその言葉は恐らく本心じゃないとすぐに見抜くことができた。しかし、見抜く事ができたとは言え、返す言葉が見つからなかった。多分、あったとしても、口に出せなかったと思うが……。

 内心そんな風に思う中、俺の無表情を見てそのことを悟られたのか、サユリはどこか焦るようにして続けて言う。

 

「……と、ともかくそう言うこと。じゃ、結果発表も終わったし、そろそろ帰ろう、二人とも」

「お、おお……」

 

 急かす彼女に、思わず俺とケインは頷いた。その後、俺たちは先導して歩くサユリの後を追う形でログハウスへと帰宅した。もう少しだけハロウィンを満喫したかったのもあるが、雰囲気的に早く帰らないといけないと感じてしまいその余裕はなく。仕方なしに帰宅後の解散をしてから後の余韻を楽しむことになった。

 ちなみに、帰宅してからと言うもの、待っていたのはハロウィンイベントに連れてってくれなかったことで不機嫌となっていたミルク。出逢ってから間もないのに、彼女からこっ酷く文句を言われる目にあった。お陰でその後のハロウィンイベントを楽しむ余韻は、殆どなかったのは言うまでもなかったが……。

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