モンスターハンターアルカディア   作:ぷにぷに狸

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2章:彷徨う狩人達・2話

 

 

 ほど遠い未来、自由主義同盟(フリーダム)領・気象制御ステーション――パンデモニウムにて。

 

 

 大気圏外にて、地球を丸々覆い被さんばかりにと網目状に張り巡らされたこの大規模衛星ステーションは、名前の通り全世界の天候をある程度コントロールするための施設であった。しかしこのステーション、それだけの機能を備えている訳ではない。

 世界中に張り巡らされたグローバルネットワーク。それを管理下に置く、いわばある種の中継サーバーとしての役割をも担っていたのだ。

 そんな化け物染みた巨大衛星ステーション。その一画にて、居住区画が設けてある。研究者専用の居住区域とも言うべきか。ようするに、パンデモにウム上には、随所随所に小規模ながら、複数のコロニーが密集するようにして点在している構図となっていた。

 ここは、そんなコロニーに面するようにして設けられていた中央展望室。そんな展望室にて、緑のガーデニングに囲まれて、白衣を着た女性が一人、ひっそりと佇んでいた。

 展望窓ガラスの向こうには、水を讃える蒼き惑星――地球。その大地を眺めつつ無重力を感じながら、栗毛のロングヘアーの女性は、ただただ美しき大地へと思い馳せていた。

 ふいに鏡面に手を添えれば、暦が表示され。その暦には、〝2350年:6月3日〞と橙色のデジタル表記を伴って表示。鏡面に薄らと映る自分の顔と重なるのを目にする。

 いつものことながら、ここに来て絶景を拝めば、一時だが心が和む。それが堪らす愛おしくて、いつの間にか暇な時あれば、いつでもこの場所に通っていた。

 だけど、現実は変わらない。この憩いの場所を離れれば、逃れようもない現実が待っているからだ。窓ガラスに映る自分の情けない表情。

 

 (あの時、……あの時、彼を送り出さなければ)

 

 そんな後悔や罪悪感が、心の闇から這い出てきそうであった。そんな中、眼鏡越しから映る視界にて、通知を知らせるアイコンが表示される。

 手でサッとアイコンを引っ張りだし、背広姿の好青年が掌サイズの立体ホログラムとなって現れるのを目にする。

 その合図を待ったかのように、青年は彼女に報告を申し出る。

 

「博士、見学の方です。博士に会いたいとかで」

「見学者? あたしに」

 

 招いた覚えのないことに、少々、訝しむ。

 

「はい。こちらの方が」

「そう。……で、IDは?」

 

 すると、青年は向き直り、見えない相手と交渉する素振りを。そして、

 

「2050。見学者リストに載っているはずだ、とかなんとか言ってます」

 

 それを言われ、博士は白衣のポケットからタブレットminiの端末を手に。手慣れた手付きで、かつ、トントントン……、とリズム良くタップした後、見学者リストを表示させた。

 好青年が言っていたような、見学者リストではないにしろ、来訪者リストを見れば、大体、見学者の確認が取れることには変わりなかったからだ。

 けど、そこから炙り出された数千件をも超えるリスト。それだけに、検索エンジンを駆使して言われたIDを打ち込み検索にかける。すると、カリフォルニア州出身の親友だってことが一目瞭然で把握できた。

 

「確認した。来ても大丈夫」

「了解です。では、1時間ほどかけてそちらへ」

「分かりました」

 

 ブツリ、そうノイズ発生と共に、ホログラムは消失した。

 

「は〜、彼が来るのか」

 

 何ヶ月ぶり以来か。久々に再会できることに、博士の表情は少しだけ穏やかになる。

 

 〝1時間ほどかけて″

 

 その言葉の意味するところ。カリフォルニア州にあるタワーステーションから、起動エレベーターを這い上がるようにして駆け上がるリニアトレイン。地上からここまでの距離が距離だけに、さらに言ってしまえば、中継ステーションを介してくる訳だから、そのくらいは時間かかるのも無理ないことだと博士は理解していた。

 しかしそれでも、彼が来てくれることには、本当に待ち遠しく思ってしまい、その心が急かせかさせれてしまう。そんな中、またもや通知が来たのを目にする。

 

 (今度は何かしら?)

 

 期待感が高ぶる中での通知だっただけに、楽観しながら通知を開いてしまう。映し出されたホログラム。今度は好青年からでなく、自分と同じ白衣を着た女性。水を差すような感じで、部下からの別件での緊急報告であった。

 

「休憩中にすみません博士。縁さんの意識レベルに、僅かながらの異常値が発生したもので。どうします?」

「異常値? 分かった、今すぐ戻るわね」

 

 それを皮切りに、ホログラム表示をオンにしたまま、名残惜しさを抱えつつも憩いの展望室を後にした。

 

 プシュー、と空気が抜けるような開閉音を伴い、スライドドアが左右に分かれる。この時の博士は、先程までの穏やかな表情ではなく、真剣そのものであり、どこか不安感を抱いたいつもの仕事顔に戻っていた。

 向かう先は、長廊下の先にある中央サーバールーム。焦る気持ちを堪えながら、小走りに急ぐ。

 いくつものセキュリティゲートをクリアしていき、そして、最後の関門を潜り抜けた先。そこには、大きな試験室を中心にグルリと取り囲むようにして設けられた覗き窓ガラス。その覗き窓ガラスの手前から見える、何台ものパソコンが置かれた研究室(サーバールーム)の光景が広がっていた。

 

「待たせたわね」

 

 そう言いながら、研究者全員に声をかける。

 

「博士」

「篠崎さん」

「教授」

 

 各々の立場や呼び方が違えど、皆一様に自分が戻って来たことに対して安堵していることが、場の空気を介して伝わってきた。持ち場の席へと向かう中、皆に尋ねる。

 

「で、状況は?」

 

 ドカッとリクライニングに腰をかけた彼女に、3台ものモニターを挟んで一段下がって前に座る一人の監視員が答える。

 

「ただ今、一時的な時間停止処置を施してますが、第3仮想領域にて、意識レベルが10から5に下がった状態です」

「10から5に……。で、原因は特定できた感じ?」

「いえ、まだ……。ですが、この急激な値変化から察するに、恐らく仮想領域内で何か強い衝撃を受けて、その影響から意識低下したものかと思われます」

「強い衝撃、ね〜」

 

 (なんだろう? 強い衝撃とは……)

 

 なんの衝撃を受けたのかまでは分らないにせよ、急激に意識レベルの値が下がった原因としては考えられそうでもあった。

 しかし、それだけでは安心できない。

 

「他には?」

 

 すると監視員は、

 

「今はまだ、彼のソウルライトには影響していないのですが、このまま意識レベル低下が続けば、第3仮想領域内での生存許容値を下回ってしまい、いずれは……」

「そう……」

 

 そこで気になったのか、24時間付けっぱなしのモニタリング画面を睨んだ。篠崎博士は唸る。確かに現地点では、対象者である彼のソウルライトには、異常値を示す兆候がまだ現れていない。けれど、監視員の話を聞く限り、いずれ影響を及ぼすとなれば看過できない事態でもある。

 第3仮想領域内の状況が、現地点で数値やグラフデータ。あるいは、図面マップなどと言った簡易式的な方法でしか分らない以上、具体的な指示は出せない。それ故にどうしたものかと頭を悩ましてしまうのだ。

 一方、黙したままの篠崎博士に監視員は心配になってきたのか、やや一拍置いた後、尋ねてくる。

 

「博士……」

 

 だが、言われても黙したまま。しかし、何かしらの答えは出さないといけないのは分かっていた。そこで篠崎博士は、わずかに間を置いて

 

「……縁君の周辺マップ状況、確認できないかしら?」

「等高線マップなら」

「ええ、それでも構わないわ」

「分りました。やってみます」

 

 早速と言わんばかり、監視員はキーボードを鳴らし始める。思うに、篠崎博士としては、より詳細な情報を得たかったわけである。けど、それがとある理由から制限されているわけだ。だから、せめてものの数少ない情報として、その等高線マップの情報。それだけでも、入手したかったのである。

 

「3D映像、中央パネルに表示させます」

 

 直後、ブーン、と鈍い羽音を伴って、ルーム中央に配置してある投影装置が起動。卓上より、等高線マップが立体ホログラムとして鮮明に描き出された。そのことに、メンバーのほぼ全員が声を上げる。場が騒然となる中、一人だけ篠崎博士の方を振り向く。

 

「教授、これは?」

 

 質問してくるは、鼻メガネの小柄な女性研究員――緒方純。ここ最近、篠崎研究室へ配属されたばかりの新人研究生だった。状況が読めない彼女に、篠崎博士は簡潔に説明を施す。

 

「第3仮想領域の等高線マップ。今から動けないであろう縁君周辺に、何か助けとなり得そうなものがないのか、これから探すところ」

 

 そう言った後、黙す緒方を他所に、視線を手元の方へと落とす。中央の投影パネルと同じ等高線マップが表示されているのを確認すると、指先を器用に扱い、対象者である縁君の表示マーカーを基点に徐々に拡大していく。

 

 (何かヒントとなるものは……)

 

 そう念じながら拡大していき、そこでもう一点のマーカーの存在を視界に収めた。気になった篠崎博士は、そのマーカーを指先でクリックする。

 すると、何かのコード名が。

 

 (AS -01。あたしの……)

 

 そう思いかけた矢先――

 

「博士」

 

 研究員の一人が、黙したままの彼女に声を掛けた。ハッとなって我に返った篠崎博士。

 

「あっ、ああ、ごめん。とりあえずこっちが確認したマーカーを中央パネルに投影するから、予測進路を炙り出してもらえる?」

 

 そう言いながら、全体公開を選択。宣言通り、中央パネルへとデータ送信を施した。一方、受信された立体ホログラムの等高線マップは、縁君の現在地を中心に拡大表示していき、やがて新たに現れたマーカー――AS -01が点滅しながらその存在を誇示する。

 カタカタカタカタ……、とキーボードを鳴らす音が軽快に響き渡り、研究員の一人が声を上げた。

 

「予測進路、割り出しました。表示します」

 

 言った後、AS-01の予測進路が細いラインとなって導き出された。そのことに、緒方純は期待を胸に抱き席を立つ。

 

「これは……。教授!」

「時間のかかり具合は分からないけど、どうやら心配ないみたいね。皆、調査の方、ありがとう」

「では……」

 

 頷き、そして――

 

「今のところ問題なさそうね。停止処置の解除。引き続き状況推移のモニタリング、お願いね」

「分かりました」

 

 その返事を聞いたか聞かないかはさておき、篠崎博士は席を立った。どうやら、杞憂だったらしい。彼女はホッとして胸を撫で下ろした。

 

 

 

 

 純白の空間、壁面から束となったケーブルが、部屋の真ん中にある一台のカプセルへと伸びている。まるで棺桶のようなカプセルには、透明ガラスの蓋がなされており、中にいる被験者を外界から隔離していた。

 一見して両手を重ね微動だにしない身体は、まるで遺体のようにも見えた。だが、彼は生きている。それは僅かながらに動く胸元を見れば、一目瞭然であった。

 しかし、被験者の頭に装着されたヘッドギア。それがその者の意識を幽閉し、結果的にそう見えていたに過ぎなかった。カプセルの前に寄り添う篠崎博士は、その女神のような優しさに溢れるふくよかな手を、そっと鏡面に添える。添えて一言

 

「朋也君……」

 

 そう呟いた。その胸中、彼が無事に目が覚めてくれることを切に願うばかり。そして、彼をこんな風にさせてしまった罪悪感が、後悔が複雑に絡み合い渦巻いていた。

 

「もう少しで彼が来るよ、久々に」

 

 届くはずもない声を、囁くようにして添えてあげる。そして、カプセルに背中を預けて、虚空の彼方に語りかける。

 

「もう、かれこれ3年以上になるのかな。君が目覚めてくれることを、みんなが待ち遠しく思っているよ。……ねぇ、朋也君」

 

 まさに独り言のようなもの。空しいものでしかなかった。メガネのフレームに手を添え、眼前に時刻を表示させる。投影された時刻は、約束の刻限に近づきつつあった。

 

 (もうじきね……)

 

 そんな風に思っていると、このVRルームの出入口の扉がスライド。

 

「あ、教授ぅ~。こんなところにいたんですね」

 

 そう気安く呼びかけるは、緒方純であった。

 

「純、どうしたの? こんなところに来て」

 

 不思議がる篠崎博士。しかし、それに対して、

 

「それはこっちのセリフですよ。教授こそ、代わり映えのないのに、なぜここに?」

「それは……」

 

 言葉に詰まる。一方、そのことを気にかけた緒方純は、静かに歩み寄る。そして、歩み寄ってからに、徐にカプセルの中を覗いた。

 

「ぐっすり寝てやがってからに。……いや、この場合は、起きているのか?」

 

 皮肉交じりの疑問を吐き捨てた。緒方純、そして、被験者こと縁朋也。二人の仲は同期であり親友でもある。言葉の裏には、早く目を覚まして欲しい。そんな願いが滲み出ていた。

 

「まあ、どっちでもいいや。教授……」

「な~に?」

「朋也の奴、自分から言っていたんですよね? クリエーターのことは俺がなんとかするって」

「うん。……でも、こうなったのもあたしのせいだと思う。狙われるリスクがあると知りながら、止められなかった責任があるから」

 

 狙われるリスク。……そう、リスク。それは、敵勢力のことを意味していた。と言うのも、この時代、地球上では、わずかながら中立国は存在しているものの、超二大勢力で成り立っていた。それは、民意を重んじて民主主義を掲げるアメリカを中心とした同盟諸国。その同盟国家群で成り立つフリーダム。そして、権威主義を掲げる中国の支配下と化した属国群で成り立つ中華連邦。この2大勢力のことを指していたのである。

 つまるところ、篠崎博士が言っていたリスクとは、敵勢力――中華連邦からのサイバー攻撃の標的になり得ることを意味していた。彼女が述べる責任とは、そのリスクを承知の上でやったことであり、今、こうしてセキュリティホールの間隙を突かれてしまったがゆえに、縁君はその犠牲者となってしまったのだ。

 

「責任の有無に関しては、否定しないです。でも、教授、黙って推移を見守っているわけではないでしょう?」

「うん。ちゃんと、随所随所、彼自身が危機に陥った際は、支援システムを働かせているようにはしてるつもり。けど、クリエーターの存在はまだしも、あのコードがね」

「ふん、D.Mコード。つまりはそう言うことですよね」

 

 そこは何も答えなかった。そして、その反応を受けてか、緒方純自身もそのことを察してか、それ以上は何も喋るつもりはなかった。クリエーターのことに関しては、縁朋也のログアウト処置は問題ない。

 しかし、D.Mコードの存在。そのコードがログアウトを感知して何をしでかすか分らない以上、対策しようもなかったのである。

 けれど、現地点において、セキュリティシステムは正常に稼働しているし、D.Mコードの行動は計り知れないくらい制限されているとは思われる。ほんと、不幸中の幸いだけに、篠崎博士にとって、はたまた、緒方純達にとっては、そこだけが安心材料の一つであった。

 

「否定。しないつもりですね、やっぱり」

 

 そして、

 

「あ~あ。いつまで続くんだろうな、こんなこと」

 

 もううんざりだ。そう言わんばかりと言ったところ。彼女もまた、カプセルに背中を預けるや、背伸びをし、何回か首をコキコキとならした。一方、篠崎博士は頃合いを見計らったかのように、眼前に表示させた時計を消す。

 

「さて。教授、俺はもう戻りますよ。では、また」

 

 そう言うなり、その場を後にしようとした。――とそこで、

 

「純」

「あ?」

 

 思わず呼ばれたことに、彼女は博士の方へと向く。

 

「そろっとなんだけど、純も会わない?」

「誰にです?」

「彼に。朋也君の親友に」

「親友……って、まさか!?」

「そのまさか。だから会わない? ここのところ全然だったから」

「ん~、あいつとは……」

 

 暗い表情から読み解かれる複雑な心境。

 

「今回は辞めておく?」

 

 だがしかし、

 

「会おうかな。なにわともあれ、同志に変わりないからな」

「よかった」

 

 てっきり行かないものかと杞憂していた篠崎博士であったが、彼女の言葉を受けて少しばかり嬉しくなった。そして、その言葉を最後に、二人はVRルームを後にする。

 

 エレベータホールの真ん中には花壇がある。まるで雪だるまのような二つの花壇だ。さらに言ってしまえば、二つの花壇の間には、木が二本、各花壇に挟まれるようにして植えられていた。

 先ほどのVRルームとは違い、ここには重力場がない。ゆえに宙に浮きながらハンドスライダーで連絡路を渡ってきた。

 第一印象から言って、この場所は花壇があるだけに美しさで溢れているような気がして、非情に綺麗だ。それだけに、ただのエレベーターホールには変わりはないが、この場所独自のリフレッシュ感が漂い、心を和ませてくれる。

 そんな憩いの場所。篠崎博士は緒方純を導くようにして、花壇の前に設置してある長椅子へと向かう。

 

「ここで待ってよっか」

 

 コクリ。緒方はそう頷くに留めた。

 

 それからしばしの沈黙が二人を包み込んで、そして、その沈黙に堪えかねたのだろう。

 

「教授。あいつの第一印象、どうでしたか? モニターで確認したんですよね?」

 

 しかし、篠崎博士は首を横に振り、

 

「あたしも久々の彼とはまだ、直接会っていないの。だから、どんな風に変わったのかまでは――」

「そう……」

 

 ぽつりと一言発した後、肩をすくめた。その様子に、

 

「もしかして、期待しているの? 彼に」

「ま、まさか! ……ただ単に、会ってみたいかなあと思っただけですよ。からかわないでください」

「ごめんごめん」

 

 恥ずかしいのか、純は少し顔を赤らめていた。その様子に、篠崎博士は大切な研究生の一人だけに、初な心が透けて見えて可愛く思ってしまった。そんな中――

 

 〝ポーン……〞

 

 軽快な音が。到着を示す効果音が、聞こえては場の空気に溶け込んだのを耳にする。

 

「どうやら来たようね」

 

 二人は揃って、長椅子から立ち上がった。床を蹴って宙を漂い、随所随所に設けられたスティックを介して、ようやく対象のエレベータ前へと向かう。遅れて緒方純が篠崎博士の隣にいた頃、エレベーターは開いた。中にいた彼は、二人がわざわざ待っていてくれていたことに、少しばかり驚いたらしい。

 

「おっ、待っていてくれてたんだ。わざわざ」

「まあね。そっちも見た感じ、あまり代わり映えなさそうだね」

「そんな代わり映えあったら、戸惑うだろう?」

 

 とそこで、緒方純はふてくされたかのように、そっぽを向きながら

 

「別に無理して変われ、なんて言ってないし」

 

 皮肉をたれこべた。彼はその様子に苦笑。篠崎博士は彼の元気な姿を見て、気が楽になったような気さえした。

 

「なにわともあれ、元気で良かったよ。ホーク君」

「あははは。それは何より」

 

 ホークと呼ばれた男。……そう、彼こそ、この篠崎研究チームを管轄下に置く機関のCEO代理。その代理の御子息であり、縁朋也の親友でもあるホーク=フレンディア、その人であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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