エスパー・ライアー ライアー・ライアーの世界にエスパーが転生したようです 作:但野ミラクル
「やぁ、篠原緋呂斗君。こんにちは」
その日天崎心はいきなり俺の家の前へとやって来た。
「……天崎心、何の用だ?」
俺は警戒しながら天崎心に訪ねる。わざわざここに来なくてもチャットで連絡できただろうに。
「いやあ、実はね君に勝負を挑みに来たんだよ」
「……何?」
そう言って彼女は端末を触る
「今君に決闘を申し込んだ。受けてくれるよね?」
「……何が狙いだ?」
「……さあね。まあ、そんなことはどうでもい、今から言うことを覚えていて欲しい」
「……」
「篠原緋呂斗、友達だと思っていたよ、心からね」
その顔には何か複雑な感情がこもっているように思えた。
「……」
「……さて、私はもう帰る。三日後に勝負をするから予定を開けておいておいてね?」
三日後に予定は元々ない。もしかしたら、調べ挙げていたのかもしれない。
「……」
「……じゃあね」
俺は何も言わず彼女を見送った。
「どういたしましょう、ご主人様」
俺は雪路にそう言われて困ってしまう。
「どうすると言われてもこのゲームだと天崎の方が優位だろ? これ」
「はい、明らかに天崎様の方が強いですね。アビリティもさることながら彼女が過去に選んだゲームは心理戦が主体のものが多く今回もそれに近いゲームとなります」
彼女が今回選んだゲームは三問絶解。自分と相手がそれぞれお題をa,b,cに分けて三つ選ぶ。そしてそのお題を全部当てた方の勝ちというゲームだ。ゲームは質問と回答のターンで別れており、自分のターンにイエスかノーで答えられる質問をして質問に答えてもらったら回答を行い、外れれば相手にターンが移り質問と回答をする。そして先のターンに回答を終えたものの勝ち。同じターンにお互い回答が当てた場合、別のお題を考え直し当て直すというゲームだ。単純なゲームだが選択肢がとても多くお題を当てるのはかなり難しい。こうなるとアビリティで工夫するしかないのだが現在俺は4つ星。対して天崎は六星。かなりの差がある。さてどうするか。
「やあ、逃げずに来てよかったよ」
「逃げられる訳ないだろうに、よく言うよ」
暗に逃げたら詰むから逃げられないと言った俺に天崎心は苦笑した。
「さて始めようか?」
「……ああ」
今回の作戦は緑星の効果をアビリティに落とし込んだ行動予測と表示バグと情報奪取で選んだお題の情報を手に入れ表示バグで情報の撹乱を行うものだ。後はカンパニーの協力でアビリティを強化してもらう。これで勝つしかない。……一応もう一つ勝つ方法がなくはないのだがそれはかなりリスクが高い、いけそうならやるぐらいの賭けになるだろう。もし、その策で勝てたなら俺は……。……とりあえずゲームを始めていこう。
質問をしてわかったことは以下のようになる。
一つめ、人名かどうか。aとcが人名、bは違う。
二つ目、固有名詞かどうか。これはaは固有名詞、b、cは違う。
三つ目、概念的なものかどうか。これはb、cが概念的なもの、aが違う。
四つ目、それはこの空間にあるかどうか。それに関してはa、cは即座にこのくうかにあると答え、bに関しては数秒悩んだ末に違うと答えた。
……実は大体の答えがこの時点でわかっていた。もしこの考えが正しいのならだが。しかしわからない。彼女は何故……。
「……回答だ。aが篠原緋呂斗、bが空気、cが心だ」
「……!」
「天崎、判定は?」
「……a、cが正解、bが間違いだ」
「……そうか」
「……次は私だ」
そう言うと、彼女は俺の回答を一つ当てた。
……一つだけか。もうこれは間違いなく――
「質問だ。天崎、それは二人以上いないとできないものか」
「そうだね。bは二人以上いないとできない、a、cは違うね」
「なるほどな。回答だ。aは篠原緋呂斗、bは友達、cは心だ」
「……その通り、全問正解だよ」
そのとき俺の胸に溢れたのは困惑の感情だった。天崎心お前は一体何故ここまでしてくれるかというものだった。
その後、天崎心は回答を間違い俺の勝ちとなった。
「終わった、か」
あー!!!!!疲れたー!
わざと負けるのって難しいわ、本当に。
親父も篠原と勝てだなんて厄介なことを頼むものだ。まあ、最悪勘当されるかもしれないけど知らんわ。お前らの傀儡になるぐらいなら、勘当された方がましだしな。
そんなことを考えていると、篠原が私の方にやって来た。
「……後でね」
「……わかった」
私は一旦寮に戻った後に篠原のチャットに暗号化した住所を送った。さて、どこまで話そうかな?
「よう」
「お待たせ、ごめん。ちょっと電話が長引いてね」
「そんなに待ってないぞ」
「なら、よかったよ」
ちょっと恋人みたいな会話をしつつ、人目につかない喫茶店の席に私は座る。
「それで? 何であんなことを?」
「……さて、まずは経緯から話そうかな。まあ、端的に言えば私の親に命令されてね。どうやら君が目障りだったみたいでね。ああ、心配しなくても親が出せる最大の切り札の私を切ったんだ。しばらくは手を出せないよ」
「……そういうことか」
「そういうことだね。七つ星の君は何故か大物に狙われがちなのも理由がありそうだけど見当もつかないんだよなあ」
「……なあ、天崎。何で俺たちに協力をしてくれたんだ? 答えは、冒頭のセリフの単語だろ。あんなリスクを冒してまで……なんでだ?」
本当に賭けだったけど気づいてくれてよかったよ。
篠原緋呂斗、友達だと思っていたよ、心からね。
この言葉の最初の言葉、篠原緋呂斗、友達、心。それをゲームのキーワードにしていたというわけだ。
まあ、それは置いておくとして篠原君と彩園寺更紗に協力する理由何て決まっている。
「……惚れちゃったんだよ、君たち二人の生きざまに」
「……は?」
「これは本音だよ、色々あってね人を信用とか出来ないんだ、私」
心を読めちゃうからねえ。信用することがとても難しいんだ。大抵の人は私をどう利用するかしか考えないし、たまにいい子がいても本性がばれたら離れるんじゃないかって信用しきれない、結局私の問題でしかないのだけれど。怖いのだろうな、嘘がばれるのが。ばれるのが怖くて逃げている。ただそれだけの話。そんな私に篠原緋呂斗と彩園寺更紗の生きざまはあまりにも輝いて見えた。
どんなピンチになっても諦めず、手段を選ばず、言い訳をせず、困難に立ち向かっていく二人の姿は輝いて見えたのだ。
だから手を貸したし、今回は本気を出さなかった。能力を使わなかった。アビリティとかは最大限使ったけど心を読まなきゃ五回目の回答で当てるのはかなり困難だと思う。篠原は答えを教えていたからわかったようなものだしね。
「信じても信じなくても構わないさ」
「……信じるよ、それぐらいしか協力してくれる理由を思いつかないしな」
「……そっか」
この言葉は私も信じてみたいと思った。……能力を今は封じているから本心かはわからない。でもそれでもいいと思えている。
「……あ、あとさ」
「……ん? どうした?」
「……高校卒業したらさ養ってくれない?」
「……は?」
「いやぁ、親に勘当されそうでね。高校までは大丈夫だと思うけど」
「……は?」
「ちゃんと役に立つからさあ、ちょっとの間でいいから。考えておいてくれると嬉しいね」
「……まじかよ。……考えておく」
これからどうなるかはわからない。それでもこれからの人生は楽しくなるかどうかは自分次第、頑張っていくとしようか。
「あ、そうそう、篠原に勝負を挑もうとしているやつの情報あるけどいる?」
「……いる」
篠原は呆れと驚きの表情をしつつ、ため息を吐いた。
これで本編は終わりです。番外編は不定期になると思いますので気長にお待ちください。ちょっとごたごたし始めたのとストックが現在ゼロなので、いつ投稿できるか不明となります。ここまで読んでいただきありがとうございました。
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