エスパー・ライアー ライアー・ライアーの世界にエスパーが転生したようです 作:但野ミラクル
篠原君、私が……何を考えているかって?……何も?
……篠原君にばれてるなあ、手助けしたの。
ばれるかもとは思っていたけど想定よりも疑われるのが早い。いやまあ、選択肢が少な過ぎて大体見当が着いてしまうから仕方ないところもあるけどね?
はあ、とため息をついていると、私が付けていたイヤホンから音が聞こえてきた。
『これがユニークスター、緑星だ。学園から強奪してきた物を改造した。それと違法改造アビリティだ。これで篠原を潰せるぞ』
『……わかった』
『くくく、これで潰せなかったらわかってるな?』
『うるさいなあ、わかってるよ』
うーん。乃愛先輩焦りすぎだよなあ、こんな簡単に
なんか篠原のことを劣等感とともにすごく妬んでいる心の声が聞こえて気になったから確認してみてよかったよ。十二番区の聖城学園の学園長倉橋御門が色々あって弱りきっている乃愛先輩を洗脳紛いの方法で篠原君へとぶつけようとしてたとは。しかも、倉橋御門はその不正も全て乃愛先輩に被せようとしてだよ。倉橋御門はろくな奴ではないだろう。いや乃愛先輩も悪いことはしてるけど内々に処理できる類いのものだよ。今はまだね。
とはいえ、乃愛先輩が今の私の言葉を素直に聞くとは思えないので脅迫したいと思います。……私、最近脅迫しかしてないような?……細かいことは気にしなければいいのだ。問題が起きていても認識しなければそれは問題ではないのだよ。まあ、盗聴は問題な気はするが、犯罪ではないので問題はなし。犯罪にしてしまうと警察も犯罪行為をして捜査することになるからね、仕方ないね。グレーなだけでよくはないけどまあ、とりあえず乃愛先輩を脅すぞー!
「……敵わないなあ」
私は秋月乃愛は自室で一人呟いた。
「まさか、全部ばれた上で篠原君とゲームをするように進められるなんてね」
客観的に見て暴走していた。感情を抑えられなくなってしまっていた。どうしても劣等感が抑えられなかった。
中学の頃から努力していた。周りの皆がキラキラしていて苦しかった。特別になりたかった、何か一つでもいいから私に誇れるものが欲しかった。
それ故の暴走。倉橋御門の介入等もあったものの基本的には私の責任であった。
私は違法改造アビリティを使い、篠原君の大切な人、おそらくゲームのキーマンとなる白雪ちゃんに違法改造アビリティで篠原君と白雪ちゃんの仲間討ち、自滅を狙う――つもりだった。……だが、全てがばれていた、六星の天崎心ちゃんに。篠原君に挑もうとしていた前日に待ち伏せされ、脅迫をされた。私の言うことを聞くように、と。違法改造アビリティの入手、緑星の強奪の証拠を示され、ああこれは人を陥れようとした天罰かと全てを諦めようとした。したのだが、彼女から出た言葉は想定外のものであった。彼女はこう言ったのだ。『倉橋御門を脅して色々有耶無耶にしてやりましょう?それで応じなければネットに奴の犯罪行為を明かすし大丈夫、私たちを潰しても知り合いが情報を学園中を駆け回るように根回ししてるし、いざというときは私たちの権力で潰して上げるから』
その時は混乱した、いやその後も混乱しっ放しであった。あれ、この子本当の悪魔かなってちょっと現実逃避をしてしまうぐらいには混乱していた。結局倉橋が交渉に応じないので、学園でネット動画を扱っているライブラという組織に頼んで学園中に倉橋の犯罪行為を明らかにしたのだ。後は英明学園の学園長が倉橋の処分を手伝ってくれたりした。これが彼女の言っていた根回しかと理解した。
これで最悪の結果は立ち消えた。倉橋に私が脅迫されることはなく、私も処分自体はされたものの退学にはならなかった。
しかし、私の罪悪感は消えはしない。何であんな馬鹿なことをしてしまったのかと自己嫌悪でいっぱいだった。
そこに声をかけてきたのが心ちゃんであった。彼女曰くまだ私にはやってもらいたいことがあると言われた。そう言われて……そういえば私脅迫されていたな、と思い出したのだった。おかしい、脅迫されていたのにも関わらずこっちに被害が無さすぎて忘れていた。この子は何を考えているのだろうか?普通は倉橋と私の両方に脅迫して使い潰すのが常道であるはずだ。
そんな私の思いを無視して彼女が言ったのはある意味私の願いであった。
『篠原とゲームをしてきてよ。ああ、非公式の模擬戦でいいからさ』
……彼女が何を考えているかはわからなかったが私は彼に勝負を挑んだ。……結果は惜敗。不正ができる要素を限りなくなくしてその上で負けた。これは認めるしかない、彼は本物であると。
何故か心ちゃんが少し申し訳なさそうな顔をしていたが何故かは今も不明である。その後は篠原君に何故このようなことをしてしまったのかの経緯も含めて説明し謝罪したのだが、謝る必要はない、迷惑は結果的にかけられていないと言われてしまった。それと同時にあるアンケートを私に見せてきた。それは動画配信組織ライブラのアンケート、今回の事件で秋月乃愛は悪いかと思うかというものというもの、回答者の何と九十七パーセントの九千人弱の英明学園の生徒がが秋月乃愛は悪くないと回答していた。嘘だと思った。こんなことをやらかしてこんな評価が出るわけがないと。
「こんなのもあるぞ」
そう苦笑した彼が出したのはsnsのトレンドキーワードの欄、そこにあったのは秋月乃愛の文字。
「英明以外の上位ランカーがお前のことを呟いていたよ、大体がお前の強さを評価しつつ、今回の件を擁護しているものだったよ」
「……う、嘘」
「こんな嘘をつくかよ、全く。何が特別じゃないだよ。もうとっくに秋月、お前は皆の特別なんだよ、俺なんかよりずっとな。お前は少し焦りすぎていただけだよ。というかそもそもあの天崎心がお前のことをめちゃくちゃ認めていたんだぜ?どんなに対策をしても油断をしたら負けかねないってな」
「こ、心ちゃんが……」
「……ただもし、まだ罪悪感があるというなら俺に力を貸してくれないか? 学園同士でやる大規模ゲーム、それに俺は負けられないんだ」
大規模ゲームに負けられない?それはプライドであろうか、それとも――いやそれはどうでもいいか。ここまで言われて何もしないのは性に合わない。篠原君の役に立ちたい。ここまでしてくれた篠原君に。あ、後私に脅迫してくれたあの子にもね。
もう私は迷わないよ、篠原君、心ちゃん。しっかりと見ててね。
……こいついっつも脅迫しかしてないな?
六話の間に三回も脅迫している主人公ってやばい気しかしないな?
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