英雄伝説 空の軌跡異聞録~異界に舞い降りた不死鳥   作:聖剣抜刃

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第1話

冥界の最奥・・・・死後、神に認められし清らかな魂を持つ極々僅かな者のみが到達出来るとされる悠久の楽土「エリシオン」冥界を統べる絶対神「ハーデス」が神話の時代より自身の清らかな肉体を安置し、死と眠りを司るハーデスの傍に常に付き従う「タナトス」「ヒュプノス」の二神に拠って守護される絶対神域。

その只中に、傷付き、膨大な血をその身から流し幾度も死の淵に立たされても正義と平和の為に戦い続ける者達があった・・・・。

知恵と戦いを司る女神アテナを守護し、地上の愛と正義の為にその身を盾とする勇ある者達「聖闘士」の姿があった。

神を相手とした戦いは凄絶を極め、アテナはハーデスの大甕に囚われ其の命を極限まで吸い取られ、聖闘士達は其の身に纏う奇跡の鎧「聖衣」を砕かれ、満身創痍になりつつも立ち上がっていた。史上最強と謳われた聖衣の最上位、「黄金聖衣」までもが破壊され、今までの戦いの中で最悪の状況、まさに「絶体絶命」の最中にあった・・・・。

しかし、神の血を受けて戦う青銅聖闘士達の平和への熱き思いが、女神アテナの至上の愛と真心が奇跡を起こした。黄金聖衣をも超えるとされ、神話の時代に一度だけ発現した究極の防具「神聖衣」。其の究極の力を身に纏った青銅聖闘士達はアテナの力と共に進撃し、最後はアテナの聖杖の一撃がハーデスを貫いた。

戦いの終結に安堵し、やがて訪れるであろう平和に思いを馳せる女神と聖闘士達。しかし、その刹那ハーデスの力を失った冥界も、エリシオンも崩壊を始めてしまう。残る力で地上に帰還すべく行動するアテナと聖闘士。辛くもそこから逃れたと思われたがしかし、冥界の崩壊が引き起こした次元振動に一人の聖闘士が巻き込まれてしまう。

そして彼は自身が知り、命を賭けて護り抜いた地球とは違う「地球」に降り立つ事となる。その身に不死鳥の力を宿し、正義の小宇宙と苛烈なる意思を纏う孤高の聖闘士・・・・・。彼の名は「フェニックス一輝」

これは異界に降り立った不死鳥と、世界を護る為に奔走する「遊撃士」達との出会い、そして戦いの記録である。

 

涙も優しさも己が心に封じた孤高の聖闘士。神の気まぐれか、はたまた己の運命か今また一人で異世界に舞い降りた彼に再び大きな運命の波が押し寄せる。戦いの果てに傷付いた彼の心を捉えるのは果たして新たなる戦いか、それとも・・・・?

 

その地に生きる人々の命を、笑顔を、未来を守る為に不死鳥は再び天に羽ばたく。


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