燃え残り 作:名無し
─ミレニアム・ゲーム開発部─
モモイ「さて、もう廃部の危機は免れたんだし、安心してゲーム三昧できるね!
じゃあアリス、今日はレイドに行こう!準備できてる?」
アリス「攻略法は把握しました、レイド専用装備も獲得済
【初心者歓迎/「燃える森」へ遠征/4人/ヒーラー、遠距離アタッカー募集】で告知、あ、【Perorochan32が合流しました】」
ミドリ「ちょ、ちょっと気を緩めるには早くない!?
ユウカにはもう言ったの?部員が4人になったから、部の資格要件を揃えたってー
モモイ「もっちろん、それで今日の午後に、アリスの資格審査に来るって…あっ、アリス!そ!ブレス攻撃の予備動作!危ない!」
アリス「危険を察知、バリアの魔法を展開します!」
ミドリ「今は現実の方が危険だよ!資格審査って何!?
そんなの初めて聞いたんだけど!?
その“資格審査”に私たちの部の存続がかかってるのに…呑気にレイドバトルしてる場合じゃないでしょ!?」
モモイ「心配しすぎだって、アリスよ準備についてはもう完璧なんだし
…それに、今やらなきゃせっかく2倍期間に集めたアイテムが無くなるし…」
ミドリ「何か変なのまで聞こえた気がするけど、ほんとに完璧なの?」
モモイ「アリス!…自己紹介を!」
アリス「私の名前はアリス・ザ・ブルーアイ、ドワーフ族の槍騎士、使用武器はガンランス「火龍の牙」
出身地は高山山脈、幼い頃、魔族の襲撃により家族を失って、燃え上がる鉱山の中へと単身乗り込み──」
モモイ「いや!ゲーム内アバターのプロフィールじゃなくて、アリス自身の!」
アリス「あ、理解しました
私の名前は
最近転校してきたばかりで受講申請のタイミングを逃してしまったため、まだ授業の登録ができていない状態なのですが、来月から正式に授業に参加する予定です」
アリス「授業にはまだ参加できなくても、部活動への参加は可能とのことでしたので、ゲーム開発部に入部しました」
ミドリ「あ、結構それっぽい」
アリス「ゲーム開発部で担っている役割は、タンク兼光属性アタッカー……」
モモイ「違う違う、役割はプログラマー!」
アリス「ぷ、プログラマーです!生まれた時から母国語よりも先にJabaを使っていまして…」
ミドリ「う、うん…?本当に大丈夫かな…!?」
モモイ「だ、大丈夫だって!」
──
ユウカ「……あり得ないわ」
ユウカ「…ゲーム開発部に新入部員が入ったなんて…あり得ない…!」
モモイ「残念だけど事実だよ!」
ミドリ「ユウカ…本当に潰すつもりだったんだ…」
アリス「……?」
ユウカ「あなたが噂のアリスちゃんね、ゲーム開発部に入った、四人目のメンバー…
ふーん、ミレニアムの生徒ならほぼ全員把握してると思ってたけど…
私がこんなに可愛い子のことを知らなかったなんて、ちょっと信じられないわね」
モモイ(ビクッ)
アリス「……???」
アリス「よ……妖怪が出現しました…!」
ユウカ「い、今この子、私の事を“妖怪”って言ったわよね!?」
モモイ「か、勘違いだよ!“妖精”って言ったのを聞き間違えたんでしょ、もう、アリスは嘘が付かないんだからー」
ユウカ「くっ…悪役には慣れてるとはいえ、まさかはして会う子に妖怪扱いされるだなんて…
いい度胸してるじゃない…!」
モモイ「お、落ち着いて!生徒会が個人的な感情を挟んじゃダメでしょ!?
とにかく、部の規定人数は満たしたしこれでゲーム開発部は存続していいんだよね?」
ユウカ「存続……
確かにそうね、この子が本当に自分の意思でここにきた部員だったらの話だけど」
ユウカ「本来は部員の加入申告をすればそれだけで良かったのだけれど…
最近は部活の運営規則も少し変わって、もう少し厳しく確認する必要が出てきたの
だから、アリスちゃんには簡単な取り調べ…あら、思ってもない言葉が…
じゃあ、簡単な質問をするわね」
モモイ「先生が居ないからって好き勝手言ってる…」
ユウカ「そんなに時間はかけないから…」
アリス「せ、選択肢によっては、バッドエンドになることもありますか?」
ユウカ「バッドエンド…まあ、そういうこともあるかもね、それじゃあアリスちゃん…質問を始めるわ」
ユウカ「……アリスちゃん、もしゲーム開発部に脅されて仕方なくこの場にいるなら、左目で瞬きして」
アリス「……?」
モモイ「ちょっと、最初から何その質問!?小声で言っても聞こえてるから!ていうかそんなことしないって!!
もし学外から連れてきたと思ってるならアリスはちゃんと学生証持ってるし!」
ユウカ「確かに、生徒名簿にアリスちゃんが登録されていることは確認したけれど…
私はそんな簡単に騙される女じゃないわ」
ミドリ(ば、バレた!?)
ユウカ「それじゃあ取り調べを再開しましょうか」
モモイ「もう隠す気ないじゃん」
ユウカ「アリスちゃん、あなたがゲーム開発部に来たきっかけは何?」
アリス「気がついた時にはすでにここに、ではなく…」
ユウカ「モモイ、なんでそんなにアリスちゃんを睨んでるの?やめてあげなさい」
アリス「えっと、“魔王城ドラキュラ”がやりたくって…それでゲーム開発部の存在を知って…」
ユウカ「ふーん…そうなの」
ミドリ(よし!アリスちゃんその調子!)
ユウカ「でもここはレトロゲーム部じゃない、あくまでもゲーム開発部
つまりあなたもゲーム作りに参加するということよね?何を担当するの?」
アリス「タンク兼光属性アタッカー……」
ユウカ「えっ?」
アリス「じゃなくて、えっと、ぷ、ぷ、ぷ…プログラマラスです!」
ユウカ「…はい?プログラマーじゃなくて?」
アリス「あ、はい、そうです、その通りです、間違いなく私は完璧なプログラマーです」
モモイ(ま、まずい…)
ユウカ「プログラマーね、すごく難しい役割だと聞くけれど」
アリス「はい、そ、そうです、ぷ、プログラマーは大変です、たまに過労で意識を失ったりもします」
ユウカ「な、なんですって!?」
アリス「それでも大丈夫です!」
ユウカ「いや、大丈夫じゃないでしょ……ちゃんと休みなさいよ…」
アリス「宿屋で寝て起きるか、聖堂にお金を払えば、仲間たちと一緒に復活できます!」
ユウカ「そっ、そんなわけないでしょ!?」
アリス「そんなわけないのですか…?常識のはずですが……もしかして、“英雄神話”や“聖槍伝説”をご存知ないのですか?」
アリス「本当に“神ゲー”ですよ!」
モモイ「……」
ミドリ「……これは…」
モモイ「終わった、全てが…」
ユウカ「……」
ユウカ「…ありがとう、わかったわ、短い時間だったけれど、アリスちゃん、あなたの事については概ね理解できた」
モモイ(もうダメだぁ!)
ミドリ(どうしよう…!?)
アリス「……!?」
ユウカ「ちょっと怪しいところはあるけれど…
ゲームが好きだって事、それに、新しい世界を冒険したり、仲間と一緒に何かをやり遂げるストーリーが好きなんだってことは、十分に伝わってきた……」
ユウカ「そんなあなたがゲーム開発部の部員だというのは、何も不思議なことじゃないわ」
モモイ「え…?」
ミドリ「っていうことは!?」
ユウカ「規定人数を満たしているので、ゲーム開発部をあらためて正式な部活として認定…部としての存続を承認します
…今月末まではね」
モモイ「やったぁ…え?」
ミドリ「な、な、なんで!?」
モモイ「どうして!規定人数も満たしたのに!?」
ユウカ「あら、知らなかったのかしら
今は部活の規定人数を満たすだけじゃなく、同時に部としての成果を証明しなければいけないの
もちろん、最近急に変わった要件だから、猶予期間はあるけれど…その期限は今月末まで
今月中に結果を出さなければ、あなたたちの部はたとえ4人いても、400人いても、廃部になるのよ」
モモイ「嘘だ!あり得ない!」
ユウカ「あり得るの!この間、全体の部長会議でちゃんと説明した内容なんだから
ただ、あなたたちの部長、ユズはそこに参加してなかったけど」
ミドリ「!?」
ユウカ「つまりあなた達の責任よ」
モモイ「くっ…卑怯者め!」
ユウカ「鬼とかならまだわかるけど、規則通りに事を運ぶことの何が卑怯なんだか…
正直なところアリスちゃんの正体も怪しいし、本当なら今日すぐに退去を要請しようとも思っていたのだけれど」
ミドリ「!?」
ユウカ「正体はさておき、ゲームが好きって純粋な気持ちは本物だと思ったし
猶予を与えたのは、その気持ちに相応しい成果がきちんと出せる事を期待してるからよ
モモイ、あなた言ったわよね?ミレニアムプライズでビックリするぐらいの結果を出して見せるって」
モモイ「そ、それはそうだけど……」
ユウカ「新しいメンバーも増えた事だし、前よりもちゃんと面白いゲームが作れるんでしょうね
それじゃあ楽しみにしてるわよ、じゃあね〜」
モモイ「ちょっ、待って!詐欺師っ!杓子定規!もおぉぉぉっ!」
ミドリ「行っちゃった……」
──
ミドリ「うーん……結果的にゲーム開発部はまだ廃部の危機って事だよね」
モモイ「でもこんなの、どう考えても詐欺だよ!謀略だよ!!」
ユズ「…ごめん、わたしが、部長会議に参加できなかったせいで…」
ミドリ「ゆ、ユズちゃんのせいじゃないよ!こういう場合ってお姉ちゃんが代わりに参加する事にしてたはずでしょ?」
モモイ「……仕方なかったの」
モモイ「だってその時は、アイテムドロップ率2倍のキャンペーン中で……」
ミドリ「やっぱりお姉ちゃんのせいじゃんっ!今すぐそのゲーム消して!
うう……とにかく、もうやるべきことは一つ…」
モモイ「そうだね」
ミドリ「ミレニアムプライズで受賞できるようなすごいゲームを作る事…」
モモイやってことは、結局G.Bibleが必要なんじゃん!またあの廃墟に行くの!?やだぁ!!」
ユズ「……」
ユズ「……責任、取らないと…」
ユズ「G.Bibleを探しに、また廃墟に行くなら……わたしも、一緒に行く」
モモイ「え、え!?嘘!?」
ミドリ「ユズちゃん、もう半年近く校舎の外に出てないのに?授業もインターネット受講だけだし…」
ユズ「……元々はわたしのせい…だから……それに、この部室は…もうわたしだけのものじゃない…
……一緒に、守りたいの」
ミドリ「ユズちゃん……」
アリス「パンパカパーン、ユズがパーティに参加しました」
モモイ「……うん、よし!やるしかない、行こう!」
ミドリ「アリスちゃんも、武器とか装備持って!」
アリス「アイテムを選択、“光の剣:スーパーノヴァ”を装備しました」
モモイ「先生にも連絡したし…よし、行こっか!今度こそ、G.Bibleを手に入れる為に!」
─ミレニアム近郊・廃墟─
ドカアァァァン!!
ユズ「うぅ…みんな、大丈夫…?」
ミドリ「私は平気…でも、前より火力が…先生、大丈夫ですか!?」
ウォルター「問題ない…」
ユズ「来た、ロボットたち…!正面から!」
モモイ「大丈夫、もう少しだけ…引きつけられる…!」
ミドリ「…アリスちゃん!やっちゃって!」
アリス(こくん)
アリス「今日の私の役割は光属性の広範囲アタッカー…
前方のモンスターたちを、殲滅します」
アリスがレールガンを構え、狙いを絞る
アリス「……光よ!!」
(ドカアァァァン!!!)
放たれた閃光がロボット達を吹き飛ばす
モモイ「よし、成功!」
ミドリ「アリスちゃん、すごい!」
ウォルター「まだだ、第二波が接近している」
アリス「レールガンのチャージ、5%です!」
ミドリ「撤退しよう、ここで無茶しても仕方ないし、一度戻って対策を…!」
モモイ「…ううん、ここで退くわけにはいかない」
ユズ「うん…敵の数が少ない位置を突破しよう」
ミドリ「えぇっ!?」
モモイ「ここで退いてもロボットの数は減らないよ」
ユズ「それに、時間も無いし…」
ウォルター「ロボットが相互に連携を取れるのならば、この辺りの守りはより固められるだろう…
行くのなら今しかない…」
ミドリ「で、でも……」
アリス「大丈夫です」
ミドリ「アリスちゃん…?」
アリス「私たちは今まで一緒に、27階のダンジョン探索と、139階のレイドバトルを成功させてきました
今回もきっと…このパーティなら、勝利できるはずです!」
ミドリ「で、でも、それはゲームの話でしょ!?」
ユズ「どう転んでも危険はある…わたしも、頑張るから」
ミドリ「で、でも先生は!?ここからもっと危険になるなら、、私たちと違って攻撃を受けたら…」
アリス「安心してください、どれだけ危険な状況であっても、アリスが先生を守ります!」
アリス「先生…アリスを信じて、私たちと来てくれますか?」
ウォルター「ああ、問題ない…」
アリス「パンパカパーン!先生があらためて、仲間になりました!」
ミドリ「…ふぅ…わかった、私も覚悟を決める
先生!指揮をお願いします!」
ウォルター「目標は工場への到達だ、不要な戦闘は避けろ…」
アリス「交戦を開始します!」
ダッ!バババッ!ドカーン!
ウォルター(…数が多い、か…だが、この戦闘地帯を移動するには、もう一度敵を一掃するしか…)
アリス「先生!移動します!」
アリスが光の剣を盾の様にし、前に出る
モモイ「本来の用途と全然違う気がするけど…ナイスアリス!」
ミドリ「流石宇宙戦艦用…銃弾を受けても傷一つついてない…」
アリス「次のチャージが貯まるまで、20%です!」
ユズ「じゃ、じゃあ、あそこの物陰に…!」
倒壊した建物を盾にする
ウォルター「
アリス「わかりました!…光よ!!」
ドッ!!
ミドリ「すごい威力…お姉ちゃん!散らかったのは私たちで!」
モモイ「私の怒りの弾丸をくらえ〜!!」
ミドリ「ドットを撃つように緻密に…!」
ダダダダダダッ!!
ミドリ「よし!」
ユズ「周囲の敵は倒せました…進みましょう!」
─廃墟・工場─
モモイ「やった!侵入成功!」
ミドリ「やっぱりここまで来たらロボットは追ってこないね…よかった…」
ユズ「うう…きゅ、急に走ったから、頭が痛い…」
アリス「先生!ユズが状態異常になっています!回復魔法を!」
ウォルター「…その前に降ろせ」
ミドリ「光の剣だけじゃなくて先生まで担いで走ったのに、息切れひとつしてないなんて…凄いね、アリスちゃん」
ウォルター「
ユズ「うう……」
モモイ「ねえねえ、私たちって実はすっごく強いんじゃない!?C&Cとか、他の学校の戦闘集団と戦っても勝てちゃうかも!」
ミドリ「少なくともC&Cは絶対に無理だと思うけど…確かに、自分でもちょっとびっくり」
ユズ「わたしも…」
ミドリ「ところで、残弾は足りそう?」
アリス「バッテリーがチカチカしてます、「マナが足りません」という事でしょうか?」
ユズ「そうかも、あと1回ぐらいしかまたなさそう…」
ミドリ「じゃあ帰りのためにも戦闘は避けなきゃね」
モモイ「よーし、それじゃあG.Bibleを探そっか!」
──
アリス「……ここは?」
モモイ「アリス、どうしたの?」
アリス「わかりません……ですが、どこか見慣れた景色です、こちらの方に行かないといけません」
ウォルター(……)
アリスがみんなを先導し、工場を進む
アリス「アリスの記憶にはありませんが、まるで“セーブデータ”を持っているみたいです」
アリス「この身体が、反応しています
例えるなら、そう、チュートリアルや説明がなくても進められるような…或いは、まるで、何度もプレイしたことのあるゲームを遊んでいるかのような…」
ウォルター(……この先にあるのは…なんだ)
モモイ「どういうこと…?確かに、元々アリスがいたところと似たような場所だけど……」
ミドリ「あっ、あそこにコンピューターが一台……あれ?」
モモイ「あのコンピュータ─、電源が点いてる……?」
(ピピッ)
[Divi:Sion Systemへ、ようこそお越しくださいました、お探しの項目を入力してください]
モモイ「おっ、まさかの親切設計、G.Bibleについて検索してみよっか?」
ミドリ「いや、ちょっと怪しすぎない?それより「ようこそお越しくださいました」ってことは…「ディビジョンシステム」っていうのがこの工場の名前?」
アリス「キーボードを発見…G.Bibleと入力してみます」
モモイ「あっ、何か出た!」
[……]
[……#$☆#$$%#%^*〆(#☆]
モモイ「こ、壊れた!?アリス、一体何を入力したの!?」
アリス「い、いえ、まだエンターキーは押していないはずですが…」
[あなたはAL-1Sですか?]
モモイ「!?」
ミドリ「!!」
アリス「?」
ウォルター「……」
アリス「いえ、アリスはアリスで……」
ミドリ「ま、待って!……何かおかしい、アリスちゃん、今はとりあえず入力しないほうが…」
[音声を認識、視覚が確認できました、おかえりなさいませ、AL-1S]
モモイ「!?」
ミドリ「音声認識付き!?」
ユズ「えっと……AL-1S、っていうのは、アリスちゃんのことなの?」
ミドリ「あ、ごめん、そういえばユズちゃんには言ってなかったかも」
アリス「……アリスの、本当の名前…本当の、私…?
あなたはAL-1Sについて知っているのですか?」
[……]
[………]
ミドリ「反応が遅い…?」
モモイ「何か画面もぼんやりしてるけど、処理に詰まってるのかな?」
[そうで……☆|#%#☆|$3☆!!!!]
ミドリ「え、え?何これ、どういう意味!?」
[それは……]
[……]
[緊急事態発生]
[電力限界に達しました、電源が落ちると同時に消失します、残り時間51秒]
モモイ「ええっ!?だ、ダメ!せめてG.Bibleのことを教えてからにして!」
[あなたが求めているのはG.Bibleですか?〈YES /NO〉]
モモイ「!?」
ミドリ「YES!!」
[G.Bible……確認完了、コード:遊戯……人間、理解、リファレンス、ライブラリ登録ナンバー193、廃棄対象データ第1号、残り時間35秒]
モモイ「廃棄!?どうして!?それはゲーム開発者達の、いや、この世界の宝物なのに!」
[G.Bibleが欲しいのであれば、提案します、データを転送するための保存媒体を接続してください]
モモイ「えっ…?G.Bibleの
[あなた達も知っています]
[今、目の前に]
モモイ「ど、どういうこと!?」
[正確には、私の中にG.Bibleがあります、しかし現在私は消失寸前、新しい保存媒体への移行を希望します]
モモイ「そ、そうはいっても急に保存媒体なんて……あ、“ゲームガールアドバンスSP”のメモリーカードでも大丈夫?」
[…………]
[………まあ、可能…では、あります…]
モモイ「なんだかめちゃくちゃ嫌がってる感じがするんだけど…気のせい?」
ユズ「データケーブル…連結完了!」
[転送開始…保存領域が不足、既存データを削除します、残り時間9秒]
モモイ「え、嘘っ!?もしかして私のセーブデータ消してない!?ねえ!?」
[容量が不足しているため、確保します]
モモイ「だ、ダメ!お願いだからセーブデータは残して!そこまで装備揃えるのすごく大変だっ──」
[残念、削除]
モモイ「ちょっとおおぉぉぉおおお!?」
[……]
[…………]
ミドリ「あれ…電源、落ちちゃった…?」
モモイ「ああぁぁ!私のゲームガールアドバンスのデータがあぁぁっ!!」
ミドリ「あ、待って!何かが画面に……?」
[転送完了]
モモイ「え?」
[新しいデータを転送しました]
〈G.Bible.exe〉
ユズ「こ、これって!?」
モモイ「こ、これ今すぐ実行してみよう!本物なのか確認しなきゃ!
exe実行!あ、何かポップアップが出て…
って、パスワードが必要!?何それ!どうすればいいのさ!?」
ミドリ「……大丈夫、普通のパスワードくらいなら、ヴェリタスが解除できるはず…!」
ユズ(こくこく!)
モモイ「そ、そうだね、そうすれば…!」
ミドリ「これがあれば、本当に面白いゲームが……「テイルズ・サガ・クロニクル2」が……!」
モモイ「うん、作れるはず…よし!
待っててねミレニアムプライス…いや、キヴォトスゲーム大賞!私たちの新作は今度こそ、キヴォトスのゲーム界にいい意味での衝撃を与えてやるんだから!!」
ミドリ「とりあえず戻って、ヴェリタスに行こうか」
ウォルター「……」
ウォルター(…何事もなければいいが)