燃え残り 作:名無し
─ミレニアム・セミナー専用フロア─
ダダダダダダッ!
バンッ!タタタタタタッ!
ドカーーン!!
ウォルター「…
数の不利もあり、
だが
モモイ「アリス!」
アリス「はい!今日のアリスの役割は、光属性のアタッカー…
兼!みんなを守るタンクの勇者です!!」
アリスが光の剣を盾にし、銃撃を受ける
ミドリ「無理はしないで…!でも、できるだけ耐えて!」
アリス「魔力のチャージ、15%…16………17…このままでは、チャージが終わる前にやられてしまいます!」
ミドリ「セキュリティシステムの破壊とかにも使ってるせいでチャージが遅くなってるんだ…!」
モモイ「うう…このままじゃジリ貧だよ!!」
ウォルター「まだだ、もう少し耐えろ」
ミドリ「ほ、本当になんとかなるんですか…!?」
ウォルター「…断言は、できない…だが、手は尽くしている」
(フォン──)
ユウカ「正面の3人さえ抑えれば私たちの勝ちよ!」
アカネ「…ですが、あの巨大なレールガン…
アレを貫く威力は今の私達の武器には有りません…
ユウカ、建物を多少破壊することになりますが…」
ユウカ「構わないわ、どうせ既にボロボロだから
モモイ達にはちゃんとツケを払ってもらわなきゃ…!」
アカネ「わかりました、では──
それでは、掃除を始めましょうか」
ダダダダダダッ!ドンッ!ドンッ!
アリス「くっ…!?」
ミドリ「あ、アリスちゃん!」
ウォルター(狙いが集中した…
ユウカ「アリスちゃんを狙って動きを制限して!そう、そのまま…!」
アカネ「そう、その辺りです、そこなら…」
(ピッ…ピッ…ピッ…)
ウォルター「…爆弾か…!
ハレ『もう少し待って、ドローンの位置が悪い…
先生、ドローンへのアクセス権を解放するから、爆発範囲を指定できる?』
ウォルター「…アロナ」
アロナ『はい、先生!アテナ3号への接続が可能です!』
ウォルター「接続してくれ…爆弾の位置をアップロード、
ハレ『位置情報を確認、うん、これなら大丈夫
EMPドローン、作動開始』
バチバチバチッ──!
アカネ「あ、あれ?」
ユウカ「どうしたのアカネ!早く爆発させて!」
アカネ「そ、それが…」
(カチッ…カチッ…)
アカネ「さ、作動しない…!?」
ユウカ「…待って、ロボットも動きが止まって…!」
ウォルター「今だ、反撃しろ」
モモイ「よし、私の怒りの弾丸をくらえー!!」
ミドリ「恨みはないけど、覚悟して!」
ユウカ「あーもう!合理と理性は無慈悲よ!いくら撃ったところで…!」
(カチッ…カチッ…)
ユウカ「え…ば、バリアが…!?」
ウォルター「……終わりだ」
ダダダダダダッ!ダダダダダダダダダッ!!
──
モモイ「や、やった…!」
ウォルター「…
ミドリ「は、はい!」
アリス「クエストを更新!鏡を取得します!」
──
???「へぇ…アカネまでやられてやがる、1人でやったのか?…ンな訳ねぇか」
ウォルター「……」
ハレ『先生!急いでそこから逃げて!その人は──』
ウォルター「…お前がC&Cの…」
ネル「あァ?」
ウォルター「
ネル「で、どこだよ、ゲーム開発部」
ウォルター「…答えると思うか?」
ネル「んー…答えねぇだろうな…ま、いいか
自力で見つけりゃ良いんだし…しっかし、どっちだ?」
ウォルター「……」
ウォルター(…強いな、荒々しい雰囲気はある、だが…粗雑ではない
この感じは、覚えがある…まるで…)
ウォルター「…ミシガン」
ネル「なんか言ったか?」
ウォルター「…いや、気にするな」
踵を返し、エレベーターの方へと歩く
ネル「…今から帰りか、ってなると──」
ネル「まだ“居る”んじゃねぇか?…流石に置いて帰らねぇだろ」
(タッタッタッタッ──)
ウォルター「……
─差押品保管所─
モモイ「うわ、な、なにこれ!」
ミドリ「め、滅茶苦茶になってる…棚も倒れてるし、ガラスも割れてる…
あ、この弾痕…カリン先輩の跳弾かな、こっちは爆風で焦げてるし、戦闘の余波がここまで来たのかも…」
モモイ「…敵は全滅させたけど、アリスが合流した時点で向こうは“鏡”を取られたと思い込んでくれてるはず
だから、増援が来たとしても部室の方に行ってくれる…ハズ…」
アリス「鏡の捜索を開始します!」
──
モモイ「…あった!これだ、鏡のデータの入ったフォルダ!」
ミドリ「やった!これで…あ、あれ?ハレ先輩から連絡が来てたみたい…「逃げて!もしくはすぐに隠れて!」…?」
アリス「ミュートでお願いします」
モモイ「ど、どうしたの?」
アリス「先生からもメッセージです、
モモイ「……え?」
ミドリ「な、なんて…?」
アリス「監視カメラにアクセスして接近対象を識別…
身長146センチ、ダブルSMG、メイド服の上から龍柄のスカジャン…美甘ネルの特徴と一致しました」
ミドリ「隠れてっっ!!」
──
ガチャッ
ネル「……」
ネル「ふーん、もうメッチャクチャだな…遅かったか」
モモイ(ほ、ほんとにネル先輩だ!!)
ミドリ(な、なんで!?どうしてあの人がここに…!)
ネル「ん?……今、なんか声が聞こえたような気が……やっぱ居んのか?」
モモイ(!?)
ミドリ(ひいぃ…!)
アリス(この人、何かが違います…!
恐怖……始めての、感情……今この状況で、戦闘が発生した場合の成功確率…ほぼ0%…!)
ネル「ふーん……確かに気配がするな…こっちか?」
カツ…カツ…
モモイ(ど、どうしよう…!)
ミドリ(か、勝てる訳ない…終わりだ…!)
アリス(も、もうすぐそこまで…!)
タッタッタッタッ
ネル「ん?」
ガチャッ!
???「あ、あの!」
ネル「あん?」
ユズ「ね、ネル先輩!大変です!」
モモイ(え、こ、この声!?)
ミドリ(ゆ、ユズちゃん!?)
ネル「お前は?」
ユズ「え、あ、セミナー所属のユズキです、戦闘ロボットが暴走したせいで、今あちこちがメチャクチャなんです!
アカネ先輩とカリン先輩が制圧を試みてますが…」
ネル「なんだよ、暴走?アレを差し押さえたのなんかずいぶん前だろうな…
まだ整備が終わってねえのか」
ユズ「じょ、状況的に、助けが必要かと思い…それで、ここにいらっしゃると聞いたので…」
ネル「はあ…仕方ねえな…」
ユズ「こ、ここの整理は私がやっておきます
そ、その、戦闘は怖くて…経験も、あまり無いので…」
ネル「ンなことどうでもいいけど、それよりアンタ…
覚えときな、戦闘で一番大事なのは、武器でも経験でもねぇ」
ユズ「は、はい…?」
ネル「度胸だ
その点で、アンタに素質が無いとは思わねぇ
自分がどう思われてるかくらい、あたしにもわかってる
それに、アンタが結構ビビリなこともまあわかる
それなのに、初対面でこのあたしに声をかけるなんてのはそれなりに度胸がいることだろうからな」
ユズ「は、は、はい!あ、ありがとうございます!?」
ネル「じゃあな、またどっかで会おうぜ」
ユズ「……」
ユズ「ふぇぇ……」
(ふらっ…ぺたん)
ユズ「し、死んじゃうかと思った……」
モモイ「ユズうぅぅぅーー!!」
ミドリ「ユズちゃんすごい!おかげで命拾いしたよ!」
ユズ「ち、力になれてよかった…
それより、今アリスちゃんが持ってるのが…」
アリス「はいっ!これが人類と世界を救う、私達の新たな武器…鏡です!」
ユズ「や、やっと…!」
モモイ「喜ぶのは後!ネル先輩が戻ってきたらそれこそ一巻の終わり!」
ユズ「そ、外はロボットがたくさん居るから気をつけて!」
モモイ「あ、ほんとに暴走してるんだ…」
ミドリ「じゃあ、急いでここから逃げよう!」
ユズ「私達の目的は鏡じゃなくて…G.Bible!早くヴェリタスの部室に行かなきゃ…!」
─ミレニアム・廊下─
アスナ「……」
カリン「うぅ…」
アカネ「えっと…」
ネル「……」
ネル「なるほどな…
ゲーム開発部か…聞いた事ねえ部活だったが、そいつらにしてやられた…って事だな?」
アカネ「……申し訳ありません
この依頼を受諾して作戦を準備したのは私です…メイド部の名前に傷をつけてしまいました…」
ネル「んなこたぁどうでもいい」
アカネ「え?」
ネル「それに、あたしがここに戻ってきた時にリオから連絡が来た」
カリン「セミナーの会長から?」
ネル「あぁ…「依頼は撤回、無かったことに」、だとよ」
カリン「!?」
アカネ「それは、いったいなぜ…?」
ネル「あたしの知ったことかよ…けど多分、依頼したリオも、情報を漏らしたヒマリも確かめてみたかったんじゃねぇのか?」
アカネ「確かめる…私達の力を、ですか?」
ネル「逆だ、今更あたしらを確かめるかよ
試されてたのは、あのアリスとかいう奴の方だ
ま、その辺の事情は知ったこっちゃねぇ…依頼とは関係なくなったが……アカネ、調べておいてくれ」
アカネ「はい?何をですか?」
ネル「ゲーム開発部だ、関係者もまとめてな…」
アカネ「いきなり何故…あ、リベンジ、ですか?」
ネル「その表現はなんか
一通り情報が洗えたら、そいつらんところに行くぞ」
アカネ「はい、望むところです、今頃あの子達は、メイド部に一泡吹かせたと喜んでいるはず…
ですから…」
「…少し、時間をもらいたい」
ネル「あぁ…?……へぇ」
アカネ「あら」
カリン「……」
ネル「それは、どっちの事だ?今の事か?ゲーム開発部の事か?」
ウォルター「…両方だ、俺は、ゲーム開発部の廃部を阻止するために来た…
今、ゲーム開発部はミレニアムプライスの為にゲーム開発の最中だろう、その期間は手を出さないでもらいたい」
ネル「んなこたぁ知らねぇな、あたしらには関係ねぇ」
ウォルター「…
ミレニアムにおける最強のエージェント…」
ネル「あん…?調べはついてるってか?」
ウォルター「…C&C、仕事を依頼したい」
ネル「……チッ」
ネル「話だけなら聞いてやる」
─ゲーム開発部─
モモイ「あぁぁ…」
ミドリ「…うぅ…」
ユズ「……こんなに落ち込んだのは、『テイルズ・サガ・クロニクル』のプロトタイプをアップロードした時依頼……」
アリス「あ、あの……モモイ…?」
モモイ「ふふっ、ふへへへへへ、全部終わった!おしまいだぁ!!!」
アリス「ひ…み、ミドリ?その、大丈夫ですか?」
ミドリ「アリスちゃんごめん……今は何も話したく無い気分なの……」
アリス「えっと、ユズ──」
ユズ「怒り、破滅、腐食、絶望、虚脱…世界は今、破滅に向かって……」
アリス「あ、あの!えっと、私はあまり理解できてないのですが……もしかして、この状況は…
G.Bibleのせいですか…?」
モモイ「……」
ミドリ「……」
アリス「えっと、G.Bibleは、嘘は言ってないと思いますが……」
モモイ「そ う い う 問 題 じ ゃ な い っ !!」
アリス「ぴっ!?」
モモイ「いっそのこと嘘って言ってくれた方がまだマシ…!
うああああん!終わった!私たちはもう廃部なんだ!ふえぇぇぇぇん!」
アリス「な、なんで…?どうしてですか…?
アリス、わかりません…どうして…」
ガチャッ
ウォルター「…どういう状況だ」
アリス「せ、先生!みんなが…!」
ウォルター「落ち着け、何があった」
─2時間前─
マキ「ハ〜イ、ゲーム開発部のちびっ子たち!マキちゃんからプレゼントのお届けだよ!」
モモイ「遂に!」
マキ「ジャジャーン!」
[G.Bible.exe…実行準備完了]
ミドリ「ようやく、G.Bibleが私たちの手に…!」
マキ「遅れてごめんねー、鏡をセミナーに返すことになって、その件でちょっとバタバタしちゃって」
モモイ「ええっ!鏡返しちゃったの!?」
マキ「実は、ヒマリ先輩は最初から全部知ってたみたい
「それくらいあげてもいいから、これからはあんまり無理しないで」って…えへへっ」
マキ「あ、それでね、G.Bibleを開いてた時にこの、〈key〉っていうフォルダを見つけたの」
モモイ「何これ…ケイ、って読むのかな?」
アリス「ケイ???」
ミドリ「キーでしょ!お姉ちゃんはほんとに高校受験合格したの?!」
マキ「実は、こっちについては何一つわからなくって、ファイルは壊れてなさそうだけど…
私たちの知ってる機械語じゃ解読できない、信じられない様な構成をしてる」
マキ「G.Bibleの方はきちんと開けたけど、こっちはちょっと見ただけじゃ何も分からなかったの
この〈Key〉のこと、何か知ってたりする?」
モモイ「いや、私たちも全然…」
ミドリ「……」
ミドリ「もしかして、〈Key〉って……」
……
[あなたはAL-1Sですか?]
……
ミドリ「まさか?あの時の…?」
マキ「ふうん、何かあったの?ま、でもとりあえず今はG.Bibleの方でしょ
〈Key〉についてはまた今度ね、時間があったら頑張って分析してみるよ
じゃ、間違いなく渡したから、またね!」
ミドリ「マキちゃん、ありがとね!」
モモイ「今度会う時は秘書を通して連絡してね!何せ私達は、“TSC2”で大ヒットする予定だから!」
マキ「あははだ、楽しみにしてるよ!」
モモイ「みんな、あつまって!
あらためて……G.Bible、見よっか」
モモイ「みんな知ってる通り、この中に何が入ってるのかについては…ほとんど誰も知らない
ただ、最後にG.Bibleを見たと噂される、あるカリスマ開発者によると……
「ゲーム開発における秘技、みんなが知っているようで、誰も知らなかった奇跡」って言われてる
私は、それが知りたい…!」
ミドリ「うん……最高のゲームを作る為に」
モモイ「そう、それができれば、これからもみんなでこの場所にいられる」
モモイ「もし失敗したら…ユズは寮に戻って、会いたくもない奴らに会わなきゃいけなくなる…それに、アリスは…」
ミドリ「……もしものことは考えたくないけど、その時はきっときっと先生が、シャーレが助けてくれるよ」
アリス「シャーレ…?先生と一緒なのは、とっても嬉しいのですが……アリスはもうここに…みんなと一緒には、いられないのですか?」
モモイ「……っ!そんな事はない!!!
私達は絶対に、最高のゲームを作るんだから…!!」
モモイ「大丈夫、“TSC2”もアリスにとっての“神ゲー”になるよ
さて、それじゃあ…始めよう、アリス!」
アリス「はい、G.Bibleを起動します」
[G.Bibleの世界へようこそ]
モモイ「は、始まった!」
[最高のゲームとは何か…この質問に対して
世界中で様々な答えが模索され続けてきました]
[作品性、人気、売り上げ、素晴らしいストーリーや爽快感、鳥肌の立つ演出など
そう言ったものが最高のゲームの“条件”として挙げられる事は多いですが、それらはあくまで“真理”の枝葉に過ぎません]
[最高のゲームを作る秘訣、それはたった一つです
そしてこのG.Bibleには、その心理が秘められています]
モモイ「い、いよいよ!」
ミドリ「なんだかすごそう…」
[最高のゲームを作るたった一つの真理、秘密の方法…
それを今こそお教えしましょう]
アリス「来ます!」
[……]
[……ゲームを愛しなさい]
モモイ「おお…オープニングみたいな感じかな、それっぽい!」
ミドリ「そ、そう?」
[ゲームを愛しなさい]
ユズ「……まさか、これで終わりじゃないよね…?」
ミドリ「な、何かバグってるんじゃない?」
モモイ「ちょっと待って!
ええだと、設定変更はどこから…」
[ゲームを愛しなさい]
(ピッ)
[あなたがこのボタンを押したという事は
ファイルが壊れた、もしくは何か問題があったのでは?
なんらかのエラーが生じたのでは?と疑っているのでしょう]
モモイ「あっ、やっぱり!このまま終わるはずないよね!」
[しかし、エラーではありません]
ミドリ「嘘っ!?」
[残念ですが、これが結論です]
[ゲームを愛しなさい!]
モモイ「そ、そんなはずない!きっと何かエラーが!」
ミドリ「ファイルの損傷とか修正も見当たらない…最後の転送情報、ファイルサイズ、それにデータ構成も問題なし」
ユズ「そ、それじゃ本当に…!」
モモイ「こ、これで終わり!?……お、…」
ミドリ「お姉ちゃん……私達、何か悪い夢でも見て…」
モモイ「終わりだああぁぁぁああ!!!」
─現在─
アリス「あの、モモイ…デイリークエストしないのですか?
いつも、「デイリークエストより大事なものなんてない」と言っていたのに…」
モモイ「アリス…私のHPはもうゼロだよ」
アリス「えっと……ミドリ…?」
ミドリ「ごめんね、アリスちゃん…知ってたけど、現実って元々こういうものなの…
そう、つまりこれがトゥルーエンド…ハッピーエンドとはまた別の到達点……」
アリス「……ゆ、ユズは…ユズはどこに…?」
モモイ「多分、またロッカーの中に引きこもってるんだと思う
よく見て、ほら、ロッカーがたまに動いてるでしょ…?」
アリス「今のみんなの姿は…まるで、正気がログアウトしたみたいです…」
モモイ「うぅっ…」
モモイ「仕方ないじゃん、最後の手段だったのに!
それが、あんな誰でも知ってる文章が一つ入ってるだけだなんて!釣りにも程がある!
知ってた!世界にはそんな、それひとつで全部が変わってうまく行くような、便利な方法なんかないって!
でも期待ぐらいしたって…いいじゃん…うああぁぁぁんっ!!」
ミドリ「はあ……ごめんね、アリスちゃん……
私達は、G.Bible無しじゃ……ツールの力を借りなきゃ、いいゲームは作れないの…
先生、その…何かあったらアリスちゃんをお願いします…」
アリス「……いいえ
否定します、アリスは“テイルズ・サガ・クロニクル”をやるたびに思います
あのゲームは、面白いです」
ミドリ「え?」
アリス「感じられるのです、モモイが、ミドリが、ユズが…このゲームを、どれだけ愛しているのかを
そんな、たくさんの想いが込められたあの世界で旅をすると……胸が、高鳴るんです!
仲間と一緒あたらしい世界を旅する、あの感覚は…!夢を見るという事が、どういう事なのか…その感覚をアリスに教えてくれました!」
アリス「だから、待望のエンディングに近づくほどに、あんなに苦しんだのに…思ってしまうのです……この夢が、
アリスは、そう思うのです」
モモイ「アリス……」
アリス「今度は、先生もやりましょう!
みんなで作ったゲームを、先生にもやってもらいましょう!」
ウォルター「…俺か」
アリス「アリスは先生に会った時から、笑った顔を見た事がありません
先生はまだ、アリスの味わったことのある感覚を知りません、でも!みんなで作ったゲームなら…きっとその感覚を知る事ができます!」
ミドリ「あ、アリスちゃん!?それは流石に失礼だよ!」
ウォルター「……そうか」
『ウォルター、今度のオモチャはどうだい?“笑える”だろ?』
ウォルター「…楽しみにしておく」
アリス「っ!…はい!」
ユズ「……」
ミドリ「あ、ユズちゃん…いつの間に出てきたの…?」
ユズ「テイルズ・サガ・クロニクルの話が始まった時から…」
モモイ「最初からじゃん!」
ユズ「……うん、最初から、ずっと聞いてた…」
ユズ「…作ろう」
ミドリ「え?」
ユズ「わたしの夢は……わたしが作ったゲームを、みんなに面白いって言ってもらうこと
でも、わたしが初めて作った、テイルズ・サガ・クロニクルのプロトタイプは……四桁以上の低評価コメントと、冷やかしだけで終わっちゃって……それが辛くて、ゲーム開発部に引きこもってた時…
2人が、訪ねてきてくれた…」
……
[これがゲーム?]
[これを作った人の頭の中、逆に気になる…]
[これはさすがに脳みそ……って言おうと思ってたけど、本当に入ってるのか怪しいね]
[ゲームのことをよく知らない人が作ってない?]
[身の程を知ったほうがいい]
[これはゲームなんかじゃない、ゲームによく似たゴミだよ]
ユズ「うぅ……やめて…ごめんなさい、ごめんなさい…もうお願いだから……許して…!」
(ドンドンドン!)
ユズ「ひぃっ!」
ユズ「だ、誰…!」
???「えっと、ここってテイルズ・サガ・クロニクルのプロトタイプを作った、ゲーム開発部で合ってますか?」
ユズ「な、何…?とうとう直接…?
ご、ごめんなさい!ごめんなさい…!もう2度とゲームは作りませんから、だから、許して…!」
???「えぇっ!?」
???「何言ってるんですか、こんなに面白いのに!プロトタイプだけ作ってやめちゃうなんて!」
???「続き、すごく気になってるのに…ここまでワクワクさせておいて、そんなの無しでしょ!」
ユズ「…え…?」
???「テイルズ・サガ・クロニクル、すごく面白かったです!」
???「お姉ちゃん、徹夜でやってたもんね?」
???「ミドリだって!ニヤニヤしながらプレイしてたじゃん!
もともとゲームにそんなに興味なかったのに!」
???「え、う、うーん…確かに、ドットだけどキャラとかすごい可愛かったし…」
???「とにかく、あの!失礼します!」
ガチャッ!
ユズ「!?」
モモイ「あなたがUZ様!?」
ユズ「えっ……あ、は、はい…」
ミドリ「ファンです!!」
モモイ「私も!ミドリも!UZ様みたいに、面白いゲームが作りたいです!」
ユズ「…っ!!」
……
ユズ「……」
ユズ「それで、2人が来てくれた…一緒に、テイルズ・サガ・クロニクルを完成させて…今年のクソゲーランキング1位になっちゃったけど……」
モモイ「うう…」
ミドリ「それは…」
ユズ「その後、アリスちゃんがプレイしてくれて…
面白いって、言ってくれた、それで、私の夢は叶ったの」
ユズ「心の通じ合う大事な仲間たちと、一緒にゲームを作って、それを面白いって言ってもらう…
ずっと1人で思い描いてるだけだった、その夢が……」
モモイ「ユズ…」
ユズ「これ以上は、欲張りかもだけど……
叶うなら、私はこの夢が…この先も、終わらないでほしい…!」
ミドリ「ユズちゃん…」
モモイ「…うん、よし!
ねえ、今からミレニアムプライスまでどのくらい残ってる?」
ミドリ「お姉ちゃん…!」
アリス「6日と4時間38分です」
モモイ「それだけあれば十分…さあ、ゲーム開発部一同!テイルズ・サガ・クロニクル2の開発、始めようか!」
全員「うん!!」