燃え残り   作:名無し

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懺悔室

─D.U.シラトリ区─

 

ウォルター「……敵戦力の撃破を確認、仕事は完了だ」

 

ヒフミ「お疲れ様でした…」

 

アル「で、先生?倒した5人は…どうするのかしら?」

 

ウォルター「合歓垣(ねむがき)中務(なかつかさ)、あとはお前たちに任せる」

 

フブキ「え〜…このまま転がしといちゃダメなの…?」

 

ウォルター「…俺は構わん」

 

キリノ「ダメですよ!?

それでは、私達はカイテンジャーを連行しますので、一度失礼します!」

 

フブキ「え、私もいくの?キリノ1人で行ってよ…

これから先生にドーナッツ奢ってもらう予定なのに…!」

 

キリノ「後から食べればいい話です!」

 

(ズルズル…)

 

カヨコ「……今更だけど、ヴァルキューレと仕事をする事になるなんてね」

 

アル「…ま、まあ、それはもう今更よ!それじゃあ先生、早くシャーレに戻りましょう?」

 

ウォルター「ああ…」

 

ヒフミ「…あ、ちょっと待ってください!」

 

ウォルター「どうした、阿慈谷(あじたに)

 

カヨコ「忘れ物?それとも何か……あれは」

 

カヨコとヒフミの視線の先、距離はあるが、おそらく観ているのは…

 

ウォルター(あの店か…?)

 

可愛らしい外装のお店に人だかりができている

だが、何か…

 

ウォルター「……あれは、トリニティの生徒か」

 

アル「そうみたいだけど、なんだか物々しい雰囲気ね…」

 

カヨコ「……」

 

ウォルター「阿慈谷(あじたに)、あれは…」

 

ヒフミ「あそこにいるのは、その…ティーパーティの方で…」

 

ウォルター「ティーパーティ…」

 

カヨコ「トリニティの生徒会だね

風紀委員会程じゃないけど、こっちとしても関わり合いにはなりたくないところだし…」

 

ヒフミ「…早めに帰りましょう!」

 

ウォルター「……ああ」

 

ウォルター(…トリニティの生徒会、か)

 

──

 

カヨコ「そういえば、どうしてヒフミはティーパーティを怖がってるの?トリニティ生なら怖がる必要は無いと思うけど…」

 

ヒフミ「…あ、あうぅ……

実は、どうしても優先しないといけない重要な用事があって、止むを得ず定期テストを欠席したんですけど…

その…そのせいで顔を合わせ辛くて…」

 

アル「トリニティはその辺厳しいイメージがあったけど、ヒフミも中々にアウトローね…!」

 

ヒフミ「え、えっと…あ、あはは…そんなことは…」

 

アル「そんなに謙遜しなくていいのよ?

それに、アウトローの世界は奥が深いわ、ブラックマーケットっていう危険でアウトロー御用達の場所があってね

そこには闇の組織や悪いお店がたくさんあって、普通の生徒は立ち入らない様な場所なの」

 

ウォルター(…そうなのか?)

 

ヒフミ「え、えっと…」

 

アル「でも、そんな危険な場所にも大きな闇銀行があってね、私も行ったことがあるんだけど!」

 

ヒフミ(わ、私もあります…)

 

カヨコ「ごめんね、聞き流していいから…」

 

アル「確かに大きな銀行だったわ、だけど、その銀行よりもずっと印象的な事があってね…」

 

アルがヒフミに近づく

 

アル「…覆面水着団って、知ってる?」

 

ヒフミ「へ!?な、なんで…!?」

 

アル「その反応…隠さなくてもいいのよ?大丈夫、わかってるから」

 

ヒフミ「あ、あぅう…」

 

アル「貴女もファンなんでしょう?」

 

ヒフミ「……へ?」

 

アル「あんなクールな集団が嫌いな人なんて居ないもの!

ブラックマーケットの闇銀行を襲うなんて、並大抵のアウトローにはできないわ!」

 

ヒフミ「…そ、そうですねー…」

 

ヒフミ(…も、もしこれがナギサ様の耳に入ったら、私…どうなっちゃうんでしょうか…)

 

ウォルター(……)

 

カヨコ(…そういえば、あの時アビドスの他に1人、見ない顔がいた様な…

…まさか、こんな大人しそうなのが……まさか…ね)

 

 

─シャーレ・正面玄関─

 

カヨコ「……よし、報酬は確認したよ、これで今月の家賃も払えるね」

 

アル「ちょっと!カヨコ課長!?そういうのはあんまり人前では…」

 

カヨコ「ごめんごめん、じゃあ先生、私達はこれで」

 

ヒフミ「私もここで失礼します!」

 

ウォルター「…ああ」

 

ウォルター「……アロナ」

 

アロナ『はい!どうしましたか?先生』

 

ウォルター「…手が空いた、追加の仕事を回してくれ」

 

アロナ『え?…えっと…でも、ミレニアムから戻ってずっと働き詰めですし…』

 

ウォルター「…今は暇を持て余したくない」

 

アロナ『…そういう事でしたら、少々お待ちください』

 

ミレニアムプライスから2週間

廃部の危機が遠のいた事で、溜め込んでいた仕事に着手したが、多数の生徒を雇う事で比較的すぐに片付いた

 

…だが、それでも常に仕事は舞い込んでくる

むしろそれが都合が良かった

 

アビドス、ミレニアム、どちらもそこにいた間は忙しく、“目的”があった

 

だが、シャーレにはそれがない

 

そして、ハンドラー・ウォルターにもそれは無い

 

ウォルター(…ACやMTがもっと普及するものだと思っていた

だが、アビドス以来一度も見かけていない、報告すら上がらない…)

 

この世界に似つかわしく無いものを排除するのが目的だった、だが、排除するものが無くては…

 

アロナ『先生、トリニティの生徒さんからの依頼はどうですか?

急ぎの依頼では無く、難易度も低いものの様で、先生個人への依頼です!』

 

ウォルター「…トリニティ、阿慈谷(あじたに)の通っている学校か…内容は移動しながら聞く」

 

アロナ『わかりました、ヘリの運航申請を出しておきますね!』

 

ウォルター「頼んだ」

 

 

─トリニティ・大聖堂─

 

アロナ『目的地に到着しました!』

 

ウォルター「…ここか」

 

大聖堂の中に杖をつく音が嫌に響く

そしてそれに反応する様に、長椅子から1人、立ち上がる

 

ウォルター「……依頼人か」

 

「はい、お待ちしておりました、わざわざお越しいただきありがとうございます」

 

そう言ってシスターがこちらを向き、一礼する

 

サクラコ「初めまして、ウォルター先生

私はシスターフッドの歌住(うたずみ)サクラコと言います」

 

ウォルター(…歌住(うたずみ)サクラコ、シスターフッドの長か…

待て、建物の規模の割に人の気配が無い、誘い込まれたか…?)

 

サクラコ「…えっと…その…」

 

ウォルター「……依頼の内容は、“代わりに手に入れてもらいたいものがある”という事だったが」

 

サクラコ「ええ、そうです、ですが…」

 

ウォルター「…なんだ」

 

サクラコ「その…先ほどから周囲を気にされている様ですが、こういう場は苦手でしたでしょうか?」

 

ウォルター(…下手に濁せばはぐらかされるか?)

 

ウォルター「聖堂という割には、人がいない」

 

サクラコ「それは、人払いをしましたので」

 

ウォルター「…何故だ」

 

サクラコ「ご存知の通り、私はシスターフッドの長を務めています、立場上、“連邦操作部シャーレの先生”にお会いするのは、政治的な意味が発生しかねません

ですが、私は…今日、“ただのサクラコ”として先生にお会いしたいと思いました

先生が今日私と会う事は誰も知りません」

 

ウォルター(…そこまでして隠したい内容か)

 

サクラコ「…それで、先生…手に入れて欲しい物、なのですが…」

 

サクラコ「…その、実は私もそれの詳細を知らないのです!」

 

ウォルター「……?」

 

ウォルター「どういう事だ…」

 

サクラコ「私が手に入れて欲しい物は、トリニティの下級生達の間で話題になっている物で…

直接尋ねてみようとはしたのですが、その…シスターフッドへのイメージが先行して、避けられてしまっている様で…」

 

ウォルター「……それを調査し、手に入れて欲しい…という事か」

 

サクラコ「はい、その…お代は後からお支払いしますので、よろしいでしょうか…?

もし、面倒でしたら無理にとは…」

 

ウォルター「…問題ない」

 

ウォルター(想像とはかなり違ったが…

気を紛らわすには、丁度いいだろう…)

 

──

 

ウォルター「…アロナ、該当するものはあるか」

 

アロナ『トリニティの生徒さんの間の流行…というと、えーと……あ!』

 

タブレットの画面に白い鳥のぬいぐるみや細長い猫のキャラクターの写真…

 

ウォルター「これは…阿慈谷(あじたに)の欲しがっていた…?」

 

アロナ『はい、“モモフレンズ”のグッズですね』

 

ウォルター「…これを手に入れればいいのか」

 

アロナ『それから、他にも…White&Masonというカフェの限定ケーキも人気だそうです!

あ!先生、こっちのカフェの紅茶セットなんてすごく可愛いですよ!他にも色んな本も…』

 

ウォルター「アロナ…」

 

アロナ『あ、いえ!ちゃ、ちゃんとトリニティの生徒さん達に人気のあるものを選んでます!』

 

ウォルター「……しかし、どれを買っていけばいいのか」

 

アロナ『たくさんありすぎて、迷っちゃいますね』

 

「あの…?」

 

ウォルター「……」

 

背後の声に振り返る

 

マリー「驚かせてしまったならすみません、何かお困りでしょうか?」

 

ウォルター「…シスターフッドの生徒か」

 

マリー「はい、一年の伊落(いおち)マリーと言います」

 

ウォルター「一年……そうか、少し聞きたいことがある」

 

マリー「は、はい?」

 

マリーにタブレットを差し出す

 

ウォルター「…知り合いへの贈り物を買いたいが、迷っている

この中で人気のあるものはあるか?」

 

マリー「え?ええと…そ、そうですね…シスターフッドの中の話になってしまいますが、やはりケーキなんかは人気があって…

少し前にもミラクル5000というケーキが流行してました」

 

ウォルター「…なるほどな」

 

マリー「もしよければ、おすすめのお店をお教えしましょうか?」

 

ウォルター「…頼む」

 

 

──

 

ウォルター「この辺りか…」

 

確かにマリーの言った通り、トリニティの生徒が大勢居る

これなら確かに人気の物が順番さえ待てば問題なく手に入るだろう

 

トリニティ生A「そういえば、新作のティーセットの話聞いた?」

 

トリニティ生B「あー、あれ?可愛いよね!みんな持ってるし、私も欲しいなあ」

 

ウォルター「…ティーセット…?」

 

トリニティ生C「どこで売ってるんだっけ?」

 

トリニティ生A「うーん…みんな並びたくないから教えてくれない…」

 

ウォルター(話題になっていて、情報が隠されている…こっちだったか?)

 

店員「お待たせしましたー、ご注文はお決まりですか?」

 

ウォルター(……)

 

店員「お客様?」

 

ウォルター「……人気の物をいくつか頼む」

 

──

 

ウォルター「次は、ティーセットか…どこに売っているか…」

 

セリナ「あ、先生!」

 

ウォルター「…鷲見(すみ)か」

 

セリナ「トリニティまで来てるなんて、珍しいですね

何かお仕事ですか?お手伝いする事とか…」

 

ウォルター「いや……」

 

セリナ「…先生?」

 

ウォルター「紅茶には、詳しいか?」

 

セリナ「ええと…そういう事でしたら団長が詳しいので、よろしければ取り次いでみましょうか?」

 

ウォルター「団長…?」

 

……

 

ウタハ「ああ、あの「ミネ団長が壊して騎士団が救護する」で有名な武闘派の?」

 

……

 

ウォルター「……」

 

セリナ「せ、先生!あの話は誤解ですよ!?」

 

ウォルター「…まだ何も言っていない

…頼めるか、鷲見(すみ)

 

セリナ「はい、少々お待ちください」

 

ウォルター(…救護騎士団、トップは蒼森(あおもり)ミネ…

どういう人物か、確かめておいて損はないだろうが…)

 

セリナ「あ、もしもしミネ団長、お疲れ様です…はい

…はい、実はシャーレの先生が紅茶についてミネ団長に……え?…あ、はい

先生、どの様な紅茶をお探しですか?」

 

ウォルター「…俺が探しているのは、紅茶そのものではなくティーセットだ

最近流行していて、手に入れるのが難しいらしい」

 

セリナ「…との事です……わかりました、団長は…あ、お忙しいですか…では私が案内します

先生、おそらくですが、お店がわかりましたよ!」

 

ウォルター「本当か」

 

セリナ「はい!そんなに遠くない様なので、私がご案内します!」

 

ウォルター「頼む」

 

──

 

セリナ「えっ、もう無いんですか?」

 

店員「はい、こちらの“ウェーブキャットティーセット”はもう売り切れてしまいまして…」

 

ウォルター「ウェーブキャット…?」

 

セリナ「どうしましょう…ごめんなさい、先生」

 

ウォルター「…手に入らない物は仕方ない、気にするな」

 

ウォルター(しかし、これでは…)

 

ヒフミ「あれ、先生!それにセリナさんも、どうしてここに…?」

 

ウォルター「阿慈谷(あじたに)…」

 

セリナ「ヒフミさん、実は──」

 

ヒフミ「なるほど…人気のティーセットが…だからモモフレンズコラボのお店に来ていたんですね!

でも、売り切れてしまっていたなんて……

あれ…?まだ、ありますよ?」

 

ウォルター「何?」

 

セリナ「そんなはずは…」

 

ヒフミがティーセットの入った箱を持ち上げる

 

ヒフミ「はい、コレです!“ペロロ様ティーセット”です!」

 

ウォルター「……?」

 

セリナ「…えっと、人気があるのは、“ウェーブキャットティーセット”では…?」

 

ヒフミ「確かに、ウェーブキャットさんのティーセットも人気はありますが、やはり1番はペロロ様です!

丁度2つあるみたいですね!良かったです!」

 

ウォルター「あ、あぁ…」

 

セリナ(…最初に売り切れた物が1番人気なんじゃ…?)

 

ウォルター「鷲見(すみ)阿慈谷(あじたに)、助かった」

 

ヒフミ「いえいえ!先生にもペロロ様の魅力が伝わって嬉しいです!」

 

セリナ「それでは、また何かあったらいつでも呼んでくださいね」

 

──

 

ウォルター「ティーセットに、ケーキか…これで充分だろう」

 

ウォルター(本当に流行りの物かはわからないが…)

 

あとは大聖堂に向かうだけ…

 

「この本はどうでしょうか?」

 

「えー、確かそれはもう持ってたよ?」

 

ウォルター「…本か」

 

アロナ『先生、まだ買うんですか?』

 

ウォルター「…これで最後にする」

 

ウォルター(だが、流行りの本か…)

 

「ねえ、アレとかどう?」

 

「うーん…」

 

書店の店頭に置かれた一冊を手に取る

 

「あ…」

 

ウォルター「……」

 

本を差し出す

 

「…良いんですか?」

 

ウォルター「ああ」

 

「ありがとうございます、友人へのお見舞いだったので…とても助かります」

 

ウォルター「……」

 

アロナ『…あの本、買えませんでしたね…』

 

ウォルター「他の物でも問題ないだろう…アロナ、何か良いものを教えてくれ」

 

──

 

サクラコの前にティーセットとケーキ、本を並べる

 

サクラコ「これが、下級生の皆さんの間で流行っている…

ありがとうございます、先生…!」

 

ウォルター「…ああ…だが、これで良かったのかは…」

 

サクラコ「きっと大丈夫だと思います…実は、私、周りに勘違いされやすい性分でして…

これで、みなさんと仲良くなれます、本当にありがとうございます、先生」

 

ウォルター「…共通の話題か」

 

サクラコ「よければ先生、お礼と言ってはなんですが、少しお茶して行かれませんか?

隣の部屋にすぐに用意しますので、少しお待ちを」

 

ウォルター(断る間もなかったな…)

 

──

 

サクラコ「…ええと…最近の流行りは、少し独特なのかもしれませんね…」

 

ウォルター「……ああ」

 

ペロロの口から吐き出される様に紅茶がカップに注がれる

 

カップを持ち上げなくてもわかる

上物の紅茶の香り…コーヒーとは違う、爽やかさすら感じる様な…

 

サクラコ「少しクセのある香りですが、お嫌いでしたでしょうか?」

 

ウォルター「いや…普段は紅茶を飲まない」

 

サクラコ「そうでしたか…」

 

カップを手に取り、口に運ぶ

 

ウォルター「…こういう物か…」

 

サクラコ「ケーキに合う様な物を選ばせて頂きました、買ってきていただいた物ですが、ぜひ」

 

ウォルター「…俺が食べては、意味がないだろう」

 

サクラコ「そうかもしれません、でも…折角ですので」

 

ウォルター「……」

 

…このケーキを食べて、紅茶を飲み終えたら、次は何をするか

大きな仕事はあっただろうか

シャーレになら新しい仕事が入っているかもしれない

 

サクラコ「…先生は、懺悔室という物を知っていますか?」

 

ウォルター「…いや」

 

サクラコ「神に代わり、その方の罪の告白を聴く部屋です

本来は顔を合わせない様に、仕切られているのですが…」

 

ウォルター「……」

 

サクラコ「いえ、先生が罪を犯したと考えている訳ではありません

懺悔室に来られる方には、ただお話をするために来られる方も沢山おられます

…少し、疲れていらっしゃる様でしたので」

 

ウォルター「…そうか」

 

疲れている…というよりは、疲れていたいのかもしれないが

いや…もしかすれば、本当に疲れているのだろうか

 

サクラコ「…ここは、懺悔室ではありません

他の方に聞かれないための部屋ではないですし、お互いの顔を見せない様にする仕切りもありません」

 

サクラコ「ですから、懺悔をする必要はありません

ただ、私は、先生とお話がしてみたくなったんです」

 

ウォルター「……」

 

サクラコ「……」

 

ウォルター「…そうか」

 

紅茶を飲み干す

 

サクラコ「……」

 

ウォルター「歌住(うたずみ)

俺にとってお前は、シスターフッドのトップだ」

 

サクラコ「…ええ、そうですね…理解しています

私も、この立場のせいで頼って頂けないことが多く…わずらわしいと感じます」

 

ウォルター「……」

 

サクラコ「…先生にも、きっとあるのでしょう

ですが、それは決して…私のような、立場ある者には話せる事ではないのでしょう」

 

サクラコ「ですから、私は…先生の苦しみが、いつか癒える日が来る事を祈ります」

 

ウォルター「……」

 

ウォルター(…そんな日は、来ない)

 

空のティーカップをソーサーに置く

 

ウォルター「…もう一杯、いただこう」

 

サクラコ「はい」

 

──

 

サクラコ「それでは、先生、またお会いできる事を」

 

ウォルター「…ああ」

 

サクラコ「……」

 

ウォルター「…?」

 

サクラコ「わ…」

 

ウォルター「わ?」

 

サクラコ「わ、わっぴ〜!」

 

ウォルター「……」

 

サクラコ「……」

 

サクラコ「えっと、さっきの本に、その…」

 

ウォルター「そうか…」

 

サクラコ「そ、それでは!」

 

 

 

─シャーレ・オフィス─

 

ウォルター「……」

 

……

 

サクラコ「わっぴ〜!」

 

……

 

ウォルター「……はぁ…」

 

…しばらくの間、考え事をしようとするたびに頭によぎる様になってしまった

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