燃え残り   作:名無し

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便利屋68

─アビドス・対策委員会教室─

 

ホシノ「やー、終わった終わった、これでとことん休めるよー」

 

シロコ「うん、ヘルメット団はほぼ壊滅、保管してた武器も、食糧も、何もかも爆破してきた」

 

ウォルター「無事か…よくやった、ゆっくり休め」

 

ホシノ「んー…そうさせてもらうよ」

 

シロコ「先生は何をしてるの?」

 

ウォルター「…仕事だ」

 

ホシノとシロコが出ていくのを見送り、改めてタブレットを確認する

 

アロナ「先生、カイザーローンについての検索結果を表示しますね」

 

ウォルター「ああ…名前からしてカイザーコーポレーションとのつながりは想像がついていたが」

 

カイザーローン、アビドスが融資を受けた金融業者だ

だが、まさかここまで簡単に黒い噂が出てくるとは…

あの悪名高いカイザーコーポレーションのグループ会社で高利貸し…

 

ウォルター「有名な悪徳金融業者か…ここを選んだのは、運がなかったな」

 

アロナ「それと、先生が気絶してるヘルメット団から回収した武装やログデータも解析が終わりました

でも、これにはクライアントとの繋がりは見つけられませんでした…」

 

ウォルター「…問題ない、織り込み済みだ」

 

簡単には欲しい情報は得られないか…

 

ウォルター「……」

 

アロナ「先生?」

 

ウォルター「なんでもない、お前も休め…」

 

アロナ「は、はい…」

 

ウォルター(…小鳥遊達も、アロナも、働かせ過ぎた…小鳥遊はヘルメット団さえ叩き潰せば続け様の襲撃は無いと読んでいたが、敵の戦力がヘルメット団だけだとは思えない)

 

…ヘルメット団には後ろ盾となる組織があるように見える

理由はいくつかあるが、やはりなんの目的もなくアビドスを攻めるのが腑に落ちないのが大きかった

だが、ウラを調べるのは骨が折れる、この世界の武装は小さすぎる

 

ウォルター(持っている武器も一般流通しているものを自分でカスタマイズしたものばかり

識別コードもないせいで出所を洗う手段はない、かといって…)

 

撃破したヘルメット団を拷問するのは…

…いや、やはりマズイ

 

ウォルター(…なかなか難しいものだ、だが早急に準備をしなくては)

 

小鳥遊(たかなし)ホシノ、砂狼(すなおおかみ)シロコ、アビドスにおいてはこの2人が他のメンバーより強い

特に小鳥遊は判断の良さ、そして勢いのままに攻め切れるだけの技量…いや、それだけでは表現できない何かがあるように感じる

 

ウォルター(その主戦力が2人揃って疲弊している状況なのは…マズイ)

 

もし万が一、今攻められたら?

確かにヘルメット団の補給拠点は2人が叩き潰した

 

だが、他は?相手は本当にヘルメット団だけなのか?

 

ウォルター(それは無い、アロナによるとヘルメット団は各地にある武装勢力、金で雇われて動く事もある組織だ、今回の攻撃もなんらかの理由がある

だが、明確な意図が見えない…そうなると雇い主がいるはずだ)

 

そして、その雇い主は…おそらくヘルメット団にこだわる事はしない

 

ウォルター「雇い主は、誰か…雇い主の目的は…」

 

そこだ、雇い主の目的が掴めない

何故アビドスなのか?キヴォトスについて様々な調べ物をした

確かにアビドスは過去に栄えた学校だったが今は違う

 

このアビドスを手に入れようとする目的は?

 

ウォルター「…わからん」

 

何か、何かしらの価値があるはずだ、そうでなければここまで金のかかることはしない

 

ウォルター「…宝物でも埋まっているというのか…?いや、思考放棄しても仕方ない、だが…」

 

ふと脳裏にコーラルの存在がよぎった

だが、この世界にはコーラルのようなエネルギーの存在は認知されていない

でも、そんなモノがあるのなら…

 

ウォルター「……わからん…ん?」

 

ガララッ

 

ノノミ「あ、先生、ずっとここに居られたんですか?」

 

ウォルター「…十六夜(いざよい)か、どうした」

 

ノノミ「これからみんなでご飯に行くんですけど、先生も良ければどうですか?」

 

ウォルター「……」

 

確かに、しばらくまともな食事をとっていない…

 

ノノミ「先生、カロリーバーと水しか食べてないみたいだったので、みんな心配していたんですよー?」

 

ウォルター「…ああ、すまん」

 

─柴関ラーメン─

 

ウォルター「ここは…」

 

ホシノ「んー?ここはねー」

 

セリカ「いらっしゃ…えっ!?な、なんでみんな…先生まで…!?」

 

ウォルター「黒見(くろみ)か…?何をしている」

 

セリカ「み、見たらわかるでしょ!バイトよ!あーもう!」

 

柴大将「セリカちゃん、お喋りはその辺にして注文受けてくれな」

 

ウォルター(…犬が服を着て喋っている…)

 

──

 

ウォルター「…これが、柴関ラーメンか」

 

ホシノ「そう、アビドス名物ですごく美味しいんだよ」

 

目の前に置かれたどんぶりを眺める

…野菜や肉、そして麺…スープ…

 

ウォルター「…旨い」

 

しっかりした食事は久しぶりだ

しかも、こんなに豪勢な食事を取ったのはいつ以来か…

 

シロコ「…先生が固まってる」

 

アヤネ「もしかして、キヴォトスの外にはラーメンがないんですか?」

 

ウォルター「…そういうわけではない」

 

ラーメンという食べ物自体は存在する

だが、宇宙で食べるように加工されていたラーメンはここまで美味しくは無かった

 

勿論、昔食べていた食事が不味かったわけではない

だが、こんな食事をする余裕が無かった

 

ウォルター(……)

 

シロコ「先生?」

 

ウォルター「いや、なんでもない…」

 

ガタッガララッ

 

セリカ「いらっしゃいませー!何名様ですか?」

 

???「あのぅ…その…こ、ここで一番安いメニューっておいくらですか…?」

 

セリカ「一番安い…?580円の柴関ラーメンです!看板メニューなんで、美味しいですよ!」

 

???「あ、ありがとうございます!」

 

ガララッ

 

セリカ「…出ていっちゃった…?」

 

ウォルター「…今のは…」

 

ガララッ

 

ウォルター「…見間違いでは無かったか」

 

ムツキ「えへへっ、やっと見つかった、600円以下のメニュー!」

 

アル「ほら、何事にも解決策はあるのよ」

 

ハルカ「そ、そうでしたか、さすがアル様、何でもご存じですね…」

 

カヨコ「はあ……」

 

セリカ「4名様ですか?お先にご案内しますね!」

 

ムツキ「ありがとう!でも一杯しか頼まないから大丈夫だよ」

 

セリカ「一杯だけ…?でも、どうせならごゆっくりお席へどうぞ、今は暇な時間なので空いてる席も多いですし」

 

ムツキ「わあ、親切にありがとう、それじゃあお言葉に甘えようかな

あ、ワガママついでに箸は4膳でよろしく!」

 

セリカ「えっ?4膳ですか?まさか一杯を4人で分けるつもり…?」

 

ハルカ「ご、ご、ごめんなさいっ!貧乏ですみません!お金がなくてすみません!!」

 

セリカ「あ、いや…別にそこまで謝らなくても…」

 

ハルカ「いえ…お金がないなんて首がないのも同じ、生きる資格なんてないんです…私は虫にも劣る存在です…虫以下でごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

 

カヨコ「はあ…ハルカ、ちょっと静かにして、他のお客さんも困るから」

 

ハルカ「うう…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

 

セリカ「そんなに気にしなくても、は、ほら!席に座って!すぐに持ってくるから…」

 

カヨコ「ほら、ハルカ、立って」

 

ムツキ「あーあ、貧乏だと思われちゃった…お金遣いの荒いアルちゃんのせいで〜」

 

アル「ちゃん、はやめなはい、肩書をつけて呼んでよ」

 

ムツキ「えー?今はお昼休憩でしょ?それに社長のクセに社員にラーメン1杯奢れないなんて」

 

アル「……」

 

カヨコ「ほとんど仕事の準備で使い切っちゃったからね」

 

アル「でも、こうして実際ラーメンは食べられるんだから…」

 

カヨコ「たったの一杯だけね、それもハルカのバイト代がなかったから大幅にマイナスだし」

 

ハルカ「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、私がもっと稼いでくれば…」

 

ウォルター「……」

 

ホシノ「あれ、先生どうしたの?」

 

ウォルター「野暮用だ」

 

シロコ「先生、大丈夫」

 

シロコに袖を掴まれ、座らされる

 

ノノミ「ここの大将も、先生と同じくらい優しい方なので、心配は要りませんよ☆」

 

ハルカたちが座った席に明らかに通常の数倍サイズのラーメンが運ばれる

 

セリカ「はい、お待たせしました!お熱いのでお気をつけて!」

 

ダンッ!

 

ムツキ「ひえっ、何これ?!ラーメン超大盛りじゃん!」

 

カヨコ「ざっと10人前はあるね…こんなの頼んでないけど」

 

セリカ「いやいや、これで合ってます!ね、大将!」

 

柴大将「ああ、ちょっと手元が狂って量が増えちまったんだ、気にしないでくれ」

 

セリカ「大将もこう言ってるので!遠慮しないで!ごゆっくりどうぞー!」

 

ハルカ「う、うわああ…!」

 

ムツキ「よくわかんないけどラッキー!いただきまーす!」

 

ホシノ「ね?」

 

ウォルター「…ああ」

 

ウォルター(…ここで声をかけても、伊草(いぐさ)を変に緊張させるだけか)

 

カヨコ(…あれ、あそこにいるのって…)

 

ムツキ「んー?カヨコちゃんどうかした?」

 

カヨコ「…シャーレがいる、連邦生徒会が動いたって話はないけど、襲撃、やるなら早い方が良さそうだね」

 

ムツキ「…りょーかいっ!」

 

─アビドス・対策委員会教室─

 

ホシノ「先生大丈夫?顔色悪いけど」

 

ウォルター「…少し脂が胃に重かった」

 

アヤネ「あ…えっと、次は脂少なめにしてもらいましょうか…」

 

ウォルター「ああ…そうだな」

 

シロコ「ところで、定例会議、始めよう」

 

アヤネ「そうですね、先生にも来ていただけてる事ですし、「学校の負債をどう返済するか」について具体的な方法を議論しましょう」

 

ホシノ「はい」

 

アヤネ「はい、小鳥遊委員長…その笑顔はイヤな予感がしますけど…」

 

ホシノ「我が校の1番の問題は、全校生徒がこのメンバーだけって事なんだよねー

生徒の数イコール学校の力、トリニティやゲヘナみたいに生徒数を桁違いに増やせば毎月のお金はかなりの金額になるよね」

 

アヤネ「え、と…?」

 

ホシノ「まずは生徒数を増やさないとねー!そうすれば議員を輩出できるし、連邦生徒会での発言権ももらえるし」

 

アヤネ「…どうやって増やすんですか?」

 

ホシノ「簡単だよー!他校のスクールバスを拉致ればオッケー!」

 

アヤネ「はい?!だ、ダメです!」

 

シロコ「私も良い考えがある」

 

アヤネ「…委員長よりはマシな案をお願いします」

 

シロコ「ん、銀行を襲う」

 

アヤネ「はいっ!?」

 

シロコ「簡単かつ確実な方法、ターゲットも選定済み、金庫の位置、警備員の動線、現金輸送車の走行ルートは事前に把握してる」

 

アヤネ「あ……えと…」

 

シロコ「5分で1億は硬い、はい、覆面も全員分ある」

 

ホシノ「わあ、この目出し帽シロコちゃんの手作り?」

 

ノノミ「みてください!レスラーみたいです!」

 

ホシノ「いやー、いいねえ、人生一発できめないとねぇ」

 

ガララッ!

 

セリカ「いいわけあるか!却下!却下ー!!」

 

アヤネ「せ、セリカちゃん?早かったですね…」

 

シロコ「……」

 

アヤネ「…そんな膨れっ面をしても犯罪はダメです」

 

セリカ「そうそう!で、私の提案はこれ!すごいの見つけて急いで帰ってきたんだから!」

 

セリカがチラシを見せる

 

ウォルター「ゲルマニウム麦飯石ブレスレットで一攫千金…?」

 

セリカ「そうそう!このブレスレットね、金運が上がるし、周りの3人くらいに売れば…あれ?みんなどうしたの?」

 

シロコ「……」

 

ノノミ「あはは…」

 

ホシノ「はい、却下ー」

 

アヤネ「セリカちゃん、それ、マルチ情報なので…」

 

シロコ「儲かるわけない」

 

アヤネ「そもそもゲルマニウムと金運の関係が…

こんな怪しいのに…それに、ちゃんとした人がこんなチラシでまともなビジネスを提案してくれるはずなんてないよ…?」

 

セリカ「そ、そうなの…?私、2個も買っちゃったんだけど…」

 

ノノミ「セリカちゃん騙されちゃいましたね、可愛いです☆」

 

セリカ「えっ…!?」

 

ホシノ「まったく、セリカちゃんは世間知らずだねぇ…」

 

ノノミ「はーい、では私から提案します!犯罪でもマルチ商法でもないとってもクリーンかつ、確実な方法があります!

アイドルです!スクールアイドル!」

 

アヤネ「ア、アイドル…!?」

 

ノノミ「そうです、アニメで見たんですけど、学校を発行する定番の方法はアイドルです!私たち全員がアイドルデビューすれば…」

 

ホシノ「却下」

 

ノノミ「あれ、これもダメなんですか?」

 

セリカ「なんで?ホシノ先輩なら特定のマニアに大受けしそうなのに」

 

ホシノ「うへー、こんな貧弱な体が好きとか言っちゃう輩なんて人間としてダメっしょー、ないわー、ないない」

 

ノノミ「決めポーズまで考えたのに…」

 

アヤネ「…あの、そろそろ結論を…」

 

ホシノ「それは先生に任せちゃおう、先生、これまでの意見でやるならどれが良い?」

 

ウォルター「……全て却下だ」

 

ホシノ「まあ、だよねー」

 

アヤネ「よ、よかった……え…あれ?…え!?」

 

シロコ「どうしたの、アヤネ」

 

アヤネ「校舎より15km南の辺りに大規模な兵力を確認しました!」

 

シロコ「ヘルメット団?…まだ叩き潰せてなかった?」

 

アヤネ「ち、違います!ヘルメット団ではありません…おそらく日雇いの傭兵です!」

 

ウォルター「傭兵だと?」

 

ホシノ「傭兵かぁ…雇うの結構高いらしいんだけど」

 

アヤネ「これ以上接近されては…出動しましょう!」

 

ウォルター(…やはり、これは…だが、好機だ)

 

──

 

セリカ「あーっ!?」

 

アル「ぐ、ぐぐ…」

 

セリカ「誰かと思えばあんたたち…!ラーメンも特盛にしてあげたのに!この恩知らず!!」

 

ムツキ「あははは、その件はありがとう!でもそれはそれ、これはこれ、こっちも仕事なんだよね〜」

 

カヨコ「残念だけど、公私はハッキリ分けるよ…受けた仕事はきっちりこなす…社長はノリ気じゃないみたいだけど」

 

シロコ「なるほど、その仕事っていうのが、傭兵?」

 

アル「違うわよ!私たちは便利屋68!金さえもらえればなんでもするアウトローな…」

 

シロコ「先生、初めて良い?」

 

ウォルター「捕らえろ、俺が口を割らせる…油断するな、手強いぞ」

 

ハルカ「アル様!来ます!」

 

カヨコ「バイトを前に出して」

 

傭兵A「うおお!」

 

傭兵B「仕事だー!」

 

ウォルター(…それにしても、マズイな…多少時間は空いたとはいえ、ここまで立て続けに…)

 

ホシノ「よっ…と…!」

 

ダンッ!ダンッ!

 

ノノミ「お仕置きの時間ですよ〜☆」

 

ホシノが前に出て、ノノミが後方から制圧射撃…

 

傭兵A「うおっ!?」

 

傭兵B「このっ…!負けるな!やれー!」

 

カヨコ「あのガトリングが邪魔だね、盾は無視して後衛を」

 

傭兵C「後ろのやつから狙え!行けー!」

 

シロコ「させない!」

 

セリカ「あー!もう!多すぎ!」

 

ダダダッバンッ!バンッ!タタタタタタッ!ダンッ!ダダダダダダッ!

 

ムツキ「良い感じに混戦になってきたね〜どうする?」

 

アヤネ「先生、数で押されてます!」

 

カヨコ「……」

 

ウォルター「……」

 

…ここで打つべき最善の手は

 

ウォルター「全員撤退だ、一度屋内まで戦線を下げて陣形を作れ、小鳥遊、十六夜の盾になれ、残りの2人は両脇を固めろ」

 

カヨコ「後衛を狙って…いや、撤退してる…!?」

 

傭兵A「追撃だー!」

 

傭兵B「おー!」

 

カヨコ「待って、ダメ!」

 

ウォルター「来るぞ、誘い込め」

 

十分な距離を取り、校舎の入り口に入ってきた敵をマシンガンの斉射、それだけでも十分な数を仕留められたが…

 

ウォルター「黒見、砂狼」

 

隠れようとした敵をセリカとシロコが狙い撃ち、隠れた敵はさらにドローンで追撃する

 

ウォルター「…狭い入り口に大挙して押し寄せたのが、運の尽きだ」

 

ホシノ「入れ食いだねぇ」

 

シロコ「これで大半は倒せた…残りは向こう」

 

カヨコ「…やられた…!…はぁ…」

 

アル「か、カヨコ!落ち着きなさい!」

 

カヨコ「そっちが落ち着いてよ、社長…こっちの残りは15人くらいか…ここから先はシンプルに行こう」

 

ムツキ「どうするの?」

 

カヨコ「向こうもこっちを素直に帰すつもりはないだろうし、今度はこっちが迎え打とう」

 

アヤネ「周囲の敵は倒せましたね…」

 

セリカ「後はあの恩知らず共だけよ!」

 

ホシノ「よーし、じゃ、突っ込むよ!」

 

シロコ「うん、行こう」

 

ホシノとシロコが周囲の敵を蹴散らしながら進む

 

ウォルター「あの4人をやるなら、ハンドガンから狙え、もしくはコートだ」

 

ホシノ「もっと別の表現の仕方が…っ?」

 

カヨコ「はあ……みんな、耳塞いで、いくよ」

 

カヨコが銃のサイレンサーを外して頭上に向ける

 

ウォルター「待て!何かしてくる…」

 

ダァァァァン!

 

ホシノ「ッ!?」

 

カヨコ「ほら、今だよ…敵がすくんだ」

 

ダダダダダダッ!

 

シロコ「く…!」

 

セリカ「ま、待って…!」

 

ウォルター(…なんだ、何をされた…?全員の動きが悪く…)

 

カヨコ「ムツキ、ハルカ、前衛を狙って」

 

ムツキ「あははっ!ドーン!」

 

ハルカ「死んでください死んでください死んでください…」

 

ダンッダンッダンッ!ドカーン!ドーン!

 

ホシノ「ちょっと…キツイかも…!」

 

ノノミ「ホシノ先輩!」

 

ウォルター「待て十六夜!前に出るな!」

 

カヨコ「後衛が陣形を崩した、社長」

 

アル「こんなシチュエーションなら片手でも当てられるわ」

 

ノノミ「きゃあっ!?」

 

ノノミがライフルの直撃を受けて倒れる

 

シロコ「ノノミ!」

 

アヤネ「ノノミ先輩!」

 

ウォルター「…これは…」

 

セリカ「この…よくも…!」

 

アヤネ「待って!みんな落ち着いて…!」

 

ウォルター(…いや、この状況で全員が冷静さを取り戻すのは不可能だ)

 

この状況を打開させるには…

 

ホシノ「先生、聞こえてる?」

 

ウォルター「小鳥遊…」

 

ホシノ「ちょっとさー、こっちも手一杯で今は動けないんだけど…シロコちゃんなら、先生の期待に応えてくれると思うんだー…頼んでも良い?」

 

ウォルター「…わかった、砂狼、聞こえるか」

 

シロコ「っ?先生…」

 

ウォルター「ドローンを展開して赤いコートを狙わせろ」

 

シロコ「了解、作動開始…!」

 

シロコがドローンを上空に飛ばす

 

カヨコ「っ…ドローン!社長!狙われてる!」

 

アル「ちょっと!?」

 

ムツキ「撃ち落としちゃえ!」

 

傭兵E「上だー!」

 

ウォルター「今だ、ハンドガンを狙え」

 

シロコ「うん」

 

ダダダダダダッ!

 

カヨコ「っ!…危な…!?」

 

ホシノ「いやー?逃がさないよぅ」

 

ダンッダンッダンッダンッ!

 

ムツキ「うわぁ、いつの間に…!」

 

アル「カヨコ!」

 

ハルカ「カヨコ課長…許さない許さない許さない…!」

 

セリカ「それはこっちのセリフよ!」

 

アル「やりなさい!何がなんでもここで…!」

 

ダンッダンッダンッ!バババババッ!ドカーン!

 

ウォルター「…このままではどっちが先に消耗し切るかの勝負か…司令塔は潰した、一度立て直して…」

 

キーンコーンカーンコーン

 

傭兵A「あ、終わった」

 

傭兵B「定時?じゃあ帰ろうか」

 

シロコ「…?」

 

パタリと戦闘が止む

 

傭兵C「どうする?帰りに蕎麦屋にでも寄ってく?」

 

傭兵D「渋すぎない?」

 

傭兵B「今日の日当だとここまでだから、後は自分たちでよろしくー」

 

アル「ちょ、ちょっと待ってよ!?コラー!帰っちゃダメ!ダメって言ってるでしょ!?」

 

傭兵A「時給いっぱい働いたんだから帰るに決まってるじゃん!」

 

傭兵D「そうそう、そもそも時給も値切られてるし!残業なんてゴメンだね!」

 

ムツキ「あちゃー…これはマズイね、まさかこんな時間まで決着がつかないなんて

アルちゃんどうする?逃げる?」

 

アル「…仕方ないわね…!退却よ!覚えてなさい!」

 

ムツキ「あはは!アルちゃん三流悪党みたーい!」

 

ホシノ「あ!ま…て…っていう前に逃げちゃった…うへー…逃げ足早すぎ…」

 

シロコ「…どうしよう?」

 

ウォルター「…敵勢力の撤退を確認、よくやった、戻って休め」

 

セリカ「って言われても…また攻めてくるんじゃ…?」

 

ウォルター「だとしても今は休め、特に小鳥遊、砂狼、よくやった、ゆっくり休め」

 

ホシノ「……わかった、そうしようかな」

 

シロコ「うん…疲れ、た…」

 

ウォルター「…便利屋68、か…アプローチを変えてみる必要があるか…」

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