鉄血のオルフェンズ 黒騎士   作:クソメガネザル

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そろそろ、ストックがご臨終


第16話

 ⚫︎

 

 アーブラウ近郊の廃駅を拠点に鉄華団は橋を防衛しているGH本隊の戦力確認を行ったところ、MWの数は自軍戦力の3倍以上で歩兵の数はその十倍か。内政干渉をしないはずのGHの在り方はここに腐敗極まれり。

 憤慨するマリアンナを他所に、オルガを筆頭とした幹部たちはどうコマを進めるのかに頭を悩ませていた。

 

「敵さんも必死だな。ここまでの数、よく揃えたもんだ」

「僕たちの持ち込んだ武器弾薬よりも潤沢なのは間違いないね。オルガ、わかってるとは思うけど」

「あァ、MSを街に入れるわけにはいかねぇが、敵さんがこっちの拠点をMSで強襲する可能性がある以上、ミカたちには食い止めてもらう必要がある。おい、マリア!」

[お任せなさい。街に入ってはいけないだけで、その外から狙うのは問題ありませんわ]

「頼もしいこった、任せるぞ騎士姫さんよぉ!」

 

 通信を寄越しながらオルガたちは戦闘のセットアップを始める。マリアンナたちMS乗りもまた、各々の担当域に向かうこととなる。

 

[あたしたちの仕事は鉄華団の後ろを守ること、マリ……じゃないや、騎士姫さんは山の方から敵兵力を遠慮なく叩くことよね?]

[任せてほしい、余裕があるときは援護を約束するよ。プロフェッサーは遊撃を、敵戦力を撹乱してくれ]

[任せて。ラフタ、アジーは坊やたちを頼むよ! ガンダムアガレス、テイクオフ!]

『少年たちの奮戦を、エリゴスは和らげて差し上げてくれ』

[ガンダムエリゴス、敵を殲滅する]

『ああ、頭数を減らすのは任せろ。未来の旦那様のためにもな』

[エリゴス、少しだまらっしゃい!?]

 

 ドッと笑い声がこだまして。マリアンナは羞恥心を隠さんとすべく空へと飛び上がる。今日から数日、彼女は‘騎士姫’と成る。仮面の下には緊張はなく、ただ敵を滅するのみと飛び上がった。唯一、飛行できるエリゴスの強みを利用して山間部へと移動する。

 鉄華団のMS戦力はガンダムフレームのバルバトスを筆頭にグシオン、アガレスとエリゴス。シノの駆る二代目流星号とタービンズの漏影2機。合計は7機、そのうちの6機で敵MS戦力を抑える予定の手筈となっていた。

 山間部に着地後、エリゴスは左肩に懸架していた、改修により大型化したロンギヌスを装備して、盾を地に突き刺して銃身をその上に乗せる。

 

「距離5000、ここなら影響はないでしょう」

『承知。照準補正開始』

「ねぇ、エリゴス。ちょっとだけ聞きたいことがあるのですが。なぜ、喋ってますの?」

『自分にもわかりません。しかし、少なからずとも三日月少年の叫びが私たちを呼び起こしたのかもしれません』

「なるほど……さて、向こうも始めたご様子。やりましょうか」

『承知!』

 

 エリゴスはリアクターから放出される大電力を改修型ロンギヌスに送り込む。その射程は10キロにまで伸びており、ここからエドモントンの橋付近に居座るMW部隊を……狙撃した。

 山間部を走り抜ける雷鳴に似た爆音と風切り音は谷を走って街に到達する頃には正面にいたMW部隊を……一撃で壊滅させた。

 

 ⚪︎

 

 アーブラウ議会にやって来ていたイズナリオの元に、1人の兵士が飛び込んできた。眉を顰めながら、何事かと悠然に構えていた彼は聞く。

 

「どうした、なんの騒ぎか、報告だ?」

「イズナリオ様、報告致します!! 橋の突破を許してしまいました!!」

「何ィィ!? 何があった!」

「超長距離砲撃による爆撃によりMW中隊が次々と通信途絶しています! ご指示をイズナリオ様!」

 

 紅茶を噴き出し、兵士の顔に吹き掛けるが兵士は彼のお気に入りが1人。今もなお可愛がられている相手ゆえに動じなかった。

 

「そんな火砲、どこに存在すると言うのだ! どこから砲撃されている!?」

「アーブラウ近郊、山間部より砲撃音が確認されていますがそこに寄ろうとするには敵MS部隊を乗り越える必要がありまして……!」

「どうやって奴らは山間部に入った? MSの駆動能力ではそうはできない場所……まさか、飛行するMSがいたとでも言うのか!?」

 

 裏をついて山から長大な砲撃をこなすと言う常識はずれの戦術を用いられれば現状の打つ手のないMWはただの的だろう。被害を考えれば退かせるべきだが。

 

「なんとしても食い止めろ! 歩兵はこちらの方が上、敵MWを破壊してでも止めるのだ!」

 

 冷静さを欠いたイズナリオの命令に従い、兵士は走った。これが最悪の結末を呼ぶことになるのは彼にもわからなかった。対人装備を優先的に積んだMWを相手に取ると言うその意味を。

 

 ⚪︎

 

「アイン、出撃の要請が来た。お前の戦場はすぐそこだ」

〈はい、特務三佐。私は、俺は……俺の誇りを示して来ます!〉

「ああ、行ってこいアイン。俺はそれを見届けよう」

 

 その戦場は地獄だった。多くのグレイズが骸同然に転がり、その下手人は自分達に火砲を向けている。しかし、それすら高揚感で押しのけんとする存在感を放つ異様なそれがそこにいた。

 

[なんだ、アイツ……嫌な感じがする]

『三日月、気をつけろ。奴は、あの時戦ったのとそれ以上だ!』

 

 赤黒い光を持つカメラアイ、その巨体は全高26mほどか。大型MSと言うべきそれは。‘エリャンヘル・アイン’。コアパイロットのアイン・ダルトンは理性的に見えて狂気に染まりつつあった。

 彼と共に戦場をかけたガエリオから見てもアインの変わりようはよくわかっていた。元々は好戦的でなかった、しかし今のアインは……喜んで自分から仕掛けに行っている。

 ピンク色に塗られたグレイズに襲い掛かり、その手から武器と右肩を切り裂き落とす。その巨体ですら両手で保持しなくてはならない程の大きさがある、超大型アックスの威力は簡単にMSのフレームを切り裂く証明となる。

 

[ちぃ、なんて機動性だよ! この動き、阿頼耶識か!?]

[シノ! クソっ、どけよガリガリ!]

[お前の相手は俺だ。お前だけはここで食い止める]

[ところがどっこい、そうもさせるわけにはいかないんだよねぇ]

 

背後からアラート。キマリストルーパーはホバー移動による高機動を用いて振り返り、シールドで弾丸受け弾きながら。青いMSを見据える。フロントスカートにハンドガンを格納してリアスカートに懸架していた120mmライフルとフェイスマスクに固定していた特殊希少合金製のナイフを抜いて構える。

 

[また、か。ガンダムフレームには飽き飽きしてるんだが?]

[釣れないことを言うな、ボードウィンの坊や。さて、実力はいかほどかな?]

[ほざけ!]

[教官、そっちよろしく]

『アガレスならうまくやれるだろ』

 

 打撃を優先とする形状のストライクランスによる突き込みをナイフで受け逸らし、ライフル弾を叩き込まんとするアガレス。キマリスはその射線から逃れて離脱して再度突撃を行うが、プロフェッサーは苦もなくそれを避けてみせた。

 

[三次元的な攻撃じゃあ当たってやれないなぁ。もっと四次元的に動けないのかい?]

『トルーパーでは主に抗うのが困難だろうに』

[ちっ、ちょこまかと!]

 

 まるで置くような射撃による牽制で動線を遮りキマリスの退路を限定に、そのまま格闘戦で蹴りやナイフの刺突を当ててくるアガレスはまるで張り付く様に、攻撃を浴びせ続ける。

 遊ばれている感覚を覚えても冷静に立ち回るガエリオ。足止めに徹しなくてはならない彼は懸命に立ち回る。その一方で、エリャンヘル・アインは大立ち回りを披露していた。

 

〈お前たちさえいなければ、クランク二尉が死ぬことはなかった!〉

[殺しまくった奴がよく言うよ!]

『ちぃ、なんて出力だよこいつの馬鹿力は!』

 

 打ち合い、アックスをモンターク商会から譲り受けた新たな武装であるレンチメイスで弾きながらそのまま押し込む様にバルバトスは振り抜く。しかし、アインはそれをしなやかな動きで制動、後ろに下がることでやり過ごす。

 下がりながら肩の機関砲を後ろに向けて射撃。アガレスへ牽制を打ち放ち、飛来するレール弾を察知すると飛び上がりその場からさらに離脱する。

 

[ちっ、後ろにも目があるのかあれは!]

[アイン、助かったぞ!]

 

 キマリスはその隙を利用して離脱からバルバトスへ仕掛け、アインはアガレスに踊りかかるが。アックスを振り下ろした頃にはすでに回避、離脱。そのまま射かける様にライフル弾が放たれるが着弾する前にしなやかな動きで、ぬるりと躱して見せる。

 

[こいつ、人機一体になってやがるなぁ、いやーやばいわね!]

『主よ、言ってる場合ではない!』

[オラァっ!]

 

 隻腕にされたシノの流星号が隙を晒したアインに蹴りを叩き込まんとするが、急制動により、背後に回る。

 

[しまっ……]

〈取り戻します、クランク二尉の誇りを!〉

[させるかよぉぉぉ!!]

 

 刹那、流星号を狙うアインのアックスを横からシールドを用いて弾き、無理やり軌道をずらした下手人にカメラアイを向ける。

 

[ちっ、コイツ……]

『目ぇ付けられたー! 嫌だー!』

〈なんと言うことだ……君たちの罪は加速する! クランク二尉、彼らに贖いを!〉

[うるさいよ、お前!]

[なんなのよこいつ、意味のわかんないことばっか言って……きゃぁぁぁっ!?]

[ラフタ!? テメェ!]

『こいつ、女を蹴りやがったな……?』

 

 ロケットランチャーを機関砲で撃ち落とし、しゃがんで棍棒をかわしそのままラフタの漏影を蹴り飛ばす。巨体から繰り出される格闘の威力もかなりの脅威と見えた。それを見ていた昭弘とグシオンに火がついたかの様に。

 

[……グシオン、やるぞ]

『あァ、任せろ。昭弘』

 

 グシオンの背中より展開された腕がラフタの漏影の手にしていた棍棒を、流星号が落としたライフルを拾う。そして、閉じられていたグシオンの顔が展開してガンダムフレームの顔が現れる。

 ツインアイを輝かせて、アインにグシオンは襲いかかる。機関砲をライフルが撃ち抜き破壊する。彼の反応速度を超えてダメージを受けたことに驚愕を露にしたところへハルバードの横薙ぎが、それを跳躍で躱すが背部の腕が持つ棍棒が迫った。

 片方のスラスター出力を増大、そのまま身を捩って棍棒をやり過ごすが背中に衝撃。レンチメイスが振り下ろされ、アインは地に叩き伏せられる。

 

〈ぐぅぅ! おのれ、罪深い子供達だ……やはり、やはりお前たちは生きていてはいけないんだ!!〉

[頑丈すぎだろ、こいつ……]

『惚けるな三日月、こいつまだ動くぞ!』

[なんっ!?]

 

 ギャリギャリと不快な音と共に蹴り飛ばされるバルバトス。胸部の増加装甲に凹みによるダメージで済んだのは咄嗟に操縦桿を引いて後ろに飛んだのが大きかった。

 ドリルキックによる掘削でナノラミネートアーマーが削られたことを認識した三日月は敵の武装を確認していく。

 

[こいつ、デカい斧と昭弘が潰した肩の機関砲……あと、足が回転して威力上がるのか?]

『妙ちきりんな武器ばっかだが、火力がヤベェな。クソが』

[三日月、突っ込むぞ]

[わかった、合わせて昭弘]

『悪態ついてないで動くぞ、バルバトス!』

 

 グシオンが手数の暴力で圧倒する隙をバルバトスがメイスを叩き込んで弾き飛ばさんと挑む。アインはそれらをかわし或いは切り結んで鍔迫り、拳と蹴りで殴り合いに発展する。

 グシオンの顔面フレームは歪み、バルバトスの肩アーマーが弾け飛ぶ。ただ、アインの両肩の機関砲は破壊され、片手のスクリューパンチは度重なる負荷に耐えかねて機能不全に。至近でライフルを叩き込まれた足関節も調子が悪くなり、動きの精彩を欠く。

 

[俺だって、まだ戦えるんだよ!]

[いっつー、こいつ……アジー]

[任せな、バランサーがおかしくなってんだろ?]

 

 流星号がバトルアックス片手に仕掛け、持ち直したラフタがアジーの漏影の肩を借りてサブマシンガンを叩き込み、アジーもロケットランチャーを足元狙って撃ち放つ。ガンダムフレーム2機の猛攻に混ざって放たれる攻撃は着実にエリャンヘルを追い込んでいく。

 その様子を、ただ見ていたのはキマリスだ。攻勢の中でプロフェッサーは尋ねる。

 

[君、温存してるの?]

[……俺は見届けるためにここにいるんだ。最初の攻勢はある程度の証明だ]

[複雑な事情があるみたいだね。なるほど]

 

 槍を下げたキマリスを見て、アガレスは武器を下ろす。アインはそんなことお構いなしと大暴れを続けていた。

 一対五。その数の暴力を物ともせず、次第に脱落者が現れる。シノの流星号は隙をつかれメインカメラを掴まれるとそのままパイルバンカーにより頭部を破壊され機能停止。

 漏影2機も弾き飛ばされた先で、アジーの駆る機体はアックスに首を断ち切られ、蹴飛ばされて地に伏したまま動かなくなる。

 

[くっ、うごかねぇ……!]

[ダメだ、こっちも脱落だよ!]

[いい加減に……しろ!]

〈しぶとい、子供達が……!?〉

[テメェには言われたかねぇよ!]

[ナイス、三日月。昭弘ぉ!]

 

 レンチメイスがアギトを開き、エリャンヘル・アインの脚を挟み込み止める。そのまま不快な金属音が鳴り響く……グシオンも棍棒を叩き込み、スラスターをはしゃげさせながら棍棒を手放して放り投げ上げつつ、ハルバードでアックスに叩きつける。

 自由落下しながら棍棒を掴んだ漏影がそれを振り下ろさんと迫った際、その背中より隠し腕が現れ、背中にマウントされていた大型アックスによりガードを行う。

 

[うっそでしょ……きゃぁっ!?]

 

 これにはラフタも驚きの声をあげ、不調を起こしたスラスターにより離脱困難に。大型アックスをまともに叩きつけられ、弾き飛ばされた先で仰向けに動かなくなってしまう。

 

[2度までも。ゆるさねぇ!]

『おい、増援だ。アガレス!』

『くっ、この数は流石にまずいか』

 

 新たにエイハブウェーブの反応を感じとったアガレスのコックピットでプロフェッサーがぼやく。その数は30を超えていた。

 

[うっわー、すごい数だわ]

[昭弘、行ってくれ。教官も頼んだ]

[三日月、だがよぉ!]

 

 刹那に、流星号から通信音声が漏れる。クーデリアが街に侵入できた、と。

 

〈クーデリア……ああ、なんたることだ! 私は大事な事を忘れていました、クランク二尉! 今すぐ彼女を殺さねば!!〉

[アイン? おい、アイン! 街に行くな!]

 

 異変を感じたキマリスはすぐに動く。街に向けて進もうとした部下を止めるべくキマリスは地を駆け、シールドによりエリャンヘル・アインを押し止めようとその前に立ちはだかった。

 

〈ボードウィン特務三尉? クーデリア・藍那・バーンスタインと蒔苗東護ノ介は殺さねばならない命令が下されているのでは? 邪魔をしないでください!〉

[待て、アイン! お前の仕事はそんなことじゃ……ちっ!]

〈邪魔立てされるのであれば、あなたであれ私は倒していきます!〉

[やめろ、アイン! やめるんだ、アイン!!]

 

 仲間割れか、その光景を眺めていた三日月は迫ってくる敵の増援にメインカメラを向ける。そんな折、バルバトスを超えて飛び去っていった黒い機体を見る。

 

[◾︎◾︎◼︎◼︎◾︎◼︎◼︎◼︎◾︎◾︎◼︎◼︎◼︎◾︎◾︎◾︎◼︎◼︎ッッ!!]

[ちっ、あの時のデカいのだ!]

[行くしかないか……行け、三日月!]

[ここは私たちで食い止めるから……行っておいで、三日月くん!]

[昭弘、教官……わかった、俺行くよ]

 

 追撃すべく、バルバトスは戦場を後にする。やって来たグレイズ30機を眺めながら、グシオンとアガレスは得物を構える。

 

[さて、昭弘少年。弾薬は保つかな?]

[そっちこそ弾切れに注意してく……上から反応だと!?]

 

 離脱していくバルバトスを見やり上に視線を向ける。そこからは新たなエイハブウェーブを感知した。大型のボードが落ちて来て、グシオンとアガレスの前、ギャラルホルンのグレイズ側に向けてシールドが飛来する。

 

[あん?]

[我ら、地球外縁軌道統制統合艦隊! 義を持って鉄華団に助太刀いたす!]

[なっ、なんで?]

 

 困惑する、プロフェッサーに赤いトサカのグレイズ・リッターが話を返す。

 

[我々はあのエリャンヘル・アインを止めにきたのだ。そして、行きすぎた内政干渉への武力介入を同時に開始する! ガエリオ、何をぼさっとしているの! 部下ならきちっとあなたが止めなさ〜い!!]

[カルタ、遅いぞ! アイン、もうやめろ! お前の誇りを汚した相手の思惑通りになるな、アイン!]

 

 鶴翼の陣による突貫でグレイズ・リッターを駆るカルタの親衛隊はギャラルホルンの増援に立ち向かう。グシオンとアガレスは……困惑した。

 

[こりゃ、どうすればいいんだよ教官?]

[んー、あっちのはキマリスと突っ込んで行った指揮官機に任せるのは不味そうだし、援護くらいはしてやるか。昭弘少年はあっちの乱戦に切り込んでくれる?]

[わかった。任せろ]

 

 アガレスはエリャンヘル・アインへ。グシオンは機能停止になった味方を守るべく、親衛隊の援護に回った。

 

 ⚪︎

 

[悪い、マリア! 街中にMSが入って来やがった!]

[なんだと!? タイプは?]

[あの時の、エリャンヘルとか言う奴だ! くそっ、蒔苗の爺さんをもうちょいで送り届けられるってのに!]

[三日月が追っているはずです。私も迎撃に当たりますわ! オルガたちは一刻も早く最高議会にいってださいませ!]

[わかった、頼んだぞ、騎士姫さんよ!]

 

 その言葉にワタクシは全力で応えるとしましょう。山間部から飛び立ち、平原を突っ切って戦闘音のする場所へ赴けば。バルバトスが単騎でやり合っています。

 

[三日月、無事ですか?]

[マリア姉か。うん……今のところは無事]

 

 レンチメイスと大型アックスが切り結んでいた横合いからロンギヌスの銃身部分で弾き飛ばし。距離を取らせます。

 エリゴスのロンギヌス残弾は打ち尽くしましたし、ティルヴィングも残弾があまりありません。ロンギヌスはストライクランスとして使えるほどに頑丈になっていますから多少雑に使っても問題ありませんわね。

 

 さぁ。最後の仕事、ワタクシも……気を抜けませんわね。

 

 to be continued

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