セブルス・スネイプを救う話(第3章高学年編・開始)   作:桜井ぬい X→@Inui20230918

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レガシーやってます。
やっとメインストーリーのラスボスを倒して、バッドエンド?回収。
枝セーブから今度はグッドエンド回収、とってないチャレンジ埋めなどをします。

【悲報】ハロウィーン(つまり事件開始)までたどり着けない

2025/5/6 構成を一部変更


スリザリン寮3(修正済み)

 

 

 

 

 それから数日が経った。

 休みの日は上級生が主催した校内ツアーや、スラグホーン先生が主催した歓迎会に、スリザリンの新入生みんなが参加することになった。

 

 上級生の説明によると、ふつうの休みの日は宿題を済ませたり、2年生以上になるとクラブに加入することもできるようだ。特にクィディッチはどの年も人気を博(はく)していて、所属したがる子が多いらしい。

 

 セブルスのスリザリン生からの扱いは別段、何か変わることもなかった。あのいさかいに関しては最終的に生徒が何人も参加してしまったから、セブルスとリリーが引き起こしたという点はうやむやになってしまったのだ。

 

 だから相変わらずどこか外に出るには上級生についてきてもらう必要があったし、トーマスもセブルスが勝手に抜け出さないように目を光らせているようだった。

 

 同室の2人との関係も変化はない。あれからもトーマスがたびたび話しかけに行くし、セブルスが避けられるということも特になかった。2人によると、貴族の鶴の一声で『セブルスの行動は無知によるもの、つまりこれから知って気をつけるべきこと』ということになったかららしい。入学して数日なのだから何かミスをする生徒はたくさんいるし、そのたびにきつく当たっていてはほとんどの新入生がそんな風に叱られかねない。

 

 4人の寝室でそのように説明した彼らは、肩をすくめた。寝る前の時間帯のことだ。それぞれが自分の寝台にあがっているタイミングだった。

 

「貴族ってあんなものだよ。下の階級をバカにした言い方を平気でする。……シリウス・ブラックはそういうタイプじゃないのかもしれないけど。貴族にバカにされていちいち言い返してたら目をつけられるし、目をつけられたら友だちができなくなるよ。スリザリンだとね」

 

「今回は"もの知らず"ってことで見逃されたって考えるべきだと思うね。言っちゃ悪いけど、きみは"悪い見本(見せしめ)"ってやつ。きみみたいにグリフィンドールと仲良くするとああなるんだよって他の新入生にも説明してるわけ。言っとくけど、ああやって言われてもきみが同じことを続けるようだったら、ぼくらだってきみらと話せなくなる」

 

「え、ぼくも?」

 トーマスはぎょっとした様子で尋ね返した。自分がまったく何もしていなくても、セブルスの行動次第ではとばっちりを受けると言われたようなものだからだ。

 

「きみも。……あの赤毛の子はかわいいし、純血だとしたらグリフィンドール寮に組み分けられたのはお気の毒だったな。それでもグリフィンドール生と目につくところで話すなんてダメだろ。

 レイブンクローとかハッフルパフ生だったり、グリフィンドールでもウィーズリー家とかロングボトム家みたいな純血一族なら見逃されるかもしれねェけど」

 

「──半人間は?グリフィンドールじゃない場合」

 

 そう尋ねたのはトーマスだった。ちなみにセブルスとしても知りたいことではあったのだが、『まさかハッフルパフ生ともつるむ気なの?』とでも言われかねないので訊けずにいた。

 

 問われた方はなにか気にするそぶりもなく「うーん」と首をひねった。

 

「半人間は入学してくること自体が珍しいんだ。ハッフルパフ生の女の子のことだろ?ふつうのハッフルパフ生なら、いつもつるむのは無理だとしても話すくらいは許されると思う。でも、半人間でもそうなるかどうかはわからない。……貴族によっては『混血も半人間も下賤には違いない』とかなんとか言って許してくれるかも」

 

「上級生には『人間の血でもダメなのに魔法生物なんてもっとダメだ』とか言われたよ。それはどう考えればいいの」

 

 トーマスはもっと詳しく聞きたいようで、真剣な目で同室の2人を見ていた。この2人の方が魔法界の知識をもっているのは疑いようがない。セブルスもだまって成り行きを見守っていた。

 

 2人は、もう片方は悩むように「ちょっと待ってね」と言い、片方が無言で『答えるな』と言いたそうに首を横に振った。

 

「──マルフォイ家はそういう考え方だってこと。たしかマルフォイ監督生の手下……じゃなくて部下でしょ、きみたちに色々教えてるのって」

「おい」

「これくらいは平気だよ。みんなわかってることじゃないか。

 ぼくらはマルフォイ監督生ともその部下とも……あー。親しくない。多分これからもね。でもきみたちはきっと親しくなるし、それを邪魔したなんてにらまれたくないんだ。マルフォイ家やそれ以外の貴族に」

 

 なぜ『マルフォイと親しくなる』と思うのか、なぜ彼ら2人と仲良くすることが『マルフォイを邪魔する』ことにつながるのか、マルフォイににらまれたらどうなるのか。彼の説明はあいまいだった。

 

 どうすればセブルスにとっての正解になるのか、つまりうまいことリリーやクラリスと友だちとして過ごせる方法が、未だによくわからない。

 

 セブルスは話の輪郭(りんかく)をもう少しはっきりさせたくて尋ねた。

「それはマルフォイ監督生が死喰い人(デスイーター)に関係があるからなのか?しかも、きみたちはそれに賛成していない?」

「さあね」

 2人は困ったように眉尻をさげ、ただ言葉をにごすだけだった。

 

 明確な返答がなかったのでむっとした顔つきになったセブルスに、彼は「落ちつけ」と言葉をついだ。

 

「つまりさ、きみたちにどこまで教えていいのかわからねェんだよ、ぼくらにも。マルフォイ家とかの貴族でもその部下でもねェんだから。余計なことをしたって思われたくねェし、もしかしたらとっくに邪魔なことをしてるのかもな。

 しかもきみはシリウス・ブラックとどうやら親しいときた。だったらもっとどう考えていいか迷うんだってわかるだろ?」

 

 そう問われるがよくわからないので、セブルスは黙って彼の方を見つめ返した。

 

「あー……。つまりさ」と横あいからトーマスが解説を買ってでた。

 

「ぼくらはマルフォイ家と親しくなるだろうし、その邪魔をしたら2人がにらまれる。

 で、そのマルフォイ家とブラック家は同じような考え方の貴族でしょ。この寮にいるどっちの家の人もつるんでるし。

 

 2人はなにが邪魔にあたるのかわからないから、ぼくらと友だちになっていいかもわからない。

 たとえば『グリフィンドール生と友だちになりたい』なんてマルフォイ家はぜったいに賛成しないから、2人もきみの味方は『できない』。授業の時もできなかったんだよね。マルフォイ家の邪魔だってにらまれたくないから」

 

 自分で自分の言うことを確かめているような、ゆっくりとしたしゃべり方だった。

「それなのにシリウス・ブラックはまた別で、そのブラック家がきらいだって大声で言ってるでしょ。で、きみはその『ブラック家がきらいな』シリウス・ブラックと仲がいい。

 それってきみも『ブラック家と似たようなマルフォイ家をきらい』て言ってるみたいなものだよ。

 だからマルフォイ家の方もきみと『親しくしたくない』かもしれない。……でもそれをシリウス・ブラックがみんなに言ってくれたわけでもないからさ。そもそもグリフィンドール生だし。だからどうすればいいかわからない。みんな。……ぼくもね」

 

 トーマスの解説は明確だった。それに対して同室の2人は「そうだ」とも「ちがう」とも言わなかった。それどころかまるで聞いていないかのような態度で、手元の手紙やら本やらをいじっている。

 この説明にすら関わっていいかわからないということだろうか。トーマスは念を押すように言った。

 

「これは2人が言ったんじゃなくて、ぼくが勝手に言ってることだからね。……ついでにいうと、ぼくの思いつきじゃなくて、全部受け売り。そういうことにしなさいって。

 

 文章がむずかしくって困ったよ。2人だってたぶん、親に言われてるんだろ。マルフォイ関係者に関わるなとかなんとか。戦争中だから」

 

 トーマスは彼の寝台に置きっぱなしになっている手紙を指さした。かなりの枚数にびっしりと何やら書き連ねてあるのが、遠目から見てもわかる。

 

 セブルスが思い返すと、休みの日か、あるいは授業のあとなのか、トーマスはほとんど毎日のように手紙のやり取りをしているようだった。毎朝のように大広間にふくろうが飛んできて、手紙を落としていったのを見た覚えがある。

 

「だからさ、こういう話もこの部屋のなかだけでしよう。授業中もごはんの時もダメだよ。ふつうの雑談くらいは大丈夫でしょ。宿題の話とか、先生の話とかなら」

 

 トーマスが最後、妙にはっきりと言った。

 

「とにかくさ、ぼくも上級生やマルフォイ監督生ににらまれたくないんだ。べつの貴族が親しくしてくれるならともかく、そうじゃなかったら友だちがいなくなっちゃうからね」

 

 

 

 

 

 

 天文学の授業は夜間に行われる。星を実際に観察するのだから当たり前だ。しかし、夜間の授業時間は1コマ分くらいしかとれないらしい。そうでなければ生徒に"門限"が課せられていることに意味がなくなってしまうからだ(抜け出すような規則やぶりがどの寮にもいるのは別の話である)。

 

 ならばなぜ門限があるかというと、体内時計を整え、その日の疲れをいやし、次の日の授業に備えるためだ。学舎なのだから生活態度も教育する。

 

 要するに、いくら学問であっても深夜にまでおよぶ授業はできないということだ。もちろん先生は受講生が夜間に天文台に集まって良いよう、学校側の許可を得ているのだろう。

 

 さて、この授業は1年生のうちは必修科目となるが、別の学年でも受講できることがある。

 

 今年度は他の学年でも受講生が多かったようで、限られたコマにおさめるために1年生は合同授業となった。この年は『スリザリン寮とハッフルパフ寮での受講となる』という内容が寮の掲示板に貼りだされていた。

 

 北方に位置する学校で、崖の上に立っていて、なおかつ『ことさらに』高い尖塔のてっぺんでやる授業である。しかも今は秋だ。要するに死ぬほど寒い。コートローブのフードをかぶりながら授業を受けている生徒もたくさんいた。

 

 先生が黒板でかんたんに星座と魔法とのかかわりについて説明を済ませたところで実習となった。

 現在の星の場所を記録し、前年の星の場所とのズレをどう計測するか、という内容だった。

 

 地上から見たほんの1mmのずれが、魔法的には大きな違いとなって現れるのだという。杖の呪文が発展している現在よりも、むしろ魔法陣や儀式などの効果が大きかった時代の遺物となる学問らしい。

 

 望遠鏡を片手に、めいめいが自由に空いているところで星を観察することになった。生徒の全員が円状の塔の外側を向いているので、どの子も背中しか見えない。さらにフードもかぶっていると、もはやそれが誰か、どこの寮かの判別はできなかった。

 

 トーマスは当初はセブルスに目を光らせていたようだが、早々に『誰がどれだか見分けがつかないから、やめていいや』と判断したらしかった。

 

「失礼、すこしずれていただけるかしら?」

 聞きなれた声が少し気取ったようにそう言ったのが、セブルスの後ろから聞こえた。

 

 右隣にならんだクラリスを見て、トーマスはさっと周囲を確認した。ほかの生徒は気にも留めていないようで、トーマスはため息をついたもののセブルスをとがめるつもりはないようだった。抗議するような目で見てはいたが。

 

 セブルスが口を開くより先に、クラリスは『静かにして』と厳しい表情で人差し指を立てた。

 

 それから、いかにも『望遠鏡を見るのに邪魔なのでノートをわきに置いた』というしぐさで、セブルスの見える範囲にその文字を見せた。当人はにこりともせずに、ずっと望遠鏡をのぞきこんでいた。

 

 一見してセブルスとなにかやり取りしているとはほかの生徒の誰にもわからないだろう。トーマス以外は。

 

『休みの日にリリーから合同授業のときのことを聞いたわ。話すのを邪魔されて、グリフィンドール寮とスリザリン寮でケンカになったって。私も同じかもしれないから、このノートに書いて』

 

 照明は塔の中心部分、つまり彼らの背後にあるのでひどく薄暗かったが、セブルスにはなんとかそう読み取れた。

 

 授業を受けているふりをしながら、必要なら空いているスペースに移動しながら、少しずつ筆談をすすめる格好となった。だから、(文章で)交わせた話もさほど多くはない。

 

『上級生はきみたちと付き合うなって言ってた。ほかの新入生も似たような考えらしい。見張られてるみたいだ』

『そのうち抜け出すチャンスはできるわ』

 

『それが半年も一年も経ってからじゃ遅すぎるじゃないか。手渡しの手紙くらいならできるけど、ふくろう便は……』

『切手を何枚も買うのはちょっと……難しいわね。いずれ魔法界でアルバイトができたらそういう文通もできるんだけど』

 2人が自由に動かせるお金なんてない。

 

『はやく道を覚えて休みの日に抜けだせるようにする』

『放課後、先生に質問に行くとかはどう?先生の研究室で待ち合わせるの。少し話すくらいならできるんじゃない?』

 

『道を覚えて、トーマス・ヤックスリーをなんとか撒ければ』

『3人1組って言ってたけど、その子もセブルス(セブ)を見張ってるの?』

 

 セブルスはもっと込み入ったこと、たとえば先日受けた解説なんかをクラリスに相談したかったが、あまりにも時間が足りない。ほんの一週間くらい前まで、毎日のように何でも話していたのがウソみたいだった。

 

 シリウスが言った『2人とは友だちでいられなくなる』という言葉を深く実感することになって、セブルスは胸に鬱屈したものを覚えた。

 

(それでもって決めたのはぼくだ。……どうにかしないと)

 

 隣でクラリスがさらさらと羽ペンを走らせるのが目に入って、セブルスはそちらを注視した。

『3人で集まるアイデアなんだけど』

 

 そういえば手紙でそんな話をしていたんだった。

 リリーは『変身術がうまくなればローブの色を変えてごまかせるんじゃないかしら』、クラリスは『髪色を変える魔法薬とか、首から上だけ別人に変えられる変身薬とか知らない?』と書いていた。

 ぱっと見でローブの色に緑がまざっていなければ、あるいは全員が緑だったら周りの生徒には何も言われないかもしれない。──いや、緑はダメだった。クラリスは髪色で目立つしハッフルパフ生なのは知られている。彼女のローブがスリザリンカラーになっていたらすぐおかしいとバレる。

 だとすれば、セブルスのローブの色を青にでも変化させるべきだろう。

 

(……手紙でやるのはまどろっこしすぎる)

 セブルスは小さくため息をついた。

 別々の寮の3人でも集まれるような場所はないのだろうか。誰にも見られなくて気兼ねなく話せるような。

 

 先生が生徒みんなに「あと5分で集合ですよ!」と呼びかけたので、クラリスはセブルスの手番となったノートを差し出すよう、手でジェスチャーした。そのまま渡すと、彼女は空いた方の手でセブルスの手をぎゅっと握った。ほんの1秒。「がんばってね」とでも言っているみたいだった。

 

 屋外にいたせいでどっちも同じくらい冷えている。そのやり取りは彼ら自身の背中にかくれて、ほかの生徒からは見えなかったことだろう。

 なにかを口にすることはついぞなく、クラリスは一足先にきびすを返して黒板の近くへと戻って行った。

 

 最後の方、クラリスはこんなことが書きつけてきた。

『"勉強会"のことも案内役のこともそうなんだけど、純血主義をそれだけ強く言うってことは、あくまで自分から純血主義以外の人、つまり私たちを見下して離れるようにしたいんだと思う。

 だったら本当に危ないかもしれない。

 そういう手口があるの』

 入学前から一冊だけ本を買っていたが内容が難しくてやっと読みおわったところだという彼女は、続きにこんなことを書いていた。

 

『そういうグループに入っちゃうと、家族や友達から離れるように誘導されてしまうの。

 たとえば家族や友達を熱心に勧誘させるとか。うまくいけば仲間が増えるし、そうでない場合は周りからさけられるでしょう。それだって思うつぼなんだわ。

 学校に当てはめると、ほかに行くところがなければ、スリザリン寮から離れたくなっても離れられなくなってしまうってこと』

 

 

 

『だったらこうやって連絡を取り合い続けるのが正解よ。きっと』

 

 

 

 

 

 

ひと月後 1971年 10月はじめ

 

 上級生によるつきっきりの"道案内"が終わったのは入学してからひと月ほどが経った頃、つまり新入生がすべての授業を週に1回、しめて4回ずつ受けた頃だった。

 

 セブルスもどの授業でどの教室が使われるのかをあらかた記憶したし、おおよその行き方も覚えた。

 

 上級生はかんたんに"基本の行きかた"をトーマスとセブルスに口頭で答えさせ、それで問題がないとわかると「道案内と身支度を指導するのはこれで終わりになるよ」と言ってきた。

 

 トーマスが「秘密の通路で近道する方法はないんですか?基本ができたら教えてもらえるって……」と確認すると、上級生はセブルスに視線をやってから言った。

 

「これはきちんとしたスリザリン生が、同じくきちんとしたスリザリン生に教えつづけてきた調査の結晶でね。代々の数多くの生徒たちが関わって形になったものだ。積み重なった年月の価値を理解できる者にしか教えられない。これまで幾人ものスリザリン生が他の下賤な連中から守ってきたものでもある。レイブンクローなんかも知の価値を知っているから似たようなことはしているかもしれないが、団結力(マンパワー)ではこちらが上だ」

 

「つまり」とトーマスは問い返した。

「スリザリン生がどの寮よりも一番秘密の通路を知っているんですか?」

 

 上級生はうなずいた。

「──だからこそ、知らせる者は厳選しなくてはね」

 

 上級生はこう言っているが、おそらく誰よりもホグワーツ城の秘密の通路に詳しいのは代々の管理人である。次に詳しいのは在職のベテラン教員だろう。マクゴナガル先生や校長先生、スラグホーン先生もそうかもしれない。生徒は長くても7年間までしかいられないからだ。4寮のなかでの一番はスリザリンかもしれないが、それだって確かめようのないことである。

 

 彼は要するに『他の寮に情報を漏らしかねない者には教えない』と言いたいだけだ。

「そこで」と上級生は切り出した。

 

「君たちがもう少しスリザリン生としての自覚をもつために紹介したい集まりがある。そこできちんとした考えを身に着けられたなら、その時に寮に伝わってきたことを教えようじゃないか。秘密の通路だけじゃなく、学校生活で役に立つコツはたくさんある」

 

「クラブ活動は2年生からなんじゃ?」

 

 トーマスが続けて質問するのを、セブルスは口をとじて状況を見ているだけにとどめた。この子は入学当初から上級生に質問を重ねていたし、セブルスに「この間の魔法薬学の『あれ』が忘れられるまでは、上級生にはぼくから質問した方がいいと思う」と忠告してきていたためだ。

 

「これはクラブ活動じゃない。したがって1年生からでも参加できる。──いわゆる"勉強会"だよ。放課後や休みの日に、ただ談話室で宿題や予習をするだけだ。どこの寮の誰にだって、自主的に勉強することに文句をつけられる謂われなんてないね。

 

 たまたま上級生が居合わせて、たまたま授業に役立つことを伝えることはあってもおかしくない」

 

「たまたま……あー、罰則とかで参加できなかったらどうすればいいんですか?あとは先生に質問に行ってたりとか」

 

「これは強制するものじゃない。自主的にやることに意味があるんだ。もちろん避けられない用事を優先すべきだよ。

 

 ただ、スリザリン生ならわかっていると思うけれど"友だち"づくりは大切だよ。将来の魔法界で重要なポストに就く人だって何人もいるんだからね。

 みんなが参加することに一人だけいなかったりすると、話についていけなくなってしまうかもしれないな。

 

 これは上級生としてのアドバイスだよ」

 

 

 

 それからおよそひと月が経った頃のことだ。

「君たちの結束力には毎年、驚かされるよ」

 スラグホーン先生が目の前の光景に感心したようにそう言うと、そのかたわらにいるルシウス・マルフォイ監督生は特に変わり映えのない、すずしい顔で答えた。

 

「上に立つ者として当然のことです。『我々』は他の生徒を導く立場となるのですから」

 彼の立場は一貫しているようだった。

 

 問題は、その"導く方向"が目下『純血がそれ以外を支配する』という未来であるという点である。そして、それを推し進めるチームがスリザリン生の主流となっていることだった。

 

 スラグホーン先生は談話室全体を見渡して、鷹揚にうなずいた。

「実に頼もしい。君が監督生になってから、寮内の結束と成績の伸びはほんとうに目覚ましいよ。来年度までで"任期"が終わってしまうのが実に残念だ」

「残りたいからといって落第するわけにはいきませんので。ご心配なく、次の世代を育てるのも先に立つ者の務めと理解しております」

 

「実に立派な考え方だ。君がティーンエイジャーであることを忘れそうになるよ。

──ああ、魔法薬学についての質問は談話室では受けつけないので、そのつもりで。高度な内容はできる限り実際にさわってみた方が深く理解できる」

 

 先生は「それでは後はたのむよ」と言って談話室の出口に向かって行った。その姿が見えなくなるまで、生徒たちのあいだではうっすら緊張感がただよっていたようにセブルスには思われた。(もっと)も、それは授業中に当てられたくないという『あの雰囲気』と同じような気もする。

 

 セブルスはランプの明かりの下で本を広げた。湖の中に面しているスリザリン寮は、放課後になると差し込む日光すら目減りしていってひどく薄暗くなる。もともと常から明るくはないのに、である。

 おそらくはどの談話室よりもいっとう暗いのだろう。宿題を進めるなら図書館にこもっていた方がまだ健康的なくらいだ(寝る前に過ごすのであればスリザリン寮がもっとも休まりそうではある)。

 

 リリーやクラリスの話(メモ)では、彼女らの寮はそうでもないらしい。

 

 談話室のなかでは新入生もほかの学年の生徒も入り乱れていた。めいめいが談話室内の自由なテーブルを確保して、そこで羊皮紙に向かい合うか本を開くか、あるいは息抜きで雑談するかを選んでいた。

 

(なにかつまむことはしない。本を汚したら図書館の司書がカンカンに怒るし、しばらく本にさわることを禁止されてしまうかもしれないからだ)

 

 羊皮紙を埋めるのに頭をひねっている生徒は、時おり隣の生徒や上級生に質問したりヒントを求めることもあった。

 

「何度も起こってる小鬼(ゴブリン)の反乱についての共通点ってなに?小鬼(ゴブリン)が起こしたって以外にある?」だとか、「いまだにどうやってもマッチ棒が針に変身しないんだけど……」だとか。

 

 そのなかでも最上級生だけは人数が少ないうえ、彼らのいるテーブルには特徴があった。

 

 まず部屋のあちこちにわざとばらけるように設置されていること。そしてその席についているのは最上級生1人だけだということ。そのテーブルの上には図書館で貸し出された本が積まれていてタワーのようになっていた。上級生によってその本のジャンルが統一されている。つまりあの上級生のテーブルには歴史っぽい本が多い、その上級生のテーブルには薬草の種類や栽培についての本が多い、などである。

 

 周囲に訊いてもよくわからない時は、自分が知りたい教科の本を積んでいる担当上級生に、テーブルの向かい側から質問するわけだ。

 

 いわば『小さな先生』を寮のなかに用意するような形である。ごく初歩的な質問を、そうと知らずに先生に訊くようなことがなくなるので効率的なのは間違いない。

 

『小さな先生』がいわゆる"マルフォイの部下っぽい、見た目が胡乱な上級生"でなければ完ぺきだった。もっと言えば、参加している新入生のなかに『マルフォイ関係者でない生徒』もいないようだった。

 

 たとえばセブルスやトーマスと同室の2人の姿はない。彼らは「ぼくらは仲がいい上級生に訊くから(参加しない)」と言っていた。

 

「──ねえ、大鍋をかき混ぜる回数とどっち向きかってやつ、なにか先生言ってたっけ?ほら、魔法的な意味があるとか」

 

 セブルスと同じランプを使っていたトーマスがそう問いかけてきて、セブルスも首をひねった。

 

「材料とその組み合わせ方で変わるとは言ってたけど『どの材料ならどっち向きに何回』とかは聞いてないな…。薬草の図鑑にならヒントが載ってるかもしれない。

 次の金曜日に提出する魔法薬学のレポートより、月曜の授業のを先にやった方がいいんじゃないのか?」

 

 ちなみに魔法薬学の宿題は『今までの魔法薬学の授業のなかで興味があることを調べてみよう』である。トーマスはずいぶんとマニアックなことに興味があるようだった。

 

「うん……月曜日のは大丈夫。それよりも本当はマグル学をした方がいいんだけどさ。見てよ、マグル学のレポート用に勧められた本」

 

 彼が差し出した本は立派な革張りの装丁だった。受け取ってからランプの下で題名を確認したセブルスは自然と口元をゆがめた。

 

『マグル生まれ凶悪事件100選』

 マグル学の宿題は『マグル生まれに関する新聞記事のうち、気になったものをテーマにした本を一冊読む』であった。わざわざマグル生まれに対してのイメージを悪くするようなものを選ぶ必要は、本来ならない。

 

「なんだか……あー、とても難しそうな本だな。取り組むのが」

「ぼくもそう思うんだ。あのー、大人むけの新聞記事って難しい言葉づかいが多いよね。だから込み入ったものは、ええと、そう、部屋でゆっくり考えながら書きたいかなー、なんて」

 

 おそらくトーマスは別の本を黙って図書館から借りてきて、自室で隠れて課題を済ませたいのだろう。さすがに羊皮紙の中身までは上級生に検閲されないためだ。

 

 セブルスも手元にあるやけに分厚い本をトーマスに見せた。

「ぼくも魔法史にって、こんな本を勧められた。『純血主義の価値』。沈まぬ太陽の時代にどれだけ重要だったのかが書いてある」

 

 魔法史の宿題も『授業のなかで出てきたキーワードに関する本を読み、その時代の大まかな流れについてまとめなさい』というものだ。べつに『純血主義の重要性を述べよ』とかではない。

 

「わあー。うん、とっても……難しそうだ。うん。とても今日のうちには終わらなさそうだねー」

 トーマスは少し棒読みっぽくそう言った。

 

 彼は"勉強会"にいる新入生のなかでも温厚な方のようだった。セブルスが差別意識への反感を持っていることを理解していて、自分も適当な言い訳でそういうテーマを避けようとするくらいには。

 

 少なくとも近くのテーブルの生徒よりはマシだった。

 

「本なんてどこで読んだって同じだろ。上級生がせっかく勧めてくれたんだぞ。つべこべ言わずにやれよな。それともあれか、そんなにエリートをやめて別の寮まで堕ちたいのか?マグル生まれみたいに」

 

 横合いから口を出してきた、まるで案内役の上級生みたいな考え方が染みついた同級生に対し、トーマスもセブルスも不満そうに細めた目を見合わせた。『こいつ、なんか嫌だ』『それな』とお互いに言いたげな顔をしている。

 

 嫌いな子がいるならさっさと逃げ出せばいいのだが、なかなかそういうわけにもいかない。

 

 なぜかというと、この"勉強会"の主催がマルフォイ監督生だからである。

 

 彼や、その取り巻きの貴族らは談話室のなかでも設備が充実している暖炉近くの席についていた。

 みな死喰い人(テロリスト)疑惑のある家族がいる貴族たちで"過激派(主戦派)純血主義・貴族階級"ということになる。

 さらにその下には"過激派(主戦派)純血主義・中流階級"があるらしい。

 

 おそらくはセブルスたちは更にその下、『下層階級』に属する。トーマスも、今話しかけてきた同級生もだ。

 

 特に貴族階級は『小さな先生』の上級生に話しかけることはあっても、セブルスたちに直接口をきくことはしない。

 

 そして、この勉強会に参加していないのはどうやら『穏健派』だ。

 

 穏健派とはつまり『純血主義は守るけれどもテロに走るつもりはない』という存在だと考えていいようだった(もしかしたら純血主義ですらないかもしれないが、寮内では『みんなが純血主義』ということになっている)。

 

 リリー経由できいたシリウスからの情報では、貴族のなかでも死喰い人とは関係ない子はいるらしい。

「スリザリンの貴族はほんとうは全員が協力してるだろ。表向き『関係ないって顔をしてるだけだ』」とも言っているそうだ。

 

 談話室内に穏健派貴族や穏健派中流家庭らしき人の姿はなかった。同室の2人もおそらくは穏健派なのだろう。

 

 彼らは彼らだけでグループになっていて、グループを超えた付き合いは希薄だった。

 

 これらのことは、この2か月で徐々にわかってきたことだった。

 

 セブルスのなかで重要なスリザリン生の名前と顔がある程度一致して、シリウスのリストと照らし合わせ、リリーやクラリスと3人で情報をやり取りしていて、おまけにトーマスにも意見を聞いて、ようやく大まかにつかめたのである。その上、リリーの背後にはシリウスがいる。

 

 セブルスは手元の本をまとめて引き寄せ、その席を立った。

「あー、ヤックスリー。ぼくはスラグホーン先生に訊きたいことがあったんだった」

「わあ奇遇だねー、ぼくもだよ」

 

 2人は先ほどの生徒が何かまた口を開く前に、そそくさと談話室を後にすることにした。

 

 

 

「おや、2人とも熱心だね。この間の調合も実に見事だった。将来が楽しみだよ」

 

 2人を出迎えたスラグホーン先生は歓迎するように言った。そこにはすでに赤毛の美少女──つまりリリーが質問にやって来ていたらしく、先生のデスクになにか本を広げていた。

 

 リリーはセブルスの姿を認めると笑みを浮かべた。セブルスもまた、「今日もいた」とその瞳を輝かせた。

「一緒に聞いていても?」とセブルスが問うと、先生は「もちろん」と言って席を勧めた。トーマスにもだ。

 

 直接リリーと話すことはかなわなくても手紙のやり取りならできる。だからセブルスはちょくちょく教授のところに質問に行っていた。

 

 魔法薬学の教授でスリザリン寮監のスラグホーン先生は、シリウス情報によると死喰い人じゃないのがほぼ確定らしい。

 

 彼には子どもがいないし親も老齢だから家族が死喰い人ということはない。かといって本人が、というのも考えにくいそうだ。

 

 さすがに彼の巨体を目撃されていたら、いくら仮面をつけてようが身元が割れてしまうだろう。

 

 それに、今世紀最大の魔法使いとされるダンブルドア校長が、確かでない人間を教職につけるとも考えにくい。

 

 だからスラグホーン先生は『穏健派』と考えていいのかもしれないが、たとえば過激派への資金援助くらいはしていてもおかしくはない。自ら望んでいるか、脅されているかはともかく。つまり無条件で味方と考えるのも難しいようだった。

 

 先生についてセブルスにとって一番重要なのは、『小さな先生』が談話室にいるなかで直接質問をしに行っても見逃されるということだ。生徒が所属寮の寮監先生と親しくしていて周りに損をもたらすことはない。過激派の目から逃れたいときにはとても便利だった。

 

 これがグリフィンドールの寮監ではそうはいかないだろう。「きみは敵方の陣営と仲良くしようってわけか?」という目で見られてしまう。

 

 というのも、校長先生はグリフィンドール出身で、スリザリン出身の"闇の帝王"と対立している。それがそのままスリザリン寮とグリフィンドール寮との対立につながっているからだ。

 

 スラグホーン先生はセブルスがそんなことを考えている間にも詳しい説明を続けていた。

 

「──つまり満月草と萎び無花果の相性は元々はすこぶる悪いということになるね。呪いをかける方と解く方だから。だから透明薬に使うために萎び無花果以外の材料を工夫する必要があるんだよ」

 

 リリーは「わかりました。ありがとうございます」と言って頭を下げた、それから「少しまとめさせてください」と続けて手元のメモを見やった。

 

「ふむ……。君たちはどうかね?」

「あの、先生。うちの寮の勉強会ってクラブ活動にはあたらないんですか?」とトーマスが返答した。

 

「校則を破っているわけではないからね。談話室で勉強するのも、上級生が下級生にアドバイスするのも。生徒のやる気を後押しするのも先生の仕事だよ。マルフォイ監督生はすぐれたリーダーだから」

 

 トーマスと先生が話しているあいだに、リリーは先生から見えないように手紙をセブルスに渡した。もう何度目かになるので慣れたものだった。

 

 先生の前でグリフィンドール生と話しても大丈夫かどうかまでは、さすがに確証はもてない。直接止められることはないと思うが、それだから安全というわけでもなかった。

 

 もしもマルフォイとなにか協力関係にあるのだったら、「こんなことがあった」と知らせるくらいなら簡単にできてしまう(彼らは寮の垣根なく招かれるスラグ・クラブの存在を知らされていなかった)。

 

 それに、トーマスはいつもセブルスを見張りつづけていた。「きみには都合が悪いのかもしれないけど、ぼくも何も見ていないわけにはいかないんだよ。特に禁止された相手と話すところとかね」と言って。トーマスはセブルスの行動からとばっちりを受けがちな立場になってしまっているためだ。

 

 それでも彼はきっと協力的な方なのである。こういう手紙のやり取りにもクラリスとの筆談にも、いい顔はしないが何か言ってくるわけではなかった。

 

 やがてトーマスの質問が終わり、セブルスも用意してきた質問をすると、先生は「いい着眼点だね」と褒めてから詳しい解説に入った。

 

 

 

 先生の研究室を出てすぐ、リリーは小さく手を振ってトーマスとセブルス(スリザリン組)から離れて行った。会うことはあっても話すことができないと、ひどく寂しいものが胸をかすめていくような感じがして、セブルスはしばらく彼女の赤毛が揺れて遠ざかっていくのを見送っていた。

 

「──あのさあ」とそんな感傷などわかっていないのだろうトーマスが言った。

 

「どうせ次はDADA(闇の魔術の防衛術)の研究室に行くんでしょ?さっさと向かおう。ここからはけっこう遠いんだから、ぼうっとしてる時間はないよ」

 

 彼の言う通りだった。スラグホーン先生への質問に出てくると、大抵はその後にDADAの先生のところにも行く。とはいえ、DADAの授業で語られていることはセブルスもとうに聞いたことのある内容ばかりで、なにか新たな実りにつながりそうなものではなかった。新たな実りを望むなら、図書館で文献でもあさっていた方が結果につながるはずだ。

 

 強力な効果をもたらすものが多い闇の魔術は、セブルスにとって知るのが楽しいものだった。かつては。

 1年と少し前まではひたすら磨きをかけ続けてこられたのに、今はわざわざ取り組むに値する『目標(標的)』を見失ってしまっていた。そんな呪いをかけてやりたいほど憎む相手がいない。──いなくなった。

 

 それでも通うのは、そこにクラリスがいて、リリーと同じように手紙のやり取りをするからだ。

 クラリスはリリーといっしょに魔法薬学の質問に来ることもあるが、そうでない時はDADAの研究室にいることが多い。なにせセブルスが質問に行くとほとんどの場合で出くわしていた。

 そこまで彼女が闇の魔術に興味をもっていたとは知らなかったが、よく思い返せば彼女にはセブルスの知識もしょっちゅう伝えているのである。

 

 トーマスは気が進まない様子で階段に足をかけて、言った。

「闇の魔術にくわしくなるのってあまり良くないと思うよ」

「それは……危険だから?」

 

「ちがうよ。いや、危険なのはちがわないけどさ。闇の魔術って犯罪者(闇の魔法使い)がつかうことが多いでしょ。()()()()仲間だと思われちゃうのが嫌だ」

 

 そういう仲間、つまりテロリスト(死喰い人)だと見なされるのは嫌だという意味であるとセブルスにもわかった。

 

「あまり詳しいとは思われない方がいいと思うんだ。特にグリフィンドール生には。

 

 知ってる?グリフィンドール生の家族が、呪いでおかしくなっちゃったとか、じわじわ弱るようにされたとかよくあるんだって。そういうの、原因が闇の魔術だったら治せないままじゃないか」

 

「だからかからないために身を守る授業がいるんだろう」

 

「身を守るために闇の魔術に詳しくなる必要ってある?予防とか逃げる魔法の方が大事でしょ。もちろん先生だけは詳しくないと対処法の研究なんてできないだろうけどさ。

 

 DADAの先生が毎年ひどいことになるのって、詳しくなりすぎたせいなんじゃないの、みんな」

 

 DADAにかけられた"任期一年"の呪いがトム・リドルによるものだという事実は、生徒たちには知られていなかった。トーマスもセブルスも、そして彼らに教える上級生もだ。『呪いでもかかってるんじゃない?』と冗談でよく言われるくらいである。

 

「迷信だ。闇の魔術を勉強したからって、おかしくなるわけないじゃないか」

 

 セブルスは切って捨てるように言った。リリーやクラリスに出会うまでも、出会った後でも、母親から少なくない時間をかけて伝授されたそれを否定する気が起きなかったからだ。

 

 トーマスは『さじを投げた』という顔をしてため息をついた。

 

「あー、もう。ぼく関係ないから。きみが目をつけられたって助けないからね、そもそもぼくじゃなくたって助けられないし。潔くあきらめなよ」

 

「それは『どっちに』目をつけられた場合だ?」

 グリフィンドール生(被害者)か、スリザリン生(加害者)か。被害者なら恨みを買うということだし、加害者ならそっち側に引き入れられるリスクがある。

 

 トーマスは「わかってるくせに」と言いたげな、呆れたような表情で言った。

「とりあえず"グリフィンドール"って言っておくよ」

 

 彼らのような下層スリザリン生は、口が裂けても『スリザリン生の過激派に引き入れられるなんて嫌だ』なんて漏らすわけにはいかないのだ。少なくとも4人部屋の外では。

 

 

 

 




・ここまでで「原作において、スネイプが学校で遠巻きにされてた理由ってこの辺が理由か?」という描写をいくつか入れてみました。「こういうこと言われてキレたのかな?」とか。

・彼らは11歳にしては頭よすぎるんだけど、親の入れ知恵ということでひとつ…。戦争中だからスリザリン所属が死活問題になるので、親もめっちゃ口を出すでしょう。

・レガシーの前情報を入れずにプロットを練ったのに、自分のも4試練になってしまったし絵に会う展開も同じでしたね……。(リアルガバ)

・書いてて思ったんですが、原作のスネイプもスラグホーン先生のところには通いやすかったかもしれませんね。

RTAパートは本編と活動報告、どっちが好き?

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  • 【本編】にあげて欲しい
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