シャンフロのシリアスもギャグも全部入れちゃえ二次創作集 作:しゅう@ハーメルン
漫画版の方は99%が既知の内容です。残りの1%もわかりにくくなってます。ですがアニメ版の方には大分デカいのでご注意を。
・陽務瑠美の場合
その始まりは唐突であった。
彼女は気づいてしまったのである。
現実世界で買えないような服でも、電脳世界でなら買える。あるいは、夢を映し出すからこそ、それは
某服飾クラン用の掲示板にて、、
68:名無しの開拓者
それで結局武器を服にするっていう案はどうなったん?
69:フィフティシア担当
たしか完成はしたって言ってたよ、一応買い手もついたらしい
70:名無しの開拓者
なんか知らん間にとんでもないデザイン案が出て知らん間に完成して知らん間に買われてるんですけど!?
71:名無しの開拓者
あれすげえよな、クッソ重い代わりにちゃんと武器性能もついてるし
どうやったのか想像もつかんけど
72:名無しの開拓者
攻撃できる服ってもはやうちのクランの管轄じゃなくて鍛治師んとこのなのでは……?
73:名無しの開拓者
すいません、自分サードレマの直売所に来たんですけどどこにお店があるんですか?
ホームページのとこにないんですけど
74:名無しの開拓者
まあ一応胴体に装備するらしいので鍛治ではないでしょ
75:エインディール担当
おい、73って多分お客さんだぞ
サードレマのやつどこだ
76:サードレマ担当
はい、サードレマ販売所担当です
すいません、今日はもう売り切れなのでお店は閉めちゃいました
77:名無しの開拓者
売り切れ!?
78:名無しの開拓者
売れるの早くね?
まだ朝だしさっきオープンしたばっかやん
79:フィフティシア担当
この速さで売り切れるってことは……
80:サードレマ担当
正解、イナゴに食い荒らされました………ヨヨヨ
81:フィフティシア担当
まあ今日は新作ズボンのお披露目の日だからこうなる予感はあった
別に悪いことしたわけじゃないし仕方ない仕方ない
81:名無しの開拓者
なんや百面相って誰だ知らんぞ
詳細希望!
82:エインディール担当
軽い解説だけど
・百面相(ファッショニスタ)
最近シャンフロファッション界隈に突如現れた女性プレイヤー。新しい服、防具を発売する店にはどこからともなくやってきて、そこの商品全てを買い攫っていく怪物。
二ヶ月ほど前、フィフティシアの防具オークションにて百を超える商品の「全てを」競り落とし、催しをぶっ潰したことで存在が周知されるに至った。
その「凡ゆる服を身につける姿勢」「目撃されるたびに体型、性別が変わる姿」「深夜か早朝にのみ現れる出現周期」から、変幻自在千変万化の「怪人」として、その名を名付けられる。
83:名無しの開拓者
化け物かな?
84:名無しの開拓者
こいつも某ツチノコさんと一緒で「
84:名無しの開拓者
防具の中でも服系はそんなに高くないとはいえ、一体どこに資金源があるんだ………
85:名無しの開拓者
朝か夜だけ出るってなると、社会人か学生か?
それかニートだけど昼にはずっと金策してるとか
86:名無しの開拓者
なんにせよ災害みたいなもんやな
73ニキには同情するわ
87:サードレマ担当
一応今日と同じ品揃えがあと一週間は続く予定だから、もし良ければ明日来てみてね
88:名無しの開拓者
わかりました、明日伺います
わざわざありがとうございました
89:サードレマ担当
いえいえ〜
90:名無しの開拓者
なあ、百面相結構害悪じゃね?
他のプレイヤーへの配慮とか皆無だし、通報するべきだろ
91:名無しの開拓者
別に服買い占めてるだけで独占してるわけでもマナー違反してるわけでもないんだから、通報はやりすぎじゃね?
92:名無しの開拓者
やばいプレイヤーと迷惑なプレイヤーは違うぞ
百面相は正当な手続きと正当な手段を使ってるし、なにより誰かが不利益を被ってるわけじゃない
93:名無しの開拓者
いやいやオークションのやつとか完全に妨害じゃん
ツチノコさんのストーリー勝手に進める、みたいなのもそうだけど、もっと遅れてる他プレイヤーのこと考えて欲しいわ
94:サードレマ担当
はいはいココでレスバしないでねー
うちのクランとしては別に迷惑じゃない(なんなら金にはなってる)から放置でいいんだよー
95:名無しの開拓者
プレイヤーについての議論は奇人変人スレでやってクレメンス
それよりワイは武器(防具)について知りたいんや
96:フィフティシア担当
あ、その「武器からできた服」買ったの百面相だよ
97:名無しの開拓者
えっ
・陽務永華の場合
「────ああ、す、すまない。取り乱した。それで、“
───最初はよ、ただのクエストだと思ったんだ。ウチの店の卸売業者が、近頃こっちに来るまでに虫のモンスターが沢山出て商品を運搬しにくいって…………そ、それで、クエストウィンドウが出たんだよ。しかも、そこにゃユニークと書いてあると来たもんだ。俺、そこそこシャンフロやって長いけど、まだユニークには遭遇したことなくて…………それで調子良く受注しちまったのさ。い、今思えばバカな独占欲だった、ユニークなんて、一人で抱えちゃいけなかったのに、そ、そんなだからバカな俺はあいつに、あいつに…………!!
────あ、ああ、すまん。落ち着いた。今は後悔する時間じゃないよな。それで、実際そいつが通るって言う森のルートを俺も辿ってみたんだけど、たしかにいつもより虫モンスターの出現が多かったんだ。しかも、本来ならそこには住んでいないような虫も多くてさ。当時はワクワクしたもんさ、「ありえないことが起こっている」……マジでユニークを自発できたんだ、ってな。まあ、今思えばとんでもない油断なんだが、当時はそのことに気付きもせず………出てくる虫が当時の俺でも十分対処できるレベルだったってのもあるが、そのまま、虫がより多くいる方に進んでいったんだ。
森の中は夜になったみたいに薄暗かった。ぽつりぽつりと葉の隙間から溢れる光があるくらいで、シャンフロの補正がなかったらきっと前に進むのも儘ならなかったと思う。それでどこからともなく空から虫が降ってくるんだから、気分はホラゲーをやってるみたいだった。でも、そんな別ゲー気分もそん時の俺にはユニークのいいスパイスでしかなくて、辺りを気にせず直進してったんだ。………そして、一番暗闇が深くなった森の中心で、出逢っちまったんだよ………………あ、あの、女に……。
最初パッと見た時はさ、マジでただのプレイヤーに見えたんだ。特殊なキャラメイクもしてなかったし、アレで警戒しろって方が無理な話だよ。だから、俺はもしかしたら何かこのクエストの情報を知ってるかもしれないって思って、その女に声をかけたんだ。『おーい、ここら辺嫌に虫が多いんだけど、何か知ってることないかー』ってな。そしたら、あの女がこっちを向いてきて…………………そ、その時、一瞬すごく強い風が吹いたんだ。それで俺、気づいちまったんだよ、こ、木漏れ日が、全く動かないことに。その『
そのことに気がついた瞬間、俺の体は走り出してた。逃げなかったら殺されるって、本能的に分かったんだ。で、でも、どんなに走ってもどんなに走っても全然暗闇は晴れなくて、寧ろ進めば進むほどに暗くなってく一方で。踏みしめる足場の感触が気づいたら土のそれじゃなくて
「───ああ、ダメだった。気絶してログアウトしたらしい。………いや、いいよ。あれじゃ、これ以上の話は望めないだろうから」
────とある虫嫌いの証言
・陽務仙次の場合
「うおおおおおお、この当たりはでかい!! 絶対やばいのが来てるぞぉぉぉぉ!!!!! 俺は負けない、俺がこの海を制覇してやるんだァァァァァ!!!!!」
「─────あっ」
ザップーン…………
「うう、まさか船ごとひっくり返るなんて…………酷い目にあった、水中呼吸アイテムあってよかったな」
「…………………あのう」
「うわっ、魚がしゃべった!?!?!?」
「いや魚じゃねえよ」
・そして、陽務楽郎の場合
俺は今、天を仰いでいた。
勿論、突然信仰心に目覚めたとか真っ昼間に天体観測をしたくなったとか、そんな理由じゃない。
………いや、寧ろそんな理由であってくれた方が嬉しかったかもしれんが。
「───ナニコレ?」
俺が小高い丘から見下ろす先は、フィフティシア。
そして、そこを襲う
今、陸地からは幾重にも重なった虫の山が、海辺からは殺意をむき出しにした魚の波が、目前に迫るフィフティシアを所狭しと押しつぶそうとしている。その異様な光景はあまりに筆舌に尽くし難いのだが、しかしこのゲームは親切なことに、そんな俺の混乱を収めてくれる簡易な説明をウィンドウに表示してくれていた。
「………モンスター
懐かしい言葉だ。あの赤飛蝗を思い出す。
しかし、あの時は天災のようなものだったが、今回ばかりはそうじゃない。残念ながら、今回の件は『人災』だ。
いやほんと、非常に残念なことに。
「で、結局あれは二人のせいってことでいいんだよな?」
「そ、そのー………違うのよ? 別にこんな大事にしようとしたわけじゃなくて、ただこの世界の虫の生態が気になったってだけで」
「そ、そのー………違うんだ。別にこんな大事にしようとしたわけじゃなくて、ただこの世界の釣りに挑戦したかったってだけで」
男と女が一人ずつ、俺の前に座っている。
その顔はどこかで見たような………いや、
頼むからキャラクリもっと工夫してくれねえかなぁ…………
まあ、要するに。今回の件はウチのバカ親×2が引き起こした、ある種のモンスタートレインなのだった。
「……取り敢えず、何が原因でこうなったのか聞いてもいい?」
正直何が起こったかなんとなく見当はついてるが、一応聞かないわけにもいかない。というかさっきから鉛筆からと思われる
「虫集めてたら反乱されちゃった」
「海中を散歩してたら変なアンコウにやられた」
メチャクチャ清々しいほどの自業自得じゃねえか!!!
………これ、やっぱり俺が責任取らなきゃいけないんですかねぇ……
もう色々気が進まん。
この後外道どもに強請られるのが目に見えてるし、だからと言って雲隠れするにはあまりに今回の事件は被害がデカすぎるし………
つーかなんだよ虫の女王って。自分の母親がそんな恥ずかしネームで呼ばれてると知った時の気持ちがわかるか? しかも父親は父親の方で何故か開拓者初の海中魚人族接触者として掲示板で有名になってると来た。思春期ボーイな俺には身内のそんな話耐えられません。
くっ、こんな面倒なことになったのも、俺が半裸プレイしてると悪目立ちするからと二人の監督を躊躇した所為………つまりリュカオーンが悪い、おのれリュカオーン。
と、本日のおのリュカノルマを済ませたところで、俺は本格的に今回の件の収集に動くため、鉛筆と連絡を取ることにした。たとえ憎むべき怨敵がわかっても、人は目の前の障害があるとそっちを優先せねばならないのだ。世知辛きかな人生。
「はあ、どうせ虫の殲滅手伝えとか言ってくるんだろうし、今のうちに火炎魔法あたりエムルに覚えさせとくかな………」
そしていざって時は鉛筆を焼き払おう。知ってるか? 不公平な契約を結ばされても契約書ごと燃やしてしまえば関係ないんだぜ。
アフロになった鉛筆のことを空想してニヤニヤと笑いながら、俺は大量の隼の中から一羽を選び、そこに添付されている手紙を手に取る。とりあえず、この件に対するアイツの立ち位置でも測るとするか、と思いながら、表示されたウィンドウを確認して──────
『ファンサービス♡ 感謝してね!*1』
「」
その瞬間、俺はどうも鉛筆をアフロにしても済まされないらしいということを悟った。
つーかうちの家族揃いも揃って好き勝手しすぎだろ、こっちの方が俺にとっちゃよっぽどレイドだわ。おのリュカ………
キャラ紹介
・陽務瑠美
現実での資金不足を拗らせ、オシャレ仲間にゲーム内で良ければ、とシャンフロを勧められた結果見事に沼にハマってしまった。
シャンフロに於いては
服関係のものはなんでも買い占めていくという都市伝説を持っているが、その資金源はなんと宝石。……服、宝石………あとはもうお分かりですね? 彼女は今日も猫さんと戯れてします(意味深)
戦闘は不得意……………だったのだが、風の噂ですんごい性格の悪い天音永遠の偽物がいると聞きつけた結果、そいつを排除するために特訓を開始。遂には攻撃できる服を手に入れ無事PVPもできるようになった。なお実際にペンシルゴンと会った際は一瞬で正体を看破し即座に跪いた模様。とりあえず彼女に無礼しか働かない兄のことは後で処刑する予定。
・陽務永華
虫マニアのお友達に勧められ、一緒に虫の採集をしていたら見事に沼にハマった。今では現実の虫の世話と同じくらい熱を入れている。
シャンフロに於いては
最初はテイムの数に制限があることにキレて勝手に始めた虫の躾だが、名前などをつけてお世話しているうちに愛着が湧き、その規模は徐々に拡大。遂にはモンスター強襲を行えるほどの量にまで膨れ上がってしまった。そして最後には不用意なプレイヤーにその蟲軍団を刺激され、混乱を収集できず暴走を許すことに………
NPCからはモンスターを従える森の化け物として恐れられ、彼女のせいでユニーククエストができてしまうほど。現実と同じく、その影響力は陽務家一であった。
・陽務仙次
釣り友のSNSで見たシャンフロ釣りが割と楽しそうだったので開始。なんやかんやあってシャンフロ釣り師の最先端に立ってしまった。
シャンフロでは「釣りキチ(釣り吉と釣りキチガイのWミーニング)」の渾名を持つプレイヤー。プレイ開始から爆速で港まで辿り着くと、数々の魚モンスターを相手に名勝負を繰り広げてきた。その釣果の評判は港中に轟いており、彼と釣りをしたいと言う漁師は多い。船を貸してくれるNPCへの顔の広さはおそらく全開拓者トップ。
釣りの途中偶然にも海中で魚人族と遭遇、初の魚人族の国に訪れたプレイヤーとなる。彼らの協力でこれまた開拓者初の海の素潜り漁を開始したが………その顛末は前述の通り。正直ガチのモンスタートレイン行為なので、今回の話で一番やらかしてるのはこの人。
妻同様魚及びその釣り方法に関しての知識はライブラリ以上。しかしあまりにも海から帰ってこない為彼のことを尋ねるものは全くいない。あまりにもコンタクトできないので、人によっては都市伝説だと思われているとかいないとか。
・陽務楽郎
今作一番の被害者。この後鉛筆に働かされ妹に処刑され、全て終わった後「楽郎ってゲームだとああいう感じなんだねニッコリ」と両親に辱められることが確定している可哀想な人。しかも両親にネチケットの講釈を垂れねばならないという拷問付き。多分一週間くらいシャンフロから消える。
もともと自分の家族がシャンフロを始めたらしい、と気付いてはいたが、そのあまりに奇抜なファッション(?)と高すぎる知名度が三人のプレイの足を引っ張るだろう、と遠慮してキャリーしていなかった。その判断自体は趣味に不干渉な陽務家として正しいものなのだが、異常者しかいない陽務一族、しかもゲーム慣れしてない人たちがまともなプレイをするわけがないことを考慮しなかったのが彼の敗因。鉛筆からのメールで気付いた時には何もかもが遅くなっていた。
ちなみにこの世界だと