原作がいかにすんばらしいか、わかりますね。
筋斗雲でカリン塔目がけて、悟空は飛翔していた。
亀仙人たちの救助に駆けつけることも考えないでもなかったのだが、おそらく間に合わない。
先にピッコロ大魔王が若返ってしまうだろう。
加えて言えば、悟空の知るピッコロを生み出してもらうには、ピッコロ大魔王に若返ってもらう必要があるのだ。
そして、ピッコロ大魔王が若返ってしまえば悟空はかなわなくなる。
だから、非常に心苦しいが、亀仙人たちを見捨てて悟空は自身のパワーアップを優先することにしたのだ。
手っ取り早い手段ならば、超神水を飲むのが一番だ。
ピッコロ大魔王は野放しにはできない。
今回は悟空がタンバリンを仕留めていたのでおそらく起こっていないだろうが、前の世界ではタンバリンを逃がしたばかりにクリリンのみならず大勢の武道家の虐殺が起こっていたとのちに聞いたのだ。
ドラゴンボールで生き返れるとしても、蘇生回数には制限があるし、死ぬのはいい気分がしない。死なないに越したことはない。
ピッコロ大魔王を生かしておけば、せっかく悟空が阻止した武道家の虐殺がまた起こってしまうのだ。それは何としても阻止しなければ。
ここで悟空ははっと顔を彼方に向けた。
消えた。気が、消えた。
「ち、畜生・・・!」
悟空は歯を噛みしめて唸る。
わかっていた。わかっていたのだ。こうなることは。だとしても。
「クリリン・・・亀仙人のじっちゃん・・・!」
筋斗雲の上で、悟空はうなだれて呻いた。
直前の気のふくらみ方から、おそらく、亀仙人は魔封波を使おうとし、クリリンはそのための時間稼ぎに打って出た。
だが、ピッコロ大魔王はクリリンを一撃で殺した。魔封波もおそらく外れ、亀仙人も亡くなってしまったのだろう。
近くの気の感触から、天津飯は生きているが、どうにも身動きできない状態にされているらしい。
直後、空を不思議な暗雲が覆う。
悟空にはすぐに分かった。ドラゴンボールだ。神龍が呼び出された。
そしてそれから間をおかず、
願いをかなえようとしたピッコロ大魔王の妨害をしようとしたのかもしれない。そして、殺された。
間もなく、暗雲が晴れる。ピッコロ大魔王の気がさらに大きく膨らんでおり、望み通り若返りを果たしたのだろうとうかがい知れた。そして、用済みになった神龍も殺されたのだろう。
首を振って、悟空はこぼれそうになった涙をリストガードで乱暴に拭うと前を見据えた。
カリン塔はすぐ目の前だ。
ピッコロ大魔王は実にいい気分だった。
焦がれ切った若さを取り戻した。完全無欠にして無双であったあの頃を取り戻せた。
自分の封印を解いた
生かしてやっているだけありがたいと理解しない、用済みの寒天脳みそどもをさっさと飛行艇からたたき出したピッコロ大魔王は次の行動に移る。
目指すは中の都のキングキャッスル。このピッコロ大魔王様が新たに国王として即位し、地上を悪に満ちた素晴らしい世界に作り替えるのだ!
「オッス!カリン様!」
「よう」
筋斗雲からカリン塔のてっぺんの広場に飛び降りた悟空が片手を上げると、カリンも軽く挨拶を返した。
本来は塔の下から登ってこなければならないのだが、非常事態に免じてか、それに関するカリンのお小言はなかった。
「おぬし、よく生き残れたな。ピッコロ大魔王相手に」
「偶然さ。後はカリン様のくれた仙豆がなけりゃヤバかったしな。サンキューな」
カリンの言葉に、悟空は苦笑気味に答えた。
本当に、あれはやばかった。一歩間違えたら本当に死んでいたのだ。
何気に前の世界よりもよほどひどい怪我だった。仙豆がなければアウトだったに違いない。
二度目の世界で、実質やり直しであるのに、なぜ前の世界よりもきついことになっているのだろうか?
「・・・おぬし驚かんのか?なぜワシが知っているのか」
「え?えーっと、カリン様、あちこち覗いてんだろ?前オラがカリン塔に来た時も、驚いてなかったじゃねえか」
カリンの問いかけに、悟空は内心で冷や汗しつつそう言った。ただし、ごまかせたと思ったのは本人だけだ。ギクッと肩を揺らして顔を微妙に引きつらせるあたり、怪しく見えた。
やばい。前の世界で、悟空はこの仙猫が退屈しのぎに下界をしょっちゅう覗いているのを知っていたため、驚かなかったのだ。
カリンは少々怪訝に思っていたのだ。
孫悟空は根はまっすぐで正直ものだ。そして、基本的に戦闘馬鹿にして修行馬鹿。世俗のことなど基本的に気にしないものだ。
それはちらちらと覗き見した様子や、読心で分かる。
だが、孫悟空は読心でも読めない部分がある。さらに、微妙にかみ合わない部分がある。世俗のことを気にしない、下手をすればその辺の子供よりも世間知らずな部分があるというのに、まさかピッコロ大魔王のことを即座に見抜くとは。
何者なのだろうか?
まあ、いい。先も記したが、孫悟空は根はまっすぐで正直ものなのだ。
それは確かなのだから。
「まあ、よい。それで、何の用じゃ?」
「カリン様、オラをもっと強くしてくれ」
「・・・」
だろうと思っていた。
悟空の言葉に、カリンは沈黙せざるを得ない。
勝てない相手ならば修行を積んで、力をつける。当たり前の話だ。当たり前の話だが・・・。
武術の神と謳われる武天老師はじめ、多くの武道家を鍛え上げてきた仙猫にして、神への謁見資格があるか見定めるカリンとしては、この言葉を口にするのはひどく情けなかった。
「残念じゃが・・・これ以上おぬしに教えることはないのじゃ・・・」
槌のような杖を抱えて、視線を床に落としてカリンは語る。
「おぬしはもうすでにこのワシすらしのぐほどの力を身に着けてしまっておるからのう・・・」
カリンは気まずさと情けなさから悟空に背を向けて、なおも滔々と語る。
「悔しいじゃろうが、どうやってもピッコロ大魔王に勝つことができぬ。
あ奴の強さはケタ違いなのじゃ・・・」
「知ってるよ。亀仙人のじっちゃんも、クリリンも、殺されちまって・・・」
「っ?! おぬし、知っておったのか!」
思わずぎょっと振り向いたカリンに、悟空は悔しげに拳を握りしめる。
「気が、消えたんだ。クリリンたちの。間違いねえよ」
悔し気な悟空に、カリンは言葉を失った。
同時に、思った。やはり、この小僧は根はいい子なのだ。友や師の死を本気で悼み、悔いている。仇を討ちたいと、心底から願っている。
「オラは、ピッコロ大魔王を倒す。なんとしても。
カリン様、本当にねえのか?オラが強くなる方法が」
悟空の再三の問いかけに、カリンはしばし黙した。
悟空の目は本気だ。このままでは玉砕覚悟でピッコロ大魔王のところにもう一度行くに違いない。
ならば。この小僧の師の一人として、できる限りのことをしてやろう。気はすすまないが、選択肢を提示するだけしてやるのだ。
「・・・死んでもいいというなら、飲んでみるか?
超神水を」
そして、カリンは説明する。
超神水。それは、カリンが修行を付けるためのお題目としている超聖水のようなインチキではない。己の中の力を全て引き出し切ることのできる、素晴らしい水だ。ゆえにこそ、素晴らしい、神の水と書くのだ。
だが、本当にそれで強くなれるかはわからない。悟空が修行で自分の力を全て引き出し切れていたら、飲んでも変わらない、飲み損かもしれない。
加えて言えば、この超神水はとんでもない猛毒である。すさまじい体力と精神力、そして生命力がなければたちどころに死んでしまうのだ。
その毒に打ち勝って、始めて力が引き出されるのだ。
カリン自身もかつて飲んだが、耐えきれずに吐き出した。以前飲んだものは14人。いずれも腕に覚えのある強者ばかりだった。だが、全員耐え切れずに死んでいる。
それでも、大昔から伝わる確かなものなのだ。
カリンは無理にはすすめなかった。むしろ、地道に修行を積んで強くなれば、まだ確実にピッコロ大魔王よりも強くなれるはず。悟空の成長速度は尋常ではない。おそらく、数年でピッコロ大魔王を追い越せるはず。
だが、悟空は飲むという意思を曲げなかった。あんな奴をそんなに長く野放しにはできないから、と。
やむなくカリンは、厳重にしまい込んでいた超神水を持ってきた。急須のような容器に入っており、セットになっている湯呑のような容器一杯分飲むのだ。
注ぎ入れた超神水は無臭ではあったが、微妙な粘性があり、色は濃い紫である。見るからに、飲むな危険!を全力で物語っている。
悟空はしばしその中身を見つめ、ややあって、えいやっとばかりに一息に飲み干した。
「うぎゃああぁぁぁぁぁっ!!」
断末魔と言い換えても差し支えないほどの絶叫が轟いた。
湯呑を取り落とし、倒れ込んだ悟空は喉を押さえてのたうち回って苦しみだす。
吐き出せ!と駆け寄りたくなるのをぐっとこらえ、カリンは黙って苦しむ悟空を見つめた。
それしかできなかった。
荒野の一角で、天津飯は修練に励んでいた。
高めた気を練り上げ、両手に収束させ、そこにいる標的に向けて放つ。標的を気でからめとり、地表に設置している電子ジャーの中に叩き込む。
だが、肝心の気は電子ジャーを外れて地面に穴をあけただけに終わってしまった。
すでに幾重もの失敗のせいで、電子ジャーの周囲は穴だらけだ。
荒い息をつきながら、天津飯は修練に励む。
ちらと横目で見れば、とりあえず横にして格好を整えた仲間たちがいた。否、遺体だから安置しているというべきか。
無念だった。亀仙人による睡眠薬の噴霧を受けた天津飯はかろうじて意識はあったが、まともに動けなくなってしまった。
そうして、亀仙人はやってきたピッコロ大魔王に向かって魔封波を放った。自身の命と引き換えに。
ピッコロ大魔王はもちろん抵抗しようとした。突如紫色の光に包まれた彼は、魔封波の初撃をあっさり回避した。
だが、ここでクリリンが飛び出し、ピッコロ大魔王に攻撃を仕掛けた。捨て身同然、命がけの攻撃だった。
「よくも悟空を!」という彼の渾身の叫びは、今も天津飯の耳に残っている。
そして、ピッコロがクリリンを殴り倒して殺すのと同時に、亀仙人が魔封波の第二発を放った。クリリンの命がけの攻撃によって動きを止めたピッコロ大魔王は今度は回避できず、電子ジャーの中に叩き込まれそうになった。だが、最後の最後で、外してしまったのだ。
次善の策である、
若返ったピッコロ大魔王は大喜びで去っていった。
あんな恐ろしい存在が、さらに力を付けてとんでもないことになってしまった。
もはやこの世は終わりだ。地上は地獄絵図になる。
だが、希望はある。
今わの際の亀仙人はこう言い残した。いつか必ず、誰かが貴様を倒し、世界を救うてくれると信じておる、と。
きっと、亀仙人は自分が魔封波を失敗する可能性も考慮していたのだろう。だから、天津飯を生かした。一度見た技ならどんなものでもものにして見せる天津飯なら、魔封波を使えるようになる。
そして、天津飯なら亀仙人が失敗しても、その跡を継いで大魔王を封印してくれるだろう、と。
その心遣いを無駄にしないために。クリリンの無念を晴らすために。
天津飯は魔封波の修練を重ねる。確実に、大魔王を封印できるように。絶対に、命中するように。
ピッコロ大魔王への闘志を燃やしながら、天津飯は修練を続けるべく気を練り上げた。
一方、ピッコロ大魔王は中の都のキングキャッスルを訪れていた。
国防軍を片っ端から叩きのめし、ピッコロ大魔王はキングキャッスル内を悠々と歩いていく。
国王は側近に促されて、エアカーに乗って脱出を試みたが、あっさり見つかってしまい、捕まえられた。
王座の譲位を迫るピッコロ大魔王が、中の都の一部を気功波で吹き飛ばして見せれば、これ以上の犠牲を避けるべく、国王はその脅迫に屈するしかなかった。
かくして、世界はこのピッコロ大魔王様にひれ伏すのだ!
魔封波の使い手も死んだ!目障りな武道家どもも順々に殺していくとしよう!いや、むしろ、賞金をかけて悪人どもに追い回させよう!いい見せしめになる!
高笑いしながら、ピッコロ大魔王は夢想に浸っていた。
ウェストエリアの聖地カリンは、夜闇に包まれていた。
悟空が訪れた時点ですでに夕刻であったが、今はほとんど真夜中だ。
「おーい、か、カリンサマ?お、オレにも、センズと黄色の雲を・・・」
ゼエハア息を切らして、ヤジロベーがカリン塔頂上の広場に足を踏み入れてきた。
聖地カリンにたどり着いた彼は、出迎えたボラとウパにいくつか質問をされたが、孫悟空の名前を出すなり、彼らは態度を軟化させた。
このため、ヤジロベーはすんなりと塔を上ることができた。
悟空の知る正史とは異なり、ボラに放り投げてもらうという補助手段はなしだが、それでも自力で一人で登ってきたのだから、大したものである。(正史では負傷した悟空を担いで、初挑戦時の悟空よりも短い時間で登り切っているのだから)
悟空からもらった仙豆(悟空はあげたわけではないのだが、ヤジロベーはそう解釈している)は塔を上る途中で食べてしまったし、また腹が減ってきた。
あの豆は味気ないが、すぐに腹いっぱいになれるのはいい。
などと能天気に考えていたヤジロベーは、広場に広がっていた光景を見るなり、絶句した。
悟空が床に転がって、苦し気にうめいている。
そして、身の丈ほどの杖を持った白い猫が、それを眺めているのだ。
「孫?!おい、どうしたんだ?!」
「超神水を飲んだのじゃ・・・もう6時間近く、こうしておる・・・」
慌てふためいて悟空に駆け寄るヤジロベーに、カリンは言った。
恐るべき体力。生をあきらめぬ精神力。凄まじい生命力。その3つを、悟空は有している。とんでもない小僧だ。もしかすると、もしかするかもしれない。
「チョーシンスイ?んなことより、医者の所にぐえっ?!」
「それでは意味がない。悟空が望んだのじゃ!」
急ぎ悟空を担ごうとするヤジロベーを杖でどついて、カリンが止めた。
そうして、カリンはそのままヤジロベーに超神水についての説明をする。
話を聞くヤジロベーは、馬鹿だぜおい・・・と言いたげな顔をしていた。そんなほぼ確実に死ぬようなものを飲むなんて、食道楽に重きを置いて死ぬのはごめんと公言するヤジロベーには理解不能である。
その時だった。
悟空がひときわ大きく呻いた。
それを目の当たりにしたカリンが思わず息をのんだ。
見えたような気がしたのだ。大猿の幻影が。悟空の中の見えざる力の化身が。
「あああ・・・」
「どうしたんだよ?」
「パワーじゃ・・・今、悟空の、隠されたとてつもないパワーが、見えたような気がした・・・!」
それに気おされて、掠れた声でカリンはうめいた。
直後、悟空の目が見開かれる。
のそりッと、彼は立ち上がり、自身の体を見下ろし、手を軽く握ったり開いたりしている。
「やったー!死ななかったぞ!すげえぞ!てめー!」
「見事じゃ!見事じゃぞ!悟空よ!」
大喜びの二人に対し、悟空は静かだった。
ただ自分の手を見つめており、ややあって顔を上げて彼方を見やる。
「おい、孫?なんか、変わったのか?」
「ん?ああ、まあな」
「あっさりしとるのう」
あっけらかんと言った悟空に、カリンは拍子抜けした様子で言った。
悟空としては二度目の感覚だ。体中からパワーが満ちてくる。そのくせ、心は静かだ。研ぎ澄まされている、とでもいうべきだろうか。
もちろん、強くなれたのは喜ばしく、興奮もしているが、これからのことを思えば悠長にしていられない。
今なら、ピッコロ大魔王に勝てるか?
・・・どうだろう。もし、奴があの紫色の光をまとってパワーアップした状態になったら、かなり危ういと言わざるを得ない。
この二度目の世界は、どこかおかしいのだ。自分の記憶と知識を過信するのも危険なのかもしれない。
だが、だからと言って、このままでいいわけがない。ピッコロ大魔王は、倒さなければならない。
そのまま悟空は、手すり越しに見える雲の向こうを見やった。
引き出されたパワーによって、気の感知能力も引き上げられたらしい。あの彼方に、ピッコロ大魔王がいる。
「あっちにピッコロ大魔王がいる。
オラ、あいつをやっつけに行く。今度は大丈夫さ!」
不敵に笑った悟空に、カリンはうなずいた。
「うむ。ワシもおぬしに賭けてみとうなった!がんばれ!」
「ああ!
ヤジロベーはどうする?一緒に行くか?」
「じょ、冗談じゃねえ!お、オレは早死にはごめんだぜ・・・!」
悟空の問いかけに、ヤジロベーが慌てて首を振る。
「そっか。じゃあな!
カリン様!いろいろありがとう!じゃ、行ってくる!」
そう言い残し、悟空は広場に設置されている手すりを飛び越えて落下しながら叫んだ。
「筋斗雲よーい!」
飛んできた金色の雲が悟空を空中で抱きとめる。
悟空はその上に立ち上がると、そのまま筋斗雲を東に向けた。
目指すは中の都のキングキャッスルだ。
なお、筋斗雲を見て本来の目的を思い出したヤジロベーはカリンにそれをねだったところ、多分お前には無理と一言のもとに拒否された。
夜明けは、目前だった。
中の都のキングキャッスル、その会見用の大広間だ。
青ざめた顔で震えながら機材の準備をするテレビスタッフ。無念極まりないという顔をしている国王――否、元国王、というべきか。同じように沈痛な面持ちの国防軍人の側近をしり目に、用意した紫の玉座にどっしりと座るピッコロはご満悦だった。
さあ!悪に満ちた素晴らしい世界の始まりだ!
法律などいい子ちゃんのおためごかしにすぎない!警察なんてうっとうしい!そんなものは撤廃だ!正義などクソくらえよ!欲のままに生き、争い合え!奪え!殺せ!
元国王が、力なくマイクを手に、記者会見の席に着いて挨拶しようとした時だった。
轟音とともに壁がぶち抜かれ、飛び散る瓦礫ともうもうたる埃を伴いながら、小柄な少年が現れた。
左右にはねた黒髪に、黒い瞳には闘志をたぎらせ、山吹色の道着をまとい、背中に丹塗りの棒を背負った、猿のような尻尾を持つ少年だ。
「?! 貴様?!」
「見つけたぞ!ピッコロ大魔王!」
少年――悟空の怒声に、ピッコロ大魔王は玉座から立ち上がりかけるが、すぐに余裕綽々の笑みを浮かべて座りなおした。
「こいつは驚いた。確かに息の根を止めたはずだったがな」
「オラは運がいいんだ。・・・やっぱし若返ったか」
「その通りだ。
わかるか?この前貴様をコテンパンに伸した相手がさらに圧倒的なパワーを身に着けたということだ」
「だから何だよ。
オラもパワーアップした。今度は負けねえぞ」
「ふん。身の程知らずめ。いいだろう。少し、遊んでやろう」
ピッコロ大魔王の言葉を皮切りに、はっと我に返ったのは元国王だった。
「い、いかん!少年!逃げるのだ!」
「陛下!他のものたちも避難を!」
側近が叫ぶ元国王の腕を引っ張って、演説台から引きずり下ろし、他のものにも避難を促す。
「誰が逃げていいと言った?!」
ピッコロ大魔王がそう言って右手を持ち上げようとした。
見せしめに手近な人間(元国王にはまだ利用価値がある。それ以外の者だ)を殺そうと気弾を放とうとしたが、それより早く少年の靴底がピッコロ大魔王の視界いっぱいに広がった。
少年――悟空の放った飛び蹴りが、ピッコロ大魔王の顔面に食い込んだのだ。
ピッコロ大魔王は完全に悟空を舐めて見下していた。一度完勝した相手である。さらに、自分は若返ってパワーアップしたのだ、どうせ大したことはできまい、と。
ピッコロ大魔王は悟空から例え一瞬でも目を離すべきではなかったのだ。
ピッコロ大魔王は玉座を粉砕し、そのまま背中から壁を突き抜けてスタジオの外に吹き飛ばされた。
「みんな逃げろ!」
言いながら悟空は、ピッコロ大魔王の後を追って、壁に空いた穴から外に飛び出した。
その声に促されるように、おろおろしていた人々は正反対の方向に逃げる。
「すまない!少年!」
「陛下!お早く!」
叫ぶ元国王を引きずるように側近が連れて逃げていくのをよそに、瓦礫に突っ込んでいたピッコロ大魔王が立ち上がり、身構える悟空と対峙する。
「陛下!」
参謀魔族のピアノは、悟空が飛び出した穴から身を乗り出しながら逡巡した。
逃げ出した元国王たちをとらえるべきか、あの小僧と向き合ったピッコロ大魔王様をお助けするべきか。
下手な手出しは大魔王様の実力を疑っているというようなものだ。となれば、逃げた元国王をとらえるべきか。奴にはまだ利用価値がある。
そして、ピッコロ大魔王様の勝利は間違いないのだ。
そう判断したピアノは「逃げた元国王をとらえてまいります!」と一声かけて踵を返す。
ピアノはタンバリンやシンバルのように戦闘技能には秀でていないが、舞空術を使えるぐらいの能力はある。誇り高い魔族の一員が、たかが人間をとらえるなど、造作もない。
さて、悟空が知らない方面を少し補足しておく。
この世界では、悟空はピッコロ大魔王によって負傷したが、傷は仙豆で癒し、壊されなかった筋斗雲でカリン塔に直行できた。
このため、前の世界ではヤジロベーのエアカーで聖地カリンに到着し、ヤジロベーがカリン塔を上る時間を短縮してしまったのだ。
さらに、これによって超神水を飲み始める時間が早まってしまい、天津飯の魔封波の修練が完了する前に、悟空はパワーアップが完了してしまった。
連鎖的に、ピッコロ大魔王による新政策交付――国王交代と警察の廃止、悪人への悪行の促進、毎年5月9日に世界の43地区のどこか一か所をくじ引きで決めて吹き飛ばすことなども発表される前に、悟空が乱入し、ピッコロ大魔王との戦闘に突入してしまったのだ。
つまり、天津飯は現在、ジェット機の中でラジオによる緊急放送と、仲間たちの通信を聞きながらキングキャッスルへ直行している真っ最中である。
国王からの緊急記者会見があると言ってたところに、急にスタジオが騒がしくなり、速報が入る。
中の都のキングキャッスルがピッコロ大魔王に占拠され、国王の交代を迫られたこと。
記者会見の直前に、突然尻尾の生えた黒髪の少年が乱入し、ピッコロ大魔王との戦闘に突入したこと。
カメハウスにいるほかのメンバーたちは、一瞬テレビカメラに映った悟空の姿を中継で目撃し、ゴクウ!と喜びの声を上げるギネをよそに、不安と心配が尽きない。
そして、中の都の市民に避難を呼びかけるアナウンサーの声に、天津飯はジェット機を操縦しながら歯噛みした。
尻尾の生えた黒髪の少年。その特徴に、天津飯はとっさに思い至ってしまった。あの少年――孫悟空だ、と。殺されたところを目の当たりにしたわけではない。つまり、生きていた。
だが、天津飯は確信していた。
悟空では、ピッコロ大魔王に勝てない。魔封波でも使わなければ、あんな奴には勝てっこない!
早まるな、孫!
天津飯!急いで!孫君を助けて!という仲間たちの声に背を押されるように、天津飯はジェット機を飛ばした。
天津飯が死んでも、ドラゴンボールで生き返らせられる。これ以上、勝ち目のない戦いで犠牲が出る前に、なんとしてもピッコロ大魔王を止めなければ。
だが、天津飯はそんな仲間たちに、絶望的な問いかけをした。
神龍はピッコロ大魔王が殺した。それでも、ドラゴンボールはもう一度使えるのか?と。
希望の宝玉が打ち砕かれた。
そんな・・・。もうめちゃくちゃだ。どうすればいいんだ。
青ざめて頭を抱え込む一同をよそに、ギネは一人顔をゆがめていた。それはどこか、悲しげであり、同時に誇らしげだった。
勝ち目のない戦いに、一人で赴く戦士。スケールこそ違えど、確かに悟空もまたサイヤ人なのだと、確信できるようだった。
本当はギネも助けに行きたかったが、彼女はそれをこらえた。
天下一武道会の直前、武道会が終わったら3年は戻ってこれないと言ってきた悟空は、ギネを見上げながら強い目で言ったのだ。
『これはオラの戦いだ。母ちゃんは手を出さないでくれ』
天下一武道会のことかと思っていたが、ピッコロ大魔王とのことだったのかもしれない。
どうか、息子が無事に勝ちますように。
ひそかに、ギネはそう祈った。サイヤ人らしくもなく。
話を戻して現在、悟空とピッコロ大魔王は対峙していた。
「ふん・・・貴様がどの程度か、試してやろう」
言うや、ピッコロ大魔王は喉を膨らませ、何かを吐き出した。
「いっ?!」
ぎょっとする悟空は、吐き出されたものを見る。卵だ。緑色の粘液に濡れた一抱えほどの卵は、次の瞬間、ひび割れて孵化する。
出てきたそれは、あっと言う間にその体躯を風船のように膨らませた。緑色の体躯。羽こそないが、シンバルやタンバリンにどこか似た風貌を持っていた。
「お前の名はドラムだ。我が魔族の戦士の強さを思い知らせてやれ」
「お前ぇ、卵ってそうやって作ってたんか・・・」
こちらをにやにやと見降ろすドラムに、気味悪そうな顔で悟空はうめいた。
前の世界でも悟空は、ピッコロ大魔王が卵を吐くところは見たことがなかった。この二度目の世界で初めてだったのだ。
最後の分身(悟空の仲間となるピッコロ)を作るところでさえ、悟空は満身創痍で背後のピッコロを振り返る気力すらなかったのだから。
あんな気色悪い光景だとは思わなかった。
ともあれ。悟空は改めてドラムを見据えた。だが、一目でわかった。
こいつは、相手にならない。
「お前ぇは相手にならねえ。降参しろ」
「ああん?」
一応、悟空は忠告した。無駄な殺しを嫌い、心優しい――悪く言えば甘い部分が出たのだ。
ドラムとは戦うだけ無駄だ。無駄な殺生はやりたくない。前の世界のドラムは、天津飯を殺そうとしていたが、この世界ではそれがない。
ゆえに悟空は一声かけたのだ。たとえ無駄骨に終わるだろうとわかっていても。
「ふん。大口を叩きよるわ。ドラム、やれ!」
「ハッ。ケケェェェッ!」
ピッコロ大魔王の命令に、ドラムは残像拳交じりに飛び掛かってきたが、悟空にはお見通しだった。
振り返りざまに膝蹴りを一閃。
背後から奇襲をかけようとしていたドラムの脳天に、見事にめり込んだそれは魔族の頭蓋をぐしゃぐしゃに潰し、そのまま吹き飛ばす。
哀れなドラムの亡骸がキングキャッスルの庭を汚すのをしり目に、悟空はすでに視線をピッコロ大魔王に向けていた。
その表情には闘志と険しさしかない。
「やってくれたな・・・」
ピッコロ大魔王はニヤニヤという嘲弄の笑みを消し、面白くなさそうな顔で悟空を見やった。
「死に損ないの癖に、性懲りもなくこのピッコロに逆らうとは・・・」
一目でわかったのだ。目の前の小僧は、どういうわけか以前殺そうとした時とはレベルが違っている。
若返ってから作り出したドラムは、タンバリンやシンバルとは段違いの強さを持たせていたはず。それをたったの一撃で仕留めたのだ。
だが、それだけだ。このピッコロに逆らうことがどれほど愚かか、一度痛めつけてやったというのに、この小僧は全く理解していなかったらしい。
こういう度し難いものは、どこにでもいる。そして、例外なく死んでいくのだ。ピッコロ大魔王が、そうしてきたように。
「そうさ!オラはこんなところで死ぬもんか!お前ぇを打っ倒す!」
言い放って、悟空はピッコロ大魔王をにらみつける。
「このピッコロ様をぶっ倒すだと?」
悟空の言葉を聞いて、ピッコロは嘲るように口の端を持ち上げた。
「フンッ。身の程知らずめ。まだよくわかっておらんようだな。
この前よりもパワーアップしたことを・・・」
言いながら、ピッコロ大魔王は一歩踏み出す。
「新国王はガキのたわごとに付き合っている暇はないんだ。
これから全世界に向け、新政策を公表せねばならんのだからな」
言いながら、ピッコロは悟空の前に立った。
「たったの5秒で貴様の息の根を止めてやる!」
言い放って、ピッコロ大魔王は手刀を振り下ろした。
悟空はそれを軽々と、身動きもせずに受け止めた。
一瞬ピッコロはぎょっとしたが、続いて反対の手で拳を繰り出した。
悟空はそれをも受け止め、次の瞬間その手を担いでピッコロ大魔王の巨体を投げ飛ばしていた。
ピッコロ大魔王は中の都の建物を破砕しながら地面に突っ込まされるが、ほぼ無傷で立ち上がった。
だが、その額には青筋が浮かんでいる。
2度だ。老いていた時はともかく、2度、このピッコロ様がこの小僧に地に着かされたのだ。オノレ!オノレ!絶対に許さん!
「とっくに5秒経っちゃったぞ!」
不敵な悟空の言葉に追い打ちをかけられたピッコロ大魔王は立ち上がり、瓦礫を吹き飛ばして飛び上がると、急降下して悟空に気弾を放つ。
悟空はそれをよけて飛び上がる。
ピッコロはそれを見てにやりと笑うと、着地ざまに光弾を放った。
悟空はそれを両手を交差して防ぐと、反動で吹き飛びながらも、建物の一部から出ていた旗の掲揚のためのポールに掴まり、くるりと一回転してそのまま宙返りしながらスタッと着地して見せた。
それを見てピッコロ大魔王はさすがに言葉を失った。
確実に痛めつけられると思ったのに、大したダメージにもなっていない。
悟空は無傷のまま、地面に降り立っている。
「覚悟しろ!今度はこっちの番だ!」
わずかにうろたえるピッコロ大魔王に、悟空は身構えながら言った。
「こっちの番?このピッコロ様に攻撃だと?」
ピッコロ大魔王は、そんな悟空を鼻で笑った。
一度完勝して息の根を止めた死に損ないが、何か偉そうなことを言っているのだ。笑わずにはいられなかった。そして同時に、腹立たしさもまたこみあげてきた。
「ガキが調子に乗りおって!本当のオレ様の
だが、悟空は動じなかった。
死なせないと誓ったクリリンも、亀仙人も、
ピッコロ大魔王のせいで。こいつを生かしておけば、他のものたちが大勢死ぬことになる。苦しみ続けることになる。
ピッコロ大魔王は、倒さなければならない。
悟空は拳を握りなおし、改めてピッコロ大魔王をにらみつける。
一拍の沈黙ののち、悟空は動く。
文字通り目にもとまらぬ勢いでピッコロ大魔王に飛び掛かり、その右ほおを殴り飛ばしたのだ。
よろよろとピッコロ大魔王が立ち上がる。
「ぬ・・・ぐぐ・・・ぐ・・・ゆ、許さん・・・!」
吐き捨てたピッコロ大魔王のこめかみには、太い青筋が浮かんでいた。
ピッコロ大魔王は地を蹴って悟空目がけてとびかかる。
繰り出された左の手刀を悟空はかがむようによけ、そのままピッコロ大魔王に足払いを繰り出すが、ピッコロ大魔王は両手を地面に着けてばねのように飛び上がり体勢を立て直す。
悟空もまた足払いの勢いを地面を蹴って反転することで殺し、そのままピッコロ大魔王に再度攻撃を仕掛けようとした。
今度はピッコロの足が悟空の腹に食い込んだ。リーチの差が出たのだ。
悟空はのけぞり地面に倒れそうになるが、体をひねって三度地面を蹴り、勢いをつけてピッコロ大魔王の胸に回し蹴りをたたき込む。
ダメージにうめいてピッコロ大魔王が胸を押さえてよろめくすきを見逃さず、悟空はさらに追撃を仕掛ける。
着地からさらにピッコロ目がけて飛び込み、その胸に拳の連打をたたきつける。トドメに蹴りであごを蹴ってやるのも忘れない。
反動で間合いを取って着地する悟空をよそに、よろけるピッコロ大魔王はしかし、口元の紫の血をぬぐって、姿勢を立て直す。
「ふ・・・ふふふ・・・。
やってくれたな・・・。
このピッコロ様のプライドをこれほどまでにキズつけた奴はお前が初めてだ・・・」
「思いっきり来いよ!ピッコロ大魔王!
悟空の言葉に、ピッコロ大魔王は内心感心した。
この小僧、自分が全力を出していないと気が付いていたのだ。
フルパワーで戦うと寿命が縮む。せっかく若返ったのだから、できればそれは避けたかった。だが、そうも言っていられない。
あの最初に戦った時のような、原因不明のパワーアップに縋れるほど、ピッコロ大魔王は能天気でも博打屋でもなかったのだ。
全身全霊全力をもって、目の前の小僧・・・否、敵を叩き潰さなければならない!そう判断したのだ。
ピッコロ大魔王は気を高め始めた。
だが、それは悟空も同じだった。全力で、全力のピッコロ大魔王を倒す。
パワーアップを終えたピッコロ大魔王は、軽く左手を一振りした。発生した衝撃波に、悟空は一瞬怯む。
だが、その口元には好戦的な笑みが浮かんでいた。
孫悟空の死闘を尻目に、人々は少しでもピッコロ大魔王から離れようと懸命に逃げていた。
側近たちは国王を隠していたエアカーに乗せ、逃亡を図ろうとした。
だが、そこにピアノが追い付いてきた。
「どこへ行くのだ?まだ貴様の役目は終わってないのだぞ?」
エアカーの前に立ちはだかり、余裕をもって言い放つピアノは、次の瞬間横から放たれた金色の極光に吹き飛ばされた。
どどん波を放った人差し指を下ろした天津飯は、開かれたままのジェットフライヤーのカバーをそのままに、ひらりとそこから飛び降りる。もちろん、片手には魔封波用の電子ジャーは忘れない。
「あ、あなたは・・・?」
「ここは危ない。早く避難するんだ!」
半ば呆然としていた側近たちと国王は、天津飯に叱責されるとはっと我に返ったような顔をした。
「だ、だが、君は?!それに、あの少年が戦っているのだ!」
「孫は俺が助ける!だから早く逃げろ!」
国王の言葉に天津飯は素早く三つ目を轟音のする方へ向ける。
見えないが、音からするに孫悟空とピッコロ大魔王はまだ戦闘中らしい。
「孫!今助けに行くぞ!」
そういって天津飯は駆け出そうとした。
だが、あらぬ方向から飛んできた紫色の光弾が、天津飯が持っていた電子ジャーを粉砕する。
「クッ、フッ、フフ・・・!
その電子ジャーには見覚えがあるぞ・・・!あの爺の持っていたものだ!奴の仲間だな?陛下にたてつこうとは、身の程知らずめ・・・!」
よろよろとがれきの中から這い出てきたピアノが笑いながら言った。
「陛下・・・申し訳、ございません・・・!」
だが、そこで限界だったらしい。ピアノは体をふらつかせると、そのまま倒れ込んでこと切れてしまった。
「電子ジャーが・・・!」
持ち手から下が粉々になったそれを見て、天津飯は悔し気に顔をゆがめた。
なお、天津飯は気が付いていなかったが、魔封波の修練で何度か地面に打ち付けて転がったそれはすでに傷がついて割れてしまっていたので、封印具には使えなくなっていた。このため、壊されても実は大差なかったりする。
天津飯は持ち手を投げ捨て、悟空がいるだろう方へ顔を向けた。
今から封印具を用意しなおすこともできない。封印具には専用の札を張るか、あるいは封印具に直接文字を刻んでおく必要があるのだが、天津飯はその作り方を知らない。
つまり、魔封波は使っても意味がなくなってしまったのだ。
だが、それでも。
天津飯は友人にして好敵手たる少年を救うべく、駆け出した。
続く
※逆行悟空の特徴その12
超合理主義者なので、ドラゴンボールで蘇生可能な仲間の救助よりも自身のパワーアップを優先した。でぇじょうぶだ、ドラゴンボールがある。
ヤジロベーとのけんかフラグから始まる彼とのイベントがほとんどなくなってしまったので、かかわりが薄くなってしまった。
さらに壊されてなかった筋斗雲やベストコンディションのままのカリン塔到達のため、超神水の飲み始めが正史と異なり、このためもろもろのタイミングがずれてしまった。が、本人はいたって気にしていない。そんなことは知らん。
ピッコロ大魔王は、倒さなければならない。
ドランゴンボールDAIMAは、未視聴なので、そこら辺の設定はいかせてません。申し訳ないです。
1話分の文字数はどのくらいがいいですか?
-
1万5千字前後(現在)
-
1万字(短く)
-
2万字(長く)
-
5千字(もっと短く)