ガンダムビルドファイターズ《刃》ーブレイドー   作:オウガ・Ω

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閑話 Project《T.A》

●月×日

 

 

アクション商事

 

 

 

 

 

 

コイツはオレ、ヒロシ・サーシェス・テスタロッサが日本に存在したガンプラマフィアの研究施設からほぼ無傷で回収できたデータだ

 

 

厳重に幾重にもかけられたプロテクトを解除するも一部に破損が見られるが復元してみると画像データと共に経過記録らしいモノをサルベージできた

 

 

ガンプラマフィアの中で過激な思想をもつ宇宙ガンプラファイターXが進めていた計画だと判明し、ウィルス対策と攻勢防壁を展開し開示して最初にみたのは無数のシリンダーが並び、受精卵?が青みがかった光《プラフスキー粒子》を浴び急速に胚核分裂し瞬く間に十歳前後の少年達が浮かぶのを見てオレはわかった

 

 

ガンプラマフィアは国際的に禁止されている《ヒト》クローン製造を行っていたのだ。顔はよく見えないがシリンダー内に伸びたヘッドギア型マスクが隠してしまったから判別ができなかった

 

 

サルベージしたファイル名《T.A.series》……施設崩壊数時間前までの詳細な記録と共に撮されたのは様々なケーブルが伸びたヘッドギアをかぶるシリンダー内にいた少年が椅子に座らされている光景だ

 

 

 

閑話 Project《T.A》

 

 

 

 

 

ー◆◐月◆◐日。T.A-01へオリジンの記憶転写開始《ダウンロード》するー

 

 

ー…………あ、あああ!えああ!!Aggggggg…◆§ー

 

 

ー…生体反応無し…ダウンロード失敗……T.A-01を廃棄、T.A-02のニューロシナプシス及び海馬強化後にダウンロード実験を再開するー

 

 

 

椅子に繋がれたまま口から血泡を吹き出し事切れた少年を運び出していく……次の映像が始まる

 

 

 

ーTA-13に記憶転写成功《ダウンロード・コンプリート》……自我形成を幼児に固定、生体反応良好……ガンプラ製作訓練に移行するー

 

 

 

ーガ…ンプ……ラ………がんプら?ー

 

 

 

ー…………検査の結果、自我形成及び製作技術知識の転写不具合を確認、《処分》するー

 

 

不思議そうに首を傾げる顔を覆い隠すヘッドギアをつけた少年の首筋にアンプルが装填された薬液注入銃が充てられ乾いた音が聞こえ瞬く間にマスクの隙間から血を吐き出し悶え床をのたうち回り研究員の白衣を握りしめながら動かなくなった

 

 

それから延々と連れてこられ少年達が処分されていくのが流れていく…俺は怒りで頭が沸騰しそうだった…だがガンプラマフィア、宇宙ガンプラファイターXが進めようとしている計画を知るために敢えて堪え拳を握り締め見続けた

 

 

奴らはクローンとして産み出した少年達を用いてナニかをたくらんで、さらには記憶転写する事に異常にまで執着してるのがわかる……

 

 

 

ー●月×日、TA-22に記憶転写成功、自我形成をオリジンの記憶採取時と同じ年齢にした事が成功につながる………ガンプラ製作技術はオリジンど同等。懸念材料として自我が強くたびたび反抗的な思惟を見せ工具で切りかかってきたー

 

 

ーうわあああ!ボクは……るんだ……か……ちゃ………って…ー

 

 

 

ー麻酔を打ち沈静化後、上への判断を仰いだ結果、《処分》が下され先ほど処分完了した………《TA-23》は《TA-22》と同じ時期に製作したため反抗的因子を廃した調整した上での《記憶転写《ダウンロード》》を急がせるー

 

 

 

 

ー◐月◆◐日、ラストロット《TA-23》に記憶転写。心理テストをおこない脈拍、各種脳内物質検査を行いながらガンプラ製作テスト開始、瞬く間に組み上げかつ改良、粒子対応工作もすべてオリジンに匹敵、精神面にも異常なし……ガンプラバトルにおいても高いファイター資質を備えている事がわかった…計画は成功を収めた。得られたデータを用いて量産するだけだー

 

 

 

 

ヘッドギアと一体化したマスクを被らされたTA-23と呼ばれた少年のガンプラ製作技術、バトル技術は俺の目から見ても高すぎる……何よりあの戦い方はどこかで見たきが…しかし場面が移り変わり喧騒が響き渡った

 

 

ーTA-23が脱走しただと!………さがせ!出なければ宇宙ガンプラファイターX様に消される!!ー

 

 

ーTA-23はどうやら前々から経路を確保していたみたいです。それにTA-23、TA-22の生体コードが施設内に現れて掴めませんー

 

 

 

ーTA-22?まさかTA-23を逃がすために……探せ!生きたまま捕まえ………ー

 

 

 

それを最後に声と映像は途絶え砂嵐が走る……日付は3ヶ月前、爆発事故が起きた日に重なる

 

 

ガンプラマフィアの施設から逃げ出したTA-23はナニかを知り逃げ出したに違いない……

 

 

 

「ふ~今回の件は根っこが深そうだ……」

 

 

 

チーム・シャッフルも動いてくれてるが宇宙ガンプラファイターXは目的の為なら卑劣な手を好んで使う、国際ガンプラ委員会も足取りを掴む為に必死にローラー作戦を展開してるが奴が日本、サエグサ模型店で開かれている大会の優勝景品カレトヴルッフを狙い現れた……鍵を握るのは行方をくらましたTA-23と呼ばれる少年……何とかして奴より先に見つけ保護しなければいけない。背筋を伸ばしながら俺はモニターを閉じオフィスからでるとサエグサ模型店がある場所へ車を走らせた

 

 

 

 

閑話 Project・《T.A》

 

 

 

 

 

 


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