ガンダムビルドファイターズ《刃》ーブレイドー   作:オウガ・Ω

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「できました!先生!!」

ようやく組み上がったガンプラ、アストレイレッドフレームを先生に見せる。先生はジイって見ながら、しばらくしてゆっくりと目を閉じ静かに口を開いた


「スミ入れ、合わせ目消し、追加モールド…見事だ、良くぞここまで精進したな……」


「あ、ありがとうございます!」


「しかし、己の心を形作る武器が無いようだ……このままでは完成とは言えぬ。」


「己の心を形作る武器?何なのですか?先生!」

「喝!タカヤよ。己の心を形作る武器は己自身しか知らぬモノ、私に聞いたところで何の解決にもならぬわあ!」


一喝され、僕は考える………己の心を形作る武器…僕の心…


この時の僕は、僕自身の心を形作るモノが、まだ何もわからなかった…





第三話 星光と雷刃(前編)

「あ、あの……いいんですか?一泊させてくれたのもですけど、朝食までいただいちゃって」

 

 

「いいのよタカヤ君。昨日はガンプラバトルで疲れていたんだから、しかも相手は世界ランカーのフェリーニだったんだし、倒れるのは仕方ないわよ~」

 

 

明るくポンポンと話すのは、中島さんのお母さん……クイントさん。昨日、疲れて倒れてしまった僕を介抱し、泊めてくれた優しい人で

 

 

「…………(ゴゴゴゴゴ!)」

 

 

アーマーシュナイダーで突き刺すような視線を送るのは、ナカジマホビーの大黒柱。中島ゲンヤさんがジイイッッとみている……ま、まだアレを誤解してるの!?

 

「あ、あの…ゲンヤさん……僕はノーヴェさんをキズモノにしていませんから…」

 

「…ほう、ウチの娘の名前を呼び合う仲のクセにシラをきるのか…娘はわたさん、わたさんぞ!!」

 

 

…や、やばい逆効果になっちゃった!それに背中に娘ラブだけど顔はぜんぜん似ていないドズル・ザビさんの姿が見えるんですけど!?

 

「いいかげんなさい!アナタ!!」

 

 

「ビグザム!?」

 

 

見事な手刀が首に決まりガクッとするのを抱き止めたクイントさん…

 

「まったくもう…ゴメンねタカヤ君。ウチの人ったら娘のことになるといつもこうなの。でも悪い人じゃないから安心してね…さあ食べましょうか?」

 

少し奥まった場所にある椅子にゲンヤさんを座らせるとテーブルに向かい座ると、みんな席についている

 

「おはようタカヤ君。よく眠れた?」

 

「は、はい」

 

「うむ、元気で何よりだ」

 

「さあ、はやく食べるッスよ。タカやんは学校があるンッスからね」

 

 

「あとで私が送るから、少しゆっくりできるからね」

 

「あ、ありがとうございます。えと……あのノーヴェさんは?」

 

 

「ノーヴェ?ああ、先に学院に行ったわよ…珍しいな~寝坊なノーヴェが朝早くに家をでるなんてね……」

 

 

「そうですか…」

 

もう先にいったんだ…壊した天の修理がドコまで進んでるのか聞きたかった。天ミナを作ったギンガさんに持ち帰って修理してからお返ししますと聞いたら、「ありがとうね~タカヤ君。じゃあ直ったらノーヴェに渡してくれる?あ、連絡先知らなかったんだね。はい、コレがノーヴェのメルアドとTELね」って教えてくれた

 

なんか用意がいいな…でもせっかくだし登録しとこう。学生手帳にメモし終え、みんなでいただきます言ってから箸をとり食べ始めた…でも皆が僕をジッと見てる。何か粗相したかな?

 

 

(タ、タカやん。すごく食べるんッスね……スバルとノーヴェ、ギンガ姉とタメ張れるッスよ!)

 

 

(でもさすが男の子ね~将来、ウチを継いでくれるとうれしいわね~)

 

(……将来の義弟くんか…ノーヴェも気になってるみたいだし、よし!お姉さんが妹の為に協力しなきゃね!)

 

 

(だがノーヴェは素直になれないからな…今朝早くでたのもあんな事があって顔を会わせつらかったからだろう……ならば!姉が全面的に恋のバックアップをしてやろう!)

 

 

という思惑に気づかずタカヤがモクモクと三杯目のご飯お変わりを言った頃、ノーヴェはと言うと

 

 

「……見られた…あたしのお気に入りを……」

 

 

サマーセーターに紺のスカート、ぴっちりと両脚を黒のオーバーニーに包み歩く制服姿の少女。ナカジマホビーの美人姉妹の末妹《中島ノーヴェ》…しかし様子がおかしい。昨日のナカジマホビー工作室血塗れ事件が原因だった

 

(うう~あんな姿見られたし、あたしのあ、あ、ア、アソコに顔を………だ、ダメだ、顔を会わせらんないだろ!っうか、近いうちにあたしとガンプラバトルやりに学院か家に来るだろうし……ああ~どうしたらいいんだよ!ああ、わかんねぇ…でも会えなくなるのイヤだし………はあああああ)

 

昨夜の事を思い出し、頬を赤く染め悩むノーヴェの心のため息は誰にも届かない…ただ本人の知らない所で母クイントと姉達のくっつけちゃおう作戦が始まった事にまだ気づかなかった

 

 

第三話 星光と雷刃(前編)

 

 

「アレ?今日は開いてるんだ」

 

ギンガさんに学院に送って貰って、授業を終え寄り道をして帰る途中、サエグサ模型店の前を通った僕の目に《OPEN》と言う文字が目に入った。迷わず店内に入るとカウンターへと歩いてく。パソコンの前で納品チェックをしてる、僕に気づいたのか手を止め顔を上げた

 

「あ、タカヤ君。ひさしぶりね」

 

 

「お久しぶりです…………って二、三日前に会ったばかりじゃないですかミツキさん」

 

 

「あら、そうだったかしらん♪今日はどうしたの、ツバキとツバサなら、ユウとお買い物に行ってるわよ?」

 

「そうなんですか…あ、コレを二人に」

 

「あら、コレって《エンジェルハイロウ》の限定スイーツ《天使の輪》じゃない。よく手には入ったわね~」

 

「え、まあ…店長さんと少し知り合いなんで…あ、バトルルームって今開いてますか?」

 

 

「もちろん開いてるわよ…もしかして完成したのかしら?」

 

 

「はい、アストレイ・ブレイドの現時点での完成形…アストレイ・ブレイド《盾無》装備です」

 

 

専用ケースから真紅のカラーに染められたアストレイブレイド《盾無》を置くとミツキさんが目を輝かせ隅から隅まで見て、ゆっくりと椅子に腰掛けた

 

「関節の強化に、スミ入れと塗装もしっかりしてるわね。それに肩に付いてるコレは《ーーーーーーーー》でしょ?」

 

 

な、何で気づいたの?僕の反応をまるで楽しんでるように笑いながら、エンジェルハイロウのスイーツの箱を手に奥へ向かうミツキさん。とにかく、バトルルームにいこうと歩き出し、入り口に入ろうとしたときだった

 

「ちょっと待ったあ!」

 

声が響きわたった。振り返ると水色のパーカーにハーフパンツ、帽子を深々と被った同い年ぐらいの男の子

?が割り込んできた

 

「え、な、なに?」

 

「…キミ、ファイターだよね?ならスッゴく強くて速くてカッコいいスーパーファイターのボクとガンプラバトルで勝負だ!!」

 

 

「は、はい?」

 

ビシッと指を指しながら自信満々に僕に勝負を申し込んできた男の子の言葉が店内に響いた

 

 

★★★★★★★★★★

 

 

「ああ~暇だな……いきなり部活は休みになるし、折角、オレのアルビオンガンダムのデビュー戦できると思ったのにな~」

 

 

「そうだね……あのトオルくん。今度でいいんだけど、わたしのガンプラみてくれるかな?」

 

 

「ヴィヴィオのガンプラできたのか?ベースは何にしたんだ?」

 

 

「それは秘密だよ~トオルくんのガンプラとバトルするまでね♪」

 

 

「あ、ずるいぞ、それ」

 

学院からの帰り道を歩きながら聞いたんだけど悪戯っぽく笑いながら返すヴィヴィオ。小等部からのつき合いだけど、こういう顔すっ時は必ずスゴいのをやるからな…ま、その時までの楽しみにしとくかな。しばらくして、従姉妹が遊びに来るから迎えにいくって言うと、そのまま別れた…今日は暇だし久し振りにゲーセンに向かう

 

目的はもちろん、ゲーセン内にあるガンプラバトルルーム…オレが住む街にはかなりのファイターがゴロゴロいる。模型店とかが近くに無いと必ずココへガンプラバトルに興じる奴らがいる

 

ファイターとしての技術と経験を積むなら、こういう野試合形式がちょうどいいしな…それに、この街に世界ランカー、イタリア代表リカルド・フェリーニが現れたって噂がある。もしかしたら戦えるかもしれない、そう思うとワクワクしながらバトルルームが置かれているエリアで信じられないモノをみた

 

 

「オ、オイ、コレで十人目だぞ?」

 

「あ、あんなファイターがこの街に居たのかよ」

 

 

ざわざわと声が上がる。湧き上がる声や視線に気にもとめず全身を黒く染め上げ、赤いラインが入ったガンダムX?が後継機であるガンダムDX、エアマスター、レオパルドを正確無比なサテライトキャノンで釣瓶落としのように撃ち抜いていく光景…やがてバトル終了をつげる音声が響く…コンソールにいるファイターをみて驚いた。真っ黒なワンピースに黒のチョーカー、栗色の髪を肩あたりで揃え、やや冷めた瞳で撃破したガンプラを見下ろすの女の子はオレと同年代、少し上ぐらいだ

 

「…ココには強いファイターが集まると聞いたのですが、この程度のしかいないんですね…期待はずれでした」

 

 

感情の籠もらない声と落胆した目に誰も声をあげようとしない。でも今の言葉だけは我慢できないな…人だかりをかき分け意気消沈し撃破されたガンプラを握るファイターに近づいた

 

「なあ、アンタ、オレと代わってくれ…」

 

「…あ、ああ」

 

顔を俯かせながら、うなずくとGPベースをはずし後ろへ下がったのをみて、鞄からオレのGPベース、そしてアルビオンガンダムをケースからとりだし突きつけるようにかざした

 

 

「………今度はアナタがワタシの相手をしてくれるのですか?」

 

「ああ、最初にいっとくけどさ、オレはかなり強いからな」

 

 

「…………威勢だけはいいのですね…その言葉をそのまま返させていただきます…さあ、始めましょう」

 

 

「「ガンプラバトルを………」」

 

 

声が重なると同時にプラフスキー粒子がバトルシステムに散布、フィールド形成がはじまる……名前は知らないけどさ、さっきの言葉はかなり頭にきた。絶対にアンタを倒す!

 

《Beginning[Plavesky.particle]dispersal.Fiard5,city》

 

荒廃した都市部が広がるのフィールドを前にしガンプラ《アルビオンガンダム》を取り出し、セット。発進

口内で瞳に光を灯し、前傾姿勢で構える

 

 

「トオル・フローリアン、アルビオンガンダム!」

 

★★★★★★★★

 

 

サエグサ模型店、バトルルーム

 

「ボクの準備はできたよ!君も早く用意するする!」

 

 

「う、うん……じ、じゃあ…アストレイ・ブレイド《盾無》!秋月タカヤ。いざ、尋常に……………」

 

 

 

……結局、半ば強引にガンプラバトルをする事になった。でも勝負を挑まれたら正々堂々と戦う事こそビルダー、ファイターの矜持と先生から教わった。ならば受けるしかない。GPベースをセットし終えた深々と帽子をかぶった男の子の催促する声を聞きながらセット、真紅の鎧武者と見間違える様な出で立ちのアストレイ・ブレイド《盾無》を置く。プラフスキー粒子の光が輝き、瞳に光が宿る。前屈みになりスラスターを展開し構えた

 

「それがキミのガンプラか~でもボクのガンプラ、《デスサイズ・スラッシュ》はもっと強いんだからね♪じゃあいくよ!…デスサイズ・スラッシュ………」

 

 

 

★★★★★★

 

 

《《BATTLE START》》

 

 

「「ゴオッ!/参る!」」

 

 

…同じ時、サエグサ模型店、ゲーセンで新たな世代、ニュージェネレーションズの戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

第三話 星光と雷刃(前編)

 

 

 

後編へ続く!

 




同じ時、違う場所で繰り広げられる戦い…

タカヤvs元気な男の子、トオルvsクールな女の子…果たして勝利するのは誰か。


次回 第三話 星光と雷刃(後編)


コレがニュージェネレーションズの力か?
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