ガンダムビルドファイターズ《刃》ーブレイドー   作:オウガ・Ω

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「ひさしぶりの日本…懐かしいなあ」


「ええ、タカヤも元気にしてるかしらユウキ」


「毎日メールしてるからわかるよね…それにガンプラバトルで初めて勝ったってメイもきいたじゃないか」


「そ、それはしってるわよ……でもタカヤってアナタに似て純粋だし、それに悪い虫にたかられたら」


「はは、心配性だなメイは。大丈夫だよ、それにタカヤは僕に似てぜんぜんもてな………イタタタタ!」

脇原に痛みを感じる、みるとメイが頬をプクゥっと膨らませてつねる姿…


「(タカヤももてるわよ、ユウキに似て…)……バカ」


「ああ、機嫌なおしてメイ。タカヤに内緒で帰ってきてるんたから、昔みたいにデートしようか?」


「………わかったわよ。でも今日はかわいがってね」


「わかってるよ。可愛い僕だけのメイ」


照れるメイの唇に重ねるユウキ…舌を絡めた濃厚なキス…しかしココは発着ロビー、二人のラブラブ空間に独り身や恋人立は砂糖を吐き続け、コーヒーショップは過去最大の売上をキープしたとかしないとか


とりあえず自重しろや!万年新婚夫婦!!


第五話 カレトヴルッフ

「ん……」

 

 

眠い目を擦りながら体を起こした僕はぼうっとしながら時計をみる…10時を過ぎてた。今日は日曜日、それに学院はお休みだから慌てることはない、それより身体も軽いし熱っぽさも無くなってる

 

 

「……ん~風邪治ったかな……お粥のおかげかな」

 

 

ミカヤ先輩、ノーヴェさん、テスタロッサさんのお粥……少し身震いしながらベッドからでるとバスルームに向かい顔を洗う…冷たい水の感覚に気持ちよさを感じながら、パジャマを脱ぎ洗濯篭に入れ私服に着替える。朝ご飯の用意をしようと冷蔵庫の扉をあけようとした時、一枚のメモが目に入る

 

 

ータカヤ、皆で作ったお粥が冷蔵庫んな中に入ってるから食べろよ。まだ本調子じゃないからしっかり食べて治せ☆☆☆☆☆☆☆☆。と、とにかく、つうか!なんかあったらメールよこせよ!!ー

 

 

 

「…そっか…ノーヴェさん、テスタロッサさん、ミカヤ先輩が……」

 

 

冷蔵庫を開きお粥が入ったタッパーを取る。そのまま解凍し土鍋に入れて改めて温めてテーブルにおいて、いすに座り手をあわせレンゲですくって口に入れた

 

 

「……………うん、おいしい…今度、なんかお礼しないといけないかな」

 

 

…しっかりした出汁に、ふんわりとしたかき玉、ネギ、ピリピリした辛み?を感じながら冷蔵庫にあったお粥全部を平らげた。僕は前に頼んだアストレイをサエグサ模型店に取りに行くために家を出る、その途中で引っ越し社《アロウズ》のトラックがマンションがある方向に走っていった。また新しい人が入るのかな…と気にしながらサエグサ模型店へ歩いていった

 

 

第五話 カレトヴルッフ

 

 

「自慢のバトルルームにガンプラ工作室、ありとあらゆるガンプラ、プラモに各種材料が揃うサエグサ模型店~♪今日も元気に開店中~……あら?タカヤくんじゃない」

 

 

「おはようございますミツキ店長…あの頼んでいたガンプ…こ、これは!?」

 

 

ミツキ店長の背中…正確には壁に貼られた一枚の告知ポスターをみて思わず息が止まってしまう

 

 

 

ー某月某日、サエグサ模型店にて第一回ガンプラバトル大会を開催します!!

 

参加資格は各模型店、小中高学校に所属するチームから男女ペア(ココ重要!)を代表として選出する事(なお違う学校および模型店所属チームでも可能)

 

大会中の使用ガンプラ交換は一度のみ認められます

 

 

そして、戦いを勝ち抜き優勝したペアには、今や幻とまで言われ現存するのは僅かといわれるガンプラ強化武装《カレトヴルッフ》を進呈します!ー

 

 

………カレトヴルッフ、僕の先生《マスタージャパン》先生のガンプラ《ゴッドガンダム極》の武装の一つで今は現存する数も少ない幻のガンプラ強化武装…カレトヴルッフが景品としてだすガンプラバトル大会をミツキ店長の模型店で開催する

 

「すごいでしょ~このカレトヴルッフ。《ある人》経由で二振り手に入ったのよ。コレからバトルルームのシステムと補強をしないといけないから大変、大変なのよ~ユウは逃げちゃったし……ん?タカヤくんもウチの大会に参加してみる?」

 

 

「え?いいんですか!でも初心者で…そのまだ弱いから」

 

 

 

「弱くないわよ~それにガンプラバトルで一番大事なのはわかる?おもいっきり全力全開でガンプラバトルを楽しむこと……タカヤくんにはそれがあるんだから不安になる必要ないわよ」

 

 

「そ、そうですか………………ミツキ店長、エントリーお願いできますか?」

 

 

「ハイハ~イ、これで15組目ね~」

 

嬉しそうにPCを起動してエントリー画面に僕の名前を打ち込もうとしたミツキ店長の手が止まり、何かを思い出したように声をかけてきた

 

 

「あ、忘れてた。この大会の参加資格あるのよ…タカヤくんは誰とペアを組むか決めたの?」

 

 

「え?ペア!?」

 

 

「ココよく見て、ココ♪」

 

 

ミツキ店長の指先に示された一文…男女ペアを組んででのみ大会に参加できる

 

 

どうしょう……参加したいけどペアを組まないと出場できない……女の人で思い当たるのはノーヴェさん、ミカヤ先輩、テスタロッサさんだけしかいない

 

 

でも、ノーヴェさん、テスタロッサさん、ミカヤ先輩もこの大会にでるだろうし、当然ペアになる相手はいるよね。でも先生と同じ《カレトヴルッフ》を手に入れたい……どうしたらいいんだ

 

 

「…………タカヤくん、まだエントリー締め切りには時間があるから、あわてずゆっくり考えなさい……といっても明後日までだけど」

 

 

少しいたずらっぽく笑いながらバトルルームの拡張作業に「あ~忙しい、忙しい」っていいながら地下バトルルームに向かったミツキ店長……

 

 

「………あうう~どうすれば……」

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

同時刻、G研

 

 

「スゴいなあ、ここがG研かああ…おお!農丸大将軍?千生頑駄無?ナイトガンダム?大光帝?まで……お、おれの知らないガンダムってこんなにあるのか?」

 

 

「トオル、少し落ち着いてください…(ふふ、連れてきて正解でしたね……バトルの時よりコッチの方が可愛いかもしれませんね)」

 

巨大なガンダムとビルが一体化した建物……G研の展示ルームで目をキラキラ輝かせケースの中をみるトオルを見て胸が高鳴ります

 

なぜトオルと一緒にいるかですか?それは…その…トオルにいろんなガンプラを知ってほしくて…それにG研はガンプラバトルの始祖ともいえるプラモシュミレータバトルを生み出した場所

 

その空気を感じてもらいたいのもあります。でもコレはデートですよね……

 

 

「シュテル?俺の顔になんかついてるか?」

 

 

「い、いえなんでも無いです…あれは」

 

 

トオルに声をかけられ慌てた時でした、ワタシの目にバトルルームで戦う赤いSDガンダムの姿…その対戦相手は規約に準じたリアルタイプのドム、ゲルグク、ドライセン、さらにはギャプラン、アッシマー

 

『はあああ!朱雀飛翔斬!!』

 

 

サイズも火力も違うSDなのに関わらず無数のビームを切り裂くと、お返しと言わんはかりに炎を纏った刀から斬撃を跳ばし切り裂いていく

 

「な、何だ?あのSD……いや武者頑駄無…強すぎだろ!ああ~なんか無性に戦ってみたくなってきた」

 

 

「トオル、アナタのガンプラはワタシの家におきっぱなしでしたよ?それにサエグサ模型店の大会に向けて調整終わってないんですよ」

 

 

「そ、そうだった…残念だな…今戦ってる奴も多分でるだろうしな…じゃあ今からシュテルの家で仕上げをやろうぜ。カレトヴルッフを二人で一緒に手に入れようぜ!!」

 

 

「ひ、ひゃい!がんばります」

 

 

背中に炎を燃やすトオルにドキってします。男の子って好きなことになるとキラキラ輝いて可愛いです。二人で必ず手に入れましょうカレトヴルッフを!

 

 

ディアーチェ、レヴィ…今回はチームではなく個人で戦わせてもらいます…勝っても負けても恨みっこ無し

 

ワタシのトオルの為に……さて、コレから時間が許すまで二人っきりで仕上げましょうか…手取り足取り……

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「ふ~後少しかな~サッキー先生や狂四郎先生みたいにはうまく出来ないかな…武装鎧剣は」

 

 

「それにしては凄い出来じゃないか、今度のサエグサ模型店の大会にでるんだったね」

 

 

「まあね、ディアーチェのも完成してるし……それにマスターの弟子も出るみたいだしな…」

 

 

「マスタージャパン先生の愛弟子がかい?あれるかもしれないね…(カレトヴルッフが《彼ら》を呼び寄せないことを…)」

 

 

武者小路の声を遮るように軽快な電子音がなり、慌てふためきながら携帯端末を手にしたシロウ…画面にはメールの着信表示、開きみる顔が真っ青になっていく

 

 

ーシェロウ!何をしておる!!今日は我が夕餉を用意したのだぞ………冷めぬウチに早く戻れ…お前は我のパートナーなのだからなー

 

 

「………武者小路指導員、今日はここまでで……はあ……」

 

 

「仕方ないね。ほら片付けは私がやっておくから急いだ、急いだ。怖い、怖いお姫様を待たせるのはよろしくないよ」

 

 

武者小路指導員に頭を申し訳ない気持ちいっぱいで頭を下げ、いそいそとGPベースと俺のガンプラ《武者魔亜主(マーズ)》を鞄に入れあとにし駐輪場に止めていたマウンテンバイクにまたがり駆け出した

 

 

(ディアーチェと出会って一週間か…)

 

……ディアーチェとは日本に帰ってきた初日、しばらくスティする子と待ち合わせた店《モデルショップ八神》で出会った……まあ、そん時はいろいろあったけどガンプラが大好きで少し高飛車、我と呼ぶ日独ハーフで素直じゃない女の子……ディアーチェ

 

でも俺の名前が読みづらいからってシェロウはなあ…でも慣れたからいいか。今度のサエグサ模型店でのガンプラバトル大会には幻のカレトヴルッフがでる

 

それ以上にマスターのおっさんの愛弟子がでる…どんな奴をペアにしてくるのも楽しみだ

 

 

「……カレトヴルッフ、ディアーチェには色々世話になってるし絶対に優勝するかな…」

 

 

そうつぶやくと、赤信号が青に変わると同時にペダルをこぎディアーチェの住むマンションへ急がせた……

 

 

☆☆☆☆☆☆☆

 

 

「はあああ~」

 

 

サエグサ模型店を後にし家に歩きながら僕は何度めかになるため息をついた…原因はあの大会に出場する為に組まなければならないペア。心当たりのあるメンバーはやっぱり三人しかいない

 

まず思いうかんだのはノーヴェさん、O・ガンダム《B》は格闘戦から長中距離に対して隙の無い機体特性を持ってる、一度戦って負けたけど次は勝ちたい

 

それに紅の彗星《ユウキ・タツヤ》さんのザク・アメイジングに通じてる部分があるし、ファイターとして一流

 

 

ミカヤ先輩はスサノオをカスタムした《ツクヨミ・斬》。前に一度だけミカヤ先輩の部に誘われた時に部員勧誘のために行われていたガンプラバトル。ツクヨミ・斬と黒塗りのガンダム・エクシア数体を圧縮粒子ビームで複数落とし、構えた刀《晴嵐》でビームを受け霧散、斬撃を飛ばして切り払う姿に声を失った

 

 

圧縮粒子ビーム、晴嵐による防御、斬撃…粒子の特性を生かした戦いができる

 

 

テスタロッサさんのデスサイズ・スラッシュは、あの可変式ビームシザーズで接近戦闘、さらに粒子をあの羽根に蓄積、それを粒子を最大解放するスプライト・バスター…それ以上にガンプラの可動範囲を理解、補強を入れてる…

 

ファイターとして反応も切り替えの速さは誰よりも早い

 

 

「………でも相手はいるんだよね………それ以前に僕と組んでくれるかわからないし……はああああ」

 

大きなため息をしているうちにいつの間にかマンションの前ついていた、いつものように暗証番号とカードキーを通しエレベーターで部屋がある階へ向かい、そのまま扉をあけようとした時、声がかかった

 

 

「少年、今帰りかな?」

 

 

「え?ミ、ミカヤ先輩?!なんで僕の家の前に」

 

 

「ああ、マンションに住む方々に挨拶まわりをした帰りなんだ……」

 

 

「あ、あいさつ?な、なにの?」

 

 

「今日から私もこのマンションに住むことになったんだ、改めて自己紹介をさせてもらおうかな…隣に引っ越ししてきた《天瞳ミカヤ》だ。お隣さん同士、よろしくね秋月タカヤくん」

 

黒髪をそっと手をすくいながら、僕ににっこりと笑みを浮かべて引っ越しの挨拶をする緩く着流した和服姿のミカヤ先輩……呆然となる隣の部屋の扉が開いた

 

 

「あ、タカタカ!もう風邪治ったんだ!ボクの看病のおかげだね」

 

 

「テ、テスタロッサさん?ちょ?だ、抱きつかないで当たってる!当たってるから!?」

 

 

「ええ~別にいいじゃない。それにボクはいつでもOKだもんね♪」

 

 

「な、なにがOKなの?どう言う意味なのさ!?」

 

 

「タカタカがボクにしたいこと全部だよ♪(…………こう言えば男の子はイチコロだったお母さん言ってたしね…その先はコレを使いなさいって……でもナニに使うんだろコレ?)」

 

 

 

ーお母さん!まだレヴィには早いよ!!ー

 

ーアリシア、あなたもいえたことかしら?フェイトと一緒に1日一ダースは使い過ぎよ。アナタの彼氏赤玉でるわよ?それを考えたらねぇ?ー

 

 

ーな、何で知ってるの!?ー

 

ーふふふ、何でもお見通しよ……それにまさか、あの《メイ》の息子だったなんてね。はい、レヴィー

 

 

四角いフィルムの中に円形のリングが浮くナニかを手渡す母親…プレシアから受け取ったレヴィ…

 

 

(こんなのナニに使うかわからないよ、お母さん……赤玉ってなんなのかな?それよりお母さんの作戦、耳元に甘いささやき作戦をやらなきゃ)

 

 

耳元に囁かれながら背中に二つの柔らかい弾力、女の子特有の甘い匂いにくらくらしてきた。抵抗するけど離れてくれないし、でもそれより気になるのはミカヤ先輩がジイイっと僕を見て黒い何かを溢れさせながらゆっくり近づいてきた

 

 

「タカヤくん」

 

「ミ、ミカヤ先ぱ……んむう!?」

 

 

「レヴィ、少年を渡してもらおうか、私はコレから大事な話をしなければならないのだが(…………少年の匂い……身体の芯に染み込む薫りは昔と変わらないな…スウウウウ~ハアアアアアアア~スウウウウ~ハアアアアアアア………ハアハアハアハア)」

 

僕の頭を胸に抱き寄せながら話すミカヤ先輩…逃げようにも柔らかくて清々しい柑橘系の匂いと二つの大きくて柔らかな弾力と直に触れ合う肌の暖かさに思考がまどろんでくる……それにミカヤ先輩息が荒い、深呼吸繰り返してるし

 

 

「奇遇だね、ボクもタカタカにお話があるんだ」

 

 

「んむう?んむむむ?(僕に話?ミカヤ先輩とテスタ

ロッサさんが?)」

 

 

僕に話?何のことなんだろ?それよりは、なんか寒い気がする…ゾクゾクとして身体が震えた時、エレベーターの扉が開いた

 

「……落ち着けあたし、素直になれ………絶対に誘うんだ…ってミカヤ!それにテスタロッサ!な、なにやってるんだ!!」

 

 

「んむむむ?(ノーヴェさん?)」

 

エレベーターに居たのはノーヴェさん…声がうわずってるけどドシドシっとした足音が近くで止まり僕の身体を掴み引っ張り出そうとする

 

「ノーヴェ?まさか君もかな?」

 

 

「べ、べつに……ただ心配で来ただけだからな!ペアになってくれっていいに来たわけじゃないからな」

 

 

「ふ~ん、ノーヴェも………?さてレヴィ、どうやら三人で雌雄を決せなければならないようだ?そこで提案だタカヤ少年のペアを私たちの中から決めるためにガンプラバトルをしようじゃないか」

 

 

「望むところだよ!ミカヤン、ボクがタカタカのペアになるんだい!!」

 

 

「ま、まてあたしは……」

 

 

「また、逃げるのかいノーヴェ?それとも負けるのが……」

 

 

「誰が負けるか!いいよっ乗ってやんよ!絶対にあとで文句言うなよミカヤ!!」

 

 

「いったね。私も負ける気は毛頭無いからね…」

 

 

「ボクもだよ!」

 

 

バチバチバチと闘志を燃やす三人の乙女…

 

 

「ん、んきゅう~~」

 

 

ミカヤとレヴィに抱きつかれ天国と地獄を味わいながら鼻血をたらし気絶したタカヤは自分を巡って修羅場と化していることに気づかなかった

 

 

 




何故か僕を巡って始まったガンプラバトル

鬼気迫るミカヤ先輩、テスタロッサさん、ノーヴェさんのガンプラバトルの最中、異形の黒いアストレイが現れた

次回

第六話 タカヤのペアは?


黒いアストレイ…あの動きは僕は知っている!まさか!?

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