ガンダムビルドファイターズ《刃》ーブレイドー   作:オウガ・Ω

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なんとか間に合った……ヤバいかも色々と


特別話 七夕ーわたしとタッくんの初めての………ー

……コレはタッくんがわたしのウチに預けられてから三年たったある日の事。アシムレイトを制する修行も成果を徐々にみせ、木刀を振るい汗が肌を流れ、凛々しさと愛らしさも増していくタッくんの姿に私はたまらなく感じてしまって《女》として疼いてしまう。

 

 

「今日はココまでだ」

 

 

「はい、指導ありがとうございます。天瞳師範」

 

 

 

 

父との鍛錬を終え着替えに向かうタッくんとわかれてからシャワールームに入り胴着を脱いでバケットにたたみ入れサラシとショーツを脱ぎ洗濯機にいれてシャワールームにはいりノズルを開く。程よい温度の水滴が肌にあたり弾けていく。なぜタッくんとはいらないのかって?

 

なぜかというと…その、なんだ……みていて…汗以外に色々濡れてたから。それを乙女座のわたしとしてはみられたくなかった

 

 

 

「ん、はあ……また大きくなったかな…マッサージの効果はでてるみたいだね」

 

 

10歳になってから少しずつ膨らみはじめた胸へ軽くふれてみる、湯浴みするたびにタッくんと洗いっこして、小さくて柔らかな手が触れ包まれると微かな痛みが走り、指で弾かれるたび何度、果てようとするのを我慢したことか数え切れない

 

 

 

でもまだ受け入れられるほどの身体ではないけども大きく踏み込もうと決めていた。今日は近くの鎮守の社で七夕の祀りがある……今日タッくんと二人で一緒に行く初めての祀りに胸が熱く高鳴る

 

 

……母様が教えてくれた七夕の祀りで取り行う儀式が真実ならばいく価値はある…最近、先輩達がタッくんを見る目が危ないのもあるし、牽制の意味もある……

 

 

 

「……………今日のグラハム占い『今こそ勝負を決めるとき!己の思いのまま貫き通すべし!』………ならばわたしも決めないとね」

 

 

 

シャワーを止めバスタオルで身体をふき終え着替えると私の部屋に向かう。襖を開け着物箪笥を引き出した。桜色の生地に朝顔が染め抜かれた浴衣を手にだし姿見鏡に立つ…着ていた服、下着を脱いで浴衣を着付け帯を通し髪をあげて髪留めで止める…唇に薄く紅を引いた。うん、練習したかいがある。母様の手ほどきでここまで出来たことは自画自賛したくなる

 

 

 

さて、コレからが本番だ…タッくんは先に行かせ待つように言伝してある。今日は大事な一歩を踏む。長い道のりの先にある本丸《タッくん》を手にするために

 

 

 

今日のわたしは阿修羅をも凌駕するコトを誓おう。

 

 

 

 

特別話 七夕ーわたしとタッくんの初めての……ー

 

 

 

「カヤお姉ちゃん、まだかな~」

 

 

今日は七月七日、七夕の日…ぼく、秋月タカヤの誕生日なんだよ。でね天瞳のおじさんとおばさんが『お誕生日だからお祭りに行ってきたら?ミカヤと一緒に』って言われて、カヤお姉ちゃんも誘ったんだ。でも何でか先に行って待つように言われたんだ

 

一緒に行けばいいのに何でだろ?って思ったけど、でもたまにはいいかなって。こうして待ち合わせ場所の鎮守の社……沙尽震神社《シャッフルじんじゃ》鳥居の下で待ってるんだけど

 

 

「タッくん、おまたせ」

 

 

「カヤお姉ちゃ……」

 

 

カヤお姉ちゃんの声に振り返ったぼくの前には桜色の生地に朝顔が染め抜かれた浴衣姿で髪をあげて櫛で止めた姿は初めてみた。なんかわからないけどドキドキした

 

 

「どうかなわたしの浴衣は、似合ってるかな?」

 

 

 

「う、うん、キレイ…だよ…カヤお姉ちゃん」

 

 

 

「~~~~!?そ、そうかい、着てきたかいがあったよ。さあ、七夕の神事がはじまるからいこうか」

 

 

 

「は、はい」

 

 

優しい笑顔で手を握ると歩き出した。さっきから胸がドキドキする…私服姿はみたことはあるけど今日はなんか違う…普段もキレイだけど今日はもっとキレイでそれにいい匂いがする

 

 

 

月明かりに照らされてなんか…うう~わかんない…悩んでいるウチに七夕の神事が執り行われる祭壇に来てた、周りをみるとスゴい人だかりが集まってる。うう、迷子になりそうだよ

 

 

「タッくん、しっかり手を掴んでるんだ…前に教えたやり方なら大丈夫だよ」

 

 

 

「は~い」

 

 

カヤお姉ちゃんの手…指と指を絡める。いつもお風呂で洗いっこすると上に乗ってきて身体と身体を合わせながら手をこうするんだ。カヤお姉ちゃんのお肌と合わせると気持ちいいし、お姉ちゃんもスッゴく気持ちいい顔をして離れてくれないから湯あたりしたコトもあるけどキライじゃない

 

 

「わははははは!よく来たな想い人たちよ!我が名は東方不敗!これより沙尽震神社の七夕の神事を執り行う!!厳正なるわが沙尽震神籤《シャッフルミクジ》を引くが良い…見事当たりし者には沙尽震神竹に一番に行く権利を与えようぞ!!さあ参れ!!」

 

 

……スッゴく大きな声と一緒に現れたお祖父さん…沙尽震神社の神主さんで《東方不敗》さん…ぼくの通う学校で用務員をしているおじいちゃんだけど素手で通学路に飛び込んできたドスファンゴみたいな猪を蹴り飛ばしたりするんだけど…なんか何時もより元気な感じがする

 

 

 

「よし、オレが当たりをひいてやる!」

 

 

 

「頑張ってドモン!」

 

 

 

 

「はあああ!とおりゃあああああ!!」

 

 

 

「意気込みはよし、たがハズレだこの馬鹿者がああああああ!!」

 

 

 

「そ、そんな…オレのくじ運は届かないのか……」

 

 

 

「落ち込まないでドモン、来年があるわ。わたし待ってるから」

 

 

 

「レイン、ああ来年こそ当ててやる!」

 

 

 

「ふはははははははははは!その意気やよし!さあ、我はと思うモノは挑むがよい!!」

 

 

 

高笑いしながら沙尽震神籤をつきだしてくる…手錠を嵌めた大きなおじさんと軍人のおばさん、中国っぽい服を来たお兄さんと外国の女の子、オレンジ色の髪に貴族みたいな人とお姫様みたいな人、三人のお姉さんとアメリカ人のお兄さんが続いてひいたけど当たりは出ない

 

 

 

「………任務失敗……」

 

 

「止めなさいヒイロ!!自爆したらダメよ!」

 

 

 

「んじゃ、オレが引くかな………げ、ハズレかよ、疫病神でもついてんのか?」

 

 

 

「デュオ、疫病神ってドクターたちの事?」

 

 

 

 

タンクトップにスパッツのお兄さんがなんか変なスイッチを押そうとするのを止めるお姉さん、なんでからわからないけど三つ編みの牧師のお兄さんをなだめるお姉さん…何だろ、どっかでみたような…

 

 

「さて、残るはお主らだけだ………ん?タカヤではないか、隣にいるお嬢さんは……何時も言うておる確か…」

 

 

 

「天瞳ミカヤです。タッくんがいつもお世話になってます」

 

 

 

「……ふむ、なるほどの……さて二人で最後だ。さあ沙尽震神籤を引き見事当ててみるがよい!!」

 

 

 

東方不敗のおじいちゃんから突き出された神籤を持つ。ふらつきそうになるぼくをカヤお姉ちゃん背中から抱き止めて手を添えてくれた

 

 

「さあ、いくよタッくん、わたしと一緒にあわせるんだ」

 

 

 

「うん、じゃあいくよ………せ~~の~~えい!」

 

 

 

一緒に上下に降り止める。神籤から出てきたのは黄金に輝く神籤棒…これってまさか。カヤお姉ちゃんをみると少し驚いているのがわかった

 

 

 

「ふはははははははははは!見事だ!今年の神竹へ短冊をつけに参るはお主等に決まりだ、さあ沙尽震神竹に向かうがよい!!」

 

 

豪快に笑いながらぼくとカヤお姉ちゃんの分の短冊と筆を渡してくれると神籤箱を抱えて案内してくれたのは竹林が風に揺れ石灯籠の灯りが並ぶ道の前に立った

 

 

「さあ、まずは願い事を書き懐にしまうのだ…あとは二人で沙尽震神竹にたどり着き結べば神事は終わる」

 

 

……東方不敗おじいちゃんに言われ仕切がある席に座りながら考える……願い事はもちろん決まってるからスラスラ書けた、ぼくと同時にカヤお姉ちゃんが椅子から立ち上がった

 

 

 

「じ、じゃあいこ、タッくん」

 

 

 

「うん、カヤお姉ちゃん」

 

 

 

手をつなぎ石灯籠が照らす道を歩き出す…笹が風で揺れ音がなる中を二人で歩いている……少し怖いけどカヤお姉ちゃんと一緒なら怖くなんかないもん

 

 

「アレかなタッくん?」

 

 

 

「うわあ。スゴい金色に輝いてる……」

 

 

 

ぼくとカヤお姉ちゃんの前に金色に輝いてる竹がちからづよく立っている…短冊を取り出し枝に結びつけようとする…でも届かない。む~牛乳たくさん飲んでるのに…跳ぶけどなかなか届かないよう

 

でもぼくは男の子だから諦めないもん。カヤお姉ちゃんがみてるから。何度目かになるジャンプでタイミングを掴んだ、よし今ならできる

 

 

「せ~の………えい!や、やったあ結べた!!」

 

 

 

やっと結べた……ひとりでできたよ。でも着地した時、足がもつれ体勢が崩れた。倒れると思ったけど柔らかい何かが受け止めてくれた…笹の葉の匂いより甘い匂い…顔をあげるとカヤお姉ちゃんがいた

 

 

「大丈夫、タッくん?」

 

 

 

「う、うん…ありがとカヤお姉ちゃん…」

 

 

浴衣についた笹を落とすと少し離れた場所に竹で出来た椅子を見つける二人で座った…月が明るくて空を見上げると天の川が輝いてる……

 

 

「キレイだねタッくん……」

 

 

 

「そうだね……カヤお姉ちゃん、痛くなかった?」

 

 

 

「大丈夫だよ。私も鍛えているんだからね…」

 

 

 

それっきり話さなくなる…何だろすごくドキドキする…カヤお姉ちゃんも頬が赤いし、それに手を握ってはなしてくれない……でも何かスゴく落ちつく

 

 

 

「タッくんは願い事、なんて書いたのかな?」

 

 

 

「え?それは……ヒミツだよ……カヤお姉ちゃんがはなしてくれるなら教えてあげるよ」

 

 

 

「意地悪だねタッくんは……ならわたしも教えてあげない……」

 

 

 

「……いじわるだよ~カヤお姉ちゃん」

 

 

「ふふ、お互い様だよ…………ねえタッくん、実はね…まえに話した事、覚えているかな?」

 

 

 

「まえ?…………ん~もしかしてちかいのぎしきのこと?」

 

 

 

「そ、そう。それ………タッくん、わたしの事、好きかな…」

 

 

 

「もちろん、ぼくカヤお姉ちゃんのこと、だいすきだよ」

 

 

 

 

「…………わたしもタッくんがだいすきだ……だから誓いの儀式…してみないかな?」

 

 

 

「ん~~いいよ。どうしたらいいのかな?」

 

 

 

「じゃあ、わたしが教えるから任せてくれないかな…」

 

 

 

月明かりに照らされたカヤお姉ちゃん、すこしだけ目が潤んでて頬を紅くして手を握りしめて顔を近づけてきた…最初に感じたのは柔らかくて少し甘い、ぼくの口びるとカヤお姉ちゃんの口びるが合わさってる……お父さんとお母さんがよくしていたのだ

 

「ん、ん……ちゅ……ゅん」

 

 

「ん、んん…」

 

 

 

口びるから何か入ってくる…カヤお姉ちゃんの舌だ。ぼくの舌を探し見つけようとしてる、つんと当たるふれあってくる…少し苦しいけど何かきもちいい。ずっと続くとおもった…五分、十分…すぎたかな。カヤお姉ちゃんの口びるがぼくから離れた…スゴく顔が赤いしトロンってしてる、ぼくもたぶん同じようになってる

 

 

 

「ん、んん……はあ、はあ……」

 

 

 

「っは……はあ……カヤお姉ちゃん……」

 

 

 

「コレが誓いの儀式……でも何回かやらないとだめだから。帰ってから続きをしよう。少し汗もかいたし湯浴みをしながら」

 

 

 

 

「う、うん……帰ってから……一緒に湯浴みしよ…カヤお姉ちゃん」

 

 

 

それからぼくとカヤお姉ちゃんは来た道を引き返し沙尽震神社に降りて、東方不敗おじいちゃんに挨拶してそのまま帰って直ぐにお風呂に入った。カヤお姉ちゃんと洗いっこしてから、もう一度、誓いの儀式をした

 

 

 

「……っは…はぁ…カヤお姉ちゃん、誓いの儀式ってスゴいね…」

 

 

 

「ん、んん……うん……でも父様と母様には秘密。二人だけのね………さ、もう少し暖まろう」

 

 

 

湯船に浸かる二人の唇が離れ銀の糸が伸びる…その手は指が絡まれしっかりと握られていた………沙尽震神社は古くからあり厄除け、武運長久などある。しかしもう一つ、想い人達にしか知られていない御利益がある……恋愛成就。さらに沙尽震神社の七夕神事で当たりを取り沙尽震神竹に願いを書いた短冊をつけ口づけをするコトで叶うと噂があった事を

 

 

 

 

 

 

タカヤとミカヤが短冊に書いた願い…

 

 

 

ーカヤお姉ちゃんと一緒にいられますようにー

 

 

 

ータッくんとずっと一緒にいられますようにー

 

 

 

短冊に書かれた願いが叶ったのかわたしはタッくんと一緒にいた。周りからみても砂糖を吐きまくるほどに甘々空間を展開していてからかわれても気にもしなかった……ただ崩壊の足音は少しずつ確実に迫っていた事に、幼い日の幸せいっぱいなわたしは気づけなかったんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別話 七夕ーわたしとタッくんの初めての………ー

 

 

 

 

 


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