ガンダムビルドファイターズ《刃》ーブレイドー   作:オウガ・Ω

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第十七話 消えゆく魂、奪われる至宝

『………』

 

「あらよ、ほいさ!」

 

 

 

オレのリュウジンオーに接近、拳打と蹴りを打ち込んで来やがるのを捌き防ぐ。ち、あの時の記憶…ガンプラを踏み潰して、何度も蹴りと殴りつけて刻んだ痛み、劇薬紛いの新薬を無理矢理打ち込んで何度も、何度も痙攣させた楽しい、楽しい思い出をこのオレの姿、この顔と出で立ち…宇宙ガンプラファイターXをみて蘇らせた

 

 

震え怯える様を見ながら、弱みにつけ込んで心を折ろうと楽しみにしてたのになあ~

 

 

「ほらほら?どうした?教えるんじゃなかったのかなあ~?二代目メイジン・カ・ワ・グ・チ?あは?」

 

 

『……』

 

 

煽っても無口を決め込むか、攻撃の勢いが収まるどころか、激しさを増してく…まさかあの時、失敗したと思った二代目メイジン・カワグチの 思考人格転写(ダウンロード)が上手くいってるとは驚いたよ

 

数ヶ月前、死に損ないのオリジナルとやり合った時と同じ空気を纏いやがってるし口調とやり口もしっかり再現されてる……こんなことなら研究所と職員を処分しなければ、金の無駄遣いにならなかったかもなあ?

 

 

さて、ソロソロお遊びは終わりにしないと、ストラトスは?とサヴウィンドウを開き驚いた………おいおいマジかよ!のこのこ出てきたか

 

 

─ガンプラ……ゲルマン流?……ふざけてるんですか?─

 

 

─………そう捉えるなら捉えるがいい。しかしココからは通す訳にはいかん!─

 

 

 

くく、くく………アハハッアハハハハハハハハハハハハハハ……ああ最高おっに楽しいなああ~肌が粟立つ程の殺気をビンビン感じる。俺への憎しみを向けてるのがわかる、わかるよう?

 

 

『……………』

 

なあアキツキタカヤ、お前はあとどれぐらいで、何分、何秒で二代目メイジン・カワグチに塗りつぶされるかな?あの ショタコン(テンドウ・ミカヤ)が来るまで持つかな?今までの失敗作より持つかな♪~~持つかなあああ~♪

 

 

 

第十七話 消えゆく魂、奪われる至宝

 

 

 

同時刻、会場観客席通路

 

 

『う、うそ……あれは……なんで、なんであの人と……兄さんと同じ…タカヤ、タカヤが』

 

 

『メ、メイ、落ちつくんだ……』

 

 

ふらつくメイを抱き留めた…大画面に映されたのアマミ・イッキ、いや宇宙ガンプラファイターX…アストレイ・リュウジンオー、そしてメイのお兄さんと同じくオーラを纏い拳、蹴りを繰り出して斬りつけるタカヤのアストレイ・ブレイド。傷ついた関節やグラついたパーツに情け容赦なくダメージを与えてく姿に声を失った

 

音声はなぜか拾えない、でもあの戦いぶりは修羅と呼ばれ恐れられた 二代目メイジン・カワグチ(義兄さん)と同じだ。

 

 

「ノンノン、タカタカ…なんか怖いよ」

 

 

「……な、なんなんだよ……どうしたんだよタカヤ!こんなのらしくないだろが!」

 

 

タカヤの事を想うレヴィちゃん、ノーヴェちゃんも同じように驚いてる…ゲンヤさんが言った事が現実になった。危険思想故に国際指名手配されてる ガンプラマフィア(宇宙ガンプラファイターX)が暗躍してるならば、もうコレは地方大会、いやガンプラバトルの範疇じゃない。国際ガンプラ警察にしか手に負えないとヒロシさんに連絡しょうにも電話が繋がらない

 

「姉貴、会場の入り口がロックされてやがる!どうなってるんだよ!」

 

 

「そんなはずはな…あれ(ウソ、ゲートが外部からハッキングされてる?私のプロテクトをすり抜けたの!?)」

 

 

バトル筐体があるゲートがロックされ、強制停止も出来ない…外部と通信もダメ、筐体があるゲートはロックされてる

 

ソレに今、ここには多くの観客がいる。ミツキさんの目を搔い潜って何かを仕組んでるはずだ…迂闊には動けない

 

無関係の人を人質に取ることを平然とやり、弱みにつけ込むことに酔いしれ愉悦に浸りタカヤに地獄の責め苦を与え、僕とメイを苦しませた張本人がいるのに!

 

ギリギリと爪が食い込んだとき、ミカちゃんと宇宙ガンプラファイターXのペアの間に何かが入る。AGE-1レイザーベースの改造機の姿がある。何度か会話したようなやりとりを経て入れ替わるようにツクヨミが赤く輝く、トランザムで離れてく…

 

『あのガンプラ……いったい……』

 

 

あのガンプラをみてると何か、こう親しさを感じた。漠然とだけど助けに来た感じがしたんだ

 

 

───────

────

 

 

『………』

 

「…………」

 

 

風斬る音と共に蹴り、拳が迫るのをブレイドハートの刃でいなし受け流す…触れただけでも衝撃がアームレイカーに響く

 

なんと研鑽された動きだ。しかしプラフスキー粒子を纏う拳と蹴りを通し伝わるのは苛立ち、怒り、哀しみ、負けられぬ執念のみ。宇宙ガンプラファイターX、アマミ・イッキに何らかの弱みをつけ込まれたか

 

『ソコをどいてください…』

 

 

「否、断る!……哀しみ、怒りに彩られた拳、蹴打を震うバトルをやめるならば考え…」

 

 

『あなたに、あなたに何がわかるんですか!……私の邪魔をしないでください!!』

 

 

「ぬっ!?」

 

 

拳、蹴りが鋭く正確に撃ちこみの速さが増し、防ぐ刃が軋んだ、こうまで頑ななまでになった理由を知る術は無いに等しい。カヤお姉ちゃ……テンドウ・ミカヤがタカヤのもとに辿り着き、二代目メイジン・カワグチに塗りつぶされるのを防ぐためには、オレも向かう必要がある。もはや一刻の猶予も是非も無い。アームレイカースロットを右に回しアイコンを叩く。ブレイドハートのクリアパーツから深い緑の粒子…プラフスキー粒子が嵐のように荒れ狂う…オレは今、ブレイドハートと一つになる!

 

『な、コレは…プラフスキー粒子!…く、動かない!?』

 

 

「怒りと憎しみを拳と蹴りに込め放つファイターよ!しかと刮目せよ。我がガンプラゲルマン流、最終秘奥ッ!!シュツルムッ!ウンッ!ドラァンクウウウウウウ!!

 

 

ガンダム・ブレイドハートと一体化、プラフスキー粒子の嵐に四肢を拘束されたプルトーネが逃れようと藻掻くも遅い、脛部シグルブレイド、腕部大型シグルブレイドを左右に構え展開回転、そのまま接近し胴を、腕を、脚を何度も何度も切り刻ざんだ

 

 

『そ、そんな……き、きゃあああああ!?』

 

ファイターの叫び、嵐に巻き上げられ空高く舞いながら切り飛ばされた四肢、胴体が落ちていく。すまない、関節へのダメージは最低限にした…次に相見える時は、いやソレは無い。慰めや謝罪の言葉をかける時間も無い

 

 

背を向けテンドウ・ミカヤが向かった先にブレイドハートのバーニアスロットを全開にし飛翔、加速する

 

 

「待っていろ宇宙ガンプラファイターX、キサマの思い通りにさせん。アレは!!」

 

 

最大望遠で撮されたのは宇宙ガンプラファイターX、アマミ・イッキが駆るアストレイ・リュウジンオー、アキツキ・タカヤのアストレイ・ブレイドが殴り、斬りつけ、穿ち全身のクリアパーツから赤い、血のようなプラフスキー粒子を放出する様はまさに悪鬼、二代目メイジン・カワグチそのもの。アストレイ・リュウジンオーを殴り飛ばした。力無く倒れたのを見逃さず左腕の 大型ブレード(アスカロン)を振り上げ、何度も何度も何度も突き立て、斬りつけた時、テンドウ・ミカヤのツクヨミが背後から現れた

 

 

『やめるんだ少年!!』

 

『…………!?』

 

 

羽交い締めにし叫ぶように呼びかけるのがオレにも届く…トランザムのパワーで押さえ込もうとしてるのがわかる。赤いプラフスキー粒子の奔流が収まるどころか激しさを増していく

 

 

『……私のガンプラバトルを邪魔をするな…ガンプラバトルは勝利こそ絶対、再起不能なまでに叩き潰す…離せ』

 

『そんなことを言わないで、やめるまで絶対に離さない!!』

 

 

『…少年…?………私はそんな名前じゃない。二代目メイジン・カワグチだ』

 

 

『うわっ!』

 

羽交い締めににしたツクヨミを振り払うよう地面へ叩きつけた…振るわせながら起き上がろうとするがんぜんに、ユラリと大型ブレードを突きつける、割っ手入ろうとバーニアスロットを引こうとした、ソレを止まらせるような声が響く

 

 

『違……うんだ………キミはアキツキ・タカヤ。二代目メイジン・カワグチじゃない………タッくん!!』

 

 

その声に振り下ろされたブレードが寸前で止まった…荒れ狂っていた赤いプラフスキー粒子の嵐が止みブレイドが震えだし後ずさりした

 

 

『う、う……タッくん?…… 私は(僕は)…… アキツキ・タカヤ(二代目メイジン)。……違う……うう、うっ……はあはあ……宇宙ガンプラファイターXを、宇宙ガンプラファイターXを!……うわああああああああ!!』

 

 

叫びと膝をついた。その全身から赤い粒子が再び吹き荒れだした…やはり無理か……荒療治だがオレが…な?

 

 

『お、落ちついてタッくん……もう大丈夫だから』

 

 

『………はぁ、はぁ…』

 

全身がひび割れたツクヨミが抱きしめていた…赤い粒子がその体を蝕んでいく中、離れようとしない軋んでいくのを気にせず話しかけていく

 

 

『もう、何も怖くないから……ね?お姉ちゃんがいるから…タッくん』

 

 

『は、は、はっ……う、うん……カヤ…お姉ちゃ…ん…』

 

 

粒子の嵐が収まった…ボロボロのブレイドを離さないように抱き留めるツクヨミをみて胸を撫で下ろした。もう大丈夫だと思いながら残る問題、宇宙ガンプラファイターX…アストレイ・リュウジンオーを見た

 

「な、ヤツがいない!ドコに消えた!!」

 

 

『アハハッ、アハハハハハ!』

 

ヤツの姿を探すオレ、テンドウ・ミカヤ、意識を失ったアキツキ・タカヤは愚か会場全体に、かんに障る声が響きモニターが開いた…忘このふざけた衣装と仮面に顔を隠したアイツが肩をふるわしていた

 

 

『いやあ感動したよ。流石だなあアキツキ・タカヤ、テンドウ・ミカヤ……今回はマジで肝が冷えたなあ……』

 

 

「宇宙ガンプラファイターX、ドコにいる!姿を見せろ!!」

 

 

『やだね。俺のガンプラはズタボロだしなぁ~おかげでいいモノ見れたし。今回は負~けた♪にしてやるよ……TA-2…』

 

 

「その名前でオレを呼ぶな!!」

 

 

『あら残念。……さて長居すると小うるさいガンプラ警察が嗅ぎつけてくるからお暇させてもらうよ………お宝も手に入れたしね』

 

 

お宝……その言葉にはっとなった。まさか!?

 

 

 

─姉貴、カレトヴルッフの保管庫がやられた!─

 

 

─やられたわね…ユウ、通信は回復したわね。ガンプラ警察に通報、ヒロシさんとゲンヤさん、ユウキさんも呼んできて!─

 

 

 

『カレトヴルッフ、最強のガンプラファイターである俺に相応しい武器だ…有効活用させてもらうよ…んじゃバイバ~~イ♪』

 

 

 

手にした二振りのカレトヴルッフを見せびらかしモニターにノイズが走った…やられた!ヤツの狙いは二つ、タカヤを苦しめ、カレトヴルッフを奪う為に仕組んだことだったのか。歯ぎしりしながらノイズしか撮さないスクリーンを睨んだ

 

 

「う、く…」

 

 

視界が歪み頭に鈍痛が響く…く、もう限界か……早く戻らなければ。アキツキ・タカヤ、テンドウ・ミカヤ…また会おう。ヤツは、宇宙ガンプラファイターXは必ず現れる。あの《関ヶ原ウォーズ》で手に入れ損なったモノを奪う為に

 

その時まで暫しの別れだ…躰を癒やせ、そして二代目メイジンカワグチの残滓を克服することを願いながらバトルシステムから離れた

 

───────

────

 

コレがアキツキ・タカヤと宇宙ガンプラファイターXとの因縁を終わらせるための戦いの始まり…

 

 

でも知らなかった……テンドウ・ミカヤがオレの正体に気づきつつあることを

 

 

 

 

第十七話 消えゆく魂、奪われる至宝

 

 

 

 

 




宇宙ガンプラファイターX、アマミ・イッキに奪われたカレトヴルッフ

ガンプラ警察が捜査に動く中、意識を失い眠り続けるタカヤ

そんな時、日本古来より伝わる模型秘伝帳《金の巻》が奪われた



次回、動き出す悪意─模型秘伝帳─


模型秘伝帳を巡る戦いが再び


目を覚ませタカヤ…折れた刃から新たな刃を生み出せ!


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