「オールマイトを殺す?どうやって?」
私は有り得ない事を言う敵の肩に更に力を込めながら問い質す。
「グッ、詳しいことは知らねえ!あの手だらけと靄の話しを聞くに脳ミソがとんでもねえ兵器らしいんだ!」
本当にこれ以上の情報は見込めないだろう。敵の様子からそう判断し八百万の作り出していた拘束用のワイヤーで縛り上げる。全員の拘束が済んだところで集まり今後の方針を立てる。
「この後どうする?」
「現状はこのドームからの脱出は困難だ。だから一先ずは先生たちが居ると思われる出入り口方面を目指そう。」
耳郎の疑問に私がそう意見を出す。
「そうですわね。今一番恐れるべきなのはこのまま誰とも合流できずに孤立無援となることですから。」
「ウェーイ。」
「わかった。」
そう八百万と電気、耳郎が賛同し出入り口へと足を向けた。
★★★
今ここにいない他のクラスメイトや先生たちが無事である事を皆必死に願いながら足を動かす。私はそれを見ると酷く驚き動けなくなりその場に立ち尽くした。
「何だあれ…」
私はスコープカメラに映る相澤先生と先ほど敵が言っていた脳ミソとの戦闘を目にした。それは戦闘と言うにはあまりに一方的で、マフラーを使って応戦しようとするも脳ミソの繰り出す重そうな拳を何度も掠めボロボロの相澤先生が映っていた。
「先に向かっていろ‼︎」
私が立ち尽くしている事に気づいて立ち止まっている3人にそう叫び中央広場に向かった。3人が口々に止まるよう言葉を背に投げかけてきたが私は聞こえないふりをしてそこに向かった。
急いで向かう私のメット内のホログラムにはどんどん追い詰められる相澤先生が映った。ようやく射程圏内という時にはもう戦いは終わっていて手の男は靄とおそらく次の指針を立てているようだった。飯田もドーム内から脱出出来たようだし先生たちやオールマイトも直ぐに来るだろう、そう考えていた時手の男がニタリと笑うと共に広場の奥、水難用の所にいる蛙水の背後に靄が出現した。
私はあの靄には攻撃が届かないと思い本体への攻撃に移る。
ズドン‼︎
「グアアアアア‼︎‼︎」
Frontierのサーモによる補正を受け的確に両肩を撃ち抜く。ここでようやく私も中央広場に入り周囲の戦闘の跡から敵はこいつらを除き全て相澤先生が撃破したのだと悟る。
「何だよ、ワープゲートまでやられたら逃げれないじゃん。」
そう手の男は私を憎らしげに睨みながら続けた、
「そのコスチュームめちゃくちゃカッコいいなァ。パパとママにおねだりして貰ったんだろうなァ。」
来る、と私は背筋に汗が流れるのを感じる。
「オマエみたいな恵まれてるヤツがオレはイチバンキライなんだ。やれ、脳無。」
「ッFrontier‼︎」
手の男がそういうと同時に私は脳無に向けてリパルサーレイを放つ。フルパワーで放ったにも関わらず肉体が吹き飛ばないのを見ると、やはり敵が言うだけの事はあるのかもしれない。私は再び攻撃に移る脳無に次は先を取ることが出来ないと思い両腕で受けようとする。しかし防御を読まれたのか来たのはタックルで私は押し倒される。
「京君!」
そうこちらに来て加勢してきそうな緑谷に私は静止をかける。
「来るな!!」
「友達を守るか?カッコイイヒーローだなァ。そうだ、そのヘルメットを持って帰ろう!!頭を取れ!脳無!」
すると脳無が私の頭を鷲掴みにして力を加える。
私以外その場に居る全員が私の頭の取れる光景を幻視した。
だがそれは現実にはならない。脳無の腹に風穴を空ける事でバランスを崩させた。胸部から撃ったユニビームだ。立ち上がり再び両腕を向ける私に全員が驚愕する。
「死んだと思ったか?残念。500mm砲でも傷1つつかないゴールドチタン製だ。」
そう強がるも先の攻撃でエネルギーは0だ。こんな事ならミサイル位載っけておくべきだった。そう悔やみながらもう一度重心を落とし防御体勢をとる。しかし敵の攻撃は訪れなかった。
「オールマイト…」
「もう大丈夫!何故って?私が来た!!」
安心で意識の薄れゆく私を背に彼が敵と組み合う。
「後は任せなさい。京少年。」
私はドームの遥か彼方に飛ばされる脳無をぼんやりと見つめながら気を失った。
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