「何だよあいつ!オレにも着させてくれよぉぉ!!」
どこからとも無く実の声が響いてきた。周りを見渡しても全く見当たらない。何処に行ったのかと疑問に思っていると、
「いこう!!」
そう緑谷がチームに気合いを入れた。
★★★
今回、私たちのチームは緑谷、麗日、そして常闇の4人チームを組んだ。前に『黒影』を持ち、周囲の索敵に優れる常闇踏陰。右翼側に『無重力』によって騎手の機動力にバフを掛ける麗日お茶子。左翼側にこのチームで最も体格の良い私がつく。そして騎手の緑谷、私の提供したスーツを着込み『超パワー』で壊していた体の補助をさせることで彼のパワーアップを図る。
ちなみにスーツは補助モードになっていてFrontierが全面的に操作を請け負う。だからどちらかと言うより変哲のないパワードスーツとしての役割を担うだろうと思う。
★★★
緑谷の気合いに皆力強い声で返す。私が騎馬に加わることでチームのポイントに1000万ポイントが加わる。当然、周囲の鋭い視線、いや競技場内にいる全ての選手が己の牙を研ぎながらこちらを睨んでいるのがひしひしと肌で感じることができた。
「いくぜ、残虐バトルロイヤルカウントダウン!3・2・1!」
とうとう始まる、マイク先生のカウントダウンに観客たちも乗りスタジアム中に声が響き渡る。選手たちが最後に自分たちの作戦を再度思い出す。
「スタート‼︎‼︎」
戦が始まった。
★★★
スタジアム中央を向きながら全体を警戒しているとやはり、ほぼ全員がこちらに向かってくる。
「いきなりの襲来とはな、追われし者の宿命、選択しろ緑谷!」
「もちろん逃げの一手!」
常闇の声にすかさず緑谷が返す。流石にこれだけの騎馬に一斉にかかって来られて太刀打ちなど出来はしないと撤退をしようとする。しかし足元が沼の様になって動けなくなる。
「攻撃されている!」
おそらく前方にいる痩躯の彼の個性だろう。移動の様子からそう勘づく。
「飛ぶよ3人とも!捕まって!」
緑谷の声と共に足のジェットエンジンが起動し4人を一気に空へと運ぶ。
「さ〜、開始から2分も経ってねぇが早くも混戦混戦!各所でハチマキ奪い合い!1000万を狙わず2位〜4位狙いってのも悪くねぇ!」
実況の声が響く。そうだ、もっと言え、そう思っていると障子が近づいてくる。他の騎馬も近づいてきている撤退しようとすると、
「あれ⁉︎」
麗日が動かず騎馬が崩れそうになる。彼女の足元を見てみると実のもぎもぎが地面と接着している。
「それは峰田くんの!一体どこから⁉︎」
緑谷の声に周囲を警戒していると、
「ここだよ緑谷ァ。」
そう恨めしい声を出しながら障子の腕の中から顔を出す実を見つける。げ、と全員が驚きルール的にいいのかと疑問に思うも騎馬の形を保っているからアリ、だそうだ。形保っているのか?と疑問に思うも無理やり納得する。麗日が剥がすことを諦め靴を脱ぎ再び撤退をする。
ドカァン‼︎
今度は騎馬の方から攻撃を受ける。常闇の防御で接近を許されなかった様だが爆豪の攻撃だった。彼に限っては1000万ポイントより緑谷との因縁を最優先という所だろう、どうやらアレもアリらしく地面に着く前に瀬呂に巻き取られて回収されていったから、だそうだ。
★★★
「現在の保持Pはどうなってるのか!?7分経過した現在のランクをスクリーンに表示するぜ!あら!!?ちょっと待てよ、コレ、A組緑谷以外パッとしてねえ、ってか爆豪あれ!?」
実況がここまでのポイント変動をモニターに映す。私たちのチームは1位を守っているがマイク先生の言うとおりそれ以外の順位が入れ替わり、B組が上位を占め始めていた。
★★★
鉢巻を取られたのかすごい殺気が漏れ出ている爆豪を横目にチャンスを感じ取る。さっきまで厄介だった爆豪の騎馬がB組にヘイトを向けた。それはこのチームの負担を大きく軽減したと言える。
「そろそろ獲るぞ。」
しかしその声と共に立ちはだかるのは轟の騎馬。もう一つの強敵が立ちはだかり皆一層気を引き締める。
「飯田前進!」
そう聞こえたと同時に一気に接近してくる。しかし接近してくる騎馬は一騎だけではない。漁夫の利を狙う騎馬だろう4騎更に確認できる。
「しっかり塞げよ!無差別放電130万V!」
上鳴が周囲に一気に放電を行う。常闇の黒影が前に出るも電気ではあの防御は適さないだろう。
「Frontier!」
そういうと緑谷のスーツの肩から榴弾の様なものが発射され地面に突き刺さる。するとそれが刺さった私たちの前方よりこちら側に電撃が来ない。
回避されたことに驚いているだろうが、それでも轟は止まらなかった。
「残り6分弱、後は引かねえ」
彼の攻撃で感電によって痺れている騎馬を氷結させ拘束する。
飯田の加速によってこちらに急接近してくる、ここで飛ぼうとしたら轟の個性で拘束され騎馬を崩されるため撤退もできない。万事休す、と言った所だった。
★★★
「残り時間約1分!轟フィールドをサシ仕様にし、そしてあっちゅー間に1000万奪取とか思ってたよ、5分前までは!緑谷なんとこの狭い空間を5分間逃げ切っている」
後1分、マイク先生の声に時計を見るのを忘れたいたことを思い出す。私たち緑谷チームはなぜか使おうとしない、使えないのか、轟の右側に常に位置どり彼に攻撃をさせないというものだった。
突然、飯田の足のマフラーが青い火を吹いた。瞬間反応できない様な速度ですれ違う。緑谷の首元をみると鉢巻が奪われていた。
「言っただろ緑谷くん、君に挑戦すると。」
緑谷が唖然とする中、飯田は不敵に笑いながらそう言ったのだった。
「突っ込んで!」
直ぐに緑谷がそう言う。
「上鳴がいる以上、攻めでは不利だ!他のPを狙いに行く方が堅実では」
常闇がそう意見を述べる。
「ダメだ、Pの散り方を把握出来てない、ここしかない!」
しかしその反論で皆が納得する。
「よっしゃ、取り返そう、デクくん、絶対!」
「やるぞ!緑谷!」
そう気合いを入れ直したのだった。
★★★
今度はこちらが攻める番。急接近し鉢巻を騎手が取り合う。
緑谷もとうとう個性を解禁し挑む。轟も右の炎を使う。使えるのかよ、と不思議に思っていると上から爆発音が聞こえ見上げると爆豪も参戦する。
結果の予想できない混戦状態、いつだいつだと焦っていると、
「タイムアップゥー‼︎‼︎」
★★★
結果は第4位滑り込み出場と言う所だった。終盤鉢巻のフェイクに騙されるといったハプニングも起きたが、隙に乗じて常闇が鉢巻を奪っていてそれが勝負を分けたのだった。
★★★
何はともあれ最終種目に足を進められた。すごかったよ‼︎‼︎と緑谷にスーツを絶賛してもらい良かったと笑いながら第二種目を終えた。
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