「さァー、どんどん行くぞ!頂点目指して突っ走れ!ザ・中堅って感じ!?ヒーロー科A組飯田天哉!」
飯田がマイク先生の紹介と共にフィールドに上がる。私は試合開始に間に合うように今の内にスーツを着用する。
「バーサスゥゥ!障害物競走で空飛んでたよね⁉︎そのスーツ俺にも貸してくれヨォ‼︎同じくヒーロー科A組京文殊‼︎」
軽く飛び上がりフィールドに降り立つ。やはり見た目の魅力が高いのか、観客席から歓声が上がる。
ヘルメットを開け飯田と言葉を交わす。
「京くん、俺には俺の勝利を願ってくれる人がいるんだ。だから君に勝つ!」
彼が強い眼差しを向けてくる。確か彼も轟と同じくヒーローの親族が居たな、そう思い出しながら彼の言葉に応える。
「私にも期待して見守ってくれる家族がいるんだ。勝つさ。」
そう応えてヘルメットを下ろしホログラムを起動する。テレビの前で見守ってくれている母の為にも1回戦で負ける訳にはいかない。
気を引き締める。
「さァどっちが勝つのか⁉︎第4試合始め‼︎!」
マイク先生の号令と共に飯田はエンジンを使って走り、フィールドを撹乱する。いきなりレシプロバーストを使わないのは得策だろう。
今のスーツ、MK-4は軽量化が進んでいるとは言え、未だ100kgを超える重量がある。正面同士の戦いではあちらが不利。
開始直後、気の緩みが無い状況で突っ込んで来る事は避けたようだ。
「だが、甘いッッ!」
エンジンの加速に乗って蹴り技を仕掛けてきた彼に同じく蹴り技で合わせる。
ドンッ!
凄まじい衝撃音がして、彼が歯を食いしばった。骨折とまでは行かなくとも罅が入っている、そうレーダーが観測した。
「今度はこちらの番だ。」
そういってジェットエンジンを点火し空を飛ぶ。空中機動力の高さを生かし全方向から攻撃を仕掛ける。
「空からのヒットアンドアウェイで京が追い詰める!!」
ジリジリと押されて劣勢の飯田。もう勝負あったかと思われた。
彼の脚から青い炎が上がる。
「トルクオーバー!」
私が再び接近した折を見計らって繰り出されたレシプロバースト。これは分からなくなったぞ、そう思われたが、
「来ると思ったよ!!」
私が空中戦に持ち込んだ以上飯田のダメージは蓄積するばかりだ。ここで決めるしか勝ち筋はないと思うだろう。だから地面に降りるタイミングでフラップを開いて減速しタイミングをずらす。
「なっ!!」
蹴りを空振り体勢が崩れた彼の胸にリパルサーレイを撃ち込む。壁まで吹っ飛んだ彼は気を失っていてそのまま地面に倒れた。
「最後の飯田の超加速、京のタイミングに合わせた攻撃だったが完全に読まれてたな。」
相澤先生の解説が入る中、ハンソーロボが飯田を載せる。
「勝者、京文殊!!!」
歓声を受けながら私はロボットに搬送される飯田を追ってフィールドを後にした。
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