2回戦第1試合、緑谷と轟の試合が始まる。観客達も選手が第1種目1位通過の緑谷と第2種目1位通過の轟ということもあり、どちらが勝つのかと試合開始の合図を待ち焦がれている。
「どうなると思う?この試合。」
私も一同も圧倒的なパワーを持つ緑谷と大規模な凍結攻撃ができる轟、どちらが勝つのか予想ができなかっと。A組の大半は轟が勝つのではないかと傾いているが私と飯田はそうは思っていなかった。
「緑谷くんの攻撃が轟くんの攻撃を超えれば緑谷くんが勝つだろうな。およそ切島くん達の試合の様な正面戦闘が続くだろう。」
飯田も私と同じく正面衝突の展開になると予想している。だが心配事項が唯一あるとすれば緑谷の個性制御だ。恐らくまた個性が暴発して怪我を負うことになると2人で心配気に見つめる。
「見合ってェェ!スタートォォォ!!!!」
開始の合図があると同時に轟がいきなり凍結攻撃を仕掛ける。しかし、緑谷の反撃を警戒してか瀨呂の時の様な全力攻撃では無く、観客席にまで氷塊が迫り出す威力は無い。
だが轟の攻撃は緑谷を戦闘不能にさせるには充分な威力であった。が、彼も個性を使って氷塊を破壊した。
「制御出来なくてもお構いなしか。」
彼の赤黒く変色した指を見て呟く。飯田も彼の無茶を心配そうに見つめている。
★★★
ステージでは先ほどのような攻撃の応酬が幾度か行われていた。右手の指を全て犠牲にしたところで、彼は今度は未だ包帯を巻く左手の指を使い氷を吹き飛ばす。
しかし轟の攻勢の継続によって緑谷は大きく後退する。場外に迫ってきたところでとうとう腕を使って氷塊を吹き飛ばした。衝撃と激しい音がこちらまで伝わってくる。
「緑谷くん…」
前腕の全てが変色し、血も流している緑谷を見て飯田も苦しそうに呟く。
だが度重なる攻撃によって影響を受けたのは緑谷だけでは無いようだ。轟の体、主に右半身に霜が降りているのを確認する。白い息を吐き出す彼に個性の連続使用の影響が出ているのだと察する。
先ほど聞いてしまった話から彼は炎を使うことはできないだろう。緑谷の勝ちか、そう私が椅子に座り直そうとすると一旦攻撃の手が緩まる。
「何でそこまで…」
何やら会話をしているようで轟の顔が僅かに顰められているように感じる。
「君の、力じゃないか‼︎」
今のは何を叫んだのだろうか、人混みに吸収されて聞こえず何となく推察する。
昼前話していた彼の特殊な事情についてだろうか、自分の個性にコンプレックスを持つ彼に説得してるのか。その考えに至り彼のどこまでも突き抜けた人の良さに感服する。
すると、轟がいきなり左半身、つまり炎を使い始めた。彼の炎から発せられる凄まじい熱気がドームを包まんとする、緑谷もまだ残る右腕を使い拳を繰り出す。
攻撃がぶつかるという時、セメントス先生の個性によって防御壁が築かれる。それによって轟の炎と緑谷の攻撃によって凄まじい爆発が起きるも観客席への被害は抑えられた。
防御壁が彼らの攻撃に一度で消し飛び煙が立ち上る、風が吹き煙がその場から去るとステージ内にとどまる轟と場外に吹き飛んでいた緑谷の姿があった。
2回戦第1試合は轟の勝ちとなった。
高評価・お気に入りに追加・コメント投稿宜しくお願いします!!