A組全員で入学式を欠席したら最早ボイコットなのでは
四月、春
★★★
真新しい制服に身を包んだ私はこれからの事に心躍らせながら雄英へと足を踏み入れた。
★★★
A組の教室に来ると大きな扉に圧倒されながらも中に入る。早く来すぎてしまったのか教室には誰もおらず学校案内を読みながら時間を潰す。
★★★
「...ぇ、ねえ。」
いつのまにか寝てしまっていて、誰かの声に目が覚める。案内をしまいながら顔を上げる。
「あの時助けてくれたのアンタだよね。あ、ありがと。あとコレ返すね。」
声の主は入試の時0ポイントから逃げ遅れていた彼女だった。綺麗に畳まれたパーカーを受け取りながら答える。
「あの後大事にならなかったか?お互い受かって良かった。京文殊だ、よろしく。」
あの時、彼女の足は酷く青くなっていて明らかに折れていた。自己紹介しながらあの後の事について聞く。
「試験の後、リカバリーガールっていうヒーローが個性で手当てしてくれて直ぐに治ったよ。えと、アタシ耳郎響香、よろしく京。」
「よろしく耳郎。」
いつの間にか教室にはクラスメイトがほぼ揃っていて雄英という新しい環境に多かれ少なかれ期待を抱いているようだった。彼女と自己紹介を続けていると、
「お友達ごっこがしたいならよそに行け」
最後に来たクラスメイト、説明会場で酷く不安気だった緑髪の彼の後ろに寝袋に入っているあの時の実技の試験官が立っていた。
学校の教員だとみな考え席に着く。
「はい、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。」
そう彼は教壇に上がり不機嫌な声で愚痴る。
「担任の相澤消太だ。よろしくね。」
「「「担任!?」」」
クラスを率いるには些か気力が無さげな彼は驚く事にここの担任であった。
「早速だがこれ着てグラウンドに出ろ」
この反応にも既に慣れているのか手早く寝袋の中から学校指定のジャージを出しそう言うとさっさと教室を出て行ってしまった。
しばらく全員固まっていたが誰からともなく動き出すと皆ジャージを持って移動を始めた。
★★★
「「「個性把握テストォ!?」」」
着替え終わった一同が揃うと相澤は開口一番テストをすると言いその概要を説明した。
「入学式は?ガイダンスは?」
そう誰かが立て続けに質問すると、
「ヒーローになるならそんな悠長な行事、出る時間ないよ。」
と言い、続けてこう説明した。
「雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。お前達の中学の頃からやってるだろ?個性使用禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録をとって平均を作り続けている。合理的じゃない。ま、文部科学省の怠慢だな。」
なるほど確かに一理あると納得した。ヒーローになるといつ緊急事案が発生するか分からない、第一私達はヒーロー科最高峰の雄英に合格したがこのヒーロー飽和時代、正しくヒーローを目指すには焦らなければならないのかもしれない。
生徒が黙ったのを見渡してから相澤はテストの内容説明へと移っていった。
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