京のヒーローアカデミア   作:The Key

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ただの体力テスト

「実技のトップは爆豪だったな?」

 

そう言うと相澤は教室で言い合いをしていた男子を指名した。彼はつり上がった眉を怪訝そうに寄せながらも、1歩前に出た。

 

「1つ目はソフトボール投げだ。爆豪、中学の時何mだった?」

 

「67m」

 

相澤の質問に爆豪が答えるとソフトボールを渡しながら言った、

 

「じゃ、個性使って投げて。」

 

爆豪は相澤のやらせたい事を理解したのかボールを受け取ると口角を微かに上げストレッチをして大きく振りかぶった。

 

「死ねぇ!!!!!」

 

ヒーローを目指すものとは思えない声を出し、彼は掌で爆発を起こしながら投げた。

 

((死ね???))

 

死ねという掛け声に物騒だなと感じつつもそんなアブナイヒーローが居てもおかしくないかと考える。

 

「705.2m。まずは自分の最大限を知れ。」

 

705mという法外な記録に周りのクラスメイト達が騒ぎ出す。705!?飛びすぎだろ!!面白そう!!と声が上がると、

 

「面白そう、そんな遊び感覚ではヒーローになれないよ。じゃあそれなら、総合成績最下位の奴は除籍にする。」

 

突然降って湧いた除籍の危機に生徒から口々に不満の声が挙がる。

 

「そんなの、入学初日に理不尽だ!!」

 

メガネの男子がそう相澤に叫ぶ。

 

「ヒーローは常に理不尽と戦い続けている。コレを乗り越えられないのなら君たちはヒーローになるの諦めな。」

 

そう言うと相澤はもう生徒に付き合わず名簿順にテストを進めていった。

 

ところで1つ良いだろうか無個性はどうすればいいんだ。

 

だが待てよと考える。まだ皆自分の体の動かし方も完璧に理解出来ていないような歳だ。無個性でも継続的に好記録を出し続ければ或いは乗り切れるかもしれない。

 

まず50m走メガネの男子、飯田天哉がエンジンを吹かし3秒台という記録を収める中私は5.15という好記録を出した。170という自信を持って高いとも言えない私には体格がものを言う競技は余り自信がなかったものの良い記録を残せたと思いながら他の競技も好成績で順位を固めていった。

 

「んじゃあパパッと結果発表。トータルは単純に各種目の順位を合計した数だ。少ない奴ほど上位って事。口頭で説明するのは時間の無駄だから一括開示する」

 

1位は応用の効く個性だろう八百万という女子、2位は髪が紅白のツートンなのが特徴的な轟、3位に爆豪だった。

最下位の緑谷は目に見えそうなほどガーン!!と落ち込んでいると、

 

「除籍ってのは君らの個性を最大限引き出すための合理的虚偽」

 

と突然相澤がカミングアウトした。皆が口々にはなからその気は無かったんじゃないのかと安心する中、私はテスト開始時のまるで生徒の深層心理すらも暴いてしまいそうな鋭い相澤の目付きを想起していた。合格なのだろう。もう先程の気配は無い。もう二度とあの目は拝みたくない、そう感じながら個性把握テストを終えた。




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