バトルスピリッツ W-LINK   作:けんき

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ここからは背景世界の独自解釈、物語が始まりすのでご了承ください


創造を司るオラクル

「途方もない昔話?」

「そうだ。まず、リユ・ニオンよ。レクリスの起源を知っているか?」

「ええ、6体のオラクルスピリットが世界が創ったと……」

「幻惑を司るザ・ムーン、知性を司るザ・ハイプリエステス、調和を司るザ・テンパランス、嫉妬を司るザ・デビル、抑制を司るザ・ハングドマン、そして……創造を司る我、ザ・マジシャンがグラン・ロロ、神世界に続く第3の世界としてレクリスを創った」

「なんか、ギリシャ神話みたいな話になってきたな……」

 

氷牙達も興味津々で話に加わる

ザ・マジシャンはギャラリーが増えようとそのまま話を続けた

 

「しかし、出来て間もない世界には秩序は無かった。スピリット、アルティメット、人間は何も利益の無い不毛な戦争を繰り返していた。そんな混沌とした世界を変えるために、とある人物をこの世界から呼んだ」

「この世界から?」

「そうだ。その名はスカーレット」

『スカーレット!?スカーレットと同じ名前だ』

「スカーレット……レイカラット初代皇帝の名前ですね」

「そうだな。代々続くスカーレット家の始まりであり、レイカラット初代皇帝だ。そんな彼はスピリットやアルティメットを導き、率いることで、世界に争いを無くした」

「ん?今のところ。ジャッジメントが出てこないけど……」

「貴女よ。最後まで話を聞くものだ」

 

ザ・マジシャンの言葉に不満そうに「は~い」と返事をするエマ

 

「そのスカーレットが人間、スピリット、アルティメットが共に助け合い、共に共存する国を創ろうしたタイミングで現れたのはザ・ジャッジメントだ」

「ジャッジメント……」 

「ザ・ジャッジメントはスカーレットのスピリットを奪い取り、調和する世界を滅亡させようと動き出した」

「その後はどうなったのですか?」

「激闘の中、スカーレット達が勝利を収め、ジャッジメントは長き眠りについた。しかし……」

「しかし?」

「この激闘でスカーレットが従えたスピリット達は二度と目を覚ますことは無かった」

「そんな……」

「そんな彼は我々に魂を残したまま、石版に封印してほしいと頼んだ」

「石版に封印!?生き埋めってことか?」

 

氷牙の質問にザ・マジシャンは首を横に振る

 

「第三者から聞いたらそうなると思うが、スカーレットの考えは魂を石版に宿すことで、肉体が朽ちようと生きた証を残しつつ、未来の魂を宿したスピリットの力を有効に使ってくれることを信じてやったことだ。この世界で言うミイラみたいなものだ」

 

ミイラは古代エジプトで肉体は滅んでも霊魂は生き続け、死後も体を適切に保存しておくことで来世でも生き続けるみたいに考えだった

逆とはいえ、初代スカーレットも似たような考えだったんだろう

 

「なんかロマンチックだな」

「それだけだったらな……」

 

このまま終われば、友情の物語で終わる。そんな風にスカーレット達は思っていたので不思議そうに小首を傾げた、

 

「激闘の後にもう1つの事件が起きた……。レクリスとこの世界が繋がったことだ」

「そんな昔から繋がっていたの!?」

「古くからの幻獣や神話は基本的にスピリットやアルティメット達のことだろうな」

 

翔はエマに耳打ちをする

 

「合っていましたねエマさん」

「うん……なんか、こんなところでフラグを回収するとは……」

「最初は小さな繋がりだが、時代が進むたびに繋がりが強くなり、スピリットがこの世界にも来るようになった。その繋がりが強くなったタイミングで生まれたのがバトルスピリッツであろう」

『そんなところでも繋がっていたんだ……』

「確かに、石版とカードはよく似ている……」

「だとしたら意図的ではなく自然と似たんだろう」

「で、ジャッジメントが昔から世界を滅亡しようとするのはなんとなくわかった。じゃあ、2つ目の質問ね。どうしてジャッジメントは蘇ったの?」

 

エマの2個目の質問にザ・マジシャンは頷くと

 

「ここ最近……いや、人の生なら数10年前だろう。誰かがザ・ジャッジメントの眠りを呼び起した」

「誰とかはわかるの?」

「それは知らん。わかっていることはこの世界の人間であることはわかっている」

「この世界の人間……では、わたくし達もレクリスに帰れると言うことですね」

 

この世界からレクリスに向ったということは、スカーレット達が帰る手段があるということ

ザ・マジシャンはスカーレットの言葉に頷いた

帰る手段があると聞いて胸をなでおろすスカーレット

 

「帰る手段は?」

「オラクル二十一柱XXIザ・ワールドの力を借りることが出来れば元の世界に帰ることは出来るだろ」

「では、そのザ・ワールドはどこに……」

「それはわからん。だが、この世界にいるのは間違いない」

「そう……ですか……」

 

ザ・マジシャンの言葉にスカーレットは落ち込んむ

 

「そう、落ち込むではない。リユ・ニオンに朗報を伝えると、レイカラットなら問題ない。貴殿が居なくなったタイミングで進軍が止まったようだ。今は復興に向けて尽力している」

「そうか……よかった」

『よかったね』

「よかったな!リユ、シーラス!」

「ああ」

 

スカーレットとシーラスは心の底から安心したようにホッと息を吹いた

この世界に来てからずっとレイカラットのことを心配していたスカーレット達にとって朗報だろう

 

「それと復活と同時期にスピリットやアルティメットがこちらの世界に頻繁に現れるようになった」

「つまり、ジャッジメントを止めればスピリット達が頻繁に現れることを無くなるということ?」

「完全とは言えないが、前のように戻るだろう」

「なら、ガブリエルこと特殊異界生物調査隊はこの世界にスピリット達が何故来るのかの調査。原因が分かればその原因を止めるのがこの部隊の結成された目的だから、ジャッジメントを止めるのが次の目的になるね」

「そして、ザ・ワールドを見つけて帰る手段を確保する、わたくし達の目的は全て完遂できるわ!」

 

ザ・マジシャンの話を聞いて、手を空に上げて一致団結するスカーレット達

ゴールが見えたら後は突き進むだけ

すると、一致団結しているスカーレット達を見てザ・マジシャンが細く笑み

 

「そんな、貴殿に我から力を授けよう」

「力ですか?」

「リユ・ニオンよ、このカードを受け取れ」

 

ザ・マジシャンは3枚のカードをスカーレットに授ける

 

「このカードは?」

「我の力と、そこの小竜の新たなカードだ」

「誰が小竜だぁ!」

 

グロウの怒りの言葉を無視してザ・マジシャンは話を続ける

 

「創造の力は使えないが、バトルの時に我の力を使うことが出来る」

 

スカーレットはブレザーに3枚のカードを大事そうに入れた

するとエマは人差し指を立てて、思い出したように話始めた

 

「もう一つ質問していい?」

「どうした」

「リユちゃんに聞いたけど、ジャッジメントって願いを叶える力があるって」

「ある。あれでも審判の神だからな。復活させたり、崩壊させるのも容易だろう」

「……そうなんだ」

「質問はそれだけか?」

「う、うん。ありがとう」

「では、入口まで送ってやろう」

 

エマの話が終わりザ・マジシャンの持つ杖先の宝石が光り輝き眩い光り輝く

 

「そうだ、最後にリユ・ニオン。貴殿の家来ならこの世界に来ているから安心しろ」

「え?」

 

ザ・マジシャンはそう言葉を残して、眩い光がスカーレット達を包んだ

そして、スカーレットはゆっくりと目を開くと、足場が見えない洞穴とは真逆の茜色の空と黒いスーツの人がサングラス越しからでもわかるくらい心配している様子だった

 

「大丈夫でしたか?」

 

スーツの人の言葉に「うん。大丈夫!」とエマが答える

まるで夢のような感覚、思わず夢ではないかそれぞれ確認していると、背中の洞穴の入口が崩れ塞がった

大きな岩が奥から崩れているようなので二度と入ることは出来ないだろう

スカーレットは思い出したようにブレザーのポケットに手を入れカードを手に取る。手にはザ・マジシャンから貰った3枚のカード。あの出来事が夢で無いことを確信させるのに十分過ぎる程の証拠だった

スカーレットは肩の力を落とし、自然と安心したように笑みが溢れた

 

「彩火……わたくしは少し疲れたから変わってもらえるかしら?」

『別にいいよ』

 

スカーレットから彩火に変わり、ザ・マジシャンから貰ったカードをブレザーポケットに彩火は突っ込んだ

そしてみんなが調査を終えてバラバラとガブリエルの基地に戻ろうと歩き出した

 

────

 

魔女の姿のフェルマは連合国軍の基地となっている廃工場へとやってきた

すると、工場内に日本で普段生活していると絶対に聞けないであろう銃の発泡音が2回鳴り響き、フェルマの頭をギリギリをかすめる。フェルマにはギリギリ当たらなかったが数ミリでもズレていたら脳天に直撃していた

 

「……相変わらず野蛮ね。ブラン・ライフル」

 

物陰から黒いウエスタンハットに白いピシッとスーツを着こなした灰色の髪の青年のブラン・ライフルが姿を現した

ブランの手には銀色のピストルを持っており、煙を出していると言うことは、それを使ってフェルマを撃ったのは一目でわかった

ブランは大きく手を広げ、海外映画のような大怪我なリアクションを取ると

 

「ハッハー!流石、フェルマだ!」

 

快楽で銃弾を放つブランにフェルマに呆れたため息をつき

 

「この世界では銃は犯罪なのだが……」

「関係ないねぇ、こいつでスカーレットの宿主ごとぶっ殺せば全て解決するだろう!」

「それはタブーだとわたくしは話したわよね。ヴリックもなんか言ったらどう?」

 

フェルマはブランの足元にいる茶色いウエスタンハットを被った機械仕掛けのスピリット

腕を組みフェルマとブランの喧嘩のような会話を聞いていたヴリックは口を開き

 

「アッシは旦那の言う通りにするだけなので」

「話にならないわ」

 

一向に解決しない喧嘩。性格が全く違う2人なので無理もないのだが

廃工場の入口から手と腕を大きく動かし、元気に入ってきたリュイ

 

「あれあれ、また喧嘩?リュイもやりたい!」

「ハッハー!やるかおまえも」

「呆れた……」

「呆れたのはこっちだフェルマ」

 

フェルマとブランの喧嘩を黙って見ていたウーラノスの方に振り向く2人

ウーラノスが呆れたと言うのを何となく理解していたフェルマは口を開き

 

「ザ・マジシャンのことよね?」

「ああ、そうだ。簡単にオラクルのカードを取られやがって」

「別にオラクルの1枚くらいどうってことは無い。1番触れられてはいけないのはザ・ワールド。そこにたどり着く前に処せば問題ない」

「それはどうかしら」

 

ウーラノスとフェルマの会話を隣で静かに聞いていたアスルが口を挟む

 

「彼女の宿主がかなり厄介だ。あの勇敢に立ち向かって来るのは正直に驚いた。バトスピの腕もかなりいい」

「はいはいはーい!なら、さっさと宿主ごと殺しちゃお!」

 

リュイの言葉にフェルマはため息をつき

 

「それがダメだとさっきも言ったじゃない」

「えー、でも、リュイの作戦はうまく行きそうだったよ。失敗したけど」

「ハッハー!話を聞く感じだとうまくいきそうだったんだかな!」

「愚か者!見通しが甘すぎる!戦争ではその甘さが敗北に繋がる」

「何だよその言い方!ウーラノスは堅苦しいしうるさいんだよ!それにこれは戦争じゃなくて殺しだ!」

「殺しも同じだ!」

「ムキー!」

 

今度はウーラノスとリュイが口喧嘩を始めてアルスは大きなため息をついた

全く気の合わない各国のリーダー達。アルスの背中で静かにお茶を飲んでいた詩苑は

 

「……六国を滅ぼす者は六国なり」

「なんだその言葉は?」

「国が滅びるのは、国の内部に原因があるということこの世の言葉だ」

 

日頃から喧嘩しかしない連合国軍。リーダーの仲が悪ければ契約スピリット達同士も仲が悪い

アスルはそんな姿を毎日見ており、詩苑の言葉が当てはまったと感じた

 

「……確かに先に滅びるのは私達かもしれないな」

 

────

 

日も完全に暮れ家に帰る彩火。背負うリュックにはもちろんグロウが押し込まれていた

夜とはいえど街は星をかき消すくらい明るく照らしており、スマホのライトで足元を照らさなくても全く問題は無かった

帰り道を歩いている中、ふと彩火は薄暗い公園の前で立ち止まった……いや、立ち止まったのはスカーレットの人格が足を止めた

 

『どうしたのスカーレット?急に変わってて言うから……』

「いや、この公園から誰かに呼ばれているような気がして……」

 

スカーレットの勘に彩火は空返事を返すと

 

『行ってみたら、気になるなら』

「わかったわ」

 

彩火の了承も得てスカーレットは薄暗く人影も無さそうな公園へ足を踏み入れる

公園内はフェンスに囲まれており、砂場やすべり台など小さな遊具が点々とあり、遊んでいる子供を見守るようにベンチが置かれていた

そんなベンチに少女が1人座っていた。その姿はスカーレットはよく知っていた

 

「インテリジェン・マンジャノ?だったかしら」

「……名前、覚えてくれたんだ」

 

ジェンはおっとりした目でスカーレットを視線を移し、ゆったりとした口調で話した

 

「あなた。そんな喋り方なのね」

「……この喋り方の方が楽だから」

 

ゆったりとした口調にスカーレットはやり辛いと思いつつ

 

「呼ばれたような気がしたんだけど……?」

「……来てほしいと思ってたから、実際そうだね」

「普通に呼び出せばよかったのに」

「……連絡先知らない……この子も知らないから」

 

ジェンは豊満な胸を優しく手に当て

 

「この子?」

「……私も、あなたと同じで体を借りてる。違いは私が出ている間は宿主は意識を失っているということ……」

「なるほど、わたくしやシーラスとは違うのね」

「……多分、魔法の種類なんだと思う。私達のはフェルマの魔法でこの世界に来たから」

「そうなのね。あなた達がどうやってこの世界に来たのかはわかったわ。なら、本題に入るわ。どうしてわたくしに会いたかったの?」

 

スカーレットの質問にジェンは黒い空を見上げた。全く星が見えない黒い空

ジェンは黄昏れながら話を始める

 

「……バトルの約束を果たさないと思って」

「そういや、シーラスが勝っていたわね……。じゃあ話してもらうわ。目的とあなたが知っている情報を」

「……目的はあなたのみを殺すこと、情報としてはザ・ワールドの力を使えば元の世界に帰れるということ」

「連合国軍のセリフとザ・マジシャンが言っていた内容とほぼ同じね」

「……なんだ。知っていたんだ」

 

知っていた……というよりは思想が強すぎて連合国軍の連中が会うたびに話していたので、知りたくなくても知ってしまったのが真実である

 

「それで、あなたはわたくしをこの場で殺すの」

「……私は殺しには興味ない。殺すなら勝手にやってほしい。私達ストレーガはジャッジメントから新たな魔法を知れればそれでいい。争いは無駄だと私も含めてフェルマも思っているから」

 

確かにフェルマ達から明確な殺意は感じなかった。他の連中が好戦的過ぎるのはあると思うが

 

「つまり漁夫の利を狙っているわけね」

「……まあ、そうなるのかな」

 

彼女は一拍置き、口を開く

 

「この世界の空は星が見えなくて嫌いだ」

「空?」

 

スカーレットは空を見上げる

 

「そう言えば、久しく星を見てないわね」

『この街は夜も明るいから』

「……早くレクリスに帰りたい」

 

ジェンの言葉に口を噤むスカーレット。ジェンは立ち上がりその場を離れようとした

 

「ちょっと待ちなさい」

「……どうしたの?私は話したいことは話したけど」

「まだ、わたくしに有益な情報を貰ってないわ」

「……なんの情報がほしい?」

「そうね……」

 

空を見上げて何の情報がほしいか考えていると

 

「じゃあ、連合国軍のリーダーの事とわたくしを殺してまでジャッジメントに何を願っているのか、知っている範囲で教えてもらいない?」

「……全然いいよ」

『いいんだ……』

 

ジェンは再びベンチに腰を掛ける

 

「……他の国の事情はよくわからないけど、ストレーガはジャッジメントの願いは新たな魔法を知る手に入れること……ってフェルマが言っていた」

「フェルマが?あなたが自らわたくしを殺しに来たんじゃ無いの?」

「……私は校長の推薦で来ただけだから」

「だから、争いごとに興味無さそうだったのね」

「……うん。私は夜空の星を見れたらそれでいいから」

「そっか」

「……私の知っているのはこれだけ、じゃあね」

 

ジェンは再び立ち上がり公園を後にした

時が止まったように静かな公園に1人となったスカーレット

 

『……連合国軍にもいろいろあるんだね』

「他にもインテリジェン・マンジャノのような者はいると思うわ。だけど、リーダー格の人が考えているのは驚いたけど」

 

多種多様な考えに触れたスカーレットは背伸びをして、公園を後にするスカーレット

 

────

 

ザ・マジシャンから会って数日後の都内某所。とある事務所。ガブリエルの3人、エマ、真氏は黒いスーツ、翔は自身の通う高校の白い制服をビシッと着込んでいた

エマは気だるそうにスーツのブレザーを触りながら事務所の廊下を歩く

 

「はぁ~堅苦しいし嫌なんだよね〜」

「おまえ……社会人向いてないよ……」

「あはは……」

 

真氏達は立ち止まり、眼の前の扉を2回ノックする

 

「特殊異界生物調査隊の荻野です」

「入りなさい」

 

渋い男性の声が扉の向こう側から響く

真氏は扉を開け「失礼します」と一言備えて入った

大きな机に資料を読みパソコンを触っている男性

ワックスで固めたのがすぐにわかるくらいテカテカした黒髪オールバックに白髪がちょこちょこと目立ち、ほうれい線と共に歳相応と思わせる

男性は仕事の手を止め、真氏達に目線を向ける

 

「いーや、すまないね。どうもデジタル関係には疎くてね。紙の資料じゃないとどうしても……」

「いえ、問題ないですよ。神島(かみじま)防衛大臣」

 

彼は神島 裁器(かみじま さばき)。特殊異界生物調査隊の立ち上げの1人である

真氏は手にしていたA4の茶封筒を開き、神島に資料を渡した

資料の内容は今回のザ・マジシャンの話をまとめたものだ

神島はペラペラと軽く資料を読むとなるほどと頷く

 

「そのザ・ジャッジメントが原因と……これは虹橋(にじはし)くんに渡したのかい」

「はい。虹橋環境大臣にはメールで送らせてもらいました」

 

虹橋環境省大臣こと、虹橋 界菜(にじはし かいな)は神島 裁器と共に特殊異界生物調査隊の立ち上げた1人である

神島は真氏が貰った資料を机に置き

 

「君たちの活躍はよく耳にしている。頑張っているようだな」

「いえ、我々は別に……新しく加入したメンバーが頑張っくれているので」

「新しいメンバーと言うのは学生と聞いている。今度、是非とも会ってみたい。特殊な人なのだろ?」

「まあ、はい、いろいろ……。だけど、とても真面目で積極的です」

「そうか。なおさら楽しみになった。今度時間を作って会いにゆくよ」

「わかりました。来る日が決まり次第連絡をください。その日を調整しておきますので」   

 

神島は思い出したように手を叩くと

 

「そうだ。君たちに新たなメンバーを紹介しようと思っていたんだった」

 

思い出したタイミングで扉をノックする音が部屋全体に鳴り響いた

真氏達は扉の方に視線を向けると、扉が開いた

 

「失礼します」

 

入ってきたのは幼さが残る白髪の少女。年齢的にも翔と同じくらいだろう

そんな幼い顔つきとは思えないグラビア体系な彼女が着ていたのは、この世では見たことの無い服装なため、3人は何となくだが察しはついた

少女は真氏達に向けてペコリと頭を下げる。真氏達もつられるようにペコリと頭を下げる

 

「彼女はトアだ。レクリスでは契約の巫女をやっていたそうだ」

「そうなんですね」

「彼女も正式に特殊異界生物調査隊のメンバーだ。この世界のことをいろいろ教えつつ、彼女を含めてこれからも頑張ってくれ」

「「「「はい!」」」」

 

真氏達は頭を下げて退出しようと扉に手をかけた

にこやかな笑みを浮かべて、真氏達の帰りを見守った

 

部屋を出て、扉を閉めた瞬間に「はぁ~!」と力が抜けるようにトア以外の3人はその場にしゃがみこんだ

 

「やっぱ……緊張する」

「神島さんは見た目はいいお祖父ちゃんみたいな人なのに、謎の緊張感がある……」

「わかる〜」

 

完全に疲れが出て顔に出ていると、部屋では一言も話していなかったトアが口を開く

 

「かなり疲れているね」

「まあね〜。私は前にいつものテンションで話したら事務の人にお叱りを受けたし……」

「この3人は堅苦しいのは苦手なんだよ……」

「あたしも苦手だよ」

「……やっぱ、ガブリエルのメンバーってみんなそうなんだな」

「特殊異界生物調査隊って、みんなはガブリエルって言ってるんだ」

「まあ、通称だけどね。名前の理由はかっこいい!だから、深い意味は無いよ……」

「そうなんだ」

 

翔は背伸びをしながら立ち上がり

 

「とりあえず、帰ろう。ここじゃあトアさんに話すのは無理があるし」

「そうだね。翔ちゃんの言う通りだね」

 

エマ達も立ち上がりトアと共に事務所を後にするのだった




次回から多分、書き方を変えます。三人称と一人称視点をうまいこと使っていきたいと思います(キリがいいしね)

次回も読んでもらえると幸いです
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