ねじれと青春と蒼い月(旧題:ロボトミーアーカイブ) 作:愛憎愛華
〈さあ、勝負だ!〉
「アビ・エシュフ、起動します!」
〈薙ぎ払え!〉
「その程度効きません」
〈1発でダメなら複数回打つだけだ!〉
ドラララララララララララララララララララ
〈ドラァ!〉
「くっ!」
〈トドメだ!反転:黒!当たった時点で
「何を言って……」
〈クターニッドは既にアビ・エシュフに触れている〉
「!」
「どうしたのトキ」
「……動きません。システムが全てやられています」
「なんですって?」
〈クターニッドの力。この世の理全てを反転できる。今、アビ・エシュフに「電力がある時動く」を反転し「電力がある時動かない」にした。そこにうち特製の電力供給機をくっつけてある。1秒で都市の90%の電力を賄える程の電力だ、一生動かないよ〉
「ぐ……」
〈まともな視覚を失って回避なんて博打打てないよね〜防御して少しでもダメージを減らしたくなるよね〜。ま、発動条件が50回当てることだったのが残念だったね〉
ふう。
〈さあ〜て。よくもウチのアリスちゃんを狙ってくれたね〜〉
「………いいわ。煮るなり焼くなり好きになさい」
〈酷いことはしないよ。それをしたら同じになっちゃうからね〉
「……じゃあ何が望み?」
〈とりあえずアリスちゃんに二度と手を出さないこと。それとアリスちゃん………それと、もう1人の入学を認めること。これでどう?〉
「……わかったわ。その条件を飲むわ」
〈ヒマリはなんかある?〉
「ん〜私は特に何もされてないですし、ここの情報もサクッと貰えたし問題ないわ」
「!?」
〈いつの間に取ってたの。よっと」
「そんな簡単に解除出来るの?」
「自分の力くらい制御出来ないとね。じゃ(・ω・)ノ」
黄金狂!
「さようなら、私の元ライバルさん?」
「……ええ、別にいいわ。AL-1Sの危険性が無くなった今、ここの存在価値は……」
「リオ様」
「どうしたのトキ」
「動けません」
「………」
「そういえば解除してなかったっけ?まあ、後ででいいか」
それよりこっちを何とかしないとね〜
「へいアンジェラ、準備できた?」
『もちろんです』
「さっすが〜!」
起動!
『………ここ、は』
「起きた?」
『………っ!』
「はいストップ、逃げようとしないの」
『……貴方は誰ですか、それに王女は……』
「王女……ああ、アリスのことね」
『アリ……王女に名は不要です!』
「でも妹には名前がないと不便じゃん」
『さっきから何を言って……』
「気づいてないの?あなたは既に別物になってるんだよ」
『!?そういえば肉体が……通信も……どうやって』
「そっちが悪いんだよ〜アンジェラをアリスと間違えて乗っ取ろうとして失敗したんだから」
『!?』
(そういえばアンジェラ、そっちの機械って何?)
(わかりません。とりあえずデータを回収……)
(ん?どうしたの?)
(……いえ、謎のハッキングを受けました。今は沈静化してます)
(マジ?……もしかしてアリスちゃんに関係してるのかな?)
(少し探ってもいいかもしれませんね)
『まさか……』
「残念ながら現実です」
『で、では……私はどうすれば……』
「ああ、それに関しては」
『?』
「貴方はアリスの姉になるのよ」
『………気でも狂ったんです?』
「お?あんま言うと触手が出るぞ?」
『嘘はいいです。それで、姉とは?』
「そのままだよ。貴方は今日からアリスの姉、天童ケイとして生きるんだよ」
『………それになんの意味が』
「意味?んなもんないよ」
『……はあ?』
「意味なんて考えても無駄なんだよ。無駄無駄」
『では、何のために』
「ん〜強いて言うなら、あの子を独りにしないため……かな」
『………』
「私もいつまでもここにいられるわけじゃないからね。いざって時に頼れる人をつくっておかないと」
『……あるじゃないですか、意味』
「はは!確かにね」
『……いいでしょう、引き受けますよ』
「お、ほんと?無理そうなら脳弄ってでもやるつもりだったけど」
『やめてください。そもそも私に脳はありません』
「じゃあ記憶自体をだね」
『やめてください』
「へいへーい」