ダイヤの原石   作:浜の小さな大魔神

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皆さんどうもこんにちわ
浜の小さな大魔神です
横浜のCSチケット申し込み失敗したぁ
まぁそれはいいです。(なにもよくはない)
やっぱりCSがあるとシーズンが最後まで楽しくていいですね
それはそうと
今回はオリ主のごりっごり活躍会です
投打に活躍するとともに
魔改造した彼らにも暴れてもらいましょう



白熱の紅白戦

監督の話から2日が過ぎて

今日はニ,三年生との練習試合の日だ

今日の実戦は久しぶりなので

昨日の夜はワクワクしてなかなか寝付けなかった。

なんだか遠足前日のような気分だ。

 

金丸「つ、遂に来ちまったなこの時が」

金丸は少し緊張したひきつった声でつぶやく

 

それに何人かが反応した。

 

「あ,あぁ,そうだな。」

損な緊張をするものの眼前には

獲物をしとめようと虎視眈々と見つめる目がある

先輩たちだ。彼らの中には当落線上の選手も多くいる

そんな彼らからすればこれはアピールチャンスだと思うだろう

 

それを知ってか知らずか

硬くなってしまう一年生もいる中

監督は試合開始のために声を上げる

 

 

片岡「それでは,両チーム整列!!」

 

「「「「「おぉぉーーー!!!!」」」」

 

片岡「今日は,俺が審判を務める。双方全力を尽くすように。それでは,双方礼!」

監督から檄が飛び

お互いやる気はMaxだ

 

「「「「よろしくお願いしまーす!!」」」」

 

挨拶をして、試合が始まる

 

スターティングメンバー

 

2,3年生

1 遊 楠木

2二 木島

3捕 宮内

4三 増子

5一 前園

6左 麻生

7右 門田

8中 関

9投 丹波

 

1年生

1ニ 菊岡

2遊 高津

3一 有藤

4中 松木

5三 金丸

6左 大野

7投 東条

8捕 狩場

9右 三井

 

沢村「なぜ俺がベンチなんだー!!」

 

帝「文句を言わないの。俺だってピッチャー以外久々なんだから」

 

降谷「出ない,,,,」

 

秀悟「おいおい,そんなんで大丈夫か帝さんよ〜?」

 

帝「どうにかするしかなかろうよ。まぁやれるだけやるさ。というわけで初陣は任せたぞ東条!」

 

俺は東条に檄をおくる

まぁ,ぶっちゃけ東条がどうこうできるなんて思ってない。

失礼なことを思っている自覚はあるのだが

事実なのだから仕方がない

そういうわけで思いっきりやろうと

暗に轟沈してこいと伝えたわけだが

勘繰られなくてよかった。

 

東条「おう!」

 

「プレイ!」

 

そして東条が投げた初球は,

 

ガキーーン!!

 

左中間を深々と破るツーベースだった。

 

続く打者は

 

キーン!!!!!!

 

有藤「クッ!」

飛びついてグラブにかすめるも

取り切ることは叶わない

 

一、二塁間を抜けるヒット。

 

しかし、ボールは勢いをなくしたのでライトがとって

ランナーは三塁ストップする。

 

無死、1,3塁

 

立ち上がりから大ピンチである。

 

帝「東条ー!!相手が格上なんてわかりきってることだ。落ち着いてけ〜」

 

正直初回に1・2点は全然想定内だ

ここで粘れるかどうか

ここが彼の一つの正念場になりそうだな

 

秀悟「まだまだこっからだぞ!」

秀吾としても、別にピンチなんて珍しいものじゃない

いつでも外野から刺してやろう位の心つもりだ

 

そんな二人とは裏腹に

東条(クソ!ボールは悪くない。むしろ走ってるのになんでこんな簡単に)

彼は一人、自身のボールは悪くないはずなのに

それが全く通用しない事実に苦しんでいた。

 

続く3番打者に対して

 

宮内「俺たちは,一軍の残り少ない椅子をかけて死に物狂いで戦っている。そんな中でお前らに譲ってやる椅子なんてない!ムフーー!!!」

 

帝(さっすが強豪校。意気込みもスイングのキレも中学生のそれじゃないな)

 

そして,宮内には粘られてフォアボールを出し

4番の増子に投じた二球目

 

初球の変化をたたいた後に

あまりにあっさりと外に構えた真っ直ぐが内に入った

 

 

東条「あ、、、」

そんな声とともに無情に吸い寄せられるように

真ん中に力ないストレートが行く

そうなれば当然、、

 

 

 

ガキーーーーーン!!!!!!!

 

 

 

バットの芯で完ぺきにとらえた

打球はぐんぐん伸びてそのままスタンドへ消えていった。

 

「「「「おぉーーー!!」」」

 

四番の完璧な一撃に大歓声が上がる

対照的にがっくりと項垂れる東条

そんな傷心の一年生に先輩たちは容赦なく襲い掛かる。

 

連打を浴び、制球がおぼつかない

結果的にカウントを悪くし

また甘く言った球を痛打されて連打

結果として

 

12ー0

一回表終了時点での点差である。

 

東条が項垂れている姿を見て,周囲も驚きを隠せない

タオルを目にかけ、体は疲弊しベンチに体をしだれかけてる

その姿は一年実力差以上の絶望感を与えた

 

「おいおい,あいつ全国ベスト4まで行った松方シニアの東条だろ?あいつが1イニングスであんなになるのかよ」

 

片岡監督「金田!次の回から行く準備をしておけ!」

 

金田「は、はい!!」

 

一回裏

 

丹波「ふしっ!」

 

ククッ ギュウウウウン

 

「うわ」

 

尻餅をつく1番打者。

右打者にしたら自分に向かってきたところから

急速にブレーキがかかり縦に割れるようなカーブ。

 

先頭打者が空振り三振に打ち取られると

続く東条もあっさりと打ち取られてツーアウト

 

帝「とりあえずカーブと真っ直ぐそれぞれ引き出して見せてやるから,見極めて好きな方打て。」

 

秀悟「了解」

 

そして,帝はゆったりとバットを1番長く持って

内側の線から一歩離れた右打席に立つ。

 

初球はアウトコースの真っ直ぐ

ズバァン!

「ストライクワン!」

 

次はインコースのカーブ。

ギュウウウウン!

「ボール」

 

低く外れてこれはボール

 

3球目,4球目とカーブを続けて投げてこれで2ー2

 

4球目のカーブが来た瞬間に

思いっきり空振りした。

これにはキャッチャーの宮内も

 

宮内(こいつ,カーブに貼ってやがった。だからわざと少し離れたか。フン,それなら外角の真っ直ぐでしまいだ!)

 

そうとわかれば後は早い

 

丹波「ふしっ」

 

投じられたボールはアウトコースのストレート

少し高めに浮いたとはいえ威力は充分なボールだ。

 

 

 

 

 

 

 

それが,誘導された球でなければの話だが

 

 

 

 

 

 

 

 

キィーーン

 

丹波「⁉︎」

 

宮内(な、なんだと!!)

 

綺麗に一、二塁間を抜けた打球はライトへ転がる初ヒット

 

これで2死,一塁で迎えるは絶対の信頼ある四番

松木 秀悟である。

 

秀悟(本当に打ちよったよ帝のやつ。おっそろしいわ〜、3年生バッテリーの投球を誘導しやがった。)

 

帝「秀悟〜!打てよー。俺のヒットを無駄にするな〜」

 

秀悟「ったく、簡単に言いよってからに」

(つってもどっちも狙って打てるかと言われたら怪しいところだな。まぁ,慌てず狙い球絞りますか。ここは王道に習ってさっき帝がストレート弾き返したことだしカーブ一点張りでぶっ飛ばす!)

 

思考はシンプルに

狙い球を絞って振りぬく

そう考えて言た秀吾なのだが

 

帝(ぶっちゃけあのレベルのカーブ狙い撃ちをやろうとしてできるやつなんてこのチームでお前しかいねーよ秀悟。だからお前が仕留めろ)

 

帝にとって信じた仲間は3人目である

1人目は,東京武蔵シニアの泉

そして今打席に立つ彼が2人目である。

帝にとって彼らは数少ない信用と信頼に値する人物なのだ。

もう1人に関してはいずれ,,

 

初球は高めの真っ直ぐを外して

 

次はアウトコースに決まって1ー1のカウント。そして,丹波が次に投じたボールは

 

丹波「プシッ!!」

 

切れ味抜群のカーブ。トップスピンでまるでそこだけ重力が強くなったかのように曲がる。

 

ククッ ギュウウウウン

 

しかし,

 

秀悟(はい,ご馳走様です!)

狙っている松木からすれば

コース・球威共に絶好球だ。

 

キィィィィーーーーン!!

 

打球を完璧に捉えた金属バットの音が響き渡ると

ボールは大きく舞い上がりライトは一歩も動かず

ライトスタンドであるネットに突き刺さった。

 

「,,,,,ハハッ、マジかよ」

 

この光景には全員が言葉をなくした

自主練を抜けてきた御幸ですらこの様子である。

打たれた丹波は呆然としていた。

 

帝「っしゃー!!」

 

「「「「「「「ウォーー!!!!!」」」」」」

 

すぐさま上がる大歓声。

点差をつけられて意気消沈していた一年生

その全員が大いに盛り上がった。

 

片岡(誘導でヒットに繋いだ有藤が今日の最大の打撃結果かと思ったがまさか丹波カーブを狙い打つ奴がいるとはな。これで夏が面白くなった)

 

この結果には人知れず片岡監督もマスクの裏で頬を緩めた

 

帝「ナイスバッティング」

 

秀悟「だろ?」

 

パーン!

 

ハイタッチの乾いた音がグラウンドにこだました。

 

 

2回

先輩たちにさらに火がつく。

マウンドに上がった金田がさらに大炎上。

初回に12点取られて2点返したが,

意味などないと言わんばかりにこの回も14点を奪われ

26ー2ともうどうにもならない展開となった。

正直、あの一発で流れが変わったというより

完全に三年の心に火をつけただけだった

 

金田「ハァハァハァハァハァハァ,な、なん、だよ、あれ。みんな、簡単にうちすぎだろ」

 

絞り出すように声を出すが,その目は既に限界だった。

 

 

片岡「次の回に内外野何人か入れ替えるぞ。投手は次は降谷,その次に沢村だ」

 

降谷「はい」(ようやく投げられる)

ゴゴゴゴゴゴとオーラが漏れ出ている

 

沢村「は、はい!ウォーー!ついに出番が!」

 

帝「先にプルペンで肩作ってこい」

 

わめく沢村とポヤポヤしている降谷に

ひとまず肩を作ってくるように釘を刺す時間はそんなにないのだ

 

案の定、、

 

丹波「んーー!プシッ!」

 

ズバァァン!

 

「ストライクバッターアウト!スリーアウト,チェンジ!」

 

あっさり三連続奪三振でスリーアウト。

おまけに丹波さんは吠えていた。

片岡(なぜ最初からそれが出来んのだ)

 

この回の先頭は2年の麻生。そして

降谷がマウンドに上がる。正直半々だ。

あいつの場合可能性は二つしかない。それは

 

片岡「プレイ!」

 

ドゴーーーーン!!

 

「ボール」

 

ストライクゾーンに行くか行かないかである。

しかし、ど真ん中に行ってもあの球はそうそう

 

「ストラーイク!バッターアウト!」

 

打たれない。ただし狩場が超痛そうだ。

まだ5球だが終盤の2球はボールこぼしていたし。

 

片岡「タイム!降谷,合格だ。明日から一軍に合流しろ」

 

降谷「えっ」

 

このことに降谷は驚いていたがそれ以上に

2・3年生は反発した。

 

宮内「待ってください!俺たちまだあいつにやられっぱなしです!せめて後3いや,2回チャンスをください!必ず打ち崩してみせます!」

 

片岡監督「そうしてやりたいのは山々なんだがな。このボールを取れる捕手がいない。こいつも先ほどの5球目をとった時点で手が痺れ始めて握れなくなってしまっている。そこでクリスの二の舞を出すわけには行かないんだ。わかってくれ」

 

宮内「グッ!わ,わかりました」

 

片岡監督「だが,あいつを一軍に上げたら毎日ピッチャーとして対戦させてやる!全国に向けてあれだけの球を打てる練習相手などそうそうないからな」

 

何やら耳打ちしたようだ

大方、上で撃たせてやるから

我慢しろとかその辺だろう

 

宮内「は、はい!」

 

片岡「それなら早くベンチに戻れ!試合を再会するぞ。ピッチャー,降谷に代わって沢村!準備はいいな⁉︎」

 

沢村「この不祥沢村!いつでも準備はできております!」

 

こうして、沢村栄純の高校初マウンドが始まった。

投球練習を終えて,まずは7番の門田

その初球

 

ゆったりとダイナミックに足を上げる

そして、テイクバックから投げ込んでいくのだが

この時に帝はあることを思った

 

帝(左手。沢村なら右手なわけだけど、あいつはグラブの壁をガン無視してたからそこを軽く矯正してやったんだけど意外な副次効果が出たな)

 

右手の壁が自身の腕を隠すフォームとして機能してる

打者は一巡目にこれを初見でとらえるのは相当難しいだろう

 

驚いた表情の先輩

意に介さず沢村は思い切り投げ込む

 

ズバァン!

 

片岡監督「ストライク!」

 

アウトローにきっちり決まるストレート。

続くボールは

 

ズバァン!

 

片岡「ストライクツー!」

 

対角線のインコースに厳しい球が決まる。

ここまで様子見に徹した門田先輩に

どう勝負するのかと思いきや決め球は

 

ブン! カキーン

 

「大きいぞ!」

 

やや甘めのストレート。とらえたかに思えた飛球は伸びながらもフェンス前で失速してセンターにいた秀悟ががっちり掴んでワンナウト

 

続く打者もインコースの甘めの球を引っ張るもサードライナー

 

さっきっから腕の降る角度が若干だがぶれている気がする

それ自体が問題なのではないが

問題なのは、、、

 

帝(沢村,あいつもしかして意図的に不規則変化のムービングと綺麗なフォーシームを使い分けてるのか?もしそうなら,あの打ち損じにも納得がいくし,全体的な失投の割合に説明がつく)

 

こいつが意図的にそれを操りなおかつ

動く球の方が暴れてまだ制球つかないだけなら

これを会得したらそれだけで唯一無二の武器になる

 

帝(そしたら面白くなるな)

 

まだはるか後ろのライバル

その確かな成長に少しほほが緩くなった

 

この回を2人の投手の変速リレーとは言え3人で切ったことで流れが変わる!

 

ズバァァン!

 

丹波「シャア!!」

 

なんてうまく行く話はなくあっさり三者三振でチェンジ。

 

片岡「丹波,お前はここまでだ。明日から一軍に合流しろ!今日はホームランこそ撃たれはしたものの,気迫のあるピッチングは十分評価に値するものだ。本来ならお前の球は必ず全国でも通用する。自信を持って投げろ!」

 

丹波「はい!」

(クソ!なぜ,何故俺はいきなり一年生から2点も取られているんだと1人で焦っていたが,自分にできることをやるだけなんだ。それ以外に,俺がエースたる道はない!) 

 

打たれながらも,自分の生きる道を見つけた三年生丹波,

彼もまたこの夏に劇的な成長を見せるのだが,それはまた少し後の話。

 

気を取り直して試合に戻ると

4回にはあっても沢村は快投を続ける。

先頭打者の楠木更に続く木島と

ムービングと真っ直ぐのコンビネーションのみで打ち取ると,

3番に入っている宮内に対しては

 

ギュン!

 

と曲がってインコースに食い込むカットボール

これには宮内も驚いた顔と共にドン詰まりのゴロ

ムービングボーラーにとって

最もポピュラーな変化球であるカッター。

今までの不規則な変化のボールから一転

威力抜群のボールが突き刺さる。

沢村1と2/3回パーフェクト。

 

片岡(天然のムービングにキレのいいストレートとカットボール。そしてあのマウンド度胸,なるほど。確かにダイヤの原石かもしれんな。)

 

帝「ナイスピー沢村。次の回,なんか色々あったかしらんけど俺と秀悟の後にお前が入ってるからつなぐし頼むぜ?マジで」

 

沢村「まかしておけ!この沢村栄純の華麗ならホームランをご覧に入れてやろう!」

 

秀悟「あのデタラメなスイングでホームラン打てたらプリンでもアイスでも好きなもん奢ってやるよ」

秀吾からすればあのフォームで振ってて

気持ち悪くないのか不思議でならない。

ちなみに帝は投球フォームは見たが

それ以外は知らないのだが

秀吾がここまで言うなら相当だと思った

 

帝「まぁ,とりあえず出塁してチャンスは作るからどうにかして得点につなげよう」

 

秀悟「そうだな」

 

 

投手は変わって川上

 

川上(同部屋だからって手加減しないぜ?)

 

帝(もちろんですよ,先輩!)

 

互いの気持ちは相手の目を見ればすぐわかる。

先輩も手加減などしない

ならおれも全新千里で答えるのが礼儀だ

 

初球はインコースへの真っ直ぐ

ズバァン!

 

片岡監督「ストライク!」

 

帝(いい投手だな。サイドスローの独特のフォームからくる打ちづらさとコーナーの使い方がうまい。この手の投手の打ち方は基本的に失投や甘えの球を待つよりも決めに来る変化球をたたくべきだな)

 

思考をまとめていると

続くボールは

 

ギューーン

 

「ストライクツー」

 

外に逃げていくようなスライダーがゾーンに厳しく決まる。

追い込まれるまではこの辺は切っていい。

ここから,3.4球目はファール,

5球目が外れてボール,6球目はファール。

続く7.8球目は真っ直ぐとスライダーがそれぞれ外れる

カウントツーストライクスリーボール。

決め球に選んだのは,

外に逃げていくスライダー。

 

帝(想定通り!思いっきり踏み込んで!)

 

キィーーーん!!!!!!

 

打球はライト線に乗るツーベース。

これで今日は2の2である。

帝(我ながら出来過ぎだな。さて、お膳立てしたんだ。繋げよ大将)

 

秀悟には外主体にせめていたが,

インコースにカウントを整えに投げたスライダーを

 

カキィィン!

 

この男は見逃さない

鋭く1,2塁間を破るヒットで持って繋ぎ

ノーアウト1.3塁

 

帝(さすが。文句なしのチャンスメイク)

 

秀吾(あの人いい球投げてるけど、左には逃げる球ないからさっきの先発の人より対処しやすいな)

 

塁上で秀吾は打席を振り返っていた

 

沢村「うぉーー!いくぜ!」

 

だが

 

帝「ターイム!」

 

ここでタイムをとって沢村の元へ

 

帝「スクイズしよう」

沢村「なんでだ⁉︎」

帝「ここでお前が打つよりも確実だから」

沢村「俺は打って点取りてーんだ!」

帝「おい、テメェが今やってんのはチームスポーツだ。エゴが不要とは言えないが,中途半端な我儘なんて求めてねーんだよ,わかるな?」ゴゴゴゴ

沢村「おう」

 

少ししょぼくれた沢村に声をかけておく

 

秀悟「別に帝はお前に期待してないわけじゃない。ただ,ここで無警戒とは言え,完璧なスクイズを決められるやつは夏の大会で少なからず戦力として見られる気がするぜ?」

沢村「おお!!そうだな!ならば俺が完璧なスクイズを決めてやるぜ」

 

帝(ちょっろ)

 

帝「サンキュー秀悟。助かった」

秀悟「帝は言い方怖すぎだよ」

 

こんなもんだろうと思うのだが,そのまま塁に戻る。

 

そうして迎えた初球。

川上と宮内が大きく外角にボール球で外す。

沢村もバンドの構えをしながらもそれのみでバットをすぐ引く

俺も秀悟もスタートしない。これでスクイズへの警戒が少し高まる。

 

 

続く二球目

 

沢村「うおいしょー!!」

 

豪快な空振り。これで1ー1、1番なんでもできるカウント。そして,さっきの空振りでスクイズがどうなのかだんだん絞れなくなって迷いが生まれ始める

こうなると投げる球は外の真っ直ぐに絞れる

 

 

宮内(何を狙ってやがるこいつら。点差はあるがこんなところであっさり決められても後味悪い。一級外のボール気味の球で様子見るぞ)

 

ズバン!

3球目外角に大きく外れてツーボール

 

帝(ここだな)

帝がサインを出す

 

秀吾(栄純わかってるかなぁ)

若干不安感の残る秀吾

 

沢村(クッソー、打ちたかったぜ。だが)

 

チームプレーの大切さは身に染みて知っているつもりな沢村

その彼にとって、帝の言葉は自分の中であっさりと入ってきた

そんな彼は不満なく自然体で打席に入ることが出来た

それが、ちょうどよいカモフラージュとなる。

 

その中で4球目

外角に投げられた不用意なまっすぐ

カウントは悪くしたくないが

甘く入るのも嫌った中途半端な球。

 

「ス、スクイズー!!」

 

ベンチから指示が飛ぶがもう遅い。

川上が追い込むために放ったやや甘い低めの真っ直ぐを沢村が完璧にバントする。

そうして俺はスライディングでゆうやうホームへ。

秀悟は二塁到達し,沢村のスクイズは見事成功。

さらにここで代打が告げられる

 

片岡監督「代打,小湊春市」

 

宮内(なんだこいつは。木製バット?んな短く持ったら外角届かないだろ。それなら)

 

アウトコースにとりあえず様子見で放らせようというのが見え見えな配球。

見逃す理由も,狙わない理由もない。

 

帝「春市,仕留めろ」

彼の思惑と俺の予想は完全に一致していた

 

カン!

 

乾いた木製バットの音が響くと,打球はライト線を破るツーベース。この回にも2点を返した。

26ー4

 

依然として絶望的な状況である。

とはいえ、それはあきらめる理由にはならない

代打の春市がそのままセカンドに入る。

 

帝「とりあえず,センターラインよろしく。一、二塁間の方は多少開けてもいいからそっち警戒お願い。間のフライは声かけながら,外野優先で行こう」

 

春市「うん。それで行こう」

 

沢村「ガンガン打たせて行くんで、バックのみんなよろしくな!!」

 

秀悟「元気いいなあいつ。」

 

帝「元気が取り柄だからなあいつは」

 

3イニングス目。この回は先頭打者の増子が要注意人物。

 

狩場(確か、今日投げたやつで対戦した2人は全部撃たれてる。しかも長打)

事実,増子の今日のあたりは

5打数5安打2ホーマー9打点の大当たり

そんな増子に対しての初球は

 

ズバァァン!

 

片岡監督「ストライク!」

 

インコースにストレート。

 

増子(なるほど、確かに綺麗なストレートだな。その上出所も見ずらいからタイミングも取りずらい。おそらくこれとは違った球質のボールと,宮内の話していたカットもあるはず。)

 

この時点ですでに増子の方に格上という考えは一切ない

増子のスラッガーとしての圧が増す。

今年の夏が集大成

もう自身にとって後のない夏

悲願を叶えるには自分が一軍にいなくては話しにならない

 

増子(俺は全力で一軍に返り咲く。来い!!沢村ちゃん)

 

沢村「!!」

 

 

ここで沢村はインコースに続けてまっすぐの後

アウトコースにムービングを投げて1ー2となる。

そして,4球目

 

ギュン!

 

「ファール!」

 

カットボールでインコースを意識させる。

そして,ここで沢村は二つ目を解禁する。

その,運命の5球目

 

ブン! フワッ ククッ

 

キン!

 

「ファールボール!」

 

沢村・帝・秀悟・春市・狩場「「「「「!?」」」」」

 

沢村(あ,当てられた。はじめてなげたのに)

 

帝(確かに,若干腕の振りは緩かった。それでも初見なら十分打ち取れるクオリティだったはず。それでもなんとか食らいついてきたか)

 

秀悟(今の,明らかに意識のどこかに3種目の球種の存在を感じていた,その上で食らいついたんだ。すげーな,三年の意地ってやつは)

 

春市(あのチェンジアップに当てるなんて。投げる方もすごいけどね)

 

狩場(まさか,ここまで取っといた秘密兵器が)

 

増子「確かに驚いたが,そう簡単に三振してはやらんぞ!沢村ちゃん!」

 

ニッと微笑む増子に,強気に笑う沢村

2人の決着のボールは、インコースにストレートとして放たれる。

 

がギーん!

 

打球はつまったかと思えた、

しかし,無情にも打球は防球ネットに直接突き刺さるホームラン。

打たれた沢村もガックリという様子であったが

一塁を回った時の表情を見る限り,紙一重であったことが窺えた。

 

その後は,チェンジアップもうまく散りばめながらしっかり3人で締め

2回2/3イニングで奪三振こそないもののようした球数は実に23球と抜群。

マウンド度胸と内外にしっかり投げる最低限のコントロールがある。

だからこそ彼のムービングは生きるのだ。

 

そして,川上が次の回以降はあっさり抑えると

 

片岡監督「投手交代!ピッチャー沢村に代わって,有藤!」

 

おぉぉぉ

 

少しどよめきが起きる。

通なファンなら名前を知られる程度には中学時代有名だったのだが

彼は別に中学の成績とか割とどうでもいいと考えている派なので

そこまで気負うことはなく。全開で行くことだけを考えていた。

6〜9回の実に4イニングスを任されたので、テンポ良く行きたい。

 

帝(久しぶりの実戦マウンド。やっと、、帰ってきたな)

 

ようやく立ったんだ

このスタート地点に。

感慨を胸に抱いて、いつものようにロジンを数度軽く手の上で遊ばす

肩甲骨周りの筋肉と関節を軽くほぐして打者を見下ろすように迎える

 

 

片岡監督「プレイ!」

 

高校生活,映えある試合の第一球目はもちろんストレート

 

ズバァァァン!!

 

片岡監督「ストライク!」

 

初球は137キロのストレートがアウトローにビシッと決まる。

 

帝(うん,悪くない)

二球目はインコースに

 

ギュギュ! 

 

「ストライクツー!」

 

シュートで追い込む。

技巧派に見せかけていながらも

シュートやカットボールは球速を落とさないことで

ストレートとの誤差をほとんど無くし威力を上げて行くのだ。

これに緩急のサークルチェンジと

ノーマルのスライダーをウイニングショットにしていく。

 

追い込んでからの三球目は

 

ズバァァァン!!

 

「ストライクバッターアウト」 

 

高めのつり球

 

続く打者には

 

ギュン!

 

インコースへのカットボールを打たせてセカンドゴロ

 

続く打者は

 

ギュギュ!

 

シュートでショートごろに打ち取り,三者凡退

 

しかし,秀悟も変わってしまったため,打線はかなり心許ない。

自分も投球に集中したいので打撃へのリソースはだいぶ低い。

事実,この回はあっさり凡退してしまった。

 

2イニングス目

 

先頭打者はあえてオールストレートで詰まらせる。

シュートやカットボールを織り交ぜることで

際どいコースの球を勝手に相手が勘違いしてくれることがあるのもコツだ。

 

手早くツーアウトまで取ったところで,迎えるは4番増子

 

増子(沢村ちゃんのさらに一段階上の投手と考えるべきだな。こい!帝ちゃん!)

 

その初球は

 

フワッ ククッ

パシン!

 

「ストライク!」

 

増子「!?」

(まさか,初見のアドバンテージをここで?)

 

あえて初球に見せたことで,続く球が

 

帝(より有効に使える)

 

ズバァァァン!!

 

「ストライクツー」

 

空振りで追い込む。

そして,追い込めばこちらのものだ。

 

フォームや腕の角度は変わらず

カットボールよりも縫い目のかける位置をやや外側にしつつ

一般的なスライダーに使う捻りを加えて投げる。

 

ククッ キュイン

バシン!

 

 

増子「!?」

 

「ストライクバッターアウト!!」

 

「「「うぉーーーー!!!」」」

 

「あの怪物スラッガーを三球で三振切り!」

「最後のはスライダーか?」

「キレ抜群じゃねぇか!」

 

帝(まぁ,初見ならこんなもんでしょう)

 

帝としては,別に空振り三振を奪えたことに感慨はない。

むしろ,ここで二つの球種を含めて今日投げる予定の変化球は全て晒してしまったので

これからもし二打席目があるから注意しなくてはと感じていた。

 

この回は結局、増子を三振にとった流れのまま後続をあっさり抑えてスリーアウト,続く8回もゼロに抑えると

 

26ー4で迎えた9回のマウンド。

 

帝は,狩場を呼ぶ

 

帝「悪いんだが,この回は全部のボールを使ってねじ伏せたい。いいか?」

 

狩場「あぁ,出し惜しみなしってことだな」

 

帝「話が早くて助かる」

 

ここでいう全球種というのは,当然今日投げたという意味であるが

それでも制限しながら小出しにして3回を打ち取ってきた。

そして,ここでラストということでギアを上げるという話である。

 

まず,先頭の9番打者には

 

ズバァァァン!

 

「ストライク!」

真っ直ぐで押し込み

 

続く二球目は

 

ギュンギュン

 

「ストライクツー!」

内のシュートを見せつけて

 

そして,

 

フワッ ククッ

 

「ストライクバッターアウト!」

 

緩い球で崩して仕留める。

 

先頭を三振に取ると,打順は先頭打者へ

前回はカット系で勝負したが今回は

 

ギュンギュン

 

「ストライクバッターアウト!」

 

インコースのまっすぐでカットを意識させ

決め球は外へ逃げるシュートで三振に仕留める

 

そして,2番打者には

 

ククッ キュイン

 

帝「セカンド!」

 

初球に外のスライダーを打たせてスリーアウト

 

その裏,帝に代打が出されるも反撃もなくスリーアウトで

26ー4と引くほどの大差で負けた。

 

 

試合後,俺,秀悟,降谷,沢村の4名に,一軍昇格が言い渡された。

同時に,丹波と宮内,増子と川上も一軍復帰が決まった。

狩場や春市は二軍で経験を積むこととなった。

 

ここから、本格的な一軍へのベンチ入り争いが始まる




はい、てなわけで我らがオリ主くんと
その彼に魔改造された栄純君はほぼほぼ抑えたものの
「あっさり勝つのもそれはそれで強さが引き立たない」
てなわけで今回は負けという形にしつつも
しっかりと各人はアピールできたという形にしました
次回から又一群の彼らやほかのキャラとも絡ませていきます
それではまた次回
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