浜の小さな大魔神です
今回はオリ主の手によって魔改造された
沢村のデビュー戦です。個人的に最終的な
落ちは目指しているものの、どうにも原作とトントンくらい
それ以上になるような予感があんまりしない。
まぁ、なるようになるでしょう。
バスにて〜
伊佐敷「それにしてもナイスピッチング,ナイスバッティングだったじゃねぇかこの野郎!次も頑張れや!」
伊佐敷先輩は強面な人だが
よく見てるし,声の掛け方もいい。
帝「ありがとうございます」
秀悟「うす。純さんがセンターにいてくれてすごい守りやすかったっす!」
伊佐敷「ったりめーだ馬鹿やろう!」
やはりこの人は口が良くないから
勘違いされるかもしれないけど
根本的にはいい人なんだよな。
帝「御幸先輩,今日スライダー要求しなかったのわざとっすか?」
ここで俺は昨日気になっていたことを御幸先輩に質問した。
御幸「あぁ、あれな。あの打線がムービング系変化に対応し出したら変えようかと思ってたけど,想像以上に高速チェンジが使い勝手よかったからな。夏の頭くらいまではこれにスライダー1つで十分だろ?」
帝「それなら明後日あたりのブルペンでスライダー試させてください。」
御幸「あぁ,いいぜ」
小湊「ねぇねぇ,今日は完封したから丹波ヘア回避な訳だけど次はどうするの?」
突然亮介さんがとんでもないことを言い出す
帝「もうやんないっす!?」
小湊亮「なんだぁ、次回の楽しみだったのに」
帝「あははははは」(マジこの人天然のドSだよなぁ)
先輩の溢れだす鬼畜ぶりに驚いていると
片岡監督から声がかかった
片岡「有藤,帰ったら沢村と降谷の2名を連れて監督室に来い。話がある。それと,次の試合では川上。途中登板があるから必ず準備しておけ」
川上「は、はい!!」
帝(よかったっすね、ノリ先輩)
バスから降りてグラウンドに着くと
沢村とクリス先輩,そして今日はベンチに入らず
グラウンドで練習を言い渡されていた降谷が来る。
沢村「帝,聞いたぜ!お前完封したんだってな!俺は今日の試合も行ってなかったけど,まだ負けねーからな!」
降谷「僕も負けない」 ゴゴゴ
オーラを出す降谷をとりあえず宥めてから、クリス先輩に話をつける。
帝「クリス先輩,この2人をお借りしても?」
クリス「今日のメニューはあらかた終わってる。ダウンだけはさせるつもりだが,正直こいつらにダウンで走れと言ってもダッシュになってしまうからな。ちょうどいいから,歩きながら軽く体をほぐす運動をさせる。」
帝「それなら,その動きのままでいいので監督室までこの2人を連れて行きます。何やら監督が自分とこの3人に話があるようなので」
クリス「わかった。」
こうして話をつけた上で俺たち3人は
グラウンドからゆったり歩きながら監督室へ向かう。
事前にクリス先輩から連絡が行っており
片岡監督も2人がそう言った理由で
歩いてきざるをえないなら別に構わないと
言っていたのでおそらく大丈夫な筈だ。
沢村「どうだったんだ?はじめての登板は」
興味津々な沢村。
降谷も表情はどことなく興味ありげな感じがする。
帝「良くも悪くもいつも通りだよ。まぁ,別に調子は良かったし完封したから良かったんじゃない?」
降谷「完封,,,すごい」
沢村「ま,負けねーぞ!俺だって,すぐに追い越してやるからな!」
帝「じゃあまずは追いつけよ?待ってるぜ未来のエース君?」
沢村「上から言いやがってー!!」
降谷「負けない,,,,」
帝(これでいい。これで俺だけじゃなくなるならそれでいい。)
傲慢、不遜、投手を志すなら
このくらいふてぶてしいくらいがちょうどいい
監督のいる部屋である監督室に到着する
ガチャ
帝「失礼します。2人を読んできました。どんなご用件でしょうか?片岡監督」
片岡「あぁ,次の試合だが先発を沢村。お前に任せたい。降谷,お前に関しても7回あたりから投げてもらう予定だ」
沢村「!?」
降谷「!?」
帝「良かったね。2人とも。」
片岡「それで,もし2人が崩れたらお前に行ってもらう。次の試合で投げてもらうのは丹波と川上になりそうだからな」
帝「わかりました。任せてください」
沢村「この沢村栄純!必ずやボスの期待に応えて見せましょう!」
降谷「必ず抑えます!」ゴゴゴ
沢村は元気いっぱいに
降谷はオーラを立ち昇らせながら
次の試合に向けて気持ちをすでに高め始めている
こうして,2回戦に向けてそれぞれの練習を進めていった
俺は昨日ん試合の疲労を抜くと言いうこともあり
基本的にはノースローで走ったり下半身のメニューをする
その日の夜。
グラウンドからほど近い河原のグラウンド
そこのベンチで俺は歌菜と少し話していた
今は食事後の自由時間で特にやることもなく
この後少しバットを振りに行くだけのつもり
だったのだが、歌菜に誘われたのでこっちに来ていた
話は何なのかと思えば
昨日の試合の感想とねぎらいだった。
歌菜「帝くん!すごかったね!スタンドから見てたよ」
完封するなんてすごい!と
手放しに誉めてくる歌菜
人から称賛されること自体は
特段珍しいものでもないが
ここまでストレートなのは珍しい
だからか知らないが、心なしか
この時間がどこか心地よく感じている自分がいた
帝「ありがとう。先輩たちのおかげで気持ちよく投げさせてもらったわ」
思ったことをそのまま伝える
今は他の取り繕ったものを使いたくない
歌菜「でも,すごくその〜。かっこよかったよ!/////」
カァァァっと赤くなっている歌菜の顔を見て
なぜかとても満足な自分に驚いた。
俺も心なしか顔に朱がさしているようにすら感じる。
帝「ありがとう。次もかっこいいところ見せられる様に頑張るよ」
出てきたのは想像以上にキザなセリフだった。
なぜかふわふわした感じが治らない。
結局話も全然入ってこないしで
自分でもいまいちよくわからないテンションのまま
部屋に帰るとノリ先輩がベッドに腰掛けて座っていた
ノリ「お帰り。昨日は言えなかったけど、完封おめでとう。あれはすごかったな。とても初登板とは思えなかったよ。次も頑張れよ!俺も頑張るから。負けないぜ?」
帝「はい!」
夜が明け,練習に暮れ,気づけば春季関東大会2回戦の日となっていた。
ー週末ー
今日の相手は山梨県代表 紅海大甲府高校。
ぶっちゃけ,王者山守学院の調子が悪かっただけで
普通にやったら今の状態なら青道の方が強いだろう。
しかし,先発の沢村にはまだまだ不安が残る
降谷もボールが高めにハズレ出したらわからない。
だからこそ,俺もノリさんは準備を怠らない様にするのだ
片岡「今日の相手は紅海大甲府高校!沢村は6回までの予定だが,イニングスは気にするな。行けるところまで行ってこい!」
沢村「イエス!ボス!!」
片岡「その後は降谷の予定だが,スクランブル形式に早くなりそうなら川上,もしくは有藤をクッションに入れる。7回から上がるつもりで準備しておけ」
降谷「わかりました」
御幸「二人ともあんまし固くなんなよ?初めてなんだ思いっきりやれ」
帝「この程度のプレッシャー跳ね除けてもらわないと面白くない。だからまぁ,頑張れ」
秀悟「素直に褒めろよツンデレなんて柄じゃねーだろ気持ち悪い」
帝「うっせぇ」
結城哲也「御幸の言う通りだな。思いっきりやればいい,点は俺たちがとってやる。」
こうして,試合が始まる。
先行は相手なのでこちらが先に守備だ。
沢村はマウンドに上がると
御幸とサイン交換の確認をした上で
後ろを振り向くと大きく声を上げる。
沢村「えぇ!本日、ついに待ちわびた高校初登板ということで思い切り良く!力強く投げていきたいと思います。後ろに守ってもらっている先輩方を信頼して!ガンガン打たせていくんでよろしくお願いします!」
帝「ハハ!さいっこうだな沢村。あいつやっぱり緊張とか無さげだわ。すげ〜」
秀悟「おもしれーけど,あれはやりたくねーな。恥ずかしい」
御幸「ッハッハッハッハッ!やっぱり最高だよお前!」
伊佐敷「いい声出てんじゃねぇか!!ビビらず行けやぁ」
「プレイボール!!」
大きな審判のゴールから試合が始まる
まずは初球。1番の右打者にどう入るのか
興味を持ってベンチから見守る
高々とダイナミックに右足を上げて
右腕のグローブに隠れたところから
急に左腕が飛び出してくる。
バシィィィィィン!!
「ストラーイク!ワン!」
インコースにクロスファイヤー
初球から決められた相手打者にとってはたまったもんじゃない
続くボールはアウトローに決まる。
一球外に外れて
1ボール2ストライク
そして決め球は
キュイン
ガッ!
ボテボテのセカンドゴロ
最後はムービングで討ち取った
続く打者にはインコースをストレートで
強気に責め切ってショートフライ
3番に対してだったのだが
御幸(今日はインコースの攻め方を課題に。徹底して来い)
沢村(厳しく!厳しくインコースに)
どっ!
「デッドボール!」
観客「あー,ツーアウトから勿体無い。」
沢村「ツーアウトですよツーアウト!どうか落ち着いて!最後に一個取っていきましょうー!!」
スタンドの応援「「「「「お前がいうんじゃねぇー!!」」」」」
帝(さっすが馬鹿な子阿呆な子沢村くん。今日も全開だな)
「物怖じすんじゃあねぇよ?お前ならまだまだいけんだろ?」
対する打者は4番
右の大砲って噂だが,実際に見てる感じは
打つこと全振りのパワーヒッターって感じだから
正解とは言えないがあながち間違いではないのかな?
御幸(まずはインコース。しっかり来いよ!)
沢村(行くしかねーでしょ。)
ズバァァン!
「ストライク!」
続けてインコースへ
キン
「ファール!」
追い込んで0ー2
帝(流石沢村。あのテンポの良さと思いっ切りの良さがあいつの強みかな?それにしてもインコースにデッドボール当てた直後とは思えない強気さだな)
そして最後は
ギュン!
ガッ!
最後は詰まらせてピッチャーゴロ
沢村「シャー!!オーシオシオシ!オーシオシオシ!」
秀悟「ナイスぴーだぜ栄純!!」
倉持「ヒャッハハハ!よく抑えたじゃねぇかこのやろう!」
伊佐敷「なーにぶつけてんだコラァ!」
小湊亮介「最後にぶつけたのは余計だけど,まぁよかったんじゃない?立ち上がりにしては」
沢村「ありがとうございます!!」
帝「沢村!」
沢村「おう!」
手を出してハイタッチ!と思いきや
スカッ スパーン!
「デッドボールを出しといてドヤるな!帽子取ればいいってわけじゃねーんだぞ?」
沢村「お,おう。」
帝「まぁ,それ以外はナイスピッチングだ!2回以降も頑張れよ?ダメならいつでも代わってやる」
沢村「そんな心配らねーよ!」
御幸「有藤,サンキューな」
帝「御幸先輩より,俺が言った方があいつには効くだけです。お気になさらずに打撃に集中なさってください」
御幸「よくできた後輩だことで」
結城哲也「丹波も川上も,こいつらくらい堂々とふてぶてしくしてていいんだぞ?」
川上「は、はい!」(あれは無理ですよ。哲さん)
丹波「あぁ」(それが出来たら苦労はない)
一回裏
倉持の四球,小湊亮介の送りバントから
伊佐敷のタイムリーで先制すると,結城を歩かせて増子
ガキイィぃィン!!
打球はレフトスタンドへ吸い込まれるスリーラン
そして
キィィィィィン! ドン!
「おぉぉ!松木また打った。今度はライナー性のツーベースヒット」
御幸がランナーなしであっさり凡退した後に
松木秀悟のフェンスダイレクトのツーベースヒットが飛び出す。
ツーアウト2塁で打席には沢村
沢村「だーはっはっはっ!よく打ったな秀悟!」
「これに!」
ブン!
「俺も!」
ブン!
「続くぜ!」
ブン!
「ストライク!バッターアウト!」
といういい意気込みを持って
打席に入ってサクッと三振して
何食わぬ顔で帰ってきた沢村。
なんというか
秀悟「大者?」
帝「ただのアホだろ。それより」
秀悟「わかってる。ポテンとスライスな」
帝「そゆこと。伊佐敷先輩ばっかに頼るなよ?」
続く2回,3回と,今日の沢村は
ムービングとカットボールが冴え渡り
結果的に3回終わって25球1安打1死球無失点。
帝「想像以上に癖玉だな。あれは打ちづらいわ。ヒットもポテん一本のみか。二巡目のクリンナップに回るここだな」
そして,打線は好調に得点を重ねられているわけではなく
初回の4点以降もチャンスはあったが奇しくも正面で点にならず
迎えた4回,ピンチが訪れる
先頭バッターに内野安打を許すと
続く打者に一、二塁間を破られて
ノーアウト一、二塁。
迎えるは5番
ここで一度タイムを取る
沢村「クッソ,なんで急に」
御幸「わかってたことだろ?球質が軽くて動きやすいお前の球は当たればそこそこのとこまで飛んじまう。降谷とか有藤見たく球威でバカバカ押す投球ってのは元来向いてねーんだよ」
沢村「わかってるっす!だからこっからどうすればいいですか」
御幸(意外だな。思いのほか冷静だ)
御幸「それなら,まずはあれ。見せておこうか。ともすればゼロで切り抜けられる」
沢村「⁉︎」
そうして,キャッチャー御幸は
フィニッシュに向けてサインを出し始める。
沢村の脳裏に浮かぶのは初めて
青道高校のグラウンドに訪れた日のこと
御幸(最高のピッチングってのは、投手と捕手が一体になって作り上げる作品だろ)
あの言葉は沢村栄純という投手を形作る根幹となった。
ゆえにキャッチャー御幸に対して沢村は
万感の信頼を込めて渾身のストレートを投げ込む
ズバァァン!!
「ストライク」
130キロちょうどのストレート。
決して球速だけ見たら早くもない平凡なストレート。
しかし,この男の特殊な柔らかい関節と
しなやかな腕が体に隠されるようにして
放たれるストレートは倍化するように早く感じる
続く2球目
キュイン
カキン!
「ファール!!」
外のムービングでファールを撃たせる
続くボールは
ギュイン!
「ボール!」
インコースへのカットボール。,
4球目
ズバァァン!
「ボール!」
インハイのストレート
これも外れてボール。
この段階で,バッテリーの狙いを俺は理解した。
このバッテリー,いや。御幸一也は
この正念場でいきなり使おうというのだ。
俺の教えた,沢村栄純のカットボールと
もう一つのウイニングショットを
運命の5球目
沢村(このボールに,力入らない。あるがままの投球で!)
フワッ ククッ
ズパァン
「ストライク!バッターアウト!」
スタンド「ウォォォォォォー!!!」
沢村「うぉーし!!」
サークルチェンジ
打者のタイミングを完全に崩した一球。
これで,流れが変わる
続く打者には
ギュイン!
カットボールを詰まらせる。
ガッ!
倉持「オーライ」
パシ
沢村「ツーアウト!」
しかし,最後のバッターというところで
キュイン
キィィン!
「センター前ヒット!二塁ランナー生還!!4ー1」
ムービングを拾われて右中間に落ちるセンター前ヒット。
相手にうまく撃たれたとしか言えないが
沢村としてはゼロに切りたいと思っており
悔しい結果となった。
それでも腐らず後続を仕留めてスリーアウト
帝「あのセンター前は仕方ない。相手にうまく拾われたな」
沢村「あぁ,畜生。もっと低めに制球できてたら変わったな!」
帝「落ち着いて,次の回にひきづるなよ?」
沢村「あぁ,引きずってる場合じゃねぇよな」
帝(心配なさそうだな)
「もし,どうしょうもなくなったら秀悟のとこに撃たせろ。なんでも取ってくれるさ」
秀悟「うぉい帝!何いきなり言ってんだ⁉︎」
こうして,守備に着く
5回表
先頭打者はムービングでうまく打たせて内野ゴロ
しかし,続く打者には
キィィィィィン!
フェンスダイレクトのツーベースを浴びる
カットボールで腕が振り切れず
中途半端な甘い球になってしまった。
1死,2塁
4回に続くピンチ。
帝(このピンチの対応次第で投手の資質が問われるな)
打順は2番
先程の打席は討ち取っているが,この打席ではどうか
御幸(まずはしっかりゾーンに。勝負していこう)
沢村(気持ちは,常に強く前に!)
大事な初球
コツン
初球からセーフティ気味のバント
御幸「沢村!ファースト!」
沢村「クッソ!」
体制が悪く,送球が外れる
一塁結城はどうにか捕球こそするもベースから足が離れ、
「セーフ!セーフ!」
1死 1.3塁
打席には先ほど内野安打の3番
御幸「タイム!」
沢村「どうしました!俺,大丈夫ですよ!」
張り詰めた表情の沢村
御幸「大丈夫なわけあるか」 コツン!
沢村「いて!」
御幸「あんまりイニング続けて点とられるのは本来良くないんだが,こうなっちまった以上は一点は仕方ねぇ。とりあえず慌てず一つずつ取っていくつもりだが、お前はどうだ?」
沢村「御幸先輩,俺はこの回点を取られたくないです。」
崩れかけても致し方ない場面で
この男は投手として何より重要な闘志を
未だ失ってはいなかった。
御幸(この心の強さ。これがこいつの最も大きい資質)
御幸「ニヒィ,だよな?それでこそ投手だよな!よし,それならガンガン攻めていこう。そのかわり,お前も全開でこい!この回までのつもりでいいから」
沢村「⁉︎,,はい!!」
御幸(まさか,自分のミスの直後であれだけ言えるとはな。上出来だ。それなら俺が,キャッチャーとしてお前の最大を引き出してやる)
3番打者を迎えたピンチの場面で武者震いのようない笑みを浮かべる沢村を見て有藤帝は
帝(点を取られるか,撃たれるか,それはわからない。抑えるかもしれないし,ホームラン打たれるかもしれない。それでも,例えそうなったとしても,こいつはいつか俺なんかよりよっぽどすごいやつになるかもな)
静かにライバルの未来の姿を
その小さな左腕の背中に見ずにはいられない。
そんな言葉にするのも難しい感慨に囚われていた。
六回表,アイシングをしているベンチの沢村
結論から言えば,彼はあの後あっさり犠牲フライを打たれた。
インコースのストレートと外のカット
チェンジアップを主体に追い込んだはいいものの
最後はインコースのストレート勝負を仕掛けたが
ボールが少し中に入り結果はライト後方への犠牲フライ
結局,今日の沢村は
五回 76球 被安打5 奪三振1 与四死球1 失点2
という内容で高校初登板を終えた。
沢村(クソ,変化球の制球にストレートの球威にクイックに牽制。あげ出したらキリがねぇ。これを全てできてようやくスタートラインなんだ。今日の出来なんかじゃ全然エースには程遠い)
帝「沢村,凹む気持ちも理解できる。投手として,勝負球が納得いかずに打たれたショックはかなりのものだよな?でも,エースを目指すならそれを表に出しすぎるな。あからさまな行動ってやつは意外とベンチ内でみんな見てるもんだ。そう言う面を投手は極力見せたらいけないんだ。エースを目指すなら尚更,な?」
沢村(クッソ,カッコ悪いとこばっかじゃねぇか!俺。まだまだ修行不足!これからまた一から,クリス先輩の元で学んでやる)
6回裏は,繰り上がりの要領で降谷暁がマウンドに上がる
この日,沢村栄純は確かに一年生ながらに充分の投球を披露したと言えるだろう。しかし、彼の存在はそんな及第点など捨て去るほどの強烈なインパクトを与えることとなる
先頭バッターの5番相手に投げたその初球
ズドォォォォォォン!!!
「ス、ストライクワン!」
「な,なんだよこのボール」
スタンドがどよめく。
周囲からさまざまな歓声が上がる
それもそのはずいきなり変わった2人目の一年が
変速サウスポーの次に剛腕球を叩き出したのだ。
見てる側はもちろん,相手ベンチからしたら脅威もいいところだ
先頭打者を三振に取ると
続く打者は高めのボール球を振らせれて
追い込まれた結果,アウトコースのボールに手が出せずにあっさり三振。
続く打者も最後は真ん中高めのストレートに押し切られて三振。
高めに抜け気味ながらも今日の降谷は威力満点。
それに加えて,変速からの球速差と荒れ球で
適度に散っていることで打者は的を絞り切れず
悉く高めのボール球に手を出してしまう。
結局,この日の降谷は
3回 32球 被安打、与四死球共に0 奪三振9
まさしくパーフェクトリリーフを敢行して見せた。
チームとしては,6回,7回に連続得点で7ー2と点差を広げると
8回の裏には松木の今日2本目となるツーベースが飛び出し
最後は伊佐敷のタイムリーツーベースで10ー2となり
8回コールド勝利で春の関東大会準々決勝進出を果たした
バスにて〜
伊佐敷「見たか俺のツーベース!どぉだオラァ!」
秀悟「最後のフェン直マジで痺れたっす!」
秀悟の褒め言葉には裏表がないからこそよく刺さる。
伊佐敷「ったりめーだ!馬鹿野郎」
満更でもなさそうな表情を浮かべている。
小湊亮介「純が決めるなんて珍しいから吠えてるのはいいんだけど,増子もひさしぶりのホームランはどうだった?」
増子「うが、完璧だったな。あそこまで完璧なホームランは久しぶりだ」
帝「ノリ先輩,今日も結構ブルペンいましたけど肩肘大丈夫っすか?」
ノリ「あぁ,心配してくれてありがとな」
帝「先輩の投げ方はサイドスローでただでさえ負担がでかいですからね」
片岡「勝利の余韻に浸るのもいいが、次の試合も見据えていかねばならん。三回戦の先発は丹波,お前に任せる」
丹波「監督,次の試合の先発の結果次第ではその先の先発も考えていただけますか?」
片岡「どう言う意味だ?」
丹波「明後日の三回戦に勝てば,今回は特例的に4日間日程に空きができます。だからこそ,そこで俺が完璧な投球をすれば準決勝・決勝でも先発としてマウンドに上げていただけるのかと言う質問です」
結城「丹波,,」
小湊「光一郎もいうようになったじゃん。一年に触発されて,エースの自覚が出てきたのかな?」
伊佐敷「は!おせーんだよ!」
倉持「ヒャはっ!マジっすか丹波さん!」
片岡「どちらにしても,判断は明後日の準々決勝になる三大松尾高校戦での結果次第だ。準備を怠らず,目の前の試合にまず全力で挑め」
丹波「はい!」(一年坊主共に,エースの座はやらん!)
丹波の静かに燃えたぎる闘志を感じた帝や沢村,降谷に川上。
こうしてエース争いは激化していく。
御幸(ようやく,面白くなってきたじゃねぇか
御幸はこの状況こそ自分が心待ちにしていた展開だと思い
一人いい笑顔で笑っている
沢村(ゼッテェ負けたくねぇ!)
降谷(負けない)
川上(俺だって!)
帝(いつも通り,淡々と)
4者4様の心模様を描いたまま,バスは青道高校グラウンドへと向かって進んでいった。
はい。というわけで沢村はほろ苦のデビュー戦という形にしました
何というか、ここで全部成功は詰まんない気がして
というわけで次回は準々決勝で丹波さんが頑張ります
あまりエースを舐めるなよ?ってやつです
それではまた次回