ダイヤの原石   作:浜の小さな大魔神

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阪神の優勝が決まり
セもパもいよいよ大詰めですね
これからの順位争いとタイトル争いが楽しみです。


失意の原因と新たな決意

高島「では早速で悪いんだけど有藤 帝くん。青道へ来る気はない?」

 

帝「は?」

「!?あ、すみません!突然のことで大変な失礼を。しかし,何故いきなり現在シニアにも所属しておらず,今年たいした実績もない自分を?」

 

あまりに想定外の話に思わずびっくりしてしまった。

 

高島「あら,私としては実績なんていうのは二年生の時の全国優勝時のノーヒットノーランと世界大会での3完封で十分だと思うのだけれど?」

 

帝「はぁ。」

 

また懐かしい話を。としか思えない

 

高島「有藤くんは有名だけど,その分消えた選手として扱われていて,どこの高校も手を出さない。ならうちが獲得に乗り出そうと上層部の決定も後押しがあり決まったわけなのよ。」

 

帝「そうなんですか。ただ,基本的に選手と高校生の勧誘に関してはその本人が在籍している学校及びクラブチームの仲介なく直接勧誘にくるというのはマナー違反じゃないんですか?」

 

高島「その点に関しては,学校側に一度連絡を取っているしお母様にもお話ししてあるから安心よ?」

 

想定外の情報がここに飛び出す

 

帝「は?母さん知ってたの?なんで言ってくれないのさ!!」

 

母「だってあんた。知ってたら逃げてたでしょ?」

 

帝「うぐ、それは〜まぁ?」

 

否定できないのがつらい

 

母「うちは比較的裕福だし,あなたが高校で野球続けたいのも知ってるし,好きに続けていいと思うのよ。それでまぁどこかしらの見学には行かせたかったんだけどあんたかたくなにどこにも行きたがらないから,それならってわけでちょっと強硬手段に出ただけよ」

 

帝「強硬手段すぎる気がするけど納得はしたよ。」

 

高島「まぁ,何はともあれまずは聞かせてくれるかしら?天才として,名声や実績をほしいままにしたまさしく中学野球界の頂点に立ち、『マウンドの皇帝』という異名でまでよばれたあなたが何故,今年の5月に急にチームからいなくなったのかを」

 

帝「ハァ。あまり気が乗りませんが,わざわざきていただいた方に無碍な対応はできません。ただし、このことは一切の他言無用でお願いしますね?後、その呼び名で言われるの恥ずかしいんで辞めてください」

 

高島「えぇ,約束させてもらうわ。なんなら誓約書にでもなんでもサインするけど?あと、この呼び名はあなたのニックネームだもの。少し難しいわ」

 

帝「そうですか。、、まぁあなたを信じるとしましょう。もし、バラすようなら私は二度と野球をしなくなるだけですよ」

 

高島「尚更他言できなくなったわね」

 

そして,帝はかつて起こったことを語り出した。

 

~回想~

 

全国制覇から約10ヶ月後の4月

 

監督「声出していけよー!!」

 

選手たち「おお!!!」

 

東京武蔵シニアは選手数60人で各学年20人を定員とするチームだ。基本的にはリトルの選手がそのまま上がる。時折外部から入ってくるものもいるが極小数だといえるだろう。

 

そんなチームにおいて,俺は小学生,つまりはリトル時代からずっとエースだった。そして,自分にも他人にもある程度厳しく当たって嫌われてでも野球には真摯に向き合うというのが考えの資本だった。

 

帝「なぁ俺はさっき体幹トレーニングを30分間やれと言ったんだぞ?誰がいつ,サボって談笑しろなんて言った?なぁ、おい」

 

後輩「あ!せ、先輩,違うんです。これは休憩と言いますか。ちゃんとメニューはこなしているので」

 

帝「そんなもんお前らの体と疲れ具合見ればやってないのなんて1発なんだよ,あんまり俺をなめるなよ?やる気がないなら別のポジションにでもコンバートしてもらえ」

 

??「帝くーん。そんなに怒りなさんなよ?気持ちはわかるけど,そんなに怒ったって仕方ねーよ」

 

帝「泉か、わからないな。こういう基礎を疎かにするから大事なところでミスをするんだ。選手の資本は体。ならばその資本であり土台たる体を成長期であるこのタイミングでしっかりとしたものにするなんて小学生でもわかることだろう。」

 

泉「そりゃそうだけど,みんながみんないきなりお前さんレベルにストイックには無理だって。俺もお前に合わせてやってきたし,ここにいる奴らはみんな覚悟を持ってやってる。だけどな,たまに休憩している間くらいは見逃してやれよ?な?」

 

帝「ハァ,しょうがないか。おい,休む時はしっかり休んでいいし談笑してもいい。もしそうするなら次からは寝っ転がりながらではなく,立ち上がるかせめて座れ。その状態でグラウンドで話し続けるのは流石にいただけないからな」  

 

後輩「はい!すみませんでした!」

 

そう言い残して俺はその場を後にして

自分のトレーニングに向かっていった

 

練習後

更衣室にて

 

後輩「なんかさ〜有藤先輩って怖いよなー。つか,なんでコーチでもないのにあんな偉そうなの?って感じだわ。すげーうぜー」

 

忘れ物を取りに来たんだが

そこで俺は後輩の愚痴を耳にする

 

帝(ま,そう感じる奴もいるし仕方ねーよなー)

 

当時は基本的にそんな奴が何人かいたところで歯牙にも掛けない姿勢だったのだが,優勝を飾り、世界大会で優勝して戻ってきてから何やら物足りなさというか,緩みを感じていた。そんな時だったんだ。事件が起きたのは

 

監督「有藤!ちょっと後で監督室まできなさい。話がある」

 

帝「はい!このT打撃が終了次第すぐ向かいます」

(なんかしたっけ?俺)

何一つ心当たりのないことに驚いた

もしかしたらスカウトがまた来たのか?

そんなことを益体もなく考えていた。

 

だが、、

 

帝「失礼します。監督,本日はどのような要件でしょうか?」

 

監督「有藤お前,坂林に何かした覚えはないか?」

 

帝「坂林?あの,今年入ってきた一年生投手のですか?」

 

監督「あぁ,どうやらあいつがお前に大変高圧的に当たられて大変理不尽かつ怖い思いをしたと言っていてな。保護司の方からもクレームが届いている。それに,坂林の家はうちのシニアに援助をしてくれているところでもあってな。あまりいざこざを起こすな」

 

監督から言われた内容には少し驚かされるものだった。

 

帝「申し訳ありません。確かに最近,一年生の指導に熱が入っており,少し当たりが強かったのやもしれせまん。始めたばかりの中学一年生に強く当たりすぎていたと捉えられても不思議ではないことでしたので,以降気をつけたいと思います。それと,その報告は坂林のみからのものですか?」

気になり何の気なしに聞いた質問だったが

監督からは予想通りの物だった

 

監督「いいや,一年生の投手陣候補の奴らを中心に上がっている。おそらくお前の先ほど言っていたことだろう。気をつけてくれよ?」

 

帝「はい。お手を煩わせてしまい申し訳ありませんでした」

 

その時は軽い疑念というか,舐めたボンボンもいたもんだと思うと共に,あんまり言って響かないならいちいち教えなくてもいいか。自分のことをしっかりやろうと思っていた。

しかし,

 

5月初旬の練習試合

 

監督「今日は一年生のデビュー戦も兼ねている。有藤は1試合目のラストで調整で投げてもらう予定だ。先発は一年生の坂林!お前に任せる。結果次第で他の投手にも言えることだが夏のベンチ入りも狙えるからな!気合い入れていけよ!!」

 

帝「わかりました!坂林,頑張れよ!」

 

坂林「言われなくても頑張りますよ,先輩?」

 

泉「おい!そんな返し方はないだろ!!お前からにも一年だろうが,礼儀は守れ」

 

帝「いいよ別に。ピッチャーなんてのは生意気くらいでいいんだ。結果はマウンドで示して貰えばいいんだから」

 

泉「しかしだな。それでもいいがあんまり後輩の舐められるなよ?」

 

帝「あいよ」

 

試合が始まってすぐに坂林は打たれた

 

相手「いいぞいいぞ!もっと点取っていけー!」

   「ピッチャー球走ってねーぞ!狙い球絞ってー!」

 

坂林「こんの!」

 

キーーん!!

 

大きなフライはそのままスタンドへ吸い込まれた。

失礼な話かもしれないが,一年生とはいえ今日の相手は別段強くはない。普通にやれば最後まで投げて一点,二点は取られるかもしれないが乱調するよな相手ではないのだが,坂林はあまりにもな投球だった。1回を投げて66球も投じた挙句,6四死球に被安打6で失点は11を数えた。

たまらず監督は次の投手にスイッチして二人目の一年生を投入。

しかし,そいつも炎上。2回が終わって16失点と既に試合の形を成していなかった。

結果的に7回までのゲームで7回からの予定が3回には早くも俺がマウンドへと上がっていた。

 

帝「まぁ,調整だし軽く流していくぞ?」

 

泉「構わん。ぶっちゃけ怪我される方がことだ。頼んだぞ?それと,こんな局面ですまんな」

 

帝「いけと言われたらいつまで抑えるのがエースの仕事だ。文句はねーよ」

 

そういって投球練習を終え,投じた初球はストレート135キロの真っ直ぐが外角に決まる

 

審判「ストラーイク!」

 

そして,次の球もストレートでファールを打たせて追い込むと,決め球は125キロのスライダーで、あっさり空振り三振

 

続く打者には強気にせめてインコースのシュートを打たせてショートゴロ,最後はスラーブを打たせてセカンドゴロと文句なしの内容で3回をピシャリ

 

4回のマウンドにも上がると,先頭はオールストレートで空振り三振最後は少しギアを上げて137キロ。球速はそこまで上げてなくてもキレを上げて球をはやく見せた

その後も横に逃げる通常のスライダーとシュートのコンビネーションで左バッターを打ち取ると,最後の打者には伝家の宝刀高速スライダーと縦に割れるスライダーの2種類をお見舞いして三振

 

5回の表まで二点しか取れなかった一年生チームは結局3回裏の守備から座った泉に打席を回すこともできずにあっさりコールド負け。

 

俺は2回を投げて14球,奪三振が3つでパーフェクトリリーフ

チームのみんなも監督も当然といった表情であったのだが,坂林だけは納得いかない表情だった。

 

そんことは関係なく坂林ともう一人はニ軍の再調整が言い渡されたのだが,やつはとんでもないことを言い出す。

 

坂林「ふざけんな!俺が今日よくなかったのはな!そこの有藤帝のせいなんだよ!」

 

帝「あ?急に何言い出すんだよ」

 

心の底から身に覚えのないことに

怒りよりなによりこみあげてきたのは困惑だった。

 

坂林「あの時監督に言われた僕たち後輩いびりの件には続きがあったんだ!僕たちが監督に話をした後もあいつのイビリは続いた。しかも俺たちが告げ口したのを知ってより卑劣に苛烈にやり出したんだ!そのせいで練習に碌に集中できるような環境でもなかった!最悪だったのさ!」

 

帝「マジで何言ってんだお前?お前らがやめろって言ってからは基本的にメニューの伝達とやり方のレクチャーと聞いてきた一年生や二年生にした最低限のアドバイスしかしてないぞ」

 

坂林「この期に及んでまだシラを切るのか白々しい!お前みたいにみんなが才能あるわけじゃねーんだよ!ちょっと野球がうまいからってそれを傘に横暴な態度をとりやがって!僕がちょっと休んでいたり仲間たちがちょっと休んでいるのをめざとく見つけてはやれサボるな!やれ辞めちまえと!あそこまでの横暴を働いておいてよくまだイケシャアシャアと!」

 

監督「それは本当なのか?有藤」

 

課安徳まで怪訝な表情を向けてくる

 

帝「違います!断じてそんなことはないです!」

 

当然俺はそれを否定する

 

泉「そうですよ!確かにこの前少しキツく当たっていたことはありましたが,それでもこいつは野球に真摯なだけなんです!こいつが後輩イビリなんてつまらない真似はしませんよ!」

 

坂林「捕手の泉さんや,レギュラーの皆さん,監督の前ではいい顔をしているかもしれないが実際は違うんですよ!」

 

後輩A「た、たしかに最近の有藤先輩は怖かった気がする」

後輩B「まぁ,確かに当たり強いよな,特に俺たちに」

同期A「なんつうか、推薦の話か始めた当たりからイキリ始めたっつうか?俺たちみたいなのと違うんだよオーラで始めたよな〜」

 

泉「な,何言ってんだお前ら!お前らは長く帝と野球やってんだんだからわかるだろ!あいつの努力も苦労も苦悩も!全部わかるんだろ!?なんでそんなこといいだすんたよ!」

 

坂林「泉先輩もいい加減わかってきたでしょう?これが現実ですよ。あの人はいい人の皮を被っちゃいるがその実,人のことをなんとも思っちゃいない,自己中の最低な野郎なんですよ!そんな人に本当にみなさんはマウンドを,チームの命運を託せるんですか?僕は確かに今日打たれました,それは事実ですがそれ以外の真実にも目を向けるべきです!」

 

帝「,,,,,,」

 

呆然とする他なかった。坂林が個人的に俺のことを好きじゃないことはなんとなく察していたので今更特段驚きもしないが,他の奴にまでここまで言われると思ってなかった。少しショックだった。

 

後輩C「先輩は才能があって,いろんなことができるからみんなもできるとおもつ待てるかもしれないんですけど,僕たち才能のない人間のことも少しは考えてくださいよ!先輩みたくちょこっとみたらなんでもできる天才じゃないんですよ!」

 

その他「「「そうだ!そうだ!」」」

 

泉「おい!やめろお前ら!なんでなんだよ!」

 

みんなの意見がここまで膨れ上がればもう止めようはない

こうなっては泉の説得も焼け石に水だ

 

坂林「それに,俺はこのチームに支援もしてらいわばスポンサーの息子です!その僕にここまでの仕打ちをしたとあれば,支援を打ち切ることもできるんですよ!監督さんはどうするんです?」

 

監督「有藤,ここまでみんなが言っているんだ。もういいんじゃないのか?」

 

泉「監督まで!!」

 

坂林「まぁ,僕も慈悲の心くらいはあるつもりです。慰謝料は取らないでおいてあげますよ!だからとっとこのチームから出ていけ!」

 

帝「,,,,,,それはみんなの意向なのか?泉以外のみんなの」

 

泉「待て,帝!違うんだ!みんな混乱してるだけなんだよ!」

 

坂林「チームのために動いた僕と,私利私欲のために野球を道具にしたあんたじゃどちらが正しいかなんて明白なんですよ!」

ぺっ!とグラウンドに唾を吐いた坂林

 

帝「そうか,そうか,そうだよな。でも,これだけは許せないわ」

 

坂林「あ?なんだグフッ!」

 

いきなり帝が坂林を殴った。

 

帝「別にお前らが嫌なら,俺がこのチームに残るつもりはない。全国制覇したあの時から一冬超えて、段々とチームでも意識に澱みが生まれている感じはあったけど,まぁ俺はいなくなるからそんなことはどうでもいいのか。

ただな,どんなことがあっても神聖なグラウンドに汚ねーガム吐き捨てるような奴は許さねーんだよ!」

 

坂林「ひぃっ!!」

 

初めて怒りを見せた有藤。そして

 

泉「帝,ごめん。ごめんなぁ」

 

涙を流しながら謝る泉に対して,

 

帝「泣くなよ。お前のせいじゃねーだろ?俺の正捕手は今日までずっとお前だったんだ。胸を張って別れようぜ?相棒」

 

泉「ぐすっ。あぁ,そうだな。またな!野球を続けていれば!どこかでまた道は交わるさ!」

 

帝「監督,少し監督室でお話があります。退団手続きと諸々に関してです」

 

監督「わかった。」

 

監督室にて

 

監督「まずは,すまなかった!!お前をこんなふうに追い出すような真似をしてしまった。私は指導者失格だ!申し訳ない。本当に申し訳ない!」

 

監督は何を言うまでも無くいきなり頭を下げた

この事件の原因は自分だと言って心底悔いているようだった

 

帝「顔をあげてください。さっきの坂林のやつの話を聞いていれば察しはつきます。大方,あいつの親父さんに脅されたんですよね?」

 

監督「あぁ,お前を退団させなければチームは愚か俺の家族やお前の家にまで迷惑をかけるとそう言いとったんだ。」

 

帝「あのクソ野郎,なんなんだ一体」

 

監督「お前の高校の進学に関しては俺が持つ全てのパイプを使ってなんとでもする。だから,今はただ待っていてくれ。頼む。今回の件の落ち度は全て監督の私にある。すまない。本当にすまない」

 

帝「それでも,致し方ないことだとしても,泉のやつ以外があんなこと思っていたなんてことが少しショックでしたけどね」

 

苦笑いしながら頬をかき,そして彼は監督室を後にした。

 

後日監督が家に来て,話をしてくれた。

理由も全て聞いた父は監督に対して、経営者として致し方がないという面も理解できると言っていたが,同時に許せることでもないと言っていたことが印象的だった。

 

泉からはLINEが頻繁に来ている。

チームの状態がよくないことや、坂林の暴君っぷりである。

結果的にあいつはチーム全体の権利を掌握してしまった。

彼が権力の中心にいると悟るが早いか,多くの者が彼に取り入ろうとして,結果的にチームは酷い有様だそうだ。

監督はまだ毒されていないリトルの4年生たちを他から意図的に引き離すなどの処置に追われているらしい

また,こともあろうかあの坂林はエースの座にいるらしい。

世も末だなと思い,かつての相棒の苦労を憂いている

 

~回想終了~

 

帝「これが,今の俺に話せる全てです」

 

高島「辛いことを聞いたわね」

 

帝「いえいえ,今でもたまに監督や泉とは飯に行きます。他の連中はほとんど離さないので知りませんが」

 

高島「それでなんだけど,私からの誘いは以前として変わらないわ。青道へ来て,一緒に野球をしないかしら」

 

帝「母さん,俺さ,親父にも母さんにもスッゲー感謝してる。だから必ずプロになってこの苦労は返すからだから!青道に行きたいんだけどいいかな!!?」

 

母「よかったわね。ろくに受験勉強してないあんたが内々定貰えて。お母さん一安心だわ」

 

高島「それではお母様,私とこちらで学費や諸々のお値段の確認を,,,,,,」

 

帝「それと高島先生,もしよろしければ私と一緒に球場に来ていただきたい。」

 

高島「それはなぜ?」

 

帝「私が出会った中でNo. 1スラッガーが今試合しているので」

 

 

東京武蔵4ー3八王子西

 

 

高島「まさか,こんな無名のシニアと接戦だなんて,あの武蔵シニアが瀬戸際という話も本当のようね」

 

帝「それもあるけど,多分八西の四番がすごいんですよ」

 

スッ  ヒュン  ガキーーン!!!!!

ウォォォォォォー!!!

 

 

気持ちの良い金属音の音。

そのあとに大歓声が上がる。一打で流れを引き戻す逆転のスリーラン

打たれたのはどうやら坂林のようだが,球も棒球でコースも激甘。なぜ6点で住んでいるのか不思議でならない

 

高島「なるほど,後で彼にも声をかけてみるわ。ちなみに君の相棒くんはいいの?」

 

帝「はい,あいつが行くところはもう決まっているので」

 

高島「へぇ」

 

試合は結局乱打戦にも連れ込み,9ー8で最後の最後に力尽きた八王子西のエースがマウンドで悔し涙を流していた。

 

 

試合終了後

 

松木「おい!お前有藤 帝だな!どういうことだ!」

 

帝「実はな,。」

 

ことの顛末を聞くと

 

松木「そうか,すまなかった,」

 

帝「そんなことはいいんだ。ところでお前さ,どっかからもう推薦の話受けちゃった?」

 

松木「そもそもまだ来ていないぞ?お前みたいな50年に一人の逸材とかと一緒にするな」

 

妙な持ち上げられ方はむず痒いが

この独特の距離感が好きだった俺としては変わらずいてくれてうれしい

 

帝「そこでだ,俺とおんなじ高校に来ないか?東京の名門青道だよ!」

 

高島「はじめまして〜〜〜〜」

 

話が進んでいくと,松木はホクホクとした表情でこちらに歩いてきた

 

松木「俺も,お前と同じチームで戦えるなら願ってもないことだ!一緒に戦おうぜ!甲子園目指してよ!」

 

帝「あぁ,お互いやり尽くそうぜ!最後まで」

 

そうしてお互いに握手を交わして,そのまま帰路に着く。はずだった

 

坂林「おい!有藤 帝!!!」

 

帝「おぉ,今日の大炎上投手じゃないか?どうしたんだ?昔みたいにピッチング教わりたいなら教えてやるぞ?」

 

坂林「ふざけんな!なんだ?追い出されて今度は惨めに負けた者同士の傷の舐め合いか?いじめったらしくていいじゃないか」

 

松木「なんだこいつ?そもそも誰?」

 

帝「お前が2ホーマー打ったやつだよ」

 

松木「あぁ!!あのしょっぼいションベンカーブとクソみたいなスライダー擬き投げてた自称エースのやつか!」

 

坂林「何を!ふざけんな!!負けたくせに,僕に何一つ足元にも及ばないくせにーーー!!!!」

 

帝「お前は変化球云々じゃなくまず最低限ストレートを投げるコントロールをつけろ。走れ,投げこめ、そんでもってもうちょい野球に真摯に向き合え」

 

坂林「お前のように才能で全てどうにかなるやつに僕の気持ちがわかってたまるかってんだよー!!」

 

帝「120キロ」

 

坂林「あ!?」

 

帝「俺の一年の頃の球速,それでも俺はそこそこ投げてたよ。」

 

だからまぁ,お前のことはこの先もきっと好きにはなれないけどそれなりに頑張れよ

野球は、真摯に向き合えば答えてくれるから

そう思って彼には手を振った。

 

その夜

 

泉:おい帝!青道行くって本当か?さっき監督の元にも電話が来て,監督泣いて喜んでるぞ!いつもの居酒屋に来い!

 

帝:りょーかい

 

LINEでかつての相棒に呼び出された居酒屋で泣いている監督と話して,そして激励の言葉をもらう

 

監督「頑張れよ!どんなになっても俺はお前の味方でお前という選手ファンだ!応援しているぞ!」

 

 

この思いを胸に,俺と秀悟は青道高校を訪れ,そこで様々な人と会うことになるのだが,それはまた次のお話で




今回はちょっと長くなりました
可なりのペースで書いてるけど
ストック尽きたら終わりなんで
その辺はご理解オナシャス!!
それではまた次回
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