浜の小さな大魔神です
今回は、入寮後一発目の練習風景というところから
お送りしていきたいと思います
それでは、どうぞ
春らしい朝日が顔を出しはじめようかという薄暗い時間
時刻は現在AM5:30。
いつも通りの時間に起きてくれる
自身の体内時計には感謝だ。
中学のころから朝型の生活を心がけてきた賜物だ
体は正直で、眠気こそ多少引きずるように残しながらも
確かに目ははっきりと覚めていた。
帝「ん、んーー。いい朝だわー。春らしくて眠気は感るな。春眠暁を覚えずとはよく言ったもんだわ。」
春は朝、まだおぼろげな気候で温かい春の陽気は体を
ゆったりと眠気へと誘っていくというものだ。
川上「ふぁ~。おはよう,有藤。早いな」
川上先輩を起こしてしまっただろうか
申し訳ないことをしただろうか?
帝「おはようございます川上先輩。流石に入寮して最初の朝,それも練習初日に寝坊かます奴なんて中々いませんよ」
川上「うちの正捕手はかましたんだけどね一年前に」
帝「アハハハハ」
苦笑いしか返せなくて申し訳ないが
想像もできてしまうのが申し訳ない。
らしいと言えばらしいのだが
何というか今年も不安はある。
それは、、、
(沢村大丈夫かな〜,すげーやらかしそう。だって多分おバカだしあの子)
メールのやり取りなどを通じてなんとなく察していたが,多分あいつはおバカの子である。そんな沢村が見学日のあの事件よろしくやらかしそうな予感があるのは巻き込まれた身として当然感じる危機感である。
そして,朝グラウンドに集合すると秀悟やその他一年生の姿は見えたが案の定,沢村の姿は見えない。また、御幸の姿も見えないところを見るとおそらく二人とも寝坊なのだろう。
同部屋だと言う秀悟に小声で聞いてみる。
帝《おい,秀悟。御幸先輩は?》
秀悟《いやー,起こしたら起きたには起きたんだけどすげー眠そうな上に先に行っとけって言われたから多分あれは二度寝かまして寝坊だな》
おい後輩だろ貴様
帝《お前そこは一応そういうことも考慮してもう一回起こしに行っとけよ》
秀悟《一回目の段階で一年なんだから早めにグラウンドには着いとけ,俺は後から向かうから。なんて先輩っぽいこと言われちゃったんだから仕方がないだろ。》
それはそうだけども。
はーーー、と溜息をついてしまう。目を前に戻せば同じような顔をした部屋の先輩たる川上先輩の姿も見えた。
何というか、責任感はなまじ強いから
もうなんだか苦労人感がすごい
その奥で笑っているヤンチャそうな髪の人は
おそらく沢村の部屋の先輩だろう。
昨日の部屋の前でやり取りを聞いた限りは
どうやら格ゲーで歓迎会をされたようなのだ。
そしておそらくそこで碌に勝てなかったのだろう
挙句に夜遅くまで起こされっぱなしで案の定寝坊
といった流れなんだろう
あのバカはしっかりやらかしたようである。
朝からこめかみの痛くなることをしないでほしい
せっかくこんないい高校に入れたんだ
もうちょい考えてくればいいのに
そうこう考えていると
朝の挨拶が始まる
「それでは,新入生はそれぞれ!自分の名前,出身チーム,ポジションを各自言っていけ!」
??「松方シニア出身、東条 秀明。ポジションの希望は投手。よろしくお願いします」
久しぶりに見た
松方シニアは二年の全国のベスト4で戦ったが
あんときは上の代の人に乗せられながら
のびのび投げていたイメージだ。
そのあと金丸という選手があいさつしていたが彼も確か
同じシニアだ。試合で対戦した記憶がある
その後も挨拶は続いていく
それぞれが名前やポジションを言っていく。
そんな中で俺と秀悟の番が来た
秀悟「八王子西シニア出身!松木 秀悟!ポジションは外野手!打撃には絶対の自信があります!一年生からレギュラーを奪うつもりです!諸先輩方!よろしくお願いします!」
言ってのけた。
誰もが無難なことを言ってしまうこの場面で。
自分だったら、そんなことは言えないだろう
俺はここで改めて思う
(やっぱお前は大物だよ。秀悟)
「次!!!!!!」
大きな声で呼ばれる
これはこの先輩も外野手だな?
発破かけられてかっかしてんな。
帝「東京都府中南中学出身!有藤帝!3年の春先までは東京武蔵シニアに所属していましたが,諸事情により退団しました。そんな自分を拾っていただいた青道高校には大恩があります!必ず自分が投手としてチームを甲子園優勝に導きますので!みなさんもこの不慣れな後輩にご指導ご鞭撻の程よろしくお願いいたします!ポジションは投手と外野、ファースト,サードです!」
そして,ほぼ全員の自己紹介が終了すると言うところで寮からのグラウンドへの入り口に目をやると,バカが二匹ほどいた。
沢村と御幸先輩である。
何やらこそこそと話をして言るが
とりあえず嫌な予感しかない
(まさかここに入り込もうとかしてないよな?バレるよ、流石に)
そんな嫌な予感というのはなぜここまで的中するか
そして,,,
沢村がいきなり走り出して
列に向かっていく
オチが見えて既に泣き出したくなっていた
御幸「あぁ!!こいつ遅刻した上に自己紹介の隙に乗じて列に紛れ込もうとしているー!!」
(いや,普通に気づかれるだろうになぜ行った沢村。やっぱりバカだこいつ。こんなんじゃ誑し込んだ手前、若菜ちゃんに申し訳たたねぇよ)
しかもちゃっかりと列に参加している御幸。
このしたたかさはさすがの一言である
片岡「遅刻した上にそれを悪びれもせずに列に入り込もうとするとは,いい度胸だな。そこの一年生と同室の上級生!それからこの一年生が注目されている隙に列に紛れ込んだ馬鹿者も連帯責任だ!全員朝の練習が終わるまでグラウンドを走っていろ」
流石長年ここで野球を教えているだけのことはある
目ざとくそういう違反は見逃さない
秀悟「あーあー、流石にあれは擁護できねーわ」
秀吾もこれには若干呆れている模様だ
まぁ自業自得だね
帝「あのバカには一応後で言い聞かせるついでに謝らせに行っとくか」
そのまま朝は初日ということもあり軽めの練習で終了した。
一年生に関してはアップまでは合流してやらせてもらった
そのあとは完全別で主にはやってる練習を見させてもらう
そんな中、沢村と同室の先輩二人,そして御幸先輩の4人は文句言って
戯れ会いながらも走りっぱなしであったのだが。
朝食中 寮の食堂にて
帝(え〜,こんな食うの?俺あんまり朝入らないんだけど。まぁ、食うこともここまで来たら練習だな。こりゃあ自主練の内容とか強度とかの計算見直さなきゃな)
秀悟「う,うめ〜。こんないい飯朝からこんなに食っていいのかよー!高校生男子には嬉しすぎるぜー!!!」
帝「元気だねお前は。まぁ秀悟らしいよ。俺はちょっと水取りに行くついでに沢村に話しかけてくる」
沢村(は、入らねぇ。朝あんだけ走った後にこの量なんて入るわけがねぇ。これ三杯だと!吐くだろ!)
水を取りに行くついでに後ろから沢村の様子を見ていると
どうやら箸が止まっていた
朝あれだけ走らされれば
こういうことにもなるだろう
それは仕方がないからいいとして
帝「おい沢村(バカ)ちょっと説教ついでにお前に大事な話がある。飯食うのやめて一回外出ろ」
帝は感情が表に出過ぎないよう極力温厚に話したつもりだった。
だが彼は忘れていた
シニア時代、彼は周囲から何を思われていたのか
沢村「ひぇ!は、はい」
おびえながら反応した沢村
この時の帝の目を見て殺されると思ったとのちに沢村は語る。
少し外に出て寮の裏手あたりに出たときに
ゆったりと話を始める
帝「ハァ,あのな。そもそもの話,寝坊なんてするまでゲームやんなよ。
って言いたいんだけどそこは先輩に強要されたんだろうから
今回は不問にしとくわ。たださ、それにしてもあの飛び入りはない。
わかるじゃん?あんなんバレないわけないし
そもそもその方法使えるなら御幸先輩自身が使うに決まってんじゃん。
そんでまんまとはめられた挙句に走らされてってお前。
印象最悪どころかお前選手としてこのままじゃ
グラウンド入れてもらえないよ?
ここまで言ってる意味わかるよね?なぁ?おい。」
沢村「は、はい!不祥沢村,食事終了後すぐに謝りに行く所存であります!」
帝「遅いわ馬鹿!お前あんだけ醜態晒した挙句に
腹膨らせて吐きそうな顔で指導者に平謝りかます気か?
そんなことする前にとりあえずいち早く謝りに行く!
そんで,走り終わって飯の時間になって冷静になって
こんなことではいけなかったとわかった。すみませんでした!
って謝って練習に入れてもらうのが筋なんだよ!
しかもお前今日から練習参加なんだよ?
他の先輩とかと同列な扱いでいいわけねーだろ!
お前や俺は1番下っ端。1番色んなことに気を配んなきゃいけないの!わかった!」
沢村「わかった!わかったからそんなに怒んなよ!
悪かったって。迷惑もかけたと思ってるし。
今から謝りに行ってくる。それで,監督室ってどこだ?」
それを把握してないことくらいは
予想の範囲内のことだ
帝「ハァ,連れてってやるからついてこい」
監督室
コンコン
片岡「誰だ?中に入れ」
帝「失礼します。一年生の有藤帝です。」
沢村「沢村 栄純であります!今朝の件で謝罪に来た次第であります!」
片岡「なるほど。あそこまで馬鹿なことをやってのけた奴だ。てっきりこのまま謝りにこないものかと思っていたが,一応最低限の礼儀を弁える程度の頭はあったようだな。それで,有藤お前はなんだ?」
沢村は完全に図星という顔をしているが
もうこの際そんなところはスルーだ
帝「沢村とは昨日今日の仲ではなく,前から交流がありまして、その彼が監督室がわからないと言っていたので事情を聞いてここまで案内した次第です。」
片岡「そうか。わざわざすまんな」
帝「私が勝手にしたことですのでお気になさらないでください」
片岡「それで,お前の申し開きは?」
そこから監督の鋭い眼光が
沢村の目を射抜く
沢村「はい!昨晩,初めての寮生活のスタートに舞い上がってしまい,本日見事に寝坊をかましてしまい大変申し訳ありませんでした!一年生としてあるまじき行為だったのはわかってるつもりです。ですがどうか,どうかもう一度,練習に参加させてもらえないでしょうか」
片岡「本来,寝坊をしてくるような奴は一週間グラウンドの整備及び環境整備に努めさせることが通例だが,今回はまだ初日。その上,寝坊の原因も先程二、三年生を問い詰めたところどうやら貴様を強引に歓迎会と称して遅くまで起こしていたらしいというのもわかっている。だから今回だけは三日間の朝の練習前の玄関清掃を命じるのみで不問にしてやる。」
沢村「あ,ありがとうございます!必ずやこの沢村,玄関掃除を完璧にこなした上で,練習に参加してご覧に入れます!」
帝「余計なこと言うな!」
片岡「フッ,大方有藤の入れ知恵だろう?まぁ,忠告してくれる友人がいたことを感謝するんだな。それで,お前のポジションは?」
沢村「は、はい!わたくし、沢村栄純!赤城中学で3年間投手を務めてまいりました!まだまだ無知ゆえあまり大それたことを言わんとしてきましたが,ここに来たからにはエースになります!」
相変わらず他愛幻想後な野望だけは
一丁前にあるようだ。
片岡「なりたいではなく,なる。か」
帝「フフッ。変わってなくてちょっと安心」
片岡「そこまでほざけるなら上等だ。この後の適性検査でも投手として受けるつもりなんだろう?それなら朝の挽回を楽しみにしているぞ!」
片岡監督にそういわれ
沢村も意気込み十分という顔をしていた
沢村「は、はい!」
片岡「それなら早く飯を食ってこい。それなら有藤は少し残れ」
帝「どうしました?何か粗相をしましたでしょうか?心当たりは特にないのですが」
片岡「そうじゃない。いくつか聞きたいことがあってな。」
そう言われれば
俺に断る理由はない
帝「なんなりと」
片岡「では聞くが,一つ目になぜ沢村を助けるマネをした?あれは誰かに言われぬ限り謝りにもこない阿呆だろう。なぜライバルを手ずから増やすマネをする?次にお前がチームを離れた諸事情についてだ。これについては高島からまだ詳しい説明をもらっていない。本人から聞けの一点張りでな」
なるほど、妥当な質問だな
帝「では一つ目の方から。一つ目の方は俺が単純に沢村に期待しているからです。あいつの持ってるポテンシャルは片岡監督も見ていただければ1発で気づくことと思います。そして,彼の最も良いところは初志が一貫してブレないことです。だから私は彼に助言と指導まがいのこともしましたし,今日も助けました。エースの座をかけて争うなら,ライバルは何人いてもいいですから」
片岡「まるで自分がエースになることは変わらないと言った風だな」
帝「今のままならそうでしょう。ただ,2年後にどうなっているかわかりません。人の成長曲線はそれぞれですから。そう言う意味でも楽しみなんですよ。あいつは」
片岡「なるほどな,それで次のことなんだが」
帝「チームを離れた理由,ですね。単純ですよ,俺のいたチームに金持ちのボンボンが来て,そいつが好き勝手やるのが許せなくて1発ぶん殴ったらそんなやつは要らないとチームから追放されたってだけですよ」
片岡「どう言うことだ?」
帝は,高島に説明したことと全く同様のことを片岡にも説明した
片岡「辛いことだったのに掘り返してしまってすまない。ただ,それを聞いたからとて優遇や特別扱いする気はないぞ?」
帝「もちろんです。そんな扱いしてほしいわけじゃあありません。背番号は自分の価値で奪います」
片岡「いい志だな、引き止めて悪かった。食事中だったんだろう。今の時間も含めて20分延長してやるから落ち着いて飯を食って出てこい。測定諸々は最後に回しておく。」
こういう細かいところに気をまわしてくれる
そういうところの気づかいがうれしい
帝「ありがとうございます」
その後,適正テストが行われた。
遠投や50m走,腹筋などからスイングスピードやスピードガンなどポジションことにそれぞれの測定を行った。
沢村が遠投でカーブを投げたり,秀悟ガスインクスピードで150キロを叩き出したり,球速150キロ,遠投で120mを叩き出す奴がいたりと大変面白い測定会だった。
今日はブルペンで投げるのはストレートの単純なスピードのみだった。
そして,次に迎えるのはいよいよ青道高校の入学式だった。
はい、今日はここまでです
次回は入学式の内容
というわけで次回は今作のヒロイン登場です
正確に言えば再登場なんですが
チャンと高校でからむのはここが初めてです
というわけで次回はあんまり野球でないかも
それではまた次回