ダイヤの原石   作:浜の小さな大魔神

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どうも皆さんこんにちわ
浜の小さな大魔神です
はい、今回はまだ日常会です
もうちょいで野球関連の話にがっつり戻します
それでは,本編の方を、、どうぞ


第9話

入学して一週間あまりが経過した。

今日も今日とて,一年生のこなすメニューにあまり変化はない。

 

ランニングとサーキットトレーニング

 

一年生は半々に分かれて時間単位で交代をしながら一日の大半はこれを行う。

午前と午後で別れており,基本的に強度よりも時間や精神的な問題が多い。

強度自体もかなり厳しいのだがそこはさすがに

強豪シニアやボーイズから入ってきた野球エリートたち

流石にこの程度であっさり値を上げるような人間はそういない

だが、精神面については全く別だ

 

それはなぜか?理由は入ってきた一年生たちの思考にある。

 

入部したての一年生の多くはこう考える。

一年生夏、もしくは秋にベンチ入り,二年生の頃にはレギュラーに名を連ね,二年秋からの自分達の代では自分が中心となって甲子園へ出場,そしてさらに華やかな野球の舞台へ。と

 

こうしたステップアップの形を

自分の中で多かれ少なかれ具体的に思い描いき

そのうえで入学してくるものが青道のような強豪校ではほとんどなのだ。

 

そして,現実とのギャップに悩まされることが一年生が強豪校に入って最初の山場と言ってもいい。

不遇な現実。気温も上がる中日々走り続ける練習に心が折れ始める。

終わりの見えない毎日は自分達を奮い立たせた目標も

描いた未来も失わせていく。

こう言った環境は選手を時に無情に追い詰めていく

はずなのだが,,

 

 

そんな中で一際目立つ奴がいた

 

 

沢村「ウォォォォォォー!!!俺が1番走ってエースになーる」

 

秀悟「その勝負。俺も乗ったぜ栄純!」

 

沢村栄純と松木秀悟の2人である。まぁ,うるさいと言うか頭悪いと言うかなんというかと言う印象が周囲の一年生からしたらほとんどなのだがそれにしても元気だなと思うと共に,同学年でこいつらがここまでやっていて自分達はやらなくていいのか?と言う思いに駆られる。

それが今一年生を繋ぎ止めていることで無意識的に全員前を向いて励めているのである。

 

そんな中,名門シニアから入学した彼らも

2人の走りと元気には圧倒されていた。

 

東条「それにしても元気すぎないか?」

金丸「東条,馬鹿の相手はしないに限るぞ」

 

そして,同じクラス同士近くで走っていた俺と他2人は,

降谷「つ,疲れた」

帝「投手がこの程度でへばってどうするんだ。そんなことじゃあ長いイニング投げられねーぞ」

小湊春「みんなすごいね。僕もちょっときついや」

帝「まぁ,普段無駄に走ってるし,サーキットはやることなかった5〜7月の夏頃に腐るほどやってたしな」

 

俺の場合このくらいの時期にやってたトレーニング

それはイライラを振り払うようにかなり無茶苦茶したので

結構な強さでやってた

だからこのくらいは別に大丈夫

とは言いつつ、

俺も本質的に負けず嫌いなのか

沢村と秀吾を追いかけ始めた。

 

 

春市「あはは、有藤君も人のこと言えないね」

 

 

春市は苦笑するしかなかった

 

 

こうして一週間ほどが経った日のことだった。

 

片岡監督「一年生に通達事項だ。一年生は明日,打撃練習と守備練習に参加。連絡は以上!解散!」

 

「「「「「「したっ!!」」」」」

 

沢村「うぉぉぉぉ!ついにボールに触れる,触れるぞー!!」

 

降谷「は,早く投げたい」

 

帝「うーん。俺も久々だね〜。ボールに触るのは。」

(まぁ、意図的に触らない時間増やしたりもしたんだけどね)

 

ここで無理をすると肩や肘を壊しかねないため,

割と意識的にボールを投げる時間を減らしていき

硬式をいじったりするのみにして間隔を空けて

体を休めることそのものに慣らしていた。シニアの時期

肩肘の消耗を少しでも和らげようと言うことで始めたことである。

これに関してはシニア時代からお世話になっている接骨院の先生とも

よく話して決めたことで,経過に関しては2ヶ月に一度

検診して軽い検査をすることで怪我の予防にも努めている。

 

秀悟「いよっしゃー!これでレギュラーを掴むぜ」

俺の友人がなんか最近沢村(あほ)に染まってきてる気がする

意気込みはいいんだよ、でもさぁ

 

帝「アホ,明日はそもそもの能力適正に基づいてどのくらいやれっかの確認だっつうんだよ」

 

秀悟「だからそこでアピールすりゃあレギュラーじゃねぇかよ!」

 

帝「まぁ,一理あるのか?なんにせよ頑張らなきゃいけないのは確かなんだが,,」

 

こんな話をしながら,それぞれ寮の部屋に帰っていく。

沢村はずっと俺がエースだと意気込んでいた

 

秀悟side

 

時間は,少し前に遡る。

 

ボールを持っていながら

おっかなびっくりケースを運んでいる彼女。

当然,目の前のアスファルトの窪みにも気づかない

 

吉川「キャっ!」

ガシャーン!ゴロゴロゴロゴロ

 

吉川「あー!ボールが」

 

秀悟「吉川さん大丈夫!?」

 

吉川「あぁ,松木くん。うん,大丈夫だよ。マネージャーの仕事なのに上手くできなくて、えへへ」

 

情けないような苦笑いを浮かべながらそう言い放つ少女。

すると,秀悟が無言でボールを拾い始める。

本来マネージャーの仕事であるのに

それを選手がしているところを見て

春乃は申し訳なさ以上に驚く。

 

吉川「え?え!?松木くん?いいよ!私がやらかしたんだし無理しないで。練習後でしょ?」

 

秀悟「うん?別にいいよ。俺たちが普段から練習できてるのは吉川さん達マネージャーさんのおかげだしね。」

そもそも弱小シニアにいた秀吾にとって

道具とは自分たちでしっかりと確認して

管理しないと少ない道具がなくなってしまうので

むしろこの程度は当然のことなのだ。

 

吉川「ええっと,その,ありがとう,,,」

 

シュンとした表情の吉川を見て,秀悟が声をかける

 

秀悟「俺さ,ガキの頃マジでドジなやつだったんだよ。」

 

吉川「へ?」

 

秀悟「最初は打てないとかじゃなくて,ボールにバットがずっと当たんなくて,T打撃とかでも空振りばっかで小学生の時は恥ずかしくて軟式のチームを一年間でやめちゃったんだよ」

 

吉川「そうなんだ,,,全然見えないけど」

 

秀悟「まぁ,結構驚かれること多いよな。その後は2ヶ月くらい家にいるばっかりだったんだけど,やっぱり悔しくってな。結局気づいたらバット振ってた。そん時だよ,当時テレビ中継してた甲子園の試合を初めて見たのは。あれはすごかった。みんなすごく上手くて,一生懸命で,気づいたら知りもしない高校の試合なのに手に汗握って応援してた。そのあと,その試合がプレイバックで今その選手がプロ野球選手だって知ってさ。そこからかな、素振りするときに自分が甲子園に,そんでもってプロになれることに憧れるようになったのは。まぁ,だからなんだって話なんだけどさ。だから,えぇっと,何が言いたいかって言うとだな,今できなくても頑張ることはきっと無駄じゃないってことなんだよ!だから,頑張れ!もし辛かったり難しいなら俺も協力するから,それで,えっと,つまりは,お互い頑張っていこうぜ!ってことだ!」

 

吉川「あっ。」

 

すごくハッとした気分だった。

彼女は,自分が最近この野球部にいていいのかと言う

疑問にすら駆られてしまっていた。情けない自分

迷惑をかけてしまう自分に,失望してしまい

一時はやめてしまった方がいいのではとさえ思っていた。

しかし,彼の力強い言葉は彼女のそんな不安をかき消した。

 

吉川「で,でも,歌菜ちゃんとかはすごく野球に詳しくて,いろんなことができてすごいのにそれに比べて私は全然ダメダメで,,,」

自分と同期で入ってきたもう一人の少女は

覚えもよくて野球も詳しくてそのうえ優しい少女だ。

正直彼女と比べてしまうと自分が情けない

 

 

秀悟「じゃあ、できない奴の気持ちのわかるマネージャーでいいじゃん。知らないからこそわかる点もあるって」

 

そう言って励ましてくれることが,

今の彼女にとってはたまらなく救いで

嬉しくて,

 

吉川「う、うん。ありがとう!元気出ました!吉川春乃,頑張ります!」

 

彼からの言葉は何気なく彼女を元気付ける。

 

そして,花が綻ぶような彼女の笑顔に秀悟は一瞬

時間すら忘れるほどに目を奪われてしまった

 

秀悟(なんだ?このなんだか胸の辺りがざわつく感じ)

この気持ちの正体にお互いが気づくのはまだ少し先のお話。

 

この後,ボールと一緒に出してきてと言われた

テーピングを忘れていて先輩に怒られる春乃がいたと言うが

なぜか彼女はいつもより凹まずすぐに気を取り直したようだ。

 

秀悟side out

 

帝は,物陰から何かを見守る三瀬歌菜を見つける。

 

帝「おーい,三瀬なにやっ「しーーー。気づかれちゃう」ぉ、ぉぅ」

 

〈それで,どうしたんだ?〉

 

手元にあったメモ帳に書いて,質問を送ると

 

〈春乃が危なっかしいから大丈夫か見てくるよう先輩から言われちゃって〉

 

なるほど,それで気づかれないようにしていた

ということらしい。それにしても

 

〈三瀬って天然?〉

 

〈なんでそうなってるの!?〉

 

〈だって,見守るからって物陰から見つめるってさ〉

 

この子って意外と天然な子なのだろうかと心配になった。

なんというかはじめてのおつかいを見つめる姉と

実行する妹のようだなと思う程度にはその光景は微笑ましいものだった。

 

〈三瀬って俺たちと,と言うか吉川と同学年だよね?〉

 

〈さっきっから本当に何言ってるの!?〉

 

そうこうしてるうちに,吉川がこける

 

そうして,俺たちが駆け寄ろうとすると

 

秀悟「吉川さん大丈夫?」

 

秀悟が来た。更に、彼は結構な話を彼女にしている秀悟を見て,とりあえずそのまま三瀬さんとニヤニヤしながら彼らのことを見ていた。彼女が言った後,

 

三瀬「びっくりしたよ〜。でも,まさか松木くんが春乃とね〜」

 

帝「多分だけど,秀悟は割と無意識であれ言ってるよ」

 

三瀬「まぁそうだろうね。」

 

帝「そんじゃ,俺そろそろ行くよ。」

 

三瀬「うん。急に止めてごめんね,そういえば,今度やる市大三高との試合は観戦行くの?」

 

帝「どうしようかと思ったんだけどね,まぁみんな行くみたいだし行くよ。俺としてもライバルの強豪校というのも気になるところだしね。何より応援じゃなくて観戦っていうのがいいわ」

 

三瀬「有藤くんは応援嫌いなの?」

 

帝「いやいや,なんなら俺プロ野球大好きだし昔っから重度のベイスターズファンだよ?」

 

三瀬「以外!私もベイスターズファンだよ。お揃いだね!まぁ,最近はめっきり優勝から遠いけど」

 

帝「今年か,来年あたりが勝負だね。本当だったなら19年が勝負年だったんだけどね」

 

三瀬「ねぇ〜。って、そうじゃなくて!ならなんで応援じゃなくてよかったの?」

 

帝「そっちの方が落ち着いて見られるからかな」

 

三瀬「なるほどね。あ、もう行かなきゃ。それじゃあね!」

 

帝「うん。じゃあまた」

 

 

(それにしても意外と三瀬と俺って趣味合うんだね)

なぜそんなことを今考えたかわからぬが

帝は漠然をそう思った。

 

こうして,彼女も吉川さんの後を追って

足早にマネージャーたちのいる部屋に戻っていった。

 

数日後〜

 

「今日は関東大会の東京予選!市大三高との試合だ。一年も観戦したいやつはバスに乗れ」

 

三年生の先輩から声がかかる

 

帝「んで,俺や秀悟は行くけど沢村と降谷は残るの?」

 

降谷「僕は,自分が投げないなら興味ないから」

 

沢村「俺もだ!俺はみんなが見ている間に練習してエースへと上り詰めてやる」

 

帝「なるほど。そういう考えもありだな,それじゃあ怪我だけはしないように十分に気をつけた上で頑張れよ。俺は試合見たいから行ってくる」

 

降谷「うん」

沢村「おう!」

 

青道ー市大三

 

初回に試合が大きく動く。

先頭倉持のセーフティバント

続く小湊兄が繋いで伊佐敷がヒット

そしてく変えるのは頼れる4番,結城哲也

 

秀悟「結城先輩だけはなんというか別格なんだよなオーラが」

 

帝「お前より上か?」

 

秀悟「そんなことねー!っていいてぇが,現状はあの人に分があるな」

 

帝「思いのほか冷静に分析するんだな」

 

秀悟「基本的に私情を分析に挟まないように注意してるってだけだよ」

 

そんなことを話していると,

 

キィーん!

 

鋭い打球が左中間を破る

タイムリーツーベースであっさり先制点

続く増子が選ぶと6番の御幸

 

カキーーン!

 

打球はライトスタンドに入るグランドスラム

5ー0と青道大量リードから試合が始まった。 

これで今日の試合はあらかた決まった。

そう思っていたのだが,

 

秀悟「乱打戦、だな」

 

帝「あぁ,確か市大三のエースの真中さんって人はかなりの投手なようだが今日は立ち上がりに捕まって流れを掴めなかった。対してこっちは,,,」

 

秀悟「確か,丹波さんだっけか?よくないね〜どうにも」

 

帝「カーブを見極められてから急に崩れ出した感じだな」

 

その後も乱打戦が続き,最終的には13ー11で決着し辛くも青道が勝利を収めた,,

 

その試合は苦々しいものだったが

それは当然俺たち選手のみではなく

その試合を見に来たOBたちも同じことを

思ってみていたらしい。

 

「相変わらず打線の強さは半端じゃないな青道。去年の怪物 東清国を擁した強力打線ほど本塁打の魅力は多くないが,打ち始めたら止まらないマシンガン打線のような強さだな」

 

「ただ,もう一つ相変わらずなのが」

 

「「エースの不在」」

 

「片岡監督も投手として甲子園準優勝に輝いた経歴を持っているだけに,歯痒いだろうな」

 

そんな嘆きのような話が

俺たちの耳には届いていた

 

そんな中,

俺と秀悟、吉川と三瀬はタクシーに乗っていた。

理由は

 

貴子「大変、テーピングとか切らしてるやつ買ってくるの忘れていたわ!歌菜ちゃん,春乃ちゃん,買ってきてもらえるかしら?」

 

吉川・三瀬「「はい!大丈夫です!」」

 

高島「それなら,一年生の選手を2人くらい同伴させましょう。できれば2人と交流のある野手と投手1人ずつくらいの方が,会話もしやすく選手たちにもいい勉強になるでしょうから」

 

三瀬「というわけなんだけど,頼んでもいいかな?有藤くん」

 

帝「あぁ、構わないよ。買い出しの手伝いね。」 

(これで秀吾きょどってたらウケるな)

なにげにゲスイ帝である 

 

 

吉川「というわけなんです。松木くん,手伝ってくれる?」

 

秀悟「あ、あぁ!任せとけ!」

(あぁ,なんで吉川と話すのだけこんな緊張すんだよ!)

 

こうして現在,一同はそこそこ広めの車に前後2人ずつで乗って,太田部長に運転をお願いしている。

 

吉川「それにしても,今日の試合はお互いすごい打ってて迫力満載ですごかったですね」

 

三瀬「そうだね。たしかに見応えある試合ではあったけど,私はなんというか、投手陣に不安を感じたかな?選手としては松木くんはどう思いました?」

 

秀悟「俺か?うーん。吉川とあんまし変わんないぞ?どんぱちやってるの見るのは好きだし。野球の試合としては乱打戦と呼ばれる中でもかなり面白い部類だと思う。」

 

三瀬「有藤くんは?」

 

帝「正直課題なんてのは俺らがいうことじゃないけど,三瀬の思った懸念事項は間違いないと思う。ただ,守備の面での連携とか打撃での途中の荒さとかも目立った試合な気がしたよ。何より打たれるどうこう以前に四球が多すぎる。あれじゃあピッチングにならん」

 

吉川「そんな多かったかな?」

そこまで気にしてなかったのか

吉川さんはいまいちピンと来ていないようだ

 

帝「2回のワンナウトからカーブを叩いて一つ,3回に先頭打者と6番打者にワンナウトからそれぞれ高めに真っすぐをふかして2つ5回,6回とツーアウトから連続で出してこれて計5個だ。これに川上先輩の投げた8回のワンナウトから追い込んでたのに外に決めるスライダー決められず出したやつと,最終回の先頭打者にぶつけた二つも足すと,合計7つ出したことになる。これじゃあ,継投策として機能しない。調子の良し悪しに関係なくそれなりのコントロールがないと見ていても守っていても苦しいよ」

 

吉川「よく覚えてるね。」

吉川はここまで明確に覚えている

帝の記憶力の高さに舌を巻いている。

 

帝「基本的に一度見た試合のデータとかは忘れないようにしてる。まぁ,それでも癖とか特徴とか見抜くためにビデオ見直すとかはよくあるけど」

 

三瀬「記憶力が良いってなんだか羨ましいな。有藤くん、勉強も割と得意でしょ?」

 

帝「苦労をしたことはないとだけいっておく」

 

三瀬「私は結構青道の入試の点数ギリギリだったんだよ」

入試何て入れれば一緒だ

正直点数は関係ない

あとは本人の努力次第だ

 

帝「普通に授業聞いて,多少の復習でもすれば三瀬は要領いいし大丈夫だよ」

 

そんな会話をしているうちにスポーツショップに到着して

先輩からいただいたというメニューを見ながら買い進めていく。

途中で一階と二階にそれぞれ分かれるということで

男女で分かれるのかと思いきや,俺と三瀬

秀悟と吉川さんという形になった。

 

三瀬「えぇっと,後はこれとこれ」

 

帝「それならそこにあるぞ」

 

三瀬「本当だ,ありがとう」

 

これと言って滞りなく進んでいくのだが,2人はソワソワしていた。なぜなら

 

帝「あの2人なんかやらかしてないよな?」

 

三瀬「考えないようにしてたのにー」

 

言わないでよとちょこっと怒られた。

頬を膨らませて怒っていますの顔をされたが

 

「可愛いだけなんだよなー」

 

三瀬「ふぇぇぇ///」

急にうろたえ真っ赤になる。

 

帝「,,,!?もしかして声に出てた?」

 

コクコク

 

死のうかと思った。

 

帝「えぇっと,その,ああっと,ごめんな?嫌だったよ、な?」

 

三瀬「アイス」

 

帝「へ?」

 

三瀬「今度学校の売店のアイス奢って!恥ずかしかったから」

 

帝「はぁー、びっくりした〜。てっきりすげー嫌われたのかと思ったよ。」

 

三瀬「流石にそんなことはないよそれに,,,」

 

帝「それに?」

 

三瀬「なんでもない」

(う~、うれしくて真っ赤になってたなんてとてもじゃないけど言えないよぉ)

 

帝「そっか」

 

それぞれが買い物を終え,金をもらって帝が買い物をしている間に先に外で松までもらっていたら、会計場所と待ち合わせの場所にはそれぞれ顔を真っ赤にした2人がいたのだが何かあったんだろうか?

そう思ったのでからに聞いてみると,,

 

秀悟side

 

秀悟「吉川〜,これで合ってるか買うもの」

 

春乃「うん、ありがとう。次はあっちのコーナーだから行こう」

 

少しサイズが大きいのか意図せず

萌え袖のような袖の長さになってしまっている制服の上着と

フンス!って感じの小動物感はなんとも可愛らしい

そう思いながらも表情や言葉に出さないように

注意する秀悟とそれに気づくほど余裕もなく

仕事に緊張している春乃。当然何事もないわけなく

 

春乃「キャッ!」

ガタッ!

ドサ!

ボフっ

 

秀悟「ふーー。あっぶなー。気をつけろよ吉川?マジで怪我するぞ!?」

 

かぁぁっと顔を赤くしてしまう春乃と,

それに気づいたのか遅れて赤くなる秀悟。

2人は今抱きしめ合う形のようになってしまっているのだ。

その後は2人ともどうにもぎこちなくなってしまい

なんだか2人とも顔を赤くしたままで店を出ることにってしまっていた。

 

秀悟side out〜

 

帝「ピュアな中学一年生かお前は」

あまりにあまりな話を聞いて

つい突っ込んでしまう。

 

秀悟「し、仕方ねーだろ!こっちだって初めてのことなんだからよ!」

 

帝「まぁな,俺もお前も別にモテるわけじゃないし」

 

秀悟「ふざけんな。お前目当てのファンが何人俺たちとの試合に来てたと思ってんだお前。あれでモテないとか馬鹿にしてんのか」

 

帝「事実彼女がいたことはないし,ろくに告られたこともないぞ」

 

秀悟(それはお前が近寄り難いだけだろう)

この男、普段話す分にはとても物腰柔らかで

親しみやすくとてもいい男なのだが

それ以上に近づけさせないという

何か壁のようなものを感じるのだ。

 

秀悟「まぁ,なんでもいいが鈍感も大概にしとけよ?」

 

帝「はぁ?」

 

そんな会話をしながら店を出ると

2人がナンパされていた

 

秀悟「こんな漫画のテンプレみたいなこと本当にあるの?」

帝「同感。びっくりだよ」

 

お互いにこんなにテンプレ通りの事件すぎて

怒りよりまず困惑していた。

 

 

ナンパ男1「ねぇねぇ,君たちその制服青道でしょ?俺もあそこのOBなんだよねー。ちょうどいいや、俺たちこの辺詳しいんだァ。俺たちと遊ぼうよ」

 

ナンパ男2「いいじゃん!すぐ終わるって」

 

三瀬「やめてください,私たち野球部で買い出しに来てるだけで時間ないんです」

 

春乃「だから、ごめんなさい!」

 

ナンパ男2「まぁまぁいいじゃん!」

ガシ!

 

三瀬「春乃ちゃん!」

 

春乃「ふぇ!?な、やめてください!」

 

秀悟「おい」 ゴゴゴゴゴ!

 

とてつもなくドス黒いオーラを感じる。

ドスの利いた声と鋭い眼光

キレている秀悟を見るのは帝ですら初である。

ゆえに少し驚いていた

 

帝(あいつがこういう感じの怒り方することあんだね。それにしても吉川は,なるほどなるほど。さっきの件も含めて本当に相思相愛「無自覚の恋」って感じだな)

 

春乃「松木くん!」

 

秀悟「悪りぃな,吉川に三瀬。遅れちまった。おい,ナンパ野郎。嫌がってる子にいつまでもいいよってんじゃねぇ,俺たちの大事なマネージャーに何すんだ。どっか行けよ!」

 

相棒が喰ってかかったので俺も便乗することにする。

 

帝「大体,今どきこの辺のこと教えてやるってどんな誘い文句だよ?そんなんでなぜ成功すると思ったの?アホなのか?無理して背伸びすんな。大人しく家帰って女の子にモテるための雑誌でも読んでろ。」

 

秀吾「まぁ何が言いたいかと」

 

帝「言わせてもらえばなぁ」

 

 

「「失せろ」」

 

2人から圧をかけられたナンパ男の二人組はあっさり帰った。

 

泣きそうな吉川に秀悟は

 

秀悟「吉川,ごめんな。俺たちが遅れたばっかりに怖い思いさせた。でももう大丈夫だ、俺たちと4人で青道に帰ろう?な?」

 

少しあやすような優しい声。

普段は優しいやつなのだ。松木秀悟という男は

 

春乃「うん。うん。松木くん,ありがとうね」

 

帝「三瀬も随分言い寄られてたけど大丈夫か?」

 

三瀬「うん、私はまぁしつこく絡まれたくらいで春乃ちゃんほどじゃないから」

 

帝「ならよかった。これからも2人は困ったら俺たちのこと頼りなよ。助けられることなら力になるから」

 

春乃「ありがとう,本当にありがとうね。怖かったよー!!」

秀吾が話すと

同期の少女である三瀬のもとに駆け寄っていった

若干不満げな秀吾である

 

 

帝(わっかりやすく惚れてんなぁ)

帝の今日の総括である

 

三瀬「よーしよし。大丈夫大丈夫。」

三瀬もあやすように吉川を抱きしめる

やはり姉妹っぽさがえぐいな。

 

それはそうと、ここで秀吾をあおることは忘れない。

 

帝「それにしても,かっこよかったじゃあないか秀悟くん。まさか君が女の子を守るために勇敢に男2人に1人で立ち向かうなんて思わなかったよ」

 

秀悟「帝が余計に挑発してなければもっと楽に終われたかも知んないのにな」

 

帝「あの手のバカは下手に出たら調子のる。だから軽く煽った後に格の違いを見せてやると三下らしくどっか行くんだ。簡単だろ?」

 

秀悟「流石日本選抜のエース。度胸が違う、ってかお前さては元ヤンか?」

 

帝「そんなことないよ」

実はあながち間違ってもいないんだけど

それについてはまた今度

 

秀吾「しかも結局お前に助けられちまったな。かっこつかないぜ」

そう卑下していた秀吾

しかし、否定は意外なところから

 

春乃「そんなことないよ!あの時松木くんが助けてくれて本当に心強かったし,かっこよかったよ!ありがとう」

 

にこやかに笑うその顔はとても美しくて

花がほころぶようなそれは見惚れてしまうほどだった。

言った後に話した内容に気が付いて真っ赤になった

その顔を見て秀吾もおずおずと話し始める。

 

秀悟「秀悟」

 

春乃「?」

 

秀悟「だから、吉川も三瀬もこれから俺のこと秀悟って呼んでくれってこと!」

 

春乃「それなら,私のことも春乃って呼んで!秀悟くん!」

 

三瀬「それなら私も歌菜って呼んで?その方がいいよ。片方が苗字なんてなんかよそよそしくて嫌だし」

 

帝「なら、俺も混ぜてよ。今日のこの4人でまた仲良くやろうってことで,これからはみんな名前でいこう!」

 

「「「「おーー!」」」」

 

春乃「秀悟くん!改めて今日は助けてくれてありがとうね!とってもかっこよかったよ!えへへ///」

 

ボン!

秀悟「 ///こちらこそだ。春乃が無事でよかった」

 

帝「ねぇねぇ,すげー甘ったるいはずなのにこいつらだとなんもいらっとしないのなんなんだと思う?」

 

歌菜「どう考えても微笑ましい絵にしかならないからだね。」

 

帝「歌菜は冷静に物事を見れてるみたいだし、実際それは大事なんだと思うけど,さっきから震えてる手。隠せてないよ?,,,秀悟ほどバカ真面目に守ってやる!なんてかっこいいことは言えないけど,まぁそんな風にみんなの前で押し殺さないといけないことがあるなら,俺や春乃や秀悟の前で吐き出しな。辛かったりするから俺に寄りかかってくれればいいよ」

 

歌菜「うん。ありがとうね,帝くん///」

(帝くん。か、か、かっこいい〜。励まされちゃった。なんだかすごい嬉しい!!なんだろう!春乃ちゃんにあんなこと言ってからかってたけどこんなんじゃ人のこと言えないよー)

 

春乃「ねぇ,秀悟くん。歌菜ちゃんと帝くんって」

 

秀悟「あぁ,だが帝の方は全く気づいてないくさいな。なぜあそこまで鈍感でいられるのか謎だが。」

 

春乃「私たちで精一杯サポートしてあげようね!」

 

秀悟「だな!」

 

双方が双方のことをサポートしようという微妙にすれ違っている気がしながらも,この一件を通してこの4人は仲を深めたのだった。

 

ちなみに,買うものは大体あっていたのだが

テーピングの種類を絶妙に間違えたとからはさすが春乃だと,のちに俺たちから笑い話にされたことはまた別の話。




はい!というわけであんだけ野球のことあんなでないとか言っといて
しっかり出てきましたね
今回は基本的にお互いのペアが
互いのペアの持つ気持ちに気が付く
これが非常に必要なんです
こっからどうくっつけていくはまだ決まってませんg
とりあえず全部ハッピーエンドで終わらせます
見る分には胸糞もバッドエンドも好きだけど
基本はハッピーエンド大好きっこです!!
それではまた次回
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