《原本》がある世界で抗い続けろ!―原本が猿の始まり―   作:ぐぐぐああ

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上位層と中位層ではレベルが違う。中位層ともなると原本がより体に浸透して魔術の才能が開花する人も多いのだが、上位層では魔術は当たり前で固有の魔術を開発したり補助魔術を発展させたりと―――ただ、魔術を使うことはしない。
 下位層はどうか………比べるのもおこがましくなってくる。
 迷宮に入ったことの無い人でも外に魔物はいて、中位層と同じ実力の人がいるのに対して、魔術を扱えなかったり戦闘センスが無かったりなどなど。
 見ていないだけで格差が溢れている。




 ザンゲは今冒険者ギルドで審査をしている。何か事を起こしたのか?そうではない。冒険者の指標や報酬の上乗せの出来る‘‘ランク等級’’を上げるためだ。

 階層によってプロとか言ってはいたが、あくまで実力の話でありランク等級はパーティ内での貢献度や名声などによって変わってくる。

 

「賞金首を討ち取ったといっても、まだ初心者の私が上がっていいものなんでしょうか?」

「まぁ、鉄級、銅級、銀級、金級、金剛級、魔法銀《ミスリル》級、真鍮《オリハルコン》級とかあるし、大丈夫、大丈夫。銀級になったら実力も審査のうちに入るしさ」

 

 ザンゲは軽い気持ちで受付嬢に審査表を渡す。これに経歴が載っており、認められると昇級するのだ。目立ちたくない人もいるらしいので、審査表を渡す形になっている。

 実際の所は審査表が渡された時点で昇級をしようと思えばできるよ、といった意味合いの方が強い。

 

「それでは、向かいの方の試験場で試験官が待っておりますので、そちらで試験を行ってください」

 

 冒険者ギルドと繋がっている訓練場の隣にある試験場に入る。

 

「あれ?実力が審査に入るのって銀級って言ってませんでしたか?」

「まぁ、審査だけど数日間に渡ってするし、試験官によってやり方が全然違うらしいよ。ゴリゴリの戦闘をしようっていう試験官がいるなか、金を払うレベルの魔術を研修みたいな感じで教えてくれる試験官もいる」

 

 魔術の印が映っているローブを身に纏った魔術士。顔は美形で白髪の黄金色の瞳。しかも、ローブからでも分かるような形であり、モデル体型と言えるだろう。ちなみに猛者が98という情報を垂れ流したようだ。結末は分かりきっているが………

 

「あの人は厳しいタイプ?というか、誰か分かる?」

「あの人はクレーン。二つ名は『荒れ地の魔女』で、ゴリゴリ戦闘ってタイプじゃないね。ランクだと金級だけど、まぁ、金剛級の上位に入るくらいの実力じゃないかな」

 

「貴方達、聞こえてるわよ」

「げっ」

 

 小声で話していたはずだが、流石は金級だ。魔術士だがそこらの人よりかは迷宮に順応をして五感も異常に発達してるのだ。

 空間を削り取ったように一瞬でクレーンが飛んできた。

 

「私だって35歳は過ぎてるんだし、ちょっとは敬ってほしいものね。それじゃあ、研修を始めるわよ」

(研修って言っちゃってるじゃん………)

 

 最初にやらされたのは、魔力を動かす運動の仕方だ。ジョジョ立ちのようなポーズからただただ辛いポーズをさせられたりとかなりキツイが、胸や腹を張っているポーズが多いためザンゲはそこに注意するようにした。視界が歪み始めて体がフワッとしてくるし、熱くなってくる。

 

「あっついキツイ」

「えっ、そうですか?私は涼しいくらいなんですが」

 

 どうやら、シンリーは昼の日照りが当たっているというのに涼しいようだ。もしかしたら、これで魔術の適正属性が分かるのかも?という考えが出てきた。

 

「おや?シンリーちゃんは魔術の才能があるようね。逆にザンゲくんは才能が無いようね。無理に魔力を動かすと体が熱くなってきちゃうのよ。ただ、そういうのがすぐに分かったらしいから、感知能力に感しては高そうね」

 

 才能が無いとは思っていたが、魔術にも才能が必要なようだ。




 クレーンから言い渡されたことは、毎日朝昼晩にこの運動をすること、迷宮に入るのは一階層までですぐに帰りそこではこの運動はしてはいけないこと、クレーンと毎日軽い試合をすることだった。
 特に二番目の迷宮でのこの運動は魔力の扱いに長けていなければ、迷宮からぐんぐん吸い取られる。すぐに体験をさせられたこたとで分かった。
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