《原本》がある世界で抗い続けろ!―原本が猿の始まり―   作:ぐぐぐああ

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懴悔とは、前世ではあまり良い言葉では無かった気がする。ただ、転生したときの村では、良い言葉だったのに意味が思い出せない。何故か村のことを忘れようとしている。それは薄情だからか?違う。辛くて苦しくて、忘れたいのだ―――。


良い言葉

 一緒のパーティになりたいとは言っても、迷宮から帰ってきて今は夜なので、当然いない。出来れば朝には顔合わせはした状態にしたかったが、無理なようだ。

 

「その人は、明日のいつぐらいに会えそうですか?」

「明日の六時にはいるそうですよ」

「そうなんですか、それは聞けてよかった。それでは、さよなら」

 

 魔石によって作られた街灯の光が辺りを照らしている。その中でザンゲが奴隷商のところまで帰っていく。この世界は案外科学が進んでいないという訳でも無いようだ。魔法による要素もかなり混じっているようだが………。

 

「只今、帰りました。こちらが報酬です」

「うむ」

 

 奴隷商に向かってお辞儀をした後、膝をついて迷宮で得た対価を見せる。ただ、奴隷商は報酬を取りはしない。冒険者ギルドの仲介人の人が一部渡しているからだ。

 

「今日の冒険はどうだったか?」

 

 だが、毎日何をしたのかを武勇伝のように語らなくてはならないのが非常に面倒くさい。それが終わった後は藁と布が敷かれたベットで寝る。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 予定通りに六時に冒険者ギルドへ到着した。そして、こじんまりとした待合室に入る。たが、意外と中は広く壁で仕切りながら、複数のメンバー交渉が行えるようになっていた。

 

「お〜い!こちらです!」

 

 ザンゲを見るやいなやそう言って手を振ってきた少女の年は、ザンゲと同じくらいの14歳程度であった。ただのもの好きかと思えば、皮装備ではあるがしっかりと着込んでいる。

 待合室でソファが使われているらしくそこに座った。

 

「ザンゲです。奴隷ですね」

「アナスタ・シンリーと申します!」

「えぇと、なんで僕とパーティを組みたいと思っ、たんですか?正直、ん、奴隷と、さらには‘‘原本『猿』’’を持ってる奴とパーティになろうと?まぁ、誘ってる方なんですが……」

 

 ザンゲは面接をしようとしたのだろう。ただ、言葉を考えていなかったせいか途切れたり、複数回同じことを話した。

 だが、シンリーは、ザンゲの言葉を待っていたかのようにニヤリと笑い、言った。

 

「私も原本が特殊なんです。私のは人間が最初ではなく、『助っ人』ですね。同じ特殊な人がいたら嬉しいなということです」

「まさか、原本が特殊な人が他にもいたなんて、それじゃあ、巻末に使命って書いてあります?」

 

 使命、巻末に載っているものの全て?で書かれている。

 シンリーが原本を取り出してパラパラとめくる。

 

「残念ながらそれは無いですね」

「そうですか。神様も酷いですねぇ。『助っ人』とか『猿』とか弄くっちゃって」

「まぁ、私は満足ですよ?私って、目立たないしさ。脇役みたいなものですし、これだけで十分です」

 

 (もしかして、自意識の違いだったりするのかもしれない。僕は転生者で人間の進化前は猿だと思っている。そして、シンリーは自分を脇役だと思っていた。他に少ないのは人間の中でも下になろうとしているからだろう)

 

「もしかして、自意識の違いかも」

 

 と、ザンゲは呟いた。

 

「え?それじゃあ、あなたは自分のことを猿だと思ってるってことですか?」

「まぁ、そうだね(転生者だから)」

「あはは、面白いこと言いますね!だって、人間っていうのは神から作られた崇高な生き物なんですよ!」

 

 クスクスとシンリーは笑い続けていた。だが、ザンゲは特有の飛びすぎている考察を考えていた。

 

(進化論の紀元前にも考えはあったはずなんだけどな。まぁ、進化論を唱える人がいても、人間が神の名に関した力を得られるのだから見向きもされないはずだ。ただ、興味が湧いた。奴隷の原本を持っている人もいるかもしれないということに―――)

 

「そういえば、話逸れてましたね」

 

 ザンゲはシンリーさんの言葉を聞いて、意識、体の向きをシンリーの方へ合わせた。

 

「内容についてですが、『お使い』をしますが大丈夫でしょうか」

「あれ?お使いってなんですか?」

「あぁ、俗に言う依頼《クエスト》ってやつです。冒険者になると冒険証をもらって門番の持ってる認証魔道具に置くんですけど、実際は見せなくても大丈夫なんですよね」

 

 名前や到達階層1-10と書かれている冒険証を見せながら、話を進めた。ちなみに1-10の10はどのぐらいの大きさまで探索したかを表しており、1は一体の魔物を一人か複数人で戦える大きさ、2は複数体の魔物が出てきて同時に冒険者は戦える二十、三十メートルくらいの大きさであり、そこからかなり増えていく。

 

「じゃあ、冒険証の意味は?」

「まず、そこらの質屋より高く買い取ってもらえるんです。認証魔道具でいつ入ったか記録していて、冒険者ギルドの換金所で買い取ってもらえるようになるんです。お使いについてですが、傭兵とさらに区別化しようと自由にした結果ですね。空欄の部分にお使いの内容が載っていて間違えないようにもなっています」

「ほぉ、認証魔道具かぁ」

 

 (もしかして、頭脳タイプか?研究タイプか?僕もろうそくを自動で消せるようにする発明とかしたからなぁ〜。いつ才能開花するか注意深くみよう)

 

「それじゃあ、まぁ、報酬のことについて決めましょっか!」

 

 結果としては、4《シンリー》:6《ザンゲ》になった。理由は、先輩だから授業料もかねてだそうだ。もっと欲しいと思う欲深き猿なのだった。




 さっそく、どんな能力かを迷宮かで試すことになった。倒す目標はシャドウ。ゴブリンの次に弱い魔物だ。暗殺向きな能力に対して暗殺をしなかったりと相性が悪いものに特化していた奴だった。

「どんな能力だっけ?シンリー」
「あ、先に使っておきましょう」

 と、急に言ったかと思えば、原本を取り出した。

「な、何するの?」
「この原本は毎回取り出す必要があるんです」
「そこも一緒ですね」
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