《原本》がある世界で抗い続けろ!―原本が猿の始まり―   作:ぐぐぐああ

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 ザンゲは鍛えていた。最初、異世界転生をして困惑していたが、自らが知る全ての筋トレ方法を試した。だが、足りない。圧倒的に足りない。体格が、圧倒的に。ひ弱な村では、食料が足りずに体が完成されていない。
 彼はそれを補うためにも鍛錬を重ねた。彼が生き残れたのは、その積み重ねがあったからである。おそらく、鍛えていなければ、一回目か二回目で死んでいただろう。
 そのため、彼が気になったのはフロムのいる盃道場の鍛錬方法である。


闘技場②

『それでは、舞台《フィールド》を選んでください』

 

 この闘技場は、大変賑わっていて好きな舞台に変えることが出来る金さえある。しかも、その選ぶ方法がまさに異世界であり、目の前にあるのは宙に浮いている画面だ。

 

「とりあえず、パルクールのしやすいであろう森か岩を選んだが、いかんせん相手の情報が無さすぎる」

 

 出来た舞台は出場者が入るまでは観客も分からない。しかも、決まった場所は無いのでかなり運要素が強い。相手が平原を選んでいれば、中途半端な高さの木になったりもするだろう。

 

「気合を入れるぞ」

 

 初心に返り、打ち合うことを楽しもう―――ザンゲの頭の中にはその考えしか無かった。

 闘技場の舞台に入ると、突然空間が歪みだし木や岩に覆われた場所になった。どうやら、相手はザンゲと同じ選択をしたようだ。

 次に魔道具を首に取り付けた。この魔道具は一発で死ぬ攻撃を防いだり、切り離された腕も戦闘が終わった後に治してくれたりと凄まじい性能だが魔物の汚染された魔力空間(迷宮)だと使えない。

 

『出場するのは、我流のレンカ・ザンゲ!そして、もう一人は盃道場のフロム・シュティンガーだ〜!』

 

 盃道場についての話がほんの少し聞こえてきた。

 

「何だ?盃道場って?」

「馬鹿!知らないのかよ。伝統の剣術を五百年も受け継いでいるところだぞ。修行法も一般とは解離してるとかって、噂だ」

「おいおい―――」

 

 五百年、とても長い時間だろう。ウィンという人がどうしてあんな剣術を身に着けたのかが分かった。

 

『それでは、開始です!』

 

 いきなりではあるが、焦らずに木に登る。岩もありではあるけど、開けていて格好の的だ。

 パルクールかよく分からなくないが木の上にいながらも周囲を警戒していた。

 

 そうしていると、わずかに光った。

 とっさに避けられたが、跡を見てみると焼けたように見えていてこんなことが出来るのは―――

 

「魔術だけだ」

 

 油断していた。なぜ、剣術のみで勝負してくると思ったのだろうか。位置がバレているようなので、音がなってしまう木から降りて隠密行動にシフトする。

 

 偶然かはたまた罠なのかフロムを見つける。

 

「いいだろう。遠距離攻撃は無いしな」

 

 ザンゲはフロムから見える位置から堂々と迫っていく。

 

「ふぅ〜ん、来ちゃうんだ。せっかく、罠の魔術を仕掛けてたのに」

 

 フロムがそう言うと、地面がかすかに光り、そこから複数の魔術が飛び出していく。さっきの一撃よりも確実に弱いが急所を狙われたら一発だろう。

 ザンゲはその攻撃を難なく避けて、剣の攻撃をしかけた。




 フロムにあったのは、退屈だった。盃道場でも圧倒的なスピードで才覚を見せていったし、魔術の才能もある。この闘技場に来たのはただ退屈をしのげる雑魚狩りをするためだ。
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