《原本》がある世界で抗い続けろ!―原本が猿の始まり―   作:ぐぐぐああ

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「恐れを知って戦い続けろ。相手の1秒を奪い取れ」

 それが教えだった。村に道場があった訳じゃない。ただ、故郷に帰ってきた冒険者に素振りや考えは教えてもらった。
 本番を教わる前に死んでしまった。

「舞い続けろ。途切れさせるな」


闘技場③

 ザンゲとフロムによる剣戟。それは決して純粋な戦いではなかった。魔術による弾幕と一発一発が重い剣技で戦うフロムとアクロバットな体術と隙を見せようとしない剣術のザンゲ。お互い一歩も譲らない。

 

「おいおい、意外とやるじゃないか。あの奴隷の小僧」

「いやぁ、あの動きはやべぇな。中途半端な剣術をどうせ怪我は治るからって、やけになって戦ってやがるぜ」

 

 ◇

 

 まずい。本当にまずい。―――今、ザンゲは非常に焦っていた。それは想像以上に体への負担が大きいからだ。もともと、未熟な体に栄養不足での無理、身体能力が互角になれば魔物にも技術で勝てると技術に自信を持っていたが、それはただ思っていただけなんだと自覚してしまった。

 

「【剣技】雷光」

 

 一瞬、膝を曲げて力を溜めたのかと思えば、脇腹辺りを切られていた。

 

「行動自体はかすかに見えていたので避けたと思ったが深々と脇役がやられた。光ったように見えたのは魔術だろうか」

「正解。電気を決まった動きで使って上手い動けた時のを使ってるんだよね。それに剣が当たったのも魔術だよ」

「けど、凄いな。【剣技】を使えるなんて」

「剣技は魔術を使えない奴が特定の動きによって魔術と同等の力になるっていう扱いだから、エセだけどね」

 

 脇腹を押さえながらも少ししゃがんだ様子を見せる。

 ―――そして、魔術によって盛り上がった土をフロムへ向かってかけた。

 

「話してくれてありがと!」

 

 全力で振るった剣が止められる。フロムの顔は少し赤くなっており怒っているのが分かった。

 

「意外と卑怯な真似するね」

「そりゃ、才能も師匠もいないもんでね」

 

 ◇

 

「ふむ、フロムが苦戦しているようだな。意外だな。あんな奴に苦戦するなんて、苦手の場所にすると言ったがそこまで実力が落ちているようではないしな」

 

 ウィンが面白そうにしながら試合を見ていた。

 

「おらっ、いけいけぇっ」

「あんの盃道場のガキをぶっ飛ばしてやれ!」

「フロムぅ、てめぇに金賭けてんだぁ!やっちまえ!」

 

 かなり観客も賑わってきているようだ。耳を済ませて聞けば応援しているのは半々くらいで別れているな。

 

 ◇

 

「はぁっ、はぁ……は、はぁ」

 

 ザンゲはかなり息を切らしていた。後もう少しで倒れてしまいそうだが、まだ続ける。

 

「まだ、続ける?」

「はぁ、続けるさ!楽しいからな!」

 

 剣を滑らせ防がれると、途中で相手の剣ね傷で引っ掛かる。

 

「くそが!研いできたってのに」

 

 次の瞬間には左腕が魔術により飛んでいった。灼ける痛みがザンゲを襲う。

 

「ア‘‘ァ’’ああぁああぁあ!」

 

 だが、痛みに耐え忍んで闘い続ける。踏み込みを意識して足技をしていなかったが、取り入れていく。相手が動く途中で足を踏んだりと容赦なく戦っていく。

 それはこの世界で慣れるためだ。ここでは、即死はせず痛みを感じていられる。経験を得るためのチャンスなのだ。絶対に逃すはずはない。




「あ、どうでしたか?試合。私は負けちゃいました」
「僕も僕も。はぁぁ、もう疲れたし帰ろっか」
「はい、そうですね」

 そう言って二人は各々の家に帰るのだった。

 ◇

「フロム、一位おめでとう。そして、お疲れさん」
「ウィンも一位じゃないか」
「はは、そうだな。で、どうだった?感想は」
「まぁ、あのザンゲって奴より強いのも当然いたけど、あいつとの闘いは楽しかった」

 二人は盃道場へと帰るのだった。
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