《原本》がある世界で抗い続けろ!―原本が猿の始まり― 作:ぐぐぐああ
それに人並みにあると思っていた能力も無いし、魔術も使えない。才能がない。その事実に僕は立ち止まって見ているだけだった。
迷宮の二階層達すると、ここはまだ途中であるはずなのに妙な達成感があった。一階層の洞窟型とは違って、二階層は平地型でありほんの少しだけ草が生えているだけだ。
「二階層に来ましたね」
シンリーが二階層に来てから初めて言葉を発した。
「そうだね」
それからは、ただただ平凡な会話だった。剣の状態はどうかとか、どこか迷宮に入って酔う事はないかとか―――。
「あらあら、こんにちは。二人はパーティですかねぇ。我々、黒雨教団に入りませんか?」
突如として、ある老人が訪ねてきた。
「黒雨教団ってヤバい組織じゃありませんでしたっけ?」
シンリーは小声で聞いてきた。黒雨教団とは、今主流である不滅の果実という教団と敵対している宗教であり、様々な実験を行ってると噂される者達のことだ。
老人に聞かれるとまずいので、ザンゲが小声で答えた。
「流石に人体実験は偏見すぎるけど、行動縛られるのいやだし行っちゃおう」
ザンゲが声を大きく、聞こえやすいようにして言った。
「行動を制限されるのは、性に合わないので、それでは」
老人は僕達が通っていくと手を振って、終始ニコニコと笑っていた。気色が悪い。
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スライムが現れた!
「スライムは矢と相性が悪いから僕だけでやるよ」
スライムが複数の触手を生み出して、襲いかかってくる。
スライムは小さなアメーバの集まりのような魔物であり、切ってもすぐに再生をするので、剣の腹で叩きながら散らしていく。
「首狩り兎が出ました」
首狩り兎は、初心者狩りの代名詞でそれが名前として定着しており名の通り首を狩る。そして、兎が食べるために持っていた物はもちろん頭だ。首ではない。首狩り兎が脳を啜りながら、ぴょんぴょん跳ねてくる。
「くそっ、クロスボウを構えておいてくれ。刺激は与えないようにしておいて」
「了解です」
スライム退治もかなり大変で、流動体の体を駆使して剣での攻撃を避けきっている。スライムは単調だが、逃がすと群体になって襲ってくるので倒さなくてはいけない。
首狩り兎の食事が終わったのか頭を捨て、脚を力を溜める。
「スライム飛ぶのっ!?」
スライムが触手を上手く扱って飛んだ―――。叩き込むためにも剣を構える。一気に頭を狙いに行ったのだろう。だが、頭を狙うのは一人じゃなかった。
「頭を下げて!」
シンリーのその言葉に従うと、スライムが首狩り兎により再起不能にされていた。一瞬、助けたのかと思ったが、攻撃をしてきたので避けた。
「喰らえっ」
クロスボウを撃ち込むも首狩り兎はピンピンしており、次の瞬間、シンリーは腹を蹴られて吹っ飛ばされていた。ザンゲもさっきよりも速い動きで腹を蹴られ、意識を飛ばした。
「あぁ、神よ。導きください」
「迷える子羊をお救いください」
「神に仇なす者には死を」
敬虔たる信徒達が神に向かって祈る、誓う、守護する。
迷宮を拠点として勢力を維持している宗教に気絶した二人が運ばれていった。