何かを運ぶ傭兵稼業   作:大金剛

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たくさんの感想、ありがとうございます。
あと、誤字報告も(気を付けてるはずなのにと震えてます)

今回、どこで区切るか分からないまま、すごく長くなった気がしますが……

話の長さは見える幻覚次第なので、長くなったり短くなったりと一定しないと思いますが、お許しください。


第9話

 

オールマインドの傭兵支援システムって、本当に色んなものがあってさ。

 

ACの管理するシステム上で仮でパーツを取り換えたり、装備を変更したりできる機能があるんだけどさ。

あれ、すごい便利なのね。

 

ACのコクピットに乗って仮データを読み込ませると、仮想空間でテスト操作ができるんだよ。

それが、ちょっと動かしてみるとかじゃなくて、戦闘もできちゃうんだよ。

 

AI操作の敵とか出せて、それと戦えるの。

ヘリとMTをセットで出して、戦い心地を確かめられますよ的な。

 

4脚MTとACも一体ずつ出して、それとタイマンもできたりする。

仮想空間だから遮蔽物とかないし、いつもの戦い方ができなくて結構ボコボコにされたりするんだけど……頑張れば勝てたりもするから、最近は練習相手によく使ってたりする。

 

あれだ、不本意ながらメーテルリンクに……もう忘れてくれてないかな?って思ってるけど、ちょこっとだけ、ほんのちょこっとだけ恨まれてたりするしさ?

RaDとコヨーテスの揉め事に巻き込まれたりとかもあったし、少しは腕を上げないとヤバいかもって危機感がね?

 

ああ、オールマインドはこういう仮想戦闘の参考にするために、あのログハント・プログラムとかやってるのかな。

 

そう考えるとなんか納得感が出てきたし、お世話になりまくってるから、1回くらいは挑戦してみた方がいいのかなって思えてきた。

もし、出くわした場合には時と場所とタイミングとか諸々を熟慮の上、前向きに善処してみようと思う所存くらいにはなってきた。

 

 

 

 

一応、自分にも若干ながら傭兵同士の交流っていうのがありまして。

 

前にアレだ、コンテナ持ってついてきてくれない?っていうメール送ってきたアレですね。

 

アレ以外は?って聞かれるとうん、まあその、いやちゃんと居ますけどね?

一杯居る、居ますけどね!

 

ええと、ええと、メーテルリンクと戦うハメになった時に一緒に穴掘ってたベイラムのMT乗ってる兵士の人とかね、たまにメールやり取りするし。

 

あの区域は今、中々にアツい戦闘地区になっちゃったからさ……

アーキバスと結構な頻度で戦闘が起きてて、休暇取るどころじゃないって愚痴ってたよ。

助っ人に来ない?って誘われたけど、今は前よりは全然減ったものの、それでも時々、メーテルリンクが居るらしいので絶対に行きません。

 

宗教上の理由で参加できないが、別の区域に転戦したら是非、教えてくれって返事しておいた。

 

それかメーテルリンクが撃墜されたら考えてもいい。

あ、そんなことになったら別のヴェスパー部隊が来そうだし、やっぱり今の無しで。

 

 

ていうか、これベイラムの兵士で傭兵じゃないわ。

……ええと他は……メールアドレスでソートしてみよ。

 

 

一番多いのオールマインドだわ。

 

 

そりゃそーだ、傭兵の仕事するのに細かい色んなことを頼んだり、ACのパーツに武器に弾の手配にメンテにとか、やり取りが少ないわけないし。

 

自分はオペレーターとか雇える身分じゃないから、全部一人でやってるんだし、そりゃあオールマインドに頼りまくるしかないわ。

他は解放戦線とかRaDとか……あれ?

 

もしかして自分、傭兵の知り合いって少ない……?

 

 

 

 

ちょっと自分の交友関係に危機感を覚えたので、普段はやらない系の仕事を受けてみることにした。

 

依頼人はこの惑星、ルビコンに密航する時の輸送船で、隣に乗ってた傭兵だ。

惑星封鎖機構の衛星砲で近くの同じ密航船がブチ抜かれるのを見て、一緒に震え上がった仲で、無事着いたことを喜んでアドレス交換したのが付き合いの始まり。

 

あっちはあっちで生き残ってるらしくて、ちょくちょく、メールのやりとりしてたんだけど。

 

最近はアーキバス側で頑張ってて、アーレア海の近くでベイラムと戦闘するのに参加……って、あの区域、本当に揉めてるんだなあって分かる話なんだけど。

 

それで、その前の仕事から継続してアーキバス側の傭兵として参加してたそうで。

結構頑張ってたんだけども、ちょっと頑張り過ぎてACに割とキツいダメージ受けたんだって。

 

修理のために一旦、戦線から離脱したものの、どうせ戻るならACのパーツか装備かを良い奴に買い替えてから戻りたいって。

 

それで、アーキバスからの別の仕事をやるから一緒に来てくれっていうのが前置き

 

話が長いって思うかもしれないけど、アイツが通信で喋ってた話はもっと長かったよ。

本当かよっていうような武勇伝とかさ。

 

 

一緒来てくれって言われた仕事は、ベリウス南部のグリッド135を占領しつつあるベイラムの部隊の行動阻害と戦力の削減。

要するに、グリッド135を完全に占領されるのを邪魔したいから、間引きしろって仕事だな。

 

ベイラム側の部隊の主な戦力は系列企業の1つ、大豊の提供で構成されたMTとか。

潰したMT、その他の数に加えて、グリッド135のマップデータの提出の量で報酬が増える、らしい。

 

仕上げは自分達でやるから下拵えとか露払いは傭兵にさせて、間引きと一緒にマッピングやデータ収集もついでにやらせようって所かな?

アーキバスの得意そうなやり方だな。

 

ちょっとオールマインドの仕事斡旋ページ見てみると、同じような内容の仕事が掲示されてた。

一定の成果が出るか、他の戦線の手が空くまでは傭兵にやらせておこうって意図が見える感じだわ。

 

 

一人ならやらない仕事だけど、傭兵の付き合いも大事にした方がいいのでは?というのが頭によぎったので、今回は一緒に行く。

ヤバくなったらアイツを置いて自分だけでも逃げようと思いつつ。

 

 

 

 

指定された時間は夜明け前なので、前日から時間調整して出発。

段々大きくなっていくグリッド135のシルエットに向かって飛んでいく。

毎回思うけど、どこのグリッドも本当にデカい。

 

グリッド135のちょっと手前の森の中に着地、メールに書かれてた座標に行くと、先にアイツのACが待ってた。

全部シュナイダー製品で逆脚、レーザーライフルとマシンガン……あれ?

 

 

『おせーぞ、めっちゃ待ってたんだが?』

「言われた時間通りに来てるのに文句言わないで欲しいなあ。

 あのさ、1個聞きたいんだけどさ。」

『何だよ、取り分なら6:4から動かす気はねえぞ。』

「それは良いよ、代わりに戦闘データコピーとか時間があれば潰したのの部品引っこ抜かせてもらうって話だし。」

『じゃあ何だってんだよ。』

 

 

いや、これはまず突っ込ませて貰う。

 

 

「いや、絶対分かってるだろ?

 何で頭がBASHOなの?薄暗いからよく見えなくて、一瞬、頭が無いのかと思ったよ。」

『うっせーうっせー!

 機体が壊れたって言っただろうが!

 

 オールマインドに修理頼んだら、取り寄せに時間かかるって言われたんだよ!

 しょうがねえから適当な業者に一番安いのって頼んだらコレしかねーって言われてよ!

 解放戦線のヤツから引っこ抜いた中古品でも、無いよりマシだろうが!』

「ごめん、他がカッコいい細い系のシュナイダー製なのに、頭だけまな板くっついててマジで面白い。

 

 写真撮って傭兵コミュにアップしていい?

 名前は伏せとくからさ、多分、ウケると思うんだ。」

『ぶっ殺すぞテメエ!?』

 

 

だってすごい面白いんだもの。

まな板じゃなかった、頭のBASHOだけ色が違ってるのは中古だからか。

 

あの頭、もしかすると自分がどっかで拾って業者に流したヤツなのかもしれないなあ。

 

 

「COM、写真撮っといてくれ。」

《はい、撮影しました。》

『聞こえてんぞコラァアアア!?』

「ごめんごめん、傭兵コミュにはアップしないから勘弁してくれって。」

 

 

オールマインドとかRaDの連中とか見せるかもしれないけど。

 

 

 

一通り騒いだので、そろそろ仕事に取り掛かる。

 

ベイラムが占領しつつあるって言っても、超巨大、超高層構造物のグリッドを完全に掌握するなんてことは不可能なわけでして。

大きな通路や搬入に使えそうな大型ゲート、エレベーター、垂直カタパルトとかを確保して封鎖したり、外周区画を見回りしたりが精一杯。

 

それでもアーキバスや解放戦線の部隊を警戒、相手にして追い返すには十分機能する。

なんだかんだで、こういうのって主要なところを押さえれば、集団相手でも守る側が有利だったりするし。

 

 

じゃあ自分たちはどうするかっていうと。

外周部に取り付いて、見回りを避けながら少しずつ登っていく。

 

見回りもさ、これもグリッドの大きさが仇になって回る間隔も長いから。

その合間を通る形にして、ブースタ吹かすの最小限にしたACなら、飛んで登っても見つかり辛いものらしい。

この辺は先行して飛んだり、見回りが居たら合図して待つように指示してくるアイツの受け売りだけど。

 

アイツは傭兵になる前は泥棒やってたらしくて、こういうの得意なんだと。

それも企業とかの倉庫に集団で盗みに入る犯罪者集団の一員だったんだって。本当かは知らないけど。

 

でも、夜間戦闘が得意だったり、こういうノウハウ持ってたりする辺り、何かしらの経験者なんだろうなっていうのは本当だろうなあ。

 

 

『よし、この辺だ。

 そろそろ中に入るぞ、そこのゲート開けるから周り見張ってろ。

 スキャンはまだするなよ、感度上げて音だけ細かく拾え。』

「だってさ、COM。」

《はい、音響センサーの精度を最大で再設定しました。》

 

 

こっちが指示通りに準備したのが聞こえたのか、アイツのACが壁にあった小さいゲートに取り付く。

小さいって言っても、ACがギリギリでも通れるサイズだけどな。

 

 

「どのくらいで開くんだ?」

『2-3分くらいだ、5分は掛からねえ。

 

 グリッド自体は古い建物だからな、システムだってそうだ。

 このゲートの制御盤さえ直接握っちまえば、システムのコントロール騙して開いてないことにするのだってできる。』

「本当に泥棒みたいなスキル持ってるなあ……」

『うるせえ、もう足を洗ったつっただろ。』

 

 

言ってる間に作業が終わったのか、ガコンって音を立ててゲートがゆっくり上がっていく。

 

 

「おー、凄い凄い。」

『ざっとこんなもんよ。

 おい、早く入れ。入ったらゲートは閉める。

 帰りは別口だ、飛んで逃げるだけだしな。』

 

 

先に入ったアイツのACに続いて、ゲートに入る。

背中のミサイルがぶつからないか心配だったけど、大丈夫みたいだ。

 

また、ガコンって音がしてゲートが閉まっていく……完全に閉まり切ると、途端に暗くなるな。

壁や天井のマーカーみたいな薄い光しか光源がない。

 

 

『この2つか3つ下の階層だかを、最近、別の傭兵が攻めたからな。

 ベイラムのヤツらはそこの後始末だの、それより更に下の階層の警戒だの、してるだろうさ。』

「後は、適当な区画に出てMT部隊を見つけたら、奇襲して潰していくと。」

『そうそう、上手くやって急げば、ベイラムが慌ててる間に区画の2-3くれーはいけるかもしれねえ。

 そうすりゃ仕事は大成功ってわけよ。

 

 アーキバスからの報酬もたっぷりさ。』

「おっけーおっけー……スキャンも始めるぞ、地形や検知したものはリンクで共有するから、そっちでも見てくれ。」

 

 

 

カシャンカシャン、ガッションガッション、2機のACが狭い通路を進んでいく。

 

何だか分からない太いパイプとかを乗り越えて、時々、広くなったスペースの様子を伺いつつ、奥へと進む。

途中で時々、アイツのACが止まると壁のパネルをこじ開けてデータ吸いだしてるから、何をしてるか聞いたら「周辺のマップデータ回収してた」ってさ。

 

 

『マップデータによると、この扉の先はかなりデカい区画になってる。

 ヘリだって飛ばせそうな広さだな。』

 

 

先行してるアイツのACがまた、扉の脇のパネルに取り付いてハッキングしてる。

すぐにガコって音がして、扉がゆっくりスライドする。

 

 

『よしよし、居るぜ居るぜ。

 ベイラムのMT部隊だ、2-3機ごとで分散配置……見えてるだけで3つ、居てももう1つってトコロか。』

「じゃあ近いのはこっち担当かな?」

『そうだな、一番遠い方はこっちがすっ飛んで行って仕留めてやる。

 間のは挟んで始末だ。』

「了解、じゃあ今の間にロックするぞ。」

 

 

こっちも、広くなった……ほんとだだっ広い区画の配置を確認する。

高い位置にある扉から出て、出っ張った台みたいなところから見てるせいか、ベイラムの部隊は気づいてないな。

 

どう動くか考えてる間に、背中の4連ミサイルが近い方のMT部隊を纏めてマルチロックして、準備が完了した。

 

 

「こっちは何時でも撃てるぞ。」

『よーしよし、それじゃあ行くぜ。3……2……1……行くぞぉぉ!』

 

 

合図に合わせて背中の4連ミサイルを発射。

シュパって音を立てて飛んでいくミサイルに合わせて、横に居たアイツのACがアサルトブーストで突っ込んでいく。

 

当たり前だけど、近い方のMT部隊にミサイルが着弾する方が早い。

 

直撃したMTが爆発音を響かせながら横倒しになるのを見ながら、こっちも飛び降りて、まだ動きそうなMTに右手のバーストライフルを撃ち込む。

どこから撃たれたのか分かってないのか動きが鈍いし、最近は撃つ機会が増えたこともあってか、流石に外すことはない。

 

 

『なんだ、あっちが爆発したぞ!?』

『違う敵襲!ACだ、ドコから出てきた!?』

『応戦しろ!増援も要せ―――』

 

 

真ん中と遠い方に居たMT部隊が騒ぎ出した。

流石に、爆発音と光でこっちに気付いたらしいが、いきなり出てきた自分のACを見て驚いてるのか焦ってるのか、多分、両方かな。

 

増援要請しようとしてたのは遠い方のMT部隊らしいが、言ってる途中で上からアイツが撃ったレーザーライフルで1機爆発して。

残りも急降下しながらマシンガンで蜂の巣にされてれてるから、通信どころじゃなくなってるな。

 

 

『もう1機ACが居るぞ!?』

『貴様ら、何処の所属で―――』

 

 

いや、答えるわけないだろ。

部隊の前後で立て続けに戦闘が起きて混乱する気持ちは分かるけど。

そんな風に喚いてるうちに、既にこっちは動いてるわけで。

 

近付きながらMTを1機ロックして、ミサイルを撃ち込みながらバーストライフルをちょっと離れたMTに撃つ。

それよりちょっと遅れて残りの1機が銃を構えてたが、こっちを見てる間にアイツのACが後ろからレーザーライフルで撃ち抜いた。

 

 

『よーし他は居ねえな、完璧だ。

 こっからは外に向かいながら、ベイラムの部隊を潰していくぞ。

 なーに、完全に潰さなくても損害を出せばいいんだ、走りながら駆け抜けようぜ。』

「予定通りってわけだな。

 外へのルートってどうするんだ?」

 

 

ここに居たMT部隊は完全に潰したが、後は適当で良いらしい。

どうせ、グリッド135の中を全滅させるなんて無理なんだし、ベイラム側に出せるだけ被害を出せばそれでいいのかな。

 

アイツがACがマシンガンで潰したMTの傍に立ってるのは、データを吸いだしてるんだろうからブースタ吹かして近付いて行く。

 

 

『よーしよし、この辺りのマップデータ取れたぜ。これで外周部まで迷うことはねえ。

 部隊の配置や巡回ルートの一部もあるから、通る時に狙っていこうぜ。』

 

 

楽しそうな声と一緒にデータが共有されてきたから、スクリーンに出して確認する。

確かに、これがあれば道に迷って行き止まりでしたってのは無いか、良し。

 

 

「早く行こうぜ。

 ここの部隊からの連絡が途絶えて、ベイラム側も動いてるかもしれないし。」

『先導は任せな……それじゃ行くぜ!』

 

 

アイツのACがスクリーンの端に表示させたマップの矢印方向に向かって急発進していくのに合わせ、こちらもブースタ吹かせて追いかける。

 

普通にあっちの方が速いはずだけど、置いていかないように加減してくれてるんだろう。

大きな通路や開きっぱなしの大型ゲートを2機のACが走り抜けていく。

 

 

『そろそろMT部隊が居るかもだ!』

「分かってるよ、適当に撃つから!」

 

 

さっきよりは狭いが、広い区画に飛び出すとある意味、予定通りにMT部隊が見えた。

打ち合わせ通り、当たるかどうかは分からないが、一応狙ってMTにバーストライフルを撃っていく。

 

撃たれたMT部隊が何か騒いでるが、もう聞いてる余裕はない。

と、アイツのACが区画抜ける直前に、ぐるっと振り向いて適当にミサイルを撃ったから、こちらも真似しておく。

 

爆発音と怒声だか悲鳴だかが上がる頃には、自分たちは急いで先に進んでる。

撃ったミサイルが当たったかは分からないが、どっちでもいいから気にしない。

 

 

 

 

そんなことを2回くらい繰り返したら、流石に連絡が回ったんだろう。

ベイラム側に対応され始めたので、2人ともアサルトブースト全開で逃げることに全力を注ぐ。

 

 

『もう外周部に出るからな、今更騒いでも遅いってんだよーー!』

 

 

アイツはなんか元気に喚いてるが、こっちは割と必死だったりする。

 

こんなの初めてだからな!

壁やら何やらにぶつからないようにするのに一生懸命だよ!

というか時々、手足とか、特に肩とか掠ってる!危ない、危ないこれ!

 

 

『よーし、外だ!あばよベイラムのクソどもがよおーーー!!』

 

 

一際大きなゲートを抜けたら外周部に出て、もう明るくなり始めてた外が見えた。

 

先に空に飛び出したアイツがわざわざ、広域通信で煽りを入れてる。

バカかな?うん、バカだったわ。

 

 

《ログハント・プログラム対象を検知しました。》

《MT-J-048 BAWS製 ベイラム所属 4脚MTです。》

《スクリーンにマーカーを表示します。》

 

 

はい?

こっちが外周部に飛び出した瞬間、COMのメッセージにめちゃくちゃビックリする。

 

外周部から飛び出す動きはそのままだが、目線だけは表示されたマーカーの方へ行ってしまった。

確かに、ちょっと離れた場所に4脚MTが居て、その上に前にRaDの本拠地の中で見たような表示がある。

 

なるほど、じゃあ。

 

 

「またの機会にーーーー!!」

 

 

当たり前だが、自分は更にブースタを吹かせて、アサルトブースト全力で空へ飛び出した。

この局面で戦う選択肢が取れるようなら、運び屋なんてやってないのである。

 

先に脱出したアイツのACを追いかけるように、グリッド135から離脱していく。

 

 

 

 

脱出先のポイントまで飛んで、着地するとアイツのACが待っていた。

 

 

『お疲れさーん、良い感じに終わったんじゃねえの。

 ベイラムに損害を出して、グリッドの情報やマップデータも取った、こりゃー良い値段になるぜ。』

「こっちは疲労困憊だよ、もう、あんな脱出やりたくない。

 そのデータこっちにもくれよ、あと、そっちのACの戦闘ログもな。」

『分かってるって、報酬はアーキバスから出たら振り込んどくからよ。』

「それでいいよ、じゃあドックに帰るから。」

 

 

COMが諸々のデータを受け取ったことを確認して、軽くACの腕を振って挨拶しておく。

 

 

『おう、またイイ話があったら声かけるからよ。』

「次はもうちょっと楽なのがいいなあ……荷物運びとか。」

『そんなもんやってんのはお前だけだよ、バーカ。』

 

 

最後に余計なことを言いながら、アイツのACが飛んでいった。

 

バカとはなんだ、バカとは。

まぁまぁ需要あるみたいなんだぞ、まぁまぁ金にもなるし。

 

もう頼まれてもアイツの荷物は運んでやらねーからな。

 

 

 

 

ドックに帰ったら、RaDとかに売る用のデータストレージに今回の戦闘ログとかを入れておく。

ついでにオールマインドも要るかな?と思って、オンラインストレージにも入れておく。

 

って、すぐに連絡が来た。

オールマインドはレスポンスが早いな。

 

あ、閉所での高速移動やACの連携についてのデータとして買い取ってくれるのね。

ありがとう、ありがとう。

 

 

『独立傭兵 tr-227 Transporter。

 戦闘ログにログハント・プログラムの対象があることを確認しましたが?』

「え?!

 あ、えーとー……も、もう離脱する直前だったし!あの状況でUターンとかは無理だったから……!」

 

 

一生懸命、説明したらオールマインドは理解してくれたみたいだった。

良かった……ほんとに良かった。

 

 

 

 

――――――――――――

――――――――

――――

 

 

 

 

 

 





今回出てきた知り合い傭兵の名前や機体構成とかは、一応考えてはあります。
また出てくる機会があれば記載したいと思います。

ちょっと用事がありますので、明日、明後日は更新できないかもしれません。
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